随想「心・身・息一如」

目  次

001.速効、肩の3点セット紹介              2001-12-27
002.姿勢論「人体は五重の塔」              2001-12-29
003.直立2足歩行は人間の原点              2002- 1- 4
004.今年の年賀状の1通を紹介します           2002- 1- 5
005.呼吸法と詩吟の関係                 2002- 1-16
006.「姿勢の原則」はカラダに馴染ませる         2002- 1-17
007.不眠症のEさんへ、陽性過多です           2002- 1-20
008.電磁波のせいではないでしょうか?          2002- 1-25
009.カラダが悲鳴をあげていますよ            2002- 1-26
010.股関節障害のGさん                 2002- 2- 3
011.頭を冷やしてくれたお手紙の紹介           2002- 2-10
012.階段を踏み外して膝にひびが入った後遺症?      2002- 2-18
013.右肩・右腰の違和感                 2002- 2-19
014.肩の三点セット 一週間続けました          2002- 2-22
015.風邪を引きやすい方・陰性体質の方に         2002- 2-26
016.頭部は「臀頭(でんとう)」の舵取り役        2002- 3- 2
017.重症の五十肩、マッチポンプですよ          2002- 3-13
018.「臀頭」は楽にできる美容健康法           2002- 3-15
019.のどのコリの原因は?                2002- 3-18
020.ギックリ腰を自分で直すには             2002- 3-26
021.見えない枠がコリを作る               2002- 4- 8
022.                          ----------
023.深い呼吸が出来たときギックリ腰は消えていた     2002- 4-16
024.効果が倍増する、新「肩の3点セット」        2002- 5- 7
025.小笠原流礼法で首が伸びる!!!!          2002- 5-11
026.首は何故曲がるのか?                2002- 5-20
027.身体のバランス調整は毎日やってください       2002- 5-26
028.背を高くするには?                 2002- 5-30
029.ココロが先でしょうか?カラダが先でしょうか?    2002- 6- 3
030.正しい歩き方というのは?              2002- 6- 8
031.お天気のいい日は盲腸が増える?           2002- 6-10
032.ギックリ腰の効用                  2002- 6-15
033.呼吸ってすごいなあ                 2002- 6-22
034.「じゃかじゃか呼吸をして流す」のやり方を教えて   2002- 6-28
035.やれば出来る。しつづけるのが躾です         2002- 7- 5
036.手・・・ 触れているだけでバランスは回復する    2002- 7-12
037.膝が痛いときは?? その1             2002- 7-19
038.膝が痛いときは?? その2             2002- 7-26
039.膝が痛いときは?? その3             2002- 8- 2
040.膝が痛いときは?? その4             2002- 8- 9
041.凄い!「重心の原則」と「一直線歩き」の併用     2002- 8-16
042.凄い!「重心の原則」と「一直線歩き」の併用2    2002- 8-18
043.左右対称性は、生命の規準・ヒトの原点である     2002- 8-23
044.一人バンザイ検査」のすすめ             2002- 8-30
045.膝が痛いときは?? その5             2002- 9- 8
046.爪押し健康法・・・呼吸を加味すると         2002- 9-14
047.「垂直の原則」1(呼吸が入りやすい姿勢)      2002- 9-20
048.「垂直の原則」2(垂直の原則は応用が利く)     2002- 9-28
049.疲れをためて蕁麻疹                 2002-10- 5
050.じわああぁ〜っ、と体を伸ばす            2002-10-11
051.「垂直の原則」3 吸気の秘密            2002-10-16
052.「垂直の原則」4 奥には奥がある          2002-10-18
053.「垂直の原則」5 せっかちな人はいつも緊急モード  2002-10-25
054.緊張と我慢が続くと固い腰になる           2002-10-28
055.「人を見て法を説け」                2002-11-01
056.指をニュートラルに伸ばすと!! 〜マウスの使い方  2002-11-07
057.肩の3点セットは90%以上に人に有効である     2002-11-10
058.コリがあるということは               2002-11-16
059.手術後の心身不調は間接的後遺症           2002-11-23
060.呼吸法を忘れずに毎日やってください         2002-11-28
061.鳩を見よ!! 鳩は姿勢の名人            2002-12-02
062.忍者の印形は効きまっせ!!             2002-12-06
063.取ってはいけないコリもあります!          2002-12-10
064.両手の左右差がないのに肩や背中に痛みがある?    2002-12-14
065.人はゆらぎの中に立つ                2002-12-17
066.お尻の触りかた                   2002-12-20
067.外反母趾が直るかも・・・              2003-01-03
068.手術後の間接的後遺症にさようなら          2003-01-07
069.中庸調和がベストです                2003-01-09
070.中庸調和にもランクがある              2003-01-11
071.吐かないは儚(はかな)い              2003-01-12
072.先が思いやられますよ                2003-01-17
073.時々ではダメですよ!!               2003-01-21
074.ミネラルバランスが崩れると人生が崩れる       2003-02-01
075.寒さに強くなる                   2003-02-06
076.睡眠時間が足りない?                2003-02-08
077.「箸の上げ下ろし」                 2003-02-15
078.O脚の原因は?                   2003-02-20
079.歩き方で巻き爪が直るかも?             2003-03-01
080.ゆらしで深層筋が甦る                2003-03-07
081.からだの問題?こころの問題?脳の問題?       2003-03-10
082.やらないことそれが問題だ              2003-03-16
083.仮説「バランスが整うとエネルギーの流れも調節される」2003-04-01
084.2月頃から歪みが出始める−季節の影響        2003-04-06
085.猫背の分け方                    2003-04-12
086.いい姿勢というのは                 2003-04-19
087.いい姿勢の極め手                  2003-04-20
088.5年ぶりの風邪                   2003-04-24
089.ゆがみはNOのシグナルである            2003-05-01
090.鼻くその話から−カラダを暖めるとよくない?     2003-05-03
091.一杯の水に救われるかも?              2003-05-07
092.ヒトはみな曲芸師である               2003-05-10
093.足のアーチ(土踏まず)は歩く中で形成される     2003-05-15
094.歩き方を変えるとO脚が直る、外反母趾も直るかも   2003-05-23
095.寝てるだけで歪みが取れる・免疫力が強くなる     2003-06-05
096.チン説「正座考」                  2003-06-15
097.体調は、やっている量に比例する           2003-06-19
098.アスピリンでガンが治る?アルツハイマーも?     2003-06-20
099.北枕の秘密                     2003-07-05
100.女性達よ、ハイヒールは履くなかれ          2003-07-12
101.身体の規矩                     2003-07-19
102.ストレスというのは、ゆがみ・ひずみのことである   2003-07-21
103.お尻の筋肉が落ちると大変ですよ           2003-07-25
104.「臀頭」ってすごいですね!             2003-08-03
105.立禅は立つ姿勢を固めるに最も適した行法です     2003-08-16
106.「直線平行歩き」で、張り・痛みが出るときは?    2003-08-23
107.日々の積み重ねが大事です              2003-08-28
108.鎌倉の大仏様の印に感激!!!            2003-09-06
109.気になる−女性の足元                2003-09-12
110.波動・色彩・姿勢                  2003-09-20
111.頭部の位置が健康を左右する?            2003-10-03
112.頭部が真っ直ぐになる・・・スクワット        2003-10-11
113.アキレス腱が縮んでいませんか?           2003-10-16
114.これってもしかして浮き身?!!           2003-10-22
115.100円でコリが消せる?              2003-11-01
116.「片足」の方がうまくなる?             2003-11-10
117.直感は確認できる!?                2003-11-20
118.階段で息切れするのは?               2003-12-02
119.「呼吸」には「こつ」という意味がある        2003-12-09
120.対症療法には限界がある               2003-12-16
121.1日6分で運動不足は解消できる           2003-12-23
122.鎖骨は水平になる(1)                2004-01-03
123.鎖骨は水平になる(2)                2004-01-10
124.鎖骨は水平になる(3)                2004-01-14
125.鎖骨は水平になる(4)                2004-01-20
126.ベッカムの鼻                    2004-02-01
127.ゴジラの耳                     2004-02-10
128.寝ているだけで固いカラダがやわらかくなる      2004-02-20
129.生活の中で筋力を養おう               2004-03-02
130.腕の組み方                     2004-03-16
131.バンザイ検査を活用してください           2004-03-26
132.鼻曲がり・ヘソ曲がり・ケツ曲がり          2004-04-02
133.ハイヒールを止めたら子宮筋腫にならないかも?    2004-04-10
134.ハイヒールよ、さようなら              2004-04-16
135.足のアーチはヒトの偉大なる発明である        2004-04-20
136.毎日少し宛おやりください              2004-04-23
137.腰の正しい位置というのは?             2004-05-02
138.左右対称性を失う程にカラダは不具合・不調になる   2004-05-10
139.カラダはねじれてくる                2004-05-15
140.膝をゆるめる                    2004-05-24
141.〇〇〇〇さま 背中がえらく丸くなっていますよ!   2004-06-02
142.ツボにはまる                    2004-06-10
143.あなたも脳梗塞になるかも???           2004-06-17
144.伝統食の食事相談をやりたいのですが・・・      2004-07-02
145.正しい食べ物とは?                 2004-07-10
146.長岡式酵素玄米はご存知ですか?           2004-07-15
147.おすすめの本「食民地」               2004-07-20
148.赤ちゃんの主食は母乳、ヒトの主食は穀類です     2004-07-22
149.タマタマとムスコは左側に置け            2004-08-02
150.胸が拡がる                     2004-08-10
151.皮膚病になったら                  2004-08-20
152.左右バランスを調えるカンタンな法          2004-08-25
153.右手が挙がりません!!               2004-09-10
154.首がこっています                  2004-09-17
155.首のコリ対策                    2004-09-25
156.首コリ対策2                    2004-10-05
157.安心できる手・ホッとする手             2004-10-15
158.膝が緊張していませんか?              2004-10-23
159.指を廻そう                     2004-11-02
160.引き手と押し手                   2004-11-10
161.やり過ぎないでください               2004-11-25
162.「踵ゆらし」の効果を証明付でお伝えします      2004-12-04
163.右足首に違和感が出た                2004-12-13
164.呼吸が変わると心も体も変わる            2004-12-20
165.膝をゆるめる(2)                 2005-01-05
166.「爪先ゆらし」がよく効いた             2005-01-25
167.「踵ゆらし」のニューバージョンが出来た       2005-01-29
168.腰は呼吸器官である                 2005-02-03
169.呼吸を深くする姿勢がある              2005-02-13
170.合掌両手ゆらしで胸椎5番の曲がりが取れる!     2005-02-17
171.膝の痛みが続いています               2005-03-18
172.座位脚ゆらし誕生                  2005-03-20
173.心・身・息の関係には2通りの方向性がある      2005-03-27
174.首のコリは鼻にあり?                2005-04-17
175.踵で後歩き                     2005-05-21



001 速効、肩の3点セット紹介   2001-12-27

プロのマッサージ師であるAさんがひさしぶりに見えた。
彼は右肘を痛めたことがあり右肩・右肘が固い。仰向けに寝て両手を伸ばし床へ下ろすと、右手が下りにくく左手と10センチくらいの差がある。私が右肩をこわしたときと同じくらいである。ちなみに「自分の身体の歪みを知る」の中段の右の写真のモデルは筆者である。左側は筆者の実弟である。一昨年の12月、結核と間違えられて隔離病棟にぶち込まれ誤診とわかって帰された昨年2月の写真である。非定型好酸菌症とか診断され今も薬を飲んでいる。これだけ歪んだら呼吸器官も免疫機能も能力が低下しばい菌もさぞ住み易くなることだろう。歪みが大きいほど痛みやこりがひどくなるし内蔵も悪くなりやすい筈である。しかしこれは個人差が大きい。

Aさんは10センチもの左右差がありながら特に痛みもなくマッサージ師としての仕事をこなしているのである。美容師のBさんの身体は男性にもかかわらず実に柔らかい。
検査をしても左右差は大きくない。両手の長さを見ても1センチくらい、床までの距離を比較しても左の肘が僅かに高い程度である。
こりも柔らかい人のこりは、身体の固い人のこりに較べると段違いに柔らかいこりなのである。それでも左の首から肩・肩胛骨の慢性のこりに悩んでいる。
施術をすればとりあえずは楽になるが職業病みたいなものという。
自分で姿勢や歩き方・呼吸等を研究して身につける以外に方法はないだろう。
いろいろアドバイスするもやっていない。

さてAさんである。肩の3点セットと名付けたワークをやってもらう。
この肩の3点セットは最近開発した効果抜群と自画自賛しているものである。
大抵の肩の障害には効く。3回くらいやってもらうと両手の左右差が半分くらいにはなった。時間にして2分は掛かっていない。即効性を誇っていいのであるが、左右差が無くならないことに不満が残る。本人は楽になったという。
続けてあと3回もやれば左右の手が揃ったかもしれない。ここで手のストレッチを試みる。まず頭の上の方に右手を呼吸に合わせて軽く引っ張る。ついで左手を引っ張る。
それから逆方向つまり足の方に呼吸を反対にして引っ張る。そして検査である。
そしたら見事に左右差が消えている。
今まで手のストレッチは2〜3回やった程度であるがこれで自信がついた。
重症というか極端に固い方はこの方が合っているようである。

肩の3点セット(仰臥位)

1.ブラブラ体操
肘を直角に曲げて肘から先の部分は床と平行にして手をブラブラゆらす。
2.キラキラ星
手を床に対して45度くらいの方向に肘も指も伸ばし内回り外回り交互に回す。
幼稚園児のお星様キラキラあれを思いだして下さい。
3.合掌両手ゆらし(お金の掛からない健康法7)
両手を合掌し顔の前で上下にゆらす。

この肩の3点セットはいずれもアーと声を出しながらやります。
黙ってやっていると息を止めてやる人が出るからです。それと声のバイブレーションも大切です。
カラダをほぐす作用がある。このワークは長くやる必要はありません。
3点で30秒くらい、これを3回くらいやればいいのです。これで8割くらいの人が変わる筈である。手・腕・肩・背中が楽になる。寝違い・五十肩等にこれはよく効きますよ。

2ヶ月くらい前の話である。左首が痛いと治療に見えたBさん、身体を見ると右肩胛骨が後ろに出っ張り随分とねじれている。左肘に重いカバンをいつもぶら下げているという。施術するも若干両手の左右差が残った。そこでこの肩の3点セットをやってもらった。そしたらスーッと両手が下りて左右差が無くなったのである。
しかし本人はまだ痛いと不満顔である。片手に重い荷物を持つのはよくない、分けて持つか、背下に背負って小出しにして持った方がいいですよ、それからこの法はよく効くんだから家に帰ってからもやって下さいといって帰した。
よく日、心配だったので電話すると楽になりましたと明るい声が返ってきて安心した次第。カラダの固い人はカラダが変わっても痛みが消えるのに時間が掛かるのである。
感覚がにぶくなっているからだと解釈している。
敏感の人はカラダが変わると痛みやこりがすぐ消える。
大抵は歩かせるかカラダを曲げたりしないと痛みが消えたことに気付かない。

10月に参加されたCさん、膝が痛くなって大好きなテニスが出来なくなったという。ワークを一通りやると両手が揃い、股関節の左右差もほぼ消えた。
そこで30畳くらいの部屋を1周してもらった。普段の歩き方に戻すと股関節も肩関節も歪みが戻ることを見てもらいたくてやったのであるが戻らなかった。実験は失敗である。カラダの固い人は変わりにくい、しかし一担変わると戻りにくいということを学んだ。
Cさんはズッーとテニスをやってきたのでカラダが固かったのである。

終わって感想を聞くとよくわからないがまた参加します、ということだったがその後見えていない。あれほど変わったのに!と私は残念でならない。
カラダの歪みが取れると、こり・痛み等のいろんな障害が消えていくことが一般に理解されていないのである。ストレッチ・ウオーキング・ダンベル体操等の健康のための運動法がぎょうさんあるがシンメトリー(左右対称性)を考慮したものがない。
やればやるほど歪みが増大するものがほとんどである。
もちろん人間には復元力があるからそこそこには健康でいられる。
しかし身体の左右対称性・バランスというものは、全ての運動・スポーツ・体操において常識として存在すべきものである。


002 姿勢論 人体は五重の塔   2001-12-29(土)

私は土曜日というと、朝8時半に家を出て光が丘に行きエラスタルトの練習に参加している。エラスタルトについてくわしくはホームページをご覧下さい。
ボディワーク掲示板右側のエラスタルトをクリックすれば見ることが出来ます。
今日は後藤先生・私を含めて4名の参加者である。他の方は来ない。年末の押し迫った29日のせいか?それとも蚊弟子なのか?(蚊弟子・・・寒くなると引っ込み、暖かくなると出てくるのを蚊弟子というそうな)

先生は仕事で先に帰られDさんとEさんと「臀頭」について話し合う。
「臀頭はことばで伝えにくい。お尻と頭部を対立させるといってもわかりにくい。
頭部が上からぶら下がっている状態と説明してきたが、違うように思う。」とDさん。
私もこの表現には違和感がある。上にぶら下がっている状態は一方向でありそこには対立拮抗はない。似て非なるものだ。片や積極であり片や消極・受け身と見る。
この表現だと反対がでるかもしれない。「行雲流水」あるいは「水は方円の器に従う」がめざす境地とみればそうなる。「水十訓」もある。この境地に到達するのも難しい。
単なる精神面だけの比喩的表現では無いはずだ。

よくカラダがゆるんでなければならないといわれる。自然な状態がいいのだという。
カラダを固めている人が圧倒的に多い現代であるからこの表現も必要なのかもかもしれない。でもこの表現は片面だけの表現である。「臀頭」が出来てこそ他の部分がリラックスするのである。(お金の掛からぬ健康法の楽に出来るいい姿勢を参照)「臀頭」が確立されるに連れ他の条件が満たされてくる。中心が出来て前後・左右のバランスが取れてくる。調和がそこで生まれる。「臀頭」なくしてリラックスを語る無かれである。
「気に入らぬ風もあろうに柳かな」中村天風先生がよく引用された句である。
しっかりした幹があればこそ枝や葉は風に身を任せていられるのである。
頭を背骨の延長線上にちょっと伸ばしその逆方向にお尻を突きだす。
突き出すといっても後ろ斜め下方向になろうか?この程度の表現にしか出来ない。
「断崖絶壁から下を見下ろすように」「頭とお尻を拮抗対立させる」これはエラスタルト後藤先生のことばである。そして同じ表現、全く同じ表現を小笠原流礼法の先生もされる。

以下はふにゃこん通信に書いた筆者の人体五重の塔論の転載である。我ながらよくまとまっていると今、得意になって喋っている。

<ふたたびセンターリング>

私は天風会の落ちこぼれですが大きな影響を受けております。
天風先生の説かれた心身統一法の根底に感応性能(Suggestibilitat)という考えがある。感応性能は感じ受け取る働きとそれに伴う思考・判断・行動・感情等の反応を総合したものとされる。度胸なら人に絶対に負けないと誇っていたのに病気になりからっきしの意気地なしになってしまった。そのご自身の体験から人間の心の強さ・弱さは、感応性能が積極的であるか、消極的であるかで決まると説かれた。
そして感応性能を活用して心身統一法をつくられ次の三つを柱とした。
天風先生の本は沢山出ているし興味のある方はお読みいただきたい。

観念要素の更改法(潜在意識のクリーニング法)
積極観念養成法
神経反射の調整法(天風式クンバハカ法)

前号においてセンターリングについて、それは天と地を結び自分の中に中心軸を確立することと書いた。中心軸が出来るということは生命の規準を獲得するということである。
そして中心軸の確立こそ感応性能を十分に発揮させるのだ考えるに至った。中心軸があるからこそブレがわかる。芯がが少しでもずれたらその分、判断・行動もずれることになる。心身統一もより精妙なものなるに違いない。エラスタルトはその練習の場である。
小笠原流礼法の練り歩きは中心軸をつくるための法である。
800年も前に既に確立されている。身体を歪める原因を身体から見て、大きくは下肢起因説、上肢起因説、頸椎起因説がある。他にも骨盤起因説、噛み合わせ起因説もある。
しかし「姿勢の原則」「重心の原則」により中心軸を保っている限りそれらは最小限のものになるだろう。(「姿勢の原則」「重心の原則」についてはお金の掛からぬ健康法参照下さい)

人は長い時間を掛けて二本足で立ち歩くことを獲得した。四本足のほうが安定しているし速く走れるのに何で重力に反対方向に立ち上がったのだろうか?
これは筆者の長い間の疑問であり興味のあるテーマであった。
以下のように推論することでスッキリと満足している。
人は二本足で立っている限り常に揺れ動く。中心軸の存在に気がついていないか、あるいはおろそかにしているが故に足が地に着かず、浮き足立つたりまたは足元がおぼつかないことになる。その中で中心軸をどこまでも追い求める、それが人間の宿命なのである。
これに気が付いたとき始めて足が地に着き、足元を固め、新境地に足を踏み入れた事になる。中心軸の確立されている人にたいして足元にも及ばないというのである。
これこそあらゆる身体活動の基本中の基本である。毎日毎日実行し身につける以外にない。エラスタルトの後藤先生が名言を吐かれた。「臀頭は生活の中の柱である」と。


003 直立2足歩行は人間の原点   2002-1-4

親父は刀剣収集が趣味で、刀の目利きも相当なもので研ぎも自分でやっていた。
子供の頃、刀掛けの日本刀を抜いてみたことがある。10センチ位抜いたところで怖くなり戻した。怖さとともに日本刀の持つ美しさの記憶が今も鮮明にある。
「折れず、曲がらず、よく切れる、」これは日本刀の特徴をよく言い表している。
お互い矛盾仕合っている三条件を見事に解決し最高のものに仕上げている。
日本人の叡知の積み重ねの結果である。殺人の道具が美術品となるのも蓋し当然といえる。剣の極意として殺人剣が活人刀へと変身していくに似ている。

人体は日本刀になぞらえば「支えて、曲がって、よく動く」のがいい。
五重の塔、三重の塔が日本に500以上あり二塔を除いて地震や台風で倒れたことがないという。現代建築が地震で沢山倒壊しているのに、五重の塔は阪神大震災、関東大震災でも一つも倒れていないのである。
五重の塔はお椀を五つ重ね真ん中に心柱を通しただけの構造であり、お椀同士は単に積み重ねただけで固定されていない。心柱は真ん中にあるが地に固定されず中には浮いているのもある。同じような建物は中国にもあるがこの心柱はない。
心柱は他の部分と共同して塔の直立を維持し、ヤジロベイの中心となり周囲の屋根や壁をまとめる。屋根や壁部も心柱もお互いに支えあっている。
これも日本人の叡知が地震や台風に耐える柔構造の木造建築を造り上げたのである。



人体はこれに似ている。骨格と筋肉の関係である。背骨は人体の心柱である。
五重の塔の心柱は三本の檜をつないで固定してある。背骨は32からなる。
五重の塔との違いはつなぎの部分は固定されず骨と骨はクッションを介してつながっている。故にしなやかさを持つ。しかし気を抜けば重力に負け,もう一つ大きな違いは心柱に対し周囲の屋根・壁の部分はほぼ全体に対称であるが人体は筋・骨格のみが左右対称であり前後は非対称である。中心が、ずれるほどに負荷が大きくなる。
中心軸が確立されるほどにしなやかさは増す。立つ力と重力とのバランスが肝要となる。大事なことは背骨を真っ直ぐにすることである。そこでヤジロベイの原理が働く。
左右、前後のバランスが調えば疲れにくいカラダになる。人体が完璧に機能する。

人は直立二足歩行を選んだ。直立して二足歩行は人のみである。人としての原点である。言葉の獲得、脳の発達、道具の使用等みな直立二足歩行を選んだ結果から生まれたのである。食物が豊富で身の危険に晒されることの少なかった樹上の生活から草原での生活を余儀なくされ、外敵に対して体を大きく見せ脅すためであるとの説がある。
また虎やライオン等の猛獣を早く発見して危険から逃れる為であるという説もある。
危険から逃れるためもあるが、地上にあって食料確保のため歩き回らねばならない。
五キロもある頭を持って人は一番負担を軽くする直立二足歩行することを選ばざるを得なかったと推理する。ライオンだって全力疾走は短い、一瞬である。
牛や馬だって人ほどに走り続けられない。四つ足の動物の首は太くなければ頭を支えられない。牛や馬の首を見るがいい。実に太い。
お猿さんの首は他の四つ足動物に較べれば首は細い。
ヒトは食べ物を求めて草原での生活は直立二足歩行でなければ重い頭を支えて疲労困憊し、生きていけなかったことであろう。

世界遺産となったタンザニアのセレンゲテイ国立公園はマサイ族のことばで「果てしなく拡がる草原」を意味するのだいう。ヒトか猿かわからない頭骸骨が発見されてはてどっちのものかとなったとき、判定基準の一つか頭骸骨と背骨をつなぐ穴の位置である。
真ん中にあるのがヒト、後ろよりにあるのが猿である。飛脚や人力車の車夫は一日中走り回るのを商売とした。それも直立二足歩行であるが故に可能だったのである。
42qも走り続けるマラソンを作り出したのも人間である。
因みに競馬での最長距離は確か4100メートル、それも年に一回のみである。

気功にスワイショウがある。前後に手を振るのや腕を体に巻き付ける動きである。
この二つの動きを含み更に高度・複雑にしたものにエラスタルトの腕振がある。
非対称の循環運動でありながら左右対称の身体を造っていくのである。
見事なものという他はない。従来の体操・スポーツ・武術等にはこの左右対称に身体を造る動きにお目に掛かったことがない。右の人体骨格図を見て欲しい。
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「臀頭」人体にとってヤジロベイの原理がいかに重要かが見えてくるではないか。
五重の塔の強靱さ(靱は柔らかさ強さを併せ持つ意)は塔の心柱を中心とした木組みにある。人体にとって心柱に相当するのが「臀頭」である。「臀頭」は姿勢の根幹である。
姿勢、姿の勢いと書く。心柱とだぶって来る。
その人の生きる姿勢が「臀頭」に表現されるのでる。
しっかりとした人生を歩んでいる人はいちいち姿勢を気にしなくとも「臀頭」は決まっている。

さて左の写真はエラスタルトの原型(エラスタルトの基本姿勢)をとった小生である。
偉そうなことをいっておるのに大したことはないあるいはうーんなかなかのものだ見られるか、どちらであろうか?姿勢の原則「臀頭」を教えていただいてから1年と8ヶ月後の姿である。自分自身では頸椎7番あたりの曲がり、それと腰の反りが気になっている。
でも背中の曲がりは少なくなってきているし、やっただけのことはあると思っている。
真剣に取り組み始めた2月頃、大胸筋が痛くなったことがる。この痛みはしばらく続いた。そして見る人が見るとわかるらしく、胸の部分に力味があると3人のひとに指摘された。腰のそりは今までも何人ものひとに反りすぎといわれている。
これは腰部がもっと柔らかくならないと無理だろう。
真面目にサラリーマン30年も40年もやっていると大概こうなってくる。
ほっぺたの硬さ・背中の固さは取れてきている。腰もその内にと思っている。



有名なピサの斜塔である。年々傾き続け後何年かで完全に倒壊するといわれていた。
危険で立入禁止になっていたが昨年暮れ32億円掛けて保守工事が完了した。
400年は大丈夫の由である。人間も同じである。引力の法則が働く。
一旦歪みが出来ると通常の場合、歪みは年々大きくなってくる。
そして腰痛や膝痛・肩こり・内臓不振等につながる。


元日は実業団対抗駅伝そして2日3日と箱根大学対抗駅伝である。さすがに姿勢がいい。背中が丸い選手は見あたらない。脚部は見事である。しかし時間と共にくずれてくる。
頭が左右にゆれが大きくなる。好成績で走り続ける選手は「臀頭」がしっかりしている。
なかなかくずれない。それから着地である。見ているとほぼ一直線上に左右の足が平行に下りている。右足が外側に開いている選手はかなりいた。これはやはり地球の自転の関係からであろう。「姿勢の原則」「重心の原則」がきちんと身につくならば疲れにくく、いい成績がでることは当然なのである。

そこでランニングの本を調べてみたのであるが、沢山の本が出ているが適切な表現が見あたらない。「あごを引く」という表現はあるが「頭を背骨の延長線上にちょっと持ち上げる」にあたるものは一つもない。この表現は実に重要なだ。
頭を傾けず真っ直ぐにキープすることを正確に表現している。
身体の最上部にあって五キロあるといわれる頭の重量、ほっとけば悪い影響をもたらす、それと二本足で立っている不安定さ、これを無害化し逆にしっかりした心柱に変えてしもうのが「臀頭」なのである。

「かかとから着地しつま先で蹴る」という表現は大分ある。「かかとから着地し拇指丘で蹴る」とあったのが一冊だけ。「かかとの中心と拇指丘の中心の間の重心移動」という表現がいかに正確で優れた表現であることか。くどく書いた気する。でもまた書く。
直立二足歩行は人間の原点である。書きすぎる、いいすぎることはないのだ。

004 今年の年賀状の1通を紹介します   2002-1ー5

あけましておめでとうございます。
大橋先生お元気ですか?呼吸塾に行ってないとバランスがくずれますね。
私はなんだか赤ちゃんができちゃったみたいでしばらくお会いできないのですが、落ち着いたらバランスをとりもどしたいので宜しくお願いします
〇〇さんにも宜しくお伝え下さい

Dさんは昨年の10月20日に始めて見えられて11月に二回参加され次回12月は休まれた。身体のやわらかい敏感なかたで腰の痛みが消えたのがすぐその場でおわかりになった。敏感な方、身体がやわらかい方はカラダが変わりやすく痛みも消えやすい。
でもまたすぐ痛みが出やすい。彼女はこのタイプです。

無痛バランス療法を一緒に学んでいる同期のEさん、奥さんがプロラクチン過多で不妊症治療10年、その間カイロ・整体で5年やるも効果がなかった。それが無痛バランス療法3ヶ月で妊娠され、その後も出産まで治療を続け無事出産された由、奥さん34歳。
それ以来、不妊症治療に自信を持ち実績を誇っている。生まれた赤ちゃんの写真を治療院の中に何枚も貼り、それが口コミで伝わりPRの効果をあげている。

”お子さんのできない方”という方は、身体のバランスが悪く「歪み」が発生しています。そうすると交感神経と副交感神経が異常になり、ホルモンバランスのみだれ、冷え性、生理不順、頭痛、肩こり、腰痛、不妊症といろいろな症状が誘発します。
これらの「歪み」が原因となって出るいろいろな症状を「変形性身体症」と呼びます。
施術すると左右対称になり前後のバランスが良くなり、子宮・卵巣等の内蔵へのダメージは取り除かれ正常に機能するようになるのです。

この「歪み」を治さなければたとえ妊娠したとしても大変危険な状態です。流産、早産、逆子出産、妊婦特有の腰痛になりやすいのです。ポイントは、変形している身体をバランスのとれた身体に変えることにあるのです。!!Dさん、ご出席出来ないときはご自宅でやってください。
短時間でいいですから毎日こまめにやることです。

少なくとも肩の3点セットそれとうつ伏せと仰向けの足ゆらしをやって下さい。
ゆらすのが怖ければ足の上げ下ろしだけでもいいのです。
足を呼吸に合わせてゆっくり上下するだけでカラダのバランスは回復します。
それと「姿勢の原則」「重心の原則」を毎日実行することです。
そしてバランスの確認をしてください。いつもバランスのいいカラダをキープすることです。それが持病の腰痛とさようならして丈夫な赤ちゃんを生むことにつながります。


005 呼吸法と詩吟の関係   2002-1-16

〇〇さま
                               大橋建夫

お元気でご活躍、詩吟にご精進のの由、うれしく存じます。
さて呼吸法と詩吟の関係についてですが、小生の体験したこと考えていること書いてみます。同封のものはあるミニコミ誌に好き勝手に書かせてもらった、まことに拙い文であります。貴兄には既にご存じのことと思いますが、ご笑覧いただければ幸いです。

小生自身が他の人とお話をするということ自体、長いこと苦手としてきました。
テーブルを挟んでの会話で私の声が相手の方に届かないということを何度も体験しております。私はちゃんと声を出しているつもりなのに相手に届かないのです。
何とかしなければということで思い切って遠藤啄郎先生の語りの講座に参加致しました。台本は「小栗判官・照手姫」という説教節を元に先生が書き直された古文なのです。
この台本を見ただけ止められる方もいました。参加するまで小栗も照手も全く知らなかったのですが照手は小野小町と並ぶ日本を代表する美人ということです。
神奈川に照手を生んだ美女谷温泉があり二人は各地に伝説があり、神社に祀られてもいます。

今まで一番、効果があったと考えているのは「声を出さない発声練習」です。
遠藤先生の教室ではいつもこれをみんなで一緒にやります。やり方は不動真言を息だけで周りの人に聞こえるように発します。しばらくやってから今度はそれに声を乗せてやります。何も不動真言でなくともいいのです。

例えば白隠禅師の座禅和讃もいいと思いますし、自分の好きな詩文でもいいのです。
なお不動真言は成田のお不動様にいけばもらえます。声を出さないで息だけでやると呼吸をするに必要な筋肉を鍛えることに抜群効果があります。「支え」が出来、声を出すにじゃまになる不必要な緊張がなくなります。そうなってくると身体が発声器官としてよく振動するようになるのだと考えています。これをある方に教へましたところ、数日後「大橋さん、あれはとても疲れる」といわれてしまいました。理由は私が遠くの人に聞こえるようにといってしまったことが一つ、もう一つは彼が一生懸命やりすぎたためでしょう。
長時間やる必要はありません。遠くの人でなく周りの人に、はっきり聞こえる程度でおやり下さい。やる時間は5分もやればいいと思います。

もう一つのお奨めはお金の掛からぬ健康法その2「楽に出来るいい姿勢」です。
頭とお尻=「臀頭」を意識すると正中線が調い他はリラックスし身体のバランスが取れてきます。従って声が出しやすい条件が調います。声を出すという事は呼吸するに必要な筋肉、吐くに必要な筋肉と吸うときに必要な筋肉両方ともある程度以上の強さを必要します。
そしてそれらがリラックスしていることです。
これは具体的には肺活量につながります。同時に身体を楽器として共鳴させるためにもリラックスしていることが必要になります。緊張すると息が吸えないし吐けないし、声がかすれたりうわずった声になったりよく体験するところです。
「正中線と支え=丹田」が大事であると随分平凡な結論になってしまいました。

沢山吸ってそれを小出しに使っていく、そのために「支え」が必要ということです。
「ブレスは表現の基本」「ことばを支配するもの(伝達する力)はブレスにある」「声を出すということはからだとの勝負であり他に方法はない、これは世界共通である」遠藤語録の一部です。
昭和50年、小生はどん底でした。会社に入って机に座ると肩胛骨の下辺りから重苦しいいやな痛みがじわーっと広がり仕事が手に着かない状態に悩まされ続けました。
どこへいっても治らず、人間ドックでも異常なしでした。それがふとしたきっかけで昔やっていた天風先生に教わった呼吸操練・統一式運動法や気功など20分くらいやったら気分がすごく楽になったのです。それで始業前に10分から20分毎日続けました。
そうしたら1年くらいだと思いますが痛みが自然に消えていきました。

止めるとまた痛くなりそうで、それ以来毎日続けました。
そしたら当初3000台であった肺活量が年々大きくなり4年後には5000を越しました。この分で行けば柔道からプロレスに転向した小川直也選手なみの6000台にいくかと思ったのですがそれ以上は伸びませんでした。
フジヤマの飛び魚といわれた古橋広之進さんは8000を越えていたということです。「支えをつくる」「お腹に力を入れる」これをやっていると身体の歪みを調整しバランスを整える作用があることに最近気がつきました。
どれだけその状態が維持できるかは別にして瞬時に変わります。
結果として腰痛・膝痛・肩こりに予防・治療とも効果があると考えています。

                                          早々


006 姿勢の原則は身体に馴染ませる   2002-1-17

鏡をぎょっとした。背中がえらく丸くなっている。
水曜日、船橋で知人の治療院で無痛バランス療法をやらしてもらっている。
美容院の一画を借りている。そこの大きな鏡に丸い背中が映っていた。

偉そうなこといったり、書いたりしている、誉めてくれる人も何人も出てきたのにこのざまである。一昨年の二月、「姿勢の原則」を教えてもらった。特に意識を集中してやった期間が二ヶ月くらい、昨年の一,二月頃のことである。

両胸が痛くなった。お陰で身体の前後を支える筋肉に力が付いてきた。これは自覚している。身体の感覚でわかる。少し身体をゆらしたりストレッチをやったりしたらやっと、ほんとにやっとといった感じで新しい筋肉が目覚めてきた。

何十年の結果の集積であるこの身体である。二年足らずの期間でがらり変わるはずもない。ちょっと気を抜くとこうなる。やらねばピサの斜塔ではないが年々背中は丸くなる。
「姿勢の原則ー臀頭」は他のいい姿勢を表現したやりかた例えば胸を張れとかいった表現よりやりやすい。しかし当初、違和感がある
。からだに馴染むまで時間が少し必要なのである。


007 不眠症のEさんへ、陽性過多です   2001-1-20

19日夜、電話があった。年に2〜3回呼吸塾に参加されているし治療に楽楽はうすにも見えたEさんという女性からである。昨年暮れ、集合住宅に引っ越した。
そしたら隣や上の階の騒音が気になって眠つけない由。
お金の掛からない健康法その1をやっても効果がないという。

お仕事はお年寄りの介護である。Oリングで見てもらったら内蔵が極端によくないとある健康食品をすすめられたがどう思うか?とか、枕に原因があるのではないか?とか聞く。介護の仕事をやっている方は腰痛になる方が多いけれど本人は全然なんともないという。筋肉もやわらかい。単にやわらかいのでなく弾力のあるやわらかい筋肉を持っている。
やわらかい筋肉にも二通りある。豆腐のように復元力に欠ける筋肉とコンニャクのように弾力のある筋肉がある。お話の中で人参茶を飲んでいるという。

彼女はずっーと玄米食をやってきている。そこへ6年根の朝鮮人参茶を飲んでいるのだ。元々甘いのが好きだったのが食べ始めると止められない。買ってきた黒砂糖を一袋全部食べてしまったそうだ。それでわかった。典型的陽性過多である。
マクロバイオテイックを勉強した方はおわかりだろう。
女性が玄米食をやりそれに魚が入ると陽性過多になり大酒飲みになるか、甘いものに走るかどっちかになるといわれている。
玄米食に極陽性の朝鮮人参である。睡眠時間が少なくなって当然なのである。

不眠症ではない。本人は至って元気である。朝鮮人参はすぐ止めること、玄米に麦を多めに入れて食するか、お粥にして食べるようにしたほうがいいですよ。
不眠症は心配いらないとお話した。胚芽米あるいは七分づき米に切り替えた方がいいかもしれない。私も同じ体験をしている。一度ふにゃこん誌に書いた。28歳の時、玄米だけの七号食をやったときのことである。玄米だけ、それも炒り玄米で水分も極力少なくして他のものは全くとらないという食事である。

そしたら身体が軽くなり実によく動くのである。この時くらい快調だったことはない。
今思いだしてみても我が生涯のもっとも輝ける時といえる。しかし、それは長く続かなかった。反動がきた。みかんを一山買ってきて一晩でペロリ、ケーキを四個なら四個全部、六個なら六個買ってきたものを全部平らげたものだ。体調は逆戻り、からだは重く気持は鬱状態となり、尿に蛋白が出て慢性腎臓病で一生治らないとまでいわれてしまった。
体質が極端に偏るとどうにもブレーキが効かなくなるのである。


008 電磁波?のせいではないでしょうか   2001-1-25(金)

22日に30代の女性からのメールです。
「今度は逆にいくらでも寝れる、寝ても寝ても満足しない由。「・・・・カラダのほうは、風邪をひいたり、疲れがあるのか眠くて、いくらでも寝れます。困ったものです。」
12月のメールにも同じことが書かれていた。「・・・・・・・最近、寒い日が続いていますね。寒くて、眠くて何もヤルキが起きないので、困っています。・・・・・・・・」

返信
「陽性過多からの不眠症のEさんの例を紹介した。「あなたさまの場合は逆に陰性過多になっているかもしれません。風邪は毒だし現象といわれています。
今からだから毒がでていっているのだと気楽に考えられたらよいと思います。
もう一つ電磁波の影響はないでしょうか?なにもやる気力が出ないときはどうも電磁波のせいではないかと思っています。」

来信
「カラダの件、思い当たる節があります。旦那の帰宅が、仕事が忙しく24時近くなので、どうしても寝るのが1時、2時となってしまいます。
当然、朝は7時ごろ、出勤するので睡眠不足なんです。
それを補う!?ため、電気カーペットの上で時々、昼寝をします。(ほとんど、一日中電気カーペットの上にいます)これでしょうか・・・」

返信
「多分そうでしょう。数年前、土曜会に参加し始めた頃の話です。
EAV(人体にとって95000Ωの電気抵抗値をベストであるとし、それを50と表示する測定器)のでの数値が60前後でした。それが次第に52くらいまできて直にオール50だと思っていたら急に60に逆戻りしました。そしてまた翌年も同じことを繰り返しました。考えてみたら数字が悪くなるのは11月か12月頃でした。
それでホットカーペットの電磁波のせいかなと思い使うのを止めたところまもなくほぼオール50になりました。

それからふにゃこん誌に書いたのですが、電磁波に敏感になったときがあります。
そのときはPCあるいはTVのスイッチを入れると途端に胃の辺りが痛くなったことがあります。そのときはマイナスイオンが効いたようです。
そしていまもマイナスイオン発生器を使っています。
電磁波に敏感な方はホットカーペットを使わなくともPCを使われているし電磁波・プラスイオンを毎日浴びているのですからなんらかの対策は必要と考えます。

食養の方では身体を陽性にしておけば電磁波の害は受けずに済むといっています。そのためには甘い物・果物・清涼飲料を避ける、毎日濃いめのみそ汁を取る等が考えられます。電磁波が出ないようにしたホットカーペットの広告を見かけましたが本当にそうなのか、害はないのかはわかりません。」


009 からだが悲鳴をあげていますよ、Fさん   2001-1-26(土)

1/20呼吸塾に千葉からきた女性Fさんがが参加した。二回目である。
エアロビクスを取り入れて呼吸法の教室をやっている由。
生徒さんが増えて毎日教室を開いている、毎週でも来たいが日曜以外は無理と仰る。
仰向けの姿勢で両手を伸ばすと右腕が固く下りない。肩の三点セットをやらせる。
ところがまたも右腕の下り方がすんなりといかない。
12/27のAさんと同じなのだ。そこで腕のストレッチに切り替えた。
がAさんより重症というか、時間が掛かった。前回は11月の参加で、二カ月経って前より明らかに身体が固くなり歪みも大きくなっている。

1 前回は私が手を出さずとも彼女自身でバランスを回復できた。
2 側湾症のようになっている。
3 脊中がガチンガチンに固くなっている。
4 右肩が前回より固くなっている。このままでいけば腰痛・膝痛等あるいは内蔵障害が  出る可能性が大きい。

考えられるのは、
1 毎日、教室をやって身体に無理をしている。
2 生徒さんへの気を使いすぎ、それとやっ ていることが負担になってきている。
3 やっているワークがバランスを整えることを目的としていない。やりすぎれば歪みは  大きくなって当然。健康法の指導者が短命に終わった例がいくつもあるが、エアロビ  クスの指導者も故障が多いと聞く

。呼吸法の指導者である、故障しないで欲しい。彼女は身体がくの字に曲がっている、側湾症である。本人は気がついていない。写真に撮って見せたかったのであるが、カメラの調子が悪く取れず終いで残念。彼女の側湾症には綿菓子屋さんと鍛冶屋さんが効いた。
綿菓子屋さんはボデイトークのワークの一つである。片方の足を前に出し、足先に体重を乗せて縦方向にからだをゆらすのである。鍛冶屋さんは私の考案です。(たたらを踏むということばがあります。足で踏むふいごのことを、たたらといいます。)
これは綿菓子屋さんとは綿菓子屋さんとは逆の足から踵に体重を掛けて縦方向にゆらします。二回宛やって仰向けになると、くの字状だったからだが見事に真っ直ぐになっていました。ゆらすことが身体のバランスを整えるのに実に威力があり、びっくりしている。


010 股関節障害のGさん   2002-2-3(日)

芸大出身の長唄のお師匠さんが熱心に参加されています。
1月は自分のところの発表会で欠席された。それ以外はお休み無し。終わってからすたすた歩かれるのにびっくりした。足を引きずらないで歩いているのである。
平成9年事故で右股関節を痛められた由、当然あちこちの治療院を体験されている。
それで治らず、いつも右足を引きずりながら歩く。それがない。一緒に大山駅まで歩いたが仲町区民センターを出るとすぐまた足を引きずっていました。

しかし、最初に見えたときは施術すると左右対称になった足が見る間に逆戻りしてがっかりしたものである。それから見れば格段の進歩といえる。
ワークを始める前のチエックでも、仰向けで右足の倒れ方が少なくなって改善されている。からだの細胞はいい記憶と悪い記憶をもっている。
いい刺激を与えてやればいい記憶が甦ってくる筈である。
でも重症の人は時間が掛かる。時間を掛けいい刺激をどんどん与え続けることが治癒につながるであろう。

それとからだほぐしの手がえらくやさしくなっているのでビックリ。以前はグリグリと強くほぐしていた。それがなくなっている。聞くと亭主のからだを何回もほぐしているそうである。


011 頭を冷やしてくれたお手紙の紹介   2002-2-10(日)

ふにゃこん通信に書いたもの(センタリング・直立二足歩行)を送ったある女性から返事のお手紙を受け取っている。彼女はボデイワークの教室をやっている。

「・・・・・・・人の生き死には、朝が来て夜が来るように、自然の巡りと同じで、それがたとえ病気であろうと、事故であろうと、自殺であろうと口をはさむ余地のないものという気がします。私は小さい頃からそうかあと頷いて生きてきたと思うのですが、それが使いづらい頭を無理してつかうようになって物事をこの世を複雑怪奇にしてきたような気が致します。それがこの頃、元々の質を思い出しつつありふうんと日々が過ぎていきます。頭が実はほとんど使えないシロモノである事にやっと気付いたという事でしょうか。
文章を読ませて頂いても何だかよくわからないなあという事が非常に多いのです。
そこに書かれている形というか表面は一応見えるのですが、本当は何がおっしゃりたいのかわからんなあという事がたいへん多いのです。本当に申し訳ありません。
何故そうなのかよくわからないのです。立二足歩行と中心軸のお話、へええ、なる程と、凄いなあ・・・と読ませて頂きました。何故、人間が直立二足歩行を選び、それをなさしめる為の中心軸の事、とてもとても頭ではよくわかるのである。
素晴らしい例のあげ方、完璧と思っています。
でも何が書いてあったのだろうわからなくて数回読ませて頂きました。
御免なさい。単に私の状態だと思います。全てそのとおりだと思います。

でも何故感動出来なかったのでしょう。私が未熟な為と思います。少しわかるとどんどんわからない事が生まれていくので、この頃本当にわからない事だらけなのです。
私は頭で理解すると、それが心や体に広がって理解する時と、頭のみの時があるのだと思いますが、以前は頭の理解や心地よさを受けとめておく事ができたのに、今は下までおりて来ないと消えてしまうようなのです。でもこれは私の在り方の特徴なのですから、一般から外れていると思います。頭で感心しても心と体に響きがないと行動や思いが湧いてこないのです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今日もう一度読み返させて頂きました。
その中で心に響いた単語がありました。五重の塔、三重の塔のまん中の柱を心柱と呼ぶのですね。何て美しい言葉でしょう。
心の柱というのに大きく頷きます、私には自分の直立二足歩行がどれほどのものかわかりません。中心軸がどのようなのかわかりません。ただひたすらにその時その時心と体が心地よいように求めて動き、息をしているようです。
その時に頭はほとんど関与しないというか、二足歩行がどうあるべきか、中心軸はどうかと考えておらぬようです。

私がわかるのは自分の心、どんな思いが感情が湧いているか、そしてその時の体の感覚はどんなでどう動きたがっているかという事位で、そのブレも判断、行動のズレもたとえそれがわかったとしても・・頭でわかったとしても・・それよりずっと心と体のパワーの方が強いので押さえることができないようです。今自分のもつもの、沸き上がるものを芯とするしかなくて、それをどう広げ、開き、弾力を増してゆくしかないような気がしております。どんなにひしゃげていようと曲がっていようとこわばっていようと、それが心柱だと思うのです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は知的障害、身体障害のある子供達のクラスを持ちますが左右が思いきり非対称、前後のバランスもくずれていたりします。いろいろなところにこわばりを持ち、感覚もとじているところが多いととても外の世界を怖がります。でも私はそのクラス好きです。
またあの子たちに会いたいと思う。中心軸という言葉さえ思いつけない位だけれど、もの凄く正直にありのままだからです。そして美しい言葉に涙したりする。
そして切羽詰まった状況では自分がどうあるのがよいか的確にわかっている。
私には私達の心柱をゆがめているのは頭ではないかと思えてきます。
その子供達の体がどんなにゆがんでいても、麻痺があって動かないところがあっても生きるという心の柱がパシッとみえるような気がするのです。
私にはそういう障害のある子供達は短命な事が多いのですが、きっとせい一杯短い期間を生きてくれるだろうと思います。・・・・・・・・・・・」

自分でも姿勢論を書きながら俺って理屈やだなあと思った。理論的に自分で納得できないと胸のあたりががつかえた感じが付きまとうのである。前にミニコミ誌書いた心臓は何故左にあるのか?もそうである。今は左利き・右利きは何故発生するのか?が引っかかっている。いずれ納得できる解答がやってくるだろう。
博士号を取るつもりはないし、自分が納得できれば落ち着くのである。
男はだいたいそうらしい。女性は感覚・感情が先に来るようである。
男は左脳、女は右脳が働きやすいといわれている。理論・理屈では人は感動はしない。
感動して人は動く。理屈でも動くがそれは損得・勝ち負けの時だ.。
この前ある方に「臀頭」の話をした。気に入らぬ風もあろうに柳かな、幹がしっかりしているから葉っぱも枝も風にゆれているのだといったら、えらく感心されしまった。
これも相手が男性だからであろう。.「文章を読ませて頂いても何だかよくわからないなあという事が非常に多いのです。そこに書かれている形というか表面は一応見えるのですが、本当は何がおっしゃりたいのかわからんなあという事がたいへん多いのです。」は姿勢論・人体は五重の塔をいい気になってしゃべっていた私の頭を冷やしてくれたようである。

「あまりいい気になるなよ」と。他の人からも「大橋さんの文章は難しすぎる」「プロ向きの文章だ」とかもいわれている。
1/16の「詩吟と呼吸法の関係」をお手紙差し上げた方からも「難解過ぎる。いずれ近い内に直接ご指導を受けに伺いたい」という返事だった。
もっとやさしくわかりやすい文章を書かねばと反省。と思ってもみてもこんな文章を書き始めたのも極々最近の話、時間は掛かるだろう。独りよがりの文章にならないようにはしたい。勝手に文を送られて、彼女には余計なお節介・要らぬお世話になったようだ。
彼女の背中はきれいだ、丸くなっていない。カラダも真っ直ぐである。力は抜けている。
しかし「臀頭」頭とお尻の対立・拮抗に欠けるといいたいのである。
これが付け加わると舞う姿も一段と美しいものになるだろうにと思ってしまう。
でもすぐ肩に力が入りやすい私なんかよりはるかに先に行っているのかもしれない。

「ただひたすらにその時その時心と体が心地よいように求めて動き、息をしているようです」とある。誰でも多分心と体が心地よいよう求めて動いていると思うのですが、これもピンからキリまであるような気がします。自分の内面をみつめ心と体が心地よい状態をキープしつづける結果、「臀頭」中心軸ができていくのが理想でしょう。
身体障害・知的障害の子供のことはグサッときた。「バランスだ、歪みのないカラダとかばかりいって、そういう子達はどうするの、そういう子達ほど正直に一生懸命生きているのよ、心の柱はしっかりしているのよ」ということばが今も私の中で鳴っている。

ここの所を読みながら、天風先生に聞いたのカントの話を思いだした。デカンショデカンショのカントである。生まれつきのせむしで喘息持ちのカントは毎日親に泣きわめき辛さを訴えつづけていた。それがあるとき医者にいわれた。
「お前の病気は一生治らないものだ。お前が泣けば親はもっと悲しい。
お前が痛がれば親はお前以上につらいのだ。お前が辛抱すればそれだけで親は悲しまなくて済むのだ」といわれて、自分は親に面倒を掛けるだけでなく悲しませ、つらい思いをさせてきたことに気がついた。
それからというもの一言も泣き言をいわないと決意しそのように生きた。カントに親を悲しませないという、心の柱ができたのである。78歳まで生き大哲学者として知られている。

012 階段踏み外して膝にひびが入ったその後遺症?   2002-2-18(月)

ふにゃこんマッサージ講習会で何度かご一緒したHさんが始めて参加されました。
下の写真はその時の写真です。左は最初にカラダの歪みをチエックでバンザイをしています。右は肩の3点セットを1分足らずの時間をやった後の写真です。
左の腕が伸びているのがわかるでしょう。目がスッキリしたという。

 写真A    写真B

立って前屈すると、手の平が畳につく。カラダはやわらかい。
部屋の中を普段の歩き方で往復してもらう。
それでまたチエックすると左の写真に戻り手が伸びない。
今度は「重心の原則」お金の掛からない健康法その3で歩いてもっらう。
そうすると右側の写真になるのである。
日常の生活で歩き方がいかに重要かということである。
この後のワークでも「目がスッキリした」という表現を3〜4回はしている。
こういう方が来てくれると有り難い。効果がわかってもらえるとうれしい。
カラダが変わっても感覚で認識できない人が多いのである。

二部での検査の一つ、「うつ伏せでひざを曲げて両足をお尻の方に曲げて左右差を見る」が抜群にうまいのである。自分の力が入ると左右差が出にくい。
私は前に右肩を壊しているせいか左右同じ力でもっていくというのが難しく感じている。プロだって下手な人が多いのに彼女はなんなくやってのけたのである。
以前ふにゃこんマッサージで組んだとき、彼女が私の呼気・吸気に合わせてやってくれたのにびっくりしたことがあった。その時もびっくりしたが今回の検査のやり方といい、過去に習っていないというのが本当なら彼女は天才だろう。

11月、階段踏み外して膝にひびが入った由、カラダのあちこちに違和感があるという。その時の後遺症と思う。けれどもこれほどシャープな感覚を持っていると、いわゆる邪気も受けやすいであろう。股関節障害のGさん今回もワーク終了後はスタスタと歩けたし、外へ出てからの歩き方がいい。足の引きずり具合が前回の半分位になっている。
今の状態がどのくらい保つかは別にして確実にいい方に向かっている。
回復の目途がついたといっていい。


013 肩の三点セットはよく効きますよ   200202-22(金)

毎週、水曜日に船橋で治療をやっています。
70過ぎの女性、今日で2回目仰向けで両手でバンザイをすると、両手がよく下りた。「いいですね」というと「毎日やっていました」とのこと。
真面目に肩の3点セット(12/27掲載)をやった結果が出ている。

 写真A    写真B

初めて先週見えて治療を受けられた。
チエックすると両手とも床に対して45度で止まって下りない。
肩の3点セットをやらせ、呼吸に合わせ手を軽く牽引するとよく下りるようになった。
肩の3点セットを奨めて帰したのである。

次の50代の女性、左の手が上がらない。仰向けで見ると右手は床に平行、左手は床に対して直角90度でストップする。重症の典型的な五十肩である。3点セットといろいろやって痛みも取れ左手も下りるようになる。肩の3点セットはすごく効く。じつによく効く。確かに効く。最初自分でやって見て、確認し、呼吸塾に見えた方々にやってもらいその効果にびっくりした。そして得意になっていた。

ところがそれを越える重い人が最近はやってくる。
2/19(木)朝、起きると右肩・右腰に違和感がある。いろいろやってみるが取れない。昨日の治療をやって患者さんのをらったのかなとも思った。書きながら思いだした。先週からカラダがおかしかったのだ。
先週の土曜日エラスタルトに出席したとき、原形(12/29の写真)をとるも決まらない。
落ち着かない。昨夜のごろ寝の姿勢が悪かったのか、随分とカラダがゆがんでいる。
原形が決まれば一番安定した姿勢である、安定感をもっていつまででも続けられるはずなのに落ち着かない。上半身を右に回すといつも左より固いのであるが、さらに固くなっている。納得できる状態にならないで終わってしまった。

午後は礼法の会。治療師のIさんに「ちょっと、頼む」とやってもらった。
カラダがゆるんでいくのがわかる。ほんの少し頭や手足を動かしその状態をキープするだけなのに大変よく効いた。10分ほどで違和感が消え、お陰様で礼法の方は乗ってやれた。ところがよく日の金曜日、右肩・右腰の違和感がまた出ているのである。やはりカラダは自分で治さねばと改めて思う。それにしても私の動きのどこに原因があるのだろう。
歩くだけでカラダのバランスが回復するといっていながら、自分のこのざまはどうしたというのだ。思い当たることがある。

2/14ある手技治療セミナーでモデルをやった。それは思いっきり片方の足をぐーんと引っ張るやりかたなのだ。その反動かもしれない。固かったカラダが少しずつではあるが、やわらかくなってきている。O脚なもんで、どんなに力を入れてもひざがくっつかなかった。それが今ではくっつくのだ。朝だってひざが付くのである。あれやこれや、いいと思う動きを試してみる。右肩は楽になった。おしゃかさまゆらしがよかった。右手が固いので右手を下にして角度を変えてやっている内に楽になった。腰の方はあぐらの姿勢がよくない。右足を下にして組むあぐらがからだに歪みをつくっている。
足首の角度が右半身に緊張をつくりだしている。胴ぶるい・ペンギン歩き・腰まわし・片足ゆらし・綿菓子やさん・鍛冶屋さんとやれば楽になるが若干違和感が残る。


015 風邪を引きやすい方、陰性体質の方濃いめの味噌汁をどうぞ   2002-2-26

昨年の12月から変な病気?に罹った。睫毛にふけみたいな物が付着している。
最初は左目、1月になると、右目も同じ状態となった。痛くもないし、かゆくもない。
何となくうっとうしく気になる。家庭医学事典で調べて見る。眼瞼縁炎というのだそうだ。その内に治るだろうと思っていたら治らない。で眼科に行った。
眼科に行くのはこれまでで2回目何十年ぶりである。視力検査・眼圧検査等の結果、眼圧が20くらいで普通より高く緑内障が怖いいわれた。
薬が二種類、炎症を抑えるやつと眼圧を下げる目薬が二週間分処方された。
二週間はまあまあ真面目に目薬をつけた。その内に食養でいう「塩気が効いた身体には細菌やウイールスに負けることはない」ということを思いだした。
それで濃いめの味噌汁を朝晩二回必ず摂るようにした。
そして二回目の薬ももらってきたが、その薬は18日以降付けていない。
結果今のところふけ見たいなものはほぼ止まっている。若干、瞼がすこしはれぼったい感じはまだ残っているが、どうも効いている気がする。

いくら眠っても寝たりない女性にも濃いめの味噌汁をすすめた。
この冬、三回もかぜを引きましたとFAXが入ったがこの方にも効く筈だ。
私の眼瞼縁炎はこれにて一件落着としたい。ところが塩気が効くにつれ鼻の粘膜に鼻くそがこびりついて、取ろうとすると痛い。少し濃さを落とす必要が出てきている。
この文を書きながら思いだしたことがある。
伊藤圭一という小説家の作品に「かかる軍人ありき」がある。実話にもとづいている。
そのなかに太平洋戦争が終わって中国にある軍隊の引き上げ時のの話である。
医薬品の欠乏のなかにあって赤痢やコレラ等の伝染病をいかに防いで無事日本に引き上げるかが大きな問題であった。食養を学んでいた沼田軍医の提案で食前一時間、食後一時間は水を摂らないことが軍命令として出された。
結果その部隊では一人の落伍者もなく全員無事引き上げてきた。
これほどまでに徹底して守られた軍の命令は無かったであろうと結ばれている。
水分を入れないことで胃液が薄められず、赤痢菌もコレラ菌も胃液の強酸性で溶解されてしまうのである。この沼田軍医は今も日本総合医学会の会長としてご活躍されている。


016 頭部は「臀頭」の舵取り役   2002-3-2(土)

右腰の固さを取るのにいろいろやってみた。お尻歩きの応用版がよかった。
最近、お尻歩きが健康雑誌にO脚が治るとかで取り上げられることが増えている。
やり方は床に腰を下ろし足を前方に伸ばし、右のお尻、左のお尻と交互に体重を掛けながら前後左右に動くのである。これの応用で腰を掛けて右腰を前に出したり左腰を前に出したりを試みた。更に呼吸を付け加えた。
私の場合、右腰を前に出すときは呼気で左の腰を前に出すときは吸気である。
これでバランスが取れる。何度かやっている内に右腰の固さが取れてきた。
呼吸とカラダの動きはつながっている。呼吸を逆にやると歪みは取れない。
それどころか益々歪みが大きくなるのに、いわゆる健康体操といわれるものは、このことに触れていないものがほとんどである。

エラスタルトの基本姿勢原形をとる。
右腰の固さが今日はは取れている。後藤先生と手を合わせる。
「よくなっている」といわれる。ついでDさんと手を合わせる。
「精密になっていますね。こちらも正確に対応しなければいけないですね」という。
わかる人はわかるのである。先週、先々週は臍が横を向いていた。もう一つ、思いついたことがある。上半身の力をいかに抜くか?往々にして力を抜くために力が入るということなりやすい。力が抜けているというか力が均等に行き渡っているというか、その上に「臀頭」がきっちりと出来ている。どのようにしてそういう状態に持っていくかということである。

30年以上も前に聞いた天風先生の話を思いだした。「自分の肉体を壺に水が一杯入った状態にすること」というヒントをカリアッパ師に与えられ天風先生はクンバハカを会得した。それでカラダを水素ガスの詰まった縦長の風船とイメージすることを考えついた。「臀頭」はすぐれた表現である。水素ガス入り縦長風船は「臀頭」をキープし余分な力を抜く強力な武器となるだろう。

3/2のエラスタルトでの会話。Dさん「臀頭」は社員教育にすごい効果がありますよという。それはそうだろう。姿勢が良くなる。声がよく通る。疲れにくくなる。
職場の雰囲気がよくなる。社員が病気になりにくくなる。間違いが少なくなる。お客さんが増える。等々、当然であろう。家庭教育、学校教育にも取り入れて欲しいものだ。
昔、東京駅構内のレストランでウエターのアルバイトをやったことがある。勤務時間は11時から5時だったと思う。6時間いつも歩いている。やってみてえらく疲れたという記憶がある。夜の授業でぐーぐーよく寝ていた。その頃は姿勢なんぞ全然考えたことも無かった。バランスが崩れているから疲れて当たり前なのだ。

子供の頃、靴など履いているものはいなかった。通常は下駄、雨の日は足駄である。
私の下駄は減り方がひどく片寄っていた。身体が歪みがそのまま下駄の減り方に現れている。あまりにもひどいので足駄なぞは歯の向きを逆にして入れ替えて履いたこともある。その方が長くもたつからそうしたのであるが、その歩きにくさといったら無かった。甲野善紀師範の足駄が平均して減るようになったということを聞いたことがある。
重心がちゃんとまん中に下りているということだ。さすがたいしたものである。
あなたの靴の減り方はどうでしょう。つま先だけ、あるいは踵だけ減ってないですか、左右の減り方に差はないですか?差が大きいほどバランスが崩れ歪みが大であるということだ。
「お金の掛からない健康法その3歩きながら身体のバランスが回復します」で踵の中心から下ろし、拇指丘の中心で蹴ると書いてしまった。蹴ってはいけないのだそうだ。
それでエラスタルトのテキストを確認する。するとどうだ。ちゃんと書いてあるではないか。≪足裏の拇指丘の中心と踵の中心を結んだ線を「重心線」といいます。立っているときも歩いているときも、重心は常にこの重心線の上を移動することが理想的です≫とある。

「人体は五重の塔」と姿勢の在り方を論じ、五重の塔の心柱と臀頭を結びつけて説いた。心柱の上に屋根があり、人体の最上部は頭である。五重の塔の屋根は重石の役目がある。五重の塔は揺れはする。が傾きはしない。屋根は瓦葺きで相当の重量がある。
それが重石の役割を務め、心柱と共同作業で傾きを防止する。頭は人体の上部にありやはり相当の重量、約五キロあるという。首は細い。五重の塔における重石としての役割を生かすには臀頭を意識しなければ逆効果になる。臀頭は意識することで生まれる。
重いものが人体の最上部にある。左右・前後に傾きを生じればそれは歪みに直結しカラダのバランスを崩すことになる。実をいういとカラダが少し宛ほんの少し宛ではあるがほぐれて来ている。それにつれ内感応力というものがシャープになってきているのがわかる。そうすると少しの歪みがうっとうしく感じられてならないのである。
今まで約5キロある頭が人体の最上部にあることが歪みをつくるとマイナスにとらえてきた。実はマイナスではなく、臀頭を生かす重要な役割を担っているのだ。臀頭の舵取り役である。重い頭があるからこそ臀頭がやりやすいのだ。神様はようつくって下さっている。


017 重症の五十肩Iさんマッチポンプですよ   2002-3-13(水)

重症の五十肩の患者さんである。今日で4回目。腰掛けて手を上げさせる。
上がり方が少ない。下の写真Aは3回目である。それでも左手は水平より上向きである。それが今日は左手が水平より下を向いている。始めてきた時より上がらなくなっている。右手も顔の前で止まり伸びない。

 3回目治療前   4回目治療後

治療が終わってからも上がり方が少ない。初回が一番よく、2回目は40度くらいのところまで上がった。3回目が一番上がらなかった。これでもかこれでもかと、やってみるも上がり方が少ない。4回目の今日は右手はいい、左手の方は水平以下だったのが写真Bのように大分上がるようになった。聞くと今週来週はどうしてもやらなければならない仕事があってという。
小学校の先生である。学期末の仕事があるのだろう。マッチ・ポンプである。
自分で火を付けて消すのに苦労している。私の叔父貴がそうだった。
酒が大好きで肝臓を悪くし、入退院を繰り返し、退院すると飲んでいた。
挙げ句の果て、肝臓癌で死んでしまった。肩の3点セットも毎日やっている由。
背中が固くいわゆる鉄板の背中である。よくもここまで固めたなあという背中である。
初回の治療で大分上がるようになり、その後も毎日肩の3点セットをやっていてこれである。無理をしている。仕事がきつく身体は勘弁してくれといっているのにやらねばならない。

頑張りすぎだ。脳(理性)・・・・・・やらねばならない
心(感情)・・・・・・・・・・・・・やりたくない
体(心と脳の表現体)・・・・・・・・体を固めてやる

やりたくないという感情を殺して、やらねばならないという脳の指示に従うとこうなる。いやなことをやるときは息を抑えてやることになる。息を抑えることは脳が命令を出し筋肉が実行する。(心と脳の表現体)と書いた。体は心の状態を表現し脳の命令で行動するということだ。カラダが緊張することになる。これを繰り返していると、カラダはどんどん固くなってくる。科学の立場では心=脳である。心身一如と昔からいう。心=身となる。いうまでもなく。脳は体の一部である。同時に心の一部といういい方が適当だろう。
宗教的かもしれないが心=宇宙・大自然というか、心は宇宙・大自然とつながっている。やり方を変えるつもりだ。五十肩に自信があっただけに手を上がるようにするということに囚われすぎた。脳と心と体の関係を話そう。仕事に対する姿勢というか考え方を変えない限り解決しないだろう。
五十肩がよくなってもまたどこか多分、腰に来るだろう。ギックリ腰間違いなしといってもいい。そんなカラダになっているのだ。肩はいいようなのですが腕が痛いという。
三角筋腕の上部外側のところである。腕の使いすぎの結果である。腕の痛さは多分四月になれば忙しい仕事が終われば消えていくだろう。

書きながら思いだしたことがある。
肩が痛いと見えた方のことである。左の肩がかちんかちんになっている。
指で押すとはねかえされる。バランスを整えるべくやったが痛みは全然変わらないという。背中をなで下ろすと右の肩胛骨の下あたり横に緊張がある。「腹立ちのしこり」かなと思って「最近腹を立てたことはないですか?」と聞くと「実は1ヶ月くらい前、怒鳴り込んできたお客にたいして逆に怒鳴りつけて追い返してやった」という。
コンビニかなんかの店長らしい。そういいながら右肩をつまんでゆらしていた。
するとあれっ、あれあれという感じで指をはじき返していた肩が柔らかくなってきたのである。この方の場合は一回の強烈なストレスでしかも最近の話である。
こういう場合はやりやすい。原因はそれかと自分でもわかって中から、ストレスが消えていったのである。腹を立てるこれが背中のこりとなり、そのことを負担に感じたので左の肩(受け身の時は左側に出る、負担に感じると肩に出る)に来た。
いわゆる肩の荷である。ストレスから固くなったカラダはゆらすと効果がある。
日にちが新しいほど消えやすい。この五十肩の女性も三角筋のところ手で軽く押さえゆらすと「あっ効いています」いった。ただ五十肩は永い生活習慣の結果からくる。
それなりに時間は掛かるだろう。


018 「臀頭」は楽に出来る美容健康法   2002-3-15(金)

風呂釜が故障して今は銭湯に行っている。久しぶりに身長を測ってみる。166,0センチ、アレッと思った。6年前と較べて10ミリも縮んでいる。風呂から出てもう一度計る。思いきり伸びると少しは3ミリくらいは違う。ヒトは年を取ると背が縮む。
骨自体が縮むのもあるが、もう一つ姿勢の問題がある。
「大橋さん、一年で5センチも縮んだですよ。5センチもですよ。」といってきた人がいる。10年も前の話である。青山学院でボクシングで鳴らした男で年齢は50歳くらいだったと思う。当時も腹筋やら腕立て伏せなどトレーニングを毎日続けていた。
それが5センチも縮んで吃驚している。人はやわらかく生まれて固くなって死んでいく。年ととにカラダは固くなる。普段の姿勢のままに固くなる。
ボクシングの背中を丸く身を固めた姿勢で鍛えてきている。
そのまま固くなれば5センチくらい縮まるのは当然である。

3年前中学校の同級会があった。その時92歳になる先生もお呼びした。
その先生が同級生と並んで歩くと肩までしか背がない。
昔はスラッとした細身長身の先生だったと記憶している。
年を取るとこんなにも縮むのかと驚いた。特に女性の場合は女性ホルモンの関係からか骨それ自体が縮むのが大きいようである。
姿勢の悪いまま固くなって背が縮まることは、「臀頭」が身につけることによって防げる。姿勢が悪ければ内蔵や血管・神経・内分泌の働きも悪くなる。
結果、引力の法則により骨が縮まるのを加速するだろう。
「臀頭」は楽に出来る美容健康法という由縁。背が縮むことについて、もう一つ食べ物のことがある。カルシュームを流出する砂糖がある。化学調味料がある。
国の認めた食品添加物である。殆ど全てといっていいくらいアミノ酸は添加されている。カルシュームが抜けて骨の強度が落ちてくれば引力の法則が働く。

そして次第に背は縮んでいくのである。ワンマンの上司が落ち込んでいたことがあった。私を呼んでそっと話したことがある。娘が足が痛いというので病院に連れていった。
そしたら足の踝のあたりに5円玉位の穴が開いており、手術といわれたとのこと。
走るのが速く勉強もよくできる目の中に入れても痛くない娘のことである。
当時小学校の1年生か2年生だったと思う。悪性の腫瘍ではないのでそれほどの心配はいらないのにえらく落ち込んでいる。それからなんと6軒もの有名な大病院に連れていっている。様子を見ようという病院もあったが多くは手術といわれ、最終的に東大病院で手術ということになった。ただベットが空いていず、半年先との話である。

その時、私は思わず「切らなくたって治りますよ」といってしまったのである。
「いま摂っている食事がカルシュームを流れ出させているんです。
それは砂糖であり清涼飲用水であり、化学調味料です。まずそういったものを止める、そして昆布やワカメ等の海草、小松菜などの緑色野菜をとること、出来たら玄米菜食にきりかえることです。そうすれば成長期にあるお子さんのことですから、まず半年長くても一年で穴はふさがるはずです」と話した。
そして6ヶ月後入院前の検査にいった。検査の結果は見事に足の穴はふさがっていたのである。医者は首を傾げて不思議がっていたという。

もう一つ効果があったと考えられるのはお婆ちゃんが光線治療器を贈ってくれた由。
「あれは効くんかい」といわれ「効くと思いますよ。光線には波長により人を育成するものと、破壊するものあります。光線治療器はその育成光線を使っていますから、特に骨にはいいはずです」と答えた。
その後というもの、よくその光線治療器の話をさせられた。会議の後や取引先との雑談のときなど、それで社内でも数人が光線治療器を買っている。私は食事の話をしたかったのであるがもっぱら光線の話である。食がヒトのカラダを造っている、光線治療器は補助手段にすぎない。


019 のどのコリの原因は?   2002-3-18(月)

メーリングリストなるものに3月初めて参加しました。テーマがのどのコリでした。
主催者のコメントの中に内息・外息という表現がありました。
内息・外息はボデイトークの考え方です。内息は息が内に向かっている、外息は息が外に向かっているといいます。一般的には内気あるい内向的とか、外向的といった意味合いです。わたしもそうだったのですが、内息の人は緊張しやすいタイプでカラダを固めています。そしてしょっちゅう緊張しているところがこりやすいのです。
わたしが投稿した分を掲載します。私は5年くらい前まで、私の声がすぐそばの人にさえ届かないということを何回も体験していました。まともにしゃべっているつもりが相手の方に届かないのです。今はいい声ですね、と誉めてくれる人も出てきています。
何をやったかというと、声を出さない発声練習です。息だけで離れている人にも聞こえるように不動真言を唱え、しばらくやって今度はそれに声を載せるというやりかたでした。これをやるとのどの緊張がとれ、いわゆるお腹から出る声になります。
田中角栄さんが浪花節でどもりを克服した話が有名ですがそれとつながります。
緊張をとるとなるとまた水素ガス入り縦長風船も有効だなあと思ってしまいます。

と書いたら別の方から「不動真言てなんですか?」と質問がきた。自分も声が届かないことがあるので練習をしたいということでした。実際におやりになる時は好きなことばを選ばれた方がいいと思います。そうすると三日坊主になりません。それからのどに手を当ててやってみて下さい。最初は息だけ、そのあとでで声を載せてやります。
そして声を載せたとき、のどが振動するということを確認して下さい。
息を届ける範囲を決めてやるといいかもしれません。30畳とか60畳とか。
というのはですね最初に教えた方に後日「大橋さん、あれとても疲れます」といわれてしまったのです。私が息だけで出来るだけ遠くの人に聞こえるようにやるんですよと、いってしまいました。その方は真面目に一生懸命やったのでしょう。
やってみるとわかるのですがお腹が大きく動きます。時間は一回3分くらいでしょうか。最近気がついたのですが、これをやっていると、声がよくなるほかにカラダの歪みがとれてくるのです。少しずつですが。でも息の通りがよくなるのですから当然ですよね。
カラダはこころの表現体であり、こころとカラダをつなぐのは息ですから。


020 ギックリ腰を自分で直すには   2002-03-26(火)

24日夜9時ころ、30代の女性からギックリ腰になってしまったと電話がきた。
かなり重症のようである。明日は卒業式で(彼女は某大学の職員)で大忙しの日で休めないしと切羽詰まった声。即座にペンギン歩きがいいですよ、それと綿菓子やさんと鍛冶屋さんです。その前に痛くない肩の調整からやったらいいでしょう。
もし状態が変わらなければまた電話下さいといって切った。

呼吸塾に参加したことがありペンギン歩きは知っている。
ペンギン歩きはボデイトークを始めた増田明先生の発明である。
ご自分がぎっくり腰になったときこのペンギン歩きで直された由。
ボディトークの会員の方が山でギックリ腰になってやはりペンギン歩きで直したという。やり方はべた足で床の上をほっ、ほっ、ほっといいながらぺたぺたと歩くだけ。
これだけで骨盤を調整します。片足に体重を載せたときそちら側の足腰は緊張し逆側の足腰がゆるみます。緊張と弛緩を繰り返すことで歪みがとれ、バランスが回復します。
そしてギックリ腰も直るというわけです。

ところが電話を切ってから言い落としたことが二つあったことに気がついた。
一つは無理をしないこと痛くない範囲でということと、もう一つはほっ、ほっ、ほっと声を出すんですよといってなかった。もう一つそれは足を広げて眠ることです。
足を30度か40度くらいに広げて眠ると疲れがとれやすいのです。
ギックリ腰になるときは腰の上腰椎3番の両側が固くなっている。
脊柱起立筋の根っこのあたりである。ここが固くなっていると緊張しっぱなし筋肉は疲れてしまいます。歩くときそこに手を当てて緊張と弛緩が交互にあるか確認しておいて下さい。そこが両側緊張して歩いているようなら近くギックリ腰になること間違い無しです。ペンギン歩きを応用して歩き方を変える必要がありますよ。

26日この女性からのメール
日曜日はご丁寧にいろいろ教えていただきありがとうございました。どうやらぺんぎん歩きはしすぎだったみたいです...。ひとしきりしたあと、疲れてぱたんと寝てしまいました。翌日は、痛みがとれないものの、なんとか歩けたので出勤し、卒業式の業務も無事終えました。ほとんど這うようにして帰宅し、再度パタンと寝てしまいました。お礼を言うのが遅くなってしまいすいませんでした。
昨晩は、これは2,3日寝こむなと覚悟していたのですが、熟睡できたおかげか、今朝は快調です。痛みは相変わらずあるものの、痛みの質が昨日にくらべずいぶん変化してきました。過激な運動をしたあとの筋肉痛という感じです。腰の上腰椎3番の両側が固くなっています。歩き方を根本的に変えないといけないようです。

本当にいろいろありがとうございました。舌足らずの説明でごめんなさいです。
重症のギックリ腰のようですからちょっと動かしただけでも痛いはずです。それを痛みが出ないよう出ないよう歩くことです。小さい動きでいいのです。ゆっくりの動きでいいのです。カラダが少しでも気持ちよくなる方向に動くということで生まれたのがペンギン歩きです。どんないい運動でもやりすぎるとカラダは固くなります。

ペンギン歩きも筋肉痛になるまでやるのはやり過ぎです。あるいは痛い方向に我慢してやったのではないでしょうか?一度ヒトのカラダはいい刺激が入るとずっーといい方向に働きつづけます。また逆もあるわけです。
呼吸と姿勢と歩き方が大事ですよ説く由縁。短時間でもペンギン歩きをやっていると腰椎3番あたりがゆるんできます。毎日こまめにおやりになってみて下さい。
お金の掛からない健康法の一番めに特効万能薬と書きました。楽な姿勢でゆっくり呼吸をしてそのまま眠ってしまう。いい刺激が一晩中働き続けるのです。
これも是非試してみて下さい。ただくれぐれも無理をしないこと。大きくとか強くとか長くとか考えないことです。ゆっくりとお腹が軽く上下する範囲でいいのです。


021 見えない枠がこりを作る(続・重症の五十肩)   2002-4-8(月)

3/2に書いた重症の五十肩の続きです。小学校の先生をやられている50代の女性が五十肩で見えた。「肩はいいようなのですが腕が痛いという。
腕の痛みは使いすぎの結果である。腕の痛さは多分、四月になれば忙しい仕事が終われば消えていくだろう。」と書いた。もう一つ、目を見張らせる見方があった。
ボデイトークの先輩のメーリングリストのバックナンバーを見ていたらそっくり当てはまるところがある。四十肩の時は右であった。今回の五十肩は左である。これはわかる。
受け身になると左に出る。積極的なときは右に出る。40歳の時は学年末の忙しさもフアイト・根性で乗り切ったのだろう。50を過ぎて体力も落ちただろうし、なんとしてもやらねばという気持が強くてもカラダがついていかない。学年末の期限付きだ。左に受けた。4/3手が前の方はだんだん上がるようになってきましたが、横が上がりませんという。実をいうと後ろも上がらないのだ。そのためかうつ伏せも出来なかったのが今は出来る。一周間前、腕の上部が鉄棒みたいだったのがやわらかくなった。ところがそこが痛いという。多分まだ潜在意識は忙しさから解放されていないのだろう。

この時点で先輩のML(メーリングリスト)を見たのである。それは声が出なくなった男性の話である。この解説がなんともユニークなのである。ボデイトークの独壇場である。原文のまま紹介したいのですが、非公開なのです。内容は声の出なくなった男性のカラダをほぐしていると上腕の部分(多分外側)をひどく痛がったとある。
声とは直接関係ないのどと遠く離れた場所である。そしてそこをほぐすとすぐに声が戻ったと書いてある。優秀な方らしく営業ナンバーワンであったなが同僚に抜かれてしまった。そのプレッシャーはカラダの横に表れたいうのである。なんともユニークであるという由縁。満員電車での押し合いへし合いを例に上げていました。
本人が納得するとウソのように凝り固まった部分がやわらかくなるのです。

前に書いた肩が痛いと見えたコンビニの店長らしい方もそうであった。
左の肩がかちんかちんになっている。指で押すとはねかえされる。
右の肩胛骨の下あたり横に緊張がある。最近腹を立てたことはないですか?」と聞くと「実は1ヶ月くらい前、怒鳴り込んできたお客にたいして逆に怒鳴りつけて追い返してやった」という。そういいながら右肩をつまんでゆらしていた。
するとあれっ、あれあれという感じで肩が柔らかくなってきた。
一回の強烈なストレスでしかも直近の話である。こういう場合はやりやすい。
原因はそれかと自分でもわかって中から、ストレスが消えていったのである。
店長としての責任感を重く受けとめその負担が肩に来た。ボデイトークでいう「肩の荷のしこり」と「怒りのしこり」である。
いかがでしょうか?こういう見方があるのです。
この男性はトップセールスの座という枠で腕を固め、コンビニの店長らしき男性は店長としての責任感という枠で肩を固めた。五十肩の女性は期間という枠で腕の前も後ろも横も固めてしまったのである。ちなみに彼女は左利きである。
イメージ的には詰まった水鉄砲を無理矢理押しているようなものだ。


023 深い呼吸が出来たとき、ギックリ腰は消えていた   2002-4-16(火)

ぎっくり腰をやった女性その後です。ご自分が敏感なんだと自覚したのはここ数年の由、子供の頃からそうだったらしい。誰でも幼児の頃は敏感というかみずみずしい感覚をもっている、それが成長するに従って失われると考えています。
子供の時の感覚そのまま成人する人がたまにはいます。自分は人より敏感なんだと自覚する人は更に少ない。神経過敏と悩む人も出てくる。
この方はメールで「首と背中の痛みは左側で、多かれ少なかれいつも痛みがあるのだ」という。今回のギックリ腰は右でしたが、それ以外の病気怪我は全て左側です。
腰は怒り.のような気が最近しています。」と書いてきた。
行動の大本は腰にあります。幼児から成長するに従い自分の思い通りにならないことが多くなり行動を制限されます。そうすると腰が固くなってきます。会社勤めを永年やった方の腰が固くなるのは当然でしょう。思い通りにならないことに対しての反発、怒りは当然右に出るしょう。「腰痛は怒りである」という本が出版されていました。
そういえば会社におった頃、年中人と衝突していた奴は腰痛にはならなかった。
怒りを発散することは腰痛予防になる筈だ。それでは左のギックリ腰はどういうときに出るのであろうか?

4/10往信
ストレスの大部分は対人関係です。ボデイトークの見方ですが、対人関係は背中、特に肩甲骨と肩甲骨の間に表現されます。肩身という部分です。
あなた様の場合、左側の肩甲骨と背骨の間、胸椎の3番から6番目をほぐすことが第一です。
昨日、治療に見えた看護婦さん、頭痛・肩こりがつらいといいます。
右の肩身を固めていました。もう一人大学生なのですが登校拒否というのかいっていない、頭痛・吐き気がひどいと見えました。お二人ともカラダをほぐしてバランスを整えるとぐうぐう30分以上も眠っていました。見る人はちゃんと見ているのですね。
あなたなら治療なら名人治療師になれるでしょう。でも患者さんの邪気を受けるかな。
ご返事は不要です。

補記
以前治療を受けた先生に「君の体はものすごく精密にできているから、メンテナンスさえきちんとできたら、ものすごい威力を発揮するよ。」いわれたという。
そうだろう。私が吃驚仰天したことは既に書いた。プロでも難しい技を一回見ただけで出来てしまう方である。合気道の源流である大東流の武田惣角が練習を他の人に絶対に見せなかったとか、なるほどなあと納得した次第。

4/12来信
大橋さんの問いかけによって、久しぶりに体のこと、こころのことを考えることができました。対人関係の影響がストレートに体にくるというのは、ありがたいことなんだなあってあらためて思いました。私の場合は対人関係による体の変調なので、私自身の対処をかえれば、体調が良くなることもありますが、アトピーとか、最近増加している電磁波過敏症の方の場合は、原因が物質である分さらに厄介だとおもいます。
実際に私の友人が電磁波過敏症と聴覚過敏が悪化して、今とっても辛い状況です。

体のバランスをとるっていうのは、大切なんですね。
昨日は、久しぶりに呼吸を意識してみました。心身ともにしんどいときは、呼吸がとても浅くなります。昨日もよい状態とはいえなかったんですが、何度か呼吸に意識を集中しているうちにだんだんと落ち着いてきました。
いつもは、息をはくのは、20秒以上いかないのですが、昨日は苦もなく50秒をこえていました。息が体に落ちていくー浸透していく―感じをはじめて味わいました。
お気にかけていただき本当にありがとうございます。しみじみうれしくおもいます。

4/13往信
いつもは、息をはくのは、20秒以上いかないのですが、昨日は苦もなく50秒をこえていました。息が体に落ちていく−浸透していく−感じをはじめて味わいました。
一つお教え下さい。上記のメールにあるような深い呼吸にがお出来になるということは、ギックリ腰はほぼ消えたのではないでしょうか?
残っていても2〜3パーセントと見たいのですが当たっていますか?
深い呼吸をやっているときは腰痛はない、でも動くとまだ痛むという状態でしょうか?
腰椎3番あたりの脊柱起立筋の左右差についてですが、ヒトの立っているのを支えているのですから固いですよ。親指をしっかり当ててその場ペンギン歩きをゆっくりやって見て下さい。右・左と交互にゆるめばいいのです。もし両側ともゆるまず固い状況ですとまたギックリ腰をやるでしょう。私も10数年前はぎっくり腰・腰痛を何回も体験していました。ここ10年くらいはありません。4年くらい前、膝痛をやり、正しく歩くことが大事と気がつきました。

お金の掛からない健康法
その1万能特効薬・・・・・ゆっくり呼吸
その2楽に出来るいい姿勢
その3歩きながらバランスが回復します
その4秒単位のストレス解消法胴ぶるい
と重要度の順になっています。

ゆらすのはいいですよ。補記この方にはこのお金の掛からない健康法のその1から4まではすごく合っている。センサーが抜群の方である。難しいこともなんなくこなしてしまう。中心軸を意識していれば歪みにくくなり、痛みも出にくくなるだろう。
どんなに中心軸を意識しても中心軸は常にゆらいでいる。
ゆれかたは人により大きい小さいはあるにしても全く固定してしまうということはあり得ないはず。弓の名人になると暗闇でも的に当てるという。
ゆらぎが限りなく零に近づいているということだ。でも零にはならない。限りなく零に近づくということは限りなくバランスが整うということだ。
そしていい呼吸になっているということでもある。
「吐く息が50秒を越え、息が体に落ちてちていくー浸透していく―感じをはじめて味わいました。」こういうメールがいただけるのは実にうれしい。
心・身・息一如の旗印がたなびいて見える。

4/10の補記に書いた「君のカラダはすごく精密に出来ている。
メンテさえよければすごい威力を発揮するはずだ。」
ここでいうメンテの部分がこれに相当する。絶好のメンテとなる。
やりさえすれば健康になる。それどころか野球でいえばイチロー以上になることも可能だろう。一吐き50秒はめずらしい。それだけセンターが出来てきている。
バランスが整ったということである。

4/15来信
腰痛の方は、ほぼ消滅しました。
疲れると違和感が生じますが、それはいつものことなので、ぎっくり腰のほうは一応治ったと思います。
心静かに、ゆったりと呼吸ができるときは、目の痛みも、背中の痛みも全く感じておりません。でも、動き出すとまた痛みが戻ってしまいます。
で、再度座ってゆっくりと呼吸をしてみました。どうやら、体の緊張が痛みをつくっている...緊張により痛みを感じてしまうようです。
私の痛みは多分に精神的なものが関与しているようなので、日常から呼吸に注意して、体に過剰な緊張をさせないようにしてあげないとだめなようです。
ほんとうにいろいろありがとうございます。
先日友人から、聴覚過敏症で困っていると言う連絡がきました。
電磁波過敏症でもあるということなのですが、こうした症状も大橋さんがいろいろ教えてくださった方法で改善をみられるのでしょうか?
検査するほど症状がひどくなって、今は家から外に出られない状態だそうです..。

4/15往信
呼吸とカラダとこころの関係がおわかりになったようですね。
今の状態ですとですと胴ぶるいを毎日こまめにやることがおすすめです。
毎日のストレスを溜め込まず、今まで溜め込んだ分も少しずつ取れていくでしょう。
症状が取れても溜め込んだ分が無くなったわけではありません。
カラダには自分で気のつかないこりが沢山あります。
それが今まで溜め込んだストレスです。
「カラダを動かすと痛みがある」とありましたが動かすと痛いということはまだ出来たてのこりです。これは取りやすいこりです。
永年のこりは痛みを感じませんし、なかなか無くなりません。
お友達の聴覚過敏症・電磁波過敏症についてですが、次のことが考えられます。
1カラダの歪みをとる。2カラダを陽性体質に変えていく。お友達のカラダは随分歪んでおり、そして陰性体質でしょう。カラダの歪みを取っていくとカラダの機能が本来の働きを取り戻します。陰性体質を陽性体質に変えていくといろんなストレスに対応出来るようになります。
家から出れないのであればあなた様が出掛けていって歪みをチエックしてカラダをほぐしてあげれば随分楽になることでしょう。
それからTV・PCのコンセントは使わないとき抜いておくことです。
電源スイッチがOFFになっていても電磁波いっぱい出ています。補記陰陽については桜沢如一のいう陰陽と漢方でいう陰陽とは若干異なる。これについては別の機会に書く。


024 効果が倍増する、新「肩の3点セット」   2002-5-7(火)

5/2帰郷した。郷里は新潟県巻町、古くは越後毒消し、後に巻原発で全国区になった。さらに小泉総理の米百俵の話がある。長岡の話ではあるが米百俵贈ったのが三根山藩、現在の巻町である。その米の中には曾祖父のつくった米も入っていると考えらる。
帰郷は母を見舞うことが主目的である。母は92歳、大分ぼけが進んできている。
私に会って、すぐに名前が出れば一番いい状態です。息子とわかっても名前がすぐ出ない、でても自分の弟あるいは甥っ子の名前になって出るのが次にいい状態です。
会っても誰だか全然わからないときが最悪です。今回は二日目に、2回私の名前が出た。「家に帰りたい」と時々いう。家というのは実家のことである。
3年くらい施設で預かってもらっている内に、何十年も住んできた現在の住まいの記憶が飛んでしまっている。

帰った日に一回、翌日2回、よくよく日一回の計四回治療する。自分でうつ伏せ、仰向けの姿勢を取ることがが難しくなっている。寝るときは右側を下にして横になって寝ているらしい。そのため右側が固くなってカラダが右側に曲がっている。
手伝ってうつ伏せにする。背中がこんもりと丸くなっている。特に右側が丸く盛り上がって小山の感じである。触ると背中全体がこんもりとして一つ岩のように固い。
それでも四回やると背中が少しゆるんでゆらすと表層部が動くようにはなったし、背中の丸くなっているのは取れないものの、左右の曲がりは取れて真っ直ぐにはなった。

妹が肩甲骨がおかしいというので肩の3点セットを教えた。
すぐ3回くらいやって楽になったという。でも両手が上がりにくい、
見ると相当に重症である。うつ伏せにならせ、腕の付け根をちょっと強く押すと痛がる。このままでいくと手が上がらなくなるかもしれない。
施術し、肩の3点セットを毎日続けるようにすすめた。

帰り際になって姉から電話が入り、姪を見てくれないかという。姪は二月に右上胸部を手術した。手術後すぐに働き始めたら激痛が起こり医者に絶対安静をいいわたされて、いまも痛み止めを飲んでいる由。
すぐ来てもらって見ると、両手が伸びない。右肩甲骨がえらく出っ張っている。
施術するとこの出っ張りは半減した。手の伸びも伸びたものの充分でない。(自分の歪みを知るの3参照)うつ伏せで両手を伸ばしても45度くらいの所から両手とも下りないのである。肩の3点セットを教えやらせるも、どうも効きが悪いのである。
思いついて手のグーパーをゆっくりやらせる。そうすると下りなかった両手が見事にすーっと伸びて床まで下りたのである。脚ゆらしは脚をゆらしてからゆっくりと息を吐きながら下ろすようにやっている。肩の3点セットはそうではない。ゆらすだけだ。当初5〜6人やらせて、あまりにもうまくいったのでその後工夫がしていなかったのである。
手のブラブラもキラキラ星も合掌両手ゆらしも、ゆらした後ゆっくり息をはくことである。そうすると効き方が激変する。


025 小笠原流礼法で首が伸びる!!!!   2005-5-11(土)

小笠原流礼法に月2回参加しています。
小笠原流なんて馬鹿丁寧・厳格とか、落語に出てくる八っつあんの嫁さんの「あーら我が君」のイメージしかなかった。それがふとしたきっかけで始め今も続いている。
ここの教室ではもっぱら歩く稽古である。二時から五時まで、ただ歩くだけ。
故に人に勧めたことがない。なかなか勧める気が起きない。
エラスタルトは10人近くの人を紹介しているし、その半数の方は今も続けて参加されている。歩くこと以外のこともやるがそれは30分くらい。

歩き方は足裏全体を床につけ、すり足、膝を曲げず、等速度で歩く。前に歩く、後ろに歩く、横に歩く、斜めに歩く、二歩宛の斜め歩き、それと膝行である。最初の頃は翌日、腿や腰が痛みや張りが残った。
膝行は合気道でさんざんやったしすぐ出来るだろうと高をくくっていた。
それが全然出来ない。合気道の膝行と全然違う。
5/9、終わると参加者五名の中の50くらいの女性の首が伸びている。
むろん伸びたといってもろくろっ首のようににょろにょーっと伸びたわけではない。
すーっときれいに伸びている。雰囲気ががらり変わった、凛とした気が漂う感がある。
首の伸びた人に出会うのはこれで3人目、目の前で伸びた方は始めてである。
丸かった背中がきれいに伸びている。いつも通り、歩きをやったあとこの日は水引のかけ方があった。水引なんてと思ってあまりやる気も起きなかった。

しかしこの女性の変化を見て俄然見方を変えた、変えざるを得なかった。
水引の結び方・座布団の出し方・襖の開け閉め等これしかないというカラダの使い方で成り立っている。極めて合理的なのである。礼法は日本人の叡知のかたまりなのだ。
礼法はカラダの法則であり、最高の生活習慣といえる。この女性の首が何故伸びたのであろうか?水引をやる前にいつもの歩きをやっている。この教室に来るようになって1年くらいであろうか?こんなに早く変わる人もいる。中心軸が出来、左右前後のバランスが整ったからと考えている。いつまでキープ出来るかは別にして今の時点ではいい状態にある。

首というのはストレスを受けやすい箇所である。
その首がスーッと伸びたということは取り敢えずストレスが消えた、あるいはストレスが気にならなくなった状態といえる。先に期すべきものがはっきりとしてきたのであろう。中心軸が出来た=バランスが整った=ストレス解消=疲れにくい身体=能力発揮中心軸が出来た=伸びた首・身体=視野が開ける=到達点が見えてくるまだ仮説の段階だが「首の伸びている人はストレスを受けにくい、あるいは受けてこなかった。
故にからだが柔らかい。」と考えている。両親の仲がよくて親子の関係も良好で伸び伸び育った人は多分、首が真っ直ぐに伸びてカラダはやわらかいと思われる。
いわゆる世の荒波を育ちの良さで乗り切れたらカラダのやわらかさは継続するだろう。
しかし苦労したら首をすくませ、あるいは曲がってくることになるだろう。

ここで西郷さんを思いだした。首が無いくらい短い。
幕末から明治維新にかけて強烈なストレスを受け続けたであろう。と思ったのであるが、大久保利通がいる。彼の首は細く長い。ストレスは西郷なみにあっただろうにあの首の細さの原因はどこにあるのだろう。国家を行く末を見つめ自分の歩くべき道が明確に見えていたに違いない。ゆるぎない心柱が確立していたものと解釈したい。
写真を見ると鼻筋が見事に真っ直ぐである。西南戦争を起こし、情の人といわれる西郷隆盛との違いがそこにある。西郷さんの写真を見たいのであるが一枚も残っていないのが定説となっている。あの首の太さは彼の受けたストレスと内面の弱さというか優しさの象徴に見えてくるのである。

首は頭の物理的な重さと心理面の両方の影響を受ける。
次の日本語にはその状況をよく表している。
「首を長くして待つ」「首を竦める」「「首が回らない」「首っ丈」「首を傾げる」「首を突っ込む」「首を捻る」「首を振る」「思案投げ首」「首を竦める」この状態が続けば首は縮むし、「首が回らない」状態が続けば首は固くなるだろう。「首を長くして待つ」待ち人来たらずの状態が続けば首は長くなっても、真っ直ぐには伸ることはありえないだろう。「宵待草」は竹久夢二の作詞であり、彼の絵を思い浮かべて欲しい。待てど、暮らせどこぬひとを宵待草のやるせなさこよいは月も出ぬそうな逆の例をあげる。

「・・・・・心眼、既に開けて行手に栄光りょう覧たる人生を望み得し今日、吾が心はひたすらに言い能わざるの、限りなき欣びに勇み立つ。・・・・」天風先生の残された誦句集に載っていることばである。この場合心の中ではっきりと行くべき道が見えている。
だけどまだ到達できない。必ず行けるんだという手応えと早く行きたいという心境にあり、首は真っ直ぐに伸びることだろう。


026 首は何故曲がるのか?   2002-5-20(月)

首の話を書いたら自分の首が気になって改めて見直した。それが割と長いではないか。
仮説として「首の伸びている人はストレスを受けにくい、あるいは受けてこなかった。
故にからだが柔らかい。」と書いた。子供の頃はずんぐりして首が短かった気がする。
案外のほほんと育ったらしい。東京に出てきたとき叔母にいわれたことがある。

「お前も苦労しただろうけど育てた親はなお苦労したわい。」ギャフンである。
妹、親父、兄貴、祖父と毎年葬式を出していたときがある。
一家の働き手を次々に失って貧乏のどん底に陥った。こっちはまだ小さい子供だったので辛さもなにも感じた記憶がない。家庭の状況がわかるにつれ、それを当然のこととしてすんなり受け入れてきたらしい。

かっぱらいや強盗がどっちに逃げるかについて警察の統計がある。どっちだと思いますか?これが圧倒的に左なのである。
コンビニに強盗が入ったという通報で現場に急行する。
その時、店の左側より近づけば犯人の逮捕される確率はうんと大きくなるのだろう。
理由についてまったく触れられてはいない。人間の一番の急所である心臓は左側にある。強盗が逃げるとき心臓を守ろうとする意識が無意識的に働いて左に逃げるのだ解釈される。

のどの両側に指を当て、力を入れて歯を喰いしばってみて下さい。
のどの両脇が緊張するのがわかる。その時の両側の緊張の差が首の倒れ方に影響する。
私の首は伸びてはいるが若干右に傾いている。弟は逆に左に傾いている。
人間の筋肉というものは、よく使う所ほど負担の掛かり、固くなる。
私の首は右に力が入りやすい弟は逆に左に力が入りやすい。そいう性格・習慣を持っているということである。歯を喰いしばるのは我慢する時である。
積極的に受け入れたか、あるいは仕方なく受け入れたかで左右の違いが出る。
病身の弟は風邪をよく引いた。そして熱を出し、すぐ学校を休まされていた。


027 身体のバランス調整は毎日やってください   2002-5-26(日)

3/24ギックリ腰をやった女性からメールが入った。
「久しぶりにふにゃこんマッサージに参加しました。自覚以上に体が相当こわばっていました。特にうつ伏せがとてもしんどく腰の痛みがちっとも取れていなかったことが判明しました。無理するとまたぎっくり腰になりそうなので、今日はおっかなびっくり過ごしています。」

一回50秒も吐けてギックリ腰はほぼ完治していたはずである。
同僚の死やその他のストレスでカラダがまた歪んできたのであろう。
よくギックリ腰は癖になるといわれている。築30年以上のカラダである。今までの習慣・癖が刻み込まれている。一度草臥れきった筋肉は治ったといっても、生まれたばかりの赤ちゃんの筋肉と同じなのだ。まだまだ弱い力のついていない筋肉なのである。
それを痛みが消えたと言うことで以前と同じつもりで使うとすぐに疲れる・固くなる・痛くなるものなのだ。そういう意味ではギックリ腰は簡単に治さない方がいいのかもしれない。そういう点も踏まえて少しは痛みを残しておいてやるのが名人かもしれない。
彼女は歪みの見方も身体のバランスの見方も知っている。

だから要するにやればいいだけなのである。こんなに簡単に歪みが取れる法はない。
歪みが取れれば呼吸が楽になる。呼吸が深くなり、カラダは甦ってくる。
心・身・息一如である。故にこころの悩みも消えていく。
一日五分もあれば出来る。ところが残念なことに続けてやられている人は少ない。
私があまりにも簡単に教えすぎるのかもしれない。
重症の五十肩の女性である。一枚岩の背中が岩でなくなった、固いのであるが弾力がついてきている。聞くと一週間呼吸法をみっちりやったということである。
前から言っていたのにいい加減だったか、あるいは全然やってなかったのであろう。
一週間で岩でなくなるのである。そのくらい変わるものなんです。

股関節障害の長唄のお師匠さん、障害が残っているが故に熱心にやっている。
最初に参加されたときはかなりガタガタのカラダだったのに、つきたての餅といった感じになってきている。この女性の場合、長唄・三味線の練習を毎日何時間もやっている由。歪みが次第に少なくなってその上、呼吸法を毎日やっているようなものだ。
体内に有害なもの・不要なものを溜め込むことなんぞはなくなるのだろう。
さてギックリ腰の女性である。器用というかすごい感性の持ち主である。
一回見れば大抵のことは人並み以上にやってのける。
すごい才能だなあと、こっちはうらやましくなるのだが本人にすれば何事も簡単に出来てちっともうれしくないのかもしれない。どうもそこからの進展が見られないようである。

「カラダのやわらかいバレリーナーは大成しない」といわれる。「簡単に得たものは簡単に失う」ということであろうか?既に書いたことではあるが、また書く。
人は二本足で立ち歩く。故にカラダにいろいろな悩みを抱えることとなった。
構造的な欠陥もこころの悩みも中心軸をつくり続けることで乗り越え、天と地につながり、生きる方向を確立することが可能となる。中心軸は一度出来たからとてそれはほんの一瞬間のことである。直立二足歩行であるが故に常に揺れ動く。
その中で中心軸を追いかけ続ける。それが人間の宿命なのである。


028 背の高くするには?   20025-30(木)

いま、拒食症の大学生を治療している。最初4月の始めに見えた。
初回、浅い呼吸で、腹が全然動かない。やっている中に眠ってしまう。
3回目、呼吸の入り方よくなってきたのでスクワットを毎日やるように勧めた。
お尻に触れるとペソッと凹んでお尻の筋肉がない。こういう人が現実にいるのだ。
これほどまでにお尻の筋肉がなくなった方はこれで二人目。
車に乗ってばかりいてお尻の筋肉が退化したらしい。
ところが1週間後、お尻に弾力が戻ってきている。毎日やったなとすぐわかる。
若いだけに回復が速い。5回目、時間になっても来ないので電話するとお婆ちゃんが出て学校に行ったという。ずっと休んでいたのだ。

次の週、筋トレを始めました、そしてもっと背を高くしたいという。
180センチ近くはありそうなのに。学校に行けて筋トレを始めたのだから鬱状態からは脱出している。食事もとれるようになってきた。ところがお尻の筋肉がまた落ちている。スクワットをさぼったらしい。筋トレの中に必ず入れるようにと再度いう。
お尻の筋肉は直立した人間のカラダを支える最大の筋肉群である。
これが衰えたら立っていられなくなる。
この前TVでやっていたけど墨田区のある小学校では週一回の朝礼を腰を下ろしてやるようにしたとか。わずか10分の時間を立っていられない生徒がいるんだと。
「ジベタリアン」なることば聞いて久しい。ベタッと駅近辺で座り込んでいる若者が増えてきている。この拒食症の大学生はまず立つ・歩くためのお尻の筋肉をつけ維持することが当然第一になる。
背を高くしたいといっているけど、立てない・歩けないではヒトとして生命あるものとしてのよって立つ基盤を失うことだ。

お尻の筋肉が弱いということは当然カラダが歪みやすく、多くの疾患を招く。お尻の筋肉を人並みにつくり維持しつつ、カラダのバランスを整えていく。そいう習慣をつくらねばならない。ヒトのカラダは首・背中・腰・膝と丸くなりやすいところ、曲がりやすい所がある。その曲がりやすいところが人によって異なる。彼の場合首である。
頭が背骨の延長線上でなく10センチも前にあるといった感じである。
この曲がった首が真っ直ぐになれば5センチ以上も伸びる可能性はある。
曲がると曲がった分、ピタゴラスの定理じゃないけど背は縮む。
背を高くすることよりこれ以上、曲がらないようすることが先にくる。
お年寄りで首が逆L状に曲がってあがらなくなってしまった人を見かけることがある。
放っておくとそうなる可能性がある。首の伸びた人に今までに3人出会った、首というものは伸びるもの、と心理的な面との関連で前回書いた。ボディワークや手技療法等の手法でどこまで可能であろうか?


029 こころが先でしょうか?カラダが先でしょうか?   2002-6-3(月)

心療内科ということばが定着して30年以上になる。
当初、精神身体医学という表現もあった。これが従来の医学を総括するのではないかと期待した。しかしそうはならず単なる医学の一分野、内科・外科等と同じ位置づけになってしまった。
中公新書に先年亡くなられた池見酉次郎氏の書かれた「心療内科」がある。三〇年以上も前に書かれた本なのに、版を重ね77版になる。そして今もって売れている名著である。はらわたが煮えくり返っている写真を見てびっくりした記憶が今も鮮明に残っている。
心療内科では心が原因で身体に表れる病気を取り扱っている。
お釈迦様は第一の矢を受け手も第二の矢を受けてはならないといった。
この第一の矢は身体の病気・傷害をさす。第二の矢は病気や傷害からくる精神面の二次的ダメージを指している。心療内科と原因・結果の考え方がが逆である。

「心主体従」ということばがある。中村天風先生に教わった。
逆の「体主心従」のカラダの症状に囚われて一喜一憂する人があまりにも多いのでそう強調されたのだ。合気道でも天風会でも大先輩に当たる藤平光一氏は植芝盛平翁が強かったのはこころを導いて後、身体を送り込むからだといっている。
氏はこの「心主体従」こころがカラダを導くということを聞いて合気道に開眼したという。筆者は天風先生が亡くられて20年位して心身ともどん底に落ちた。
その時この「心主体従」ではどうにもならなかった。教わった心身統一法がほとんど出来なかった。やる気も湧いてこないのだ。教わったなかで呼吸法がわずかに効いた。
10分くらいで気持がすっーと楽になったのだ。やり続けることでどん底をやっとのことで脱した。

古歌にいわく「心こそ心迷わす心なり。心、心に心許すな」がある。
「意馬心猿」ということばもある。(暴れ馬や騒ぐ猿のように自由にならないという意)コロコロと変わるからこころというのだとか、こころというものは制御が難しいものだ。達磨大師の面壁九年の例もある。座ること9年ついに足が腐って無くなってしまったという。むろん、症状によるが軽度・中程度まではどんな方法であれ効くだろう。でも本当に重症の場合、呼吸ではないだろうか?こころとからだと呼吸は一つのものと考えている。「心・身・息一如」そして「息主心従」「息主体従」という勝手な造語も生まれた。
「心主体従」も「体主心従」もいずれも呼吸が仲立ちをしている。
呼吸なしでは成り立たない。「胸が張り裂ける」「はらわたが煮えくり返る」は前者である。、その時のこころの状況を思い浮かべ、呼吸を味わってほしい。
精神的な緊張は息を止めることによってカラダに表現される。胸が張り裂けそうなときこころの手法で何とかなるものだろうか?

「こころを入れ替える」ということは呼吸を替えることなしで成り立たないものと考える。「腰を入れる」「腹をくくる」は後者だろう。その体勢をとり呼吸を味わってほしい。
体の面からこころを固めようとしている。こころとからだと呼吸は生命の表現であり同時に動いている。見える肉体は見えないこころの表現体であり、呼吸は感じるものである。息ーこころーカラダ・こころー息ーカラダと切れ目無くつながっているものであり、一つの流れと見ると理解しやすい。その時は「心・身・息一如、円環の理」という。


030 正しい歩き方というのは?   20026-8(土)

歩き方については沢山の本が出ており、様々に書かれている。
しかしこれはいいという表現にお目に掛かったことがない。
わずかに「踵で着地しつま先で蹴る」と書いている本が1・2冊ある。
これは「お金の掛からない健康法の3歩きながらカラダのバランスが回復します」に近い。他に踵で着地し、小指丘から拇指丘に重心を移動して行くがある。
これもましな方である。本によっては正しい歩き方の条件を10も20も挙げている。ここでいう正しいというのは何をいうのだろうか?カラダのバランスを整える歩き方を正しいと考える。逆にバランスを乱し歪みを生ずる時、間違っていると見る。

エアロビクスを教えている女性が呼吸塾に参加されたことがある。
そこでは歩き方を「踵で着地し小指丘から拇指丘に移動していく」歩き方を指導されているという。そこでその歩き方をして実際にやってもらうと全然歪みは改善されないのだ。重心の原則で(お金の掛からない健康法の3)歩いても「踵で着地し小指丘から拇指丘に移動していく」の条件も満たすじゃないですか、とその時はいった。
自分で試しても踵ー小指丘ー拇指丘と歩いてもあまりいい感じがしないのだ。
ところが最近、この重心の原則で歩いてもこれだけだと完全にバランスが回復しないのだ。臀頭(お金の掛からない健康法の2)もきちんと併用しないとバランスが回復しない。
これは私のカラダががバランスについて敏感になってきて、より完全なものを要求しているのかもしれない。

立ち方・動作の研究をつづけている友人がいる。
彼がいうには「歩くときどちらかの足を若干斜め外側前方に向けて歩く」のがいいという。早速、片足ずつ外や内にむけて歩いてみた。結果、股関節の固い方の足を少し外向けにして歩くといいということがわかった。
もう一人、女性の方に試してもらったら同じ結果を得た。
しかし股関節の片方がが固く内向きで足首が逆に外向きな方の場合は別かもしれない。
しかし考えて見たら「股関節の固い方の足先を若干外向きにして歩く」ということは足先の開き方が左右同じくらいにして歩くということだ。

それならばと股関節のよく開く側の足先をちょっと内側に向けて歩いてみると今度はこれもOKとなった。そしてこの歩き方だと臀頭を特に意識しなくともバランスは今のところ崩れない。そして小指丘から拇指丘への重心移動がしっくりとくるのだ。
そういえば一年くらい前、エラスタルトの先生が足先を60度くらいに開いて歩くと一番良いといわれていた。
今日現在正しい歩き方とは、「閉じている側の足先をちょっとだけ外側に開いて歩く。
あるいは開いている側の足先を内側にちょっと内側に閉じて歩く。
両足先の開き角度は60度くらい」と考えている。


032 ギックリ腰の効用   2002-6-15(土)

安保教授は「免疫未来学」でご本人の脈拍に触れている。
「一分間の脈拍数70を越えるとやる気が出てくる。
脈拍数が増えるにつれうれしくなってくる。
65以下になってくると元気がなくなり55以下になると理由もなく悲しくなる。
そして脈拍が増えるときは呼吸数も同じく増えている。
脈拍数・呼吸数と精神状態が密接につながっている。
交感神経が緊張しているときは痛みを感じにくくなり、副交感神経が優位の時は痛み・悲しみ・辛さを感じやすくなる。」

さて前にに書いたギックリ腰の女性である。上記のことを踏まえて考えてみる。
敏感体質からして副交感神経優位でリンパ球が多いタイプと考える。
それに普段あまり運動はやっていないだろう。
やってもリラックス・脱力系のワークで、更にリンパ球を増やすこととなる。
従って常にリンパ球が増えすぎる傾向にあり自律神経はその調整のためギックリ腰を引き起こしたのではないか?その時は一時、顆粒球が急増するのだろう。
ギックリ腰といえば交感神経の緊張が続き、カラダは固くなり血液の流れが悪くなり、その結果が腰に来る。この場合は当然、顆粒球が多くリンパ球は少ない。ギックリ腰を起こした晩、ペンギン歩きを筋肉痛になるくらいやった由。

ペンギン歩きはほっほっほと短い呼吸で歩く。ペンギン歩きによって呼吸回数の増加は脈拍数も増加し65を越えた思われる。その結果、顆粒球・リンパ球のバランスが調整された。それで翌々日、気分が爽快になったと推論した。
ギックリ腰をやった翌日も相当な痛みがあったということは、その痛さのため一日中呼吸を抑えていた筈だ。これはどう解釈したらいいのだろうか?
よくなっていくためにそれだけの時間が必要だった、と思うもののまだ釈然としない。
今まで深い呼吸が大事とばかり考えてきた。短い呼吸・抑えた呼吸も必要な時があるのだ。そういえばヨガに「ふいごの呼吸法」があった。

「呼吸は自律神経調整の最高の手段である。」これは筆者の持論である。
筆者がギックリ腰をやったとき、カラダは固いし鈍感人間だとばかり思ってきた。
それで上記の推論に疑問を感じたのであるが、多分イヤなことを溜め込んでこれ以上はアカンという限界、つまりその1点に関してはえらく敏感になっていたに違いない。つまり一時リンパ球が臨界点を越えてしまったものと考える。

姿勢の原則・重心の原則(お金の掛からない健康法2.3)は中心軸をつくる。
中心軸が整えば自律神経を調整すると考えている。リンパ球・顆粒球のバランスも調整するであろう。そういえば筆者が最初に整体を教わった先生は「自律神経手技整体」と看板をあげていた。以上、勝手に思い込みで書いている部分もあるだろうし、牽強付会、我田引水に過ぎただろうか?


033 呼吸ってすごいなあ   2002-6-22(土)

6/21届いたメール。
>ここ一週間ほど、公私共に多忙で、特に背中の痛みがひどい状態でした。
>昨日、お話をしたかたに、「簡単すぐに治る」と教えていただいたのは、椅子に座って>肩と両手の力を抜いて、ゆっくりと息を吸って吐くときに、頭からくび肩を通って、息>を両手と両足から吐き出すようにする方法でした。

>すごいすごい。何度か呼吸をしているうちに、背中のだるさがはっきりと軽減しました。>とどめはその人と握手をしての呼吸。ためこむからだめなんですね。入ってくることを>期待せずに、どんどん出してしまう。そうすればおのずと入ってくる。
>呼吸ってすごいなあってあらためて思いました。
>今日は組合で春闘賃金闘争...。
>気づいたときに、じゃかじゃか呼吸をして流していたので、肉体的にも精神的にもほん>とうに楽でした。ではまた!こういうメールが戴けるのは大変うれしい。呼吸って全くすごいと思う。勇気づけられる。呼吸法というのはやれば必ず効果の出るものなのだ。

残念なのは一吐き50秒の呼吸が出来る状態になったのにそこで止めてしまった。
そしてまた背中の痛みがひどいと書いて来ていることです。
そうです。調子よくなるとやることを忘れるのです。普段、息を止める・あるいは浅い呼吸を頻繁にやっていると(これは筋肉の仕事です)結果として筋肉が疲労困憊して背中が痛くなってきます。筆者も散々悩まされました。
でも一般的には背中の痛さと呼吸を結びつけて考えられない方がほとんどです。
長年こり固めた一枚岩の背中でも一週間で変わると書いた。要はやるかやらないか。
やれば楽になるし「気づいたときに、じゃかじゃか呼吸をして流して」いれば溜め込まないで済む。この方にはイメージを併用した呼吸法が合っているらしい。
重症の五十肩の女性にも勧めてみるつもり。
このやり方の方があるいはやりやすいかもしれない。


034 「じゃかじゃか呼吸をして流す」のやり方を教えて下さい   2002-6-2(金)

>今日いただいたFAXのじゃじゃか呼吸をするについてですが、私の場合、時間を取っ>て呼吸をするというのはなかなかできなくて、夜布団に入った時や、日中、何かをしな>がらの方がやりやすいのですけど、「じゃかじゃか呼吸をして流す」のやり方を教えて>下さい。止めないでゆっくり深く吐けば、流れるのですか?

そうです。人間はいつも呼吸をしています、生きている限りは。
だから本当はわざわざ時間を取ってやるものではないのです。
何かをしながらの方がいいのです。ただ毎日必ずやることが大切なのです。
夜、布団に入ったときはチャンスです。重力の影響が一番少ない姿勢、つまり物理的ストレスから解放されている状態で、ゆっくり呼吸をする、
これが最も効果が期待できる時です。やり方といっても書いてあるとおりにやるだけ。
溜息をつきますよね。簡単にいえばこの溜息を頻繁にやる、吐くときにイメージを付け加えるのです。「肩と両手の力を抜いて、ゆっくりと息を吸って吐くときに、頭からくび肩を通って、息を両手と両足から吐き出すようにする」文字通り息が頭から首・肩を通って両手と両足から出ていくと思うだけ。息が流れると思えばそのように気が流れるようになります。呼吸法と想念というかイメージを使ったやり方です。
全身の毛穴から息が出ていくというイメージをつかうやり方もあります。

>春はほんとにまいってしまいました。話したくない、話せない、笑えない、といった具>合。本当に心と体が楽になりたいです・・・・特に体は冷えが。

息が詰まってカラダが固くなっている状況がよく感じとれます。
じゃかじゃか流して下さい。吐けばカラダがゆるんできます。
それと胴ぶるい・独り寝にょろがおすすめです、固くなって息が吐きにくい時には。
声を出しながらカラダをゆらすと楽になります。
吐けばカラダがゆるみ、ゆるめば血液の流れがよくなります、従って冷えも取れていくものです。つらいときは楽楽はうすへお出で下さい。
私がやっているのは、ボデイトークのからだほぐし(ゆらしのマッサージ)&呼吸を深くし歪みをとる手技です。


035 やれば出来る。しつづけるのが躾です   2002-7-5(金)

6/2会社勤めをしておった時の、協力工場の親父さんから電話をもらった。
この親爺さんからは貴重なことをいろいろ教わっている。一番記憶に残っているのは市の剣道大会に優勝した話だ。20年も前、当時60歳くらい
だったと思う。高校剣道部の連中やら剣道部の師範も混じるなかで見事10人抜きをして優勝したのである。お断りをしておくけれど白帯である。しかも普段もあまり練習されてない。まあ素振りくらいはやっていたらしい。それで聞いた。
「普段練習しないで何で優勝できるんですか?」と。そしたら「剣道も鉄砲も機械加工もいっしょだ」いわれるのである。軍隊時代は連隊の鉄砲代表選手だった由。
剣道は軍隊に入る前勤めた会社でやっていたという。
機械加工に関しては抜群の腕を持っており、精度の厳しい加工物はここに頼むことになっていた。いまでこそマシニングセンターが普及し精度を要する部品の加工も容易になってきているが当時は加工出来るところがあまりなかった。

85歳の今でも車の運転は毎日やるし、忙しければ機械加工も手伝うのである。膀胱ガンとはっきり宣告された由、以前に胃ガンで2回内視鏡で手術されている。
子供達がメシマコブだ、何だと騒いでいるがどうか?という。
いろんな健康食品がガンに効くと入れ替わり立ち替わり出てくる。
そういうものより福田稔氏の自律神経免疫療法をおすすめした。
4年くらい前、最初に胃ガンといわれたとき電話をいただき伺い体を見させてもらっている。2回目昨年の12月にも電話を受けている。胃の全摘手術をいわれた由、内視鏡でやるか全摘かということだった。筆者は内視鏡の方をすすめた。お年85歳を考えても断然、全摘手術なんぞやらない方がいいに決まっている。年も年だしカラダは大分歪んでいるだろう。歪みを取っておけば膀胱ガンにもいいはずだ。

それなら私で出来ると6/6伺った。カラダを拝見する。ところが吃驚するほどカラダが柔らく歪みが少ない。仰向けでバンザイすると手はよく伸びるし、左右の差はわずか1センチくらいである。股関節の左右差も少ない。
肩の方は例の肩の3点セットを一回やると取れた。股関節の方は開きの少ない方の足を少し開き気味に部屋の中を二回往復するだけでそろった。そしてなんだかカラダがスッキリした感じがするといわれる。感覚が実にシャープである。

次いで2人の息子さん、2人とも肩や腰を痛めたことがある。長男の方は肩の3点セット1回そして股関節の方は綿菓子やさん・鍛冶屋さん各1回でそろう。
次男の方は左の肩が痛いといっていたけど肩の3点セット2回、股関節の方は開きの少ない方の足を開き気味に2往復でそろった。肩の痛みは消えた由。
そして次男の嫁さんも見る。肩の方はいいけれど股関節が固く左右差が大きい。
首がこる由。綿菓子やさん・鍛冶屋さん3回やると股関節の左右差が半減した。
一番年を取っている親父さんが一番カラダの状態がよく、次いで長男、次男、一番若い次男の嫁さんが一番固く、カラダの若さと年齢が逆順になっている。

夜寝る前に、ゆっくりとした呼吸を(お金の掛からない健康法その1)毎日やっているという。以前、といっても多分20年以上も前の話だ。夜、眠れなくて困っているとお聞きしおすすめした。その当時もお会いする度に「あれはよく効いたよ」と、お礼をいわれたけれど20年以上も続けてこられたとは!重心の原則(お金の掛からない健康法の3)もこれもずっとやっている由。
筆者は忘れていたけど昨年12月にお話していたのだ。
85歳でこのやわらかさ・バランスの良さを納得した次第。

6/22、Dさんのカラダを見さしてもらった。最初に見たのがH10年11月、手も足も重くカラダも随分ゆがんでいた。それが仰向けで両手を頭上に伸ばすと軽くスーッと伸びて、しかも左右差がほとんどない。足の方は見ていないがバランスもいいはずだ。長年の腰痛不安から解放されただろう。やればできるのだ。本人が姿勢・歩き方についてもちゃんとやっているということだ。


036 手・・・・・触れているだけでバランスは回復する   2002-7-12(土)

6/15HPを見たと30代?の男性の方が出席された。
昨年HPを開いて以来始めてである。他に3名出席の予定がゼロ。
一人でも来ていただければ教室は成立する。
早速カラダの歪みチエックから始める。仰向けで手をバンザイすると右手が固い。
肩の3点セット2回やる。そしてバンザイすると固い右手が下りるようになる。
それから普段の歩き方で部屋を二往復する。すると元の歪みが戻った。
そこで肩の3点セットをまたやってバランスを整える。
それから姿勢の原則と重心の原則で歩く。そして検査ををする。今度は崩れない。
今度は股関節の左右差を解消するワーク脚ゆらしをやる。
そして検査あぐらの姿勢で足裏を合わせ膝の下り具合を見る。若干右側が固かったのが下りている。そこでもう一度以前の歩き方に戻すと股関節の左右差は変わらない。
バンザイで見るとまた固くなっている。これは股関節の方が肩関節より固いので一度変わると戻りにくいからだと解釈している。

手の効用について考えている。手から気が出ているとか、遠赤外線が出ているとかいわれている。筆者もすごい気が出ているといわれたことがある。
「何にもせず、ただ手も触れているだけ。それだけで受け手のカラダがゆるんでくる。
ゆるんでくるだけでなくバランスも整ってくるのだ。手の動かし方を列べても随分とあるものだ。方向・強度・呼吸等を組み合わせると受け手のカラダに触れているだけでもバランスが回復する。
ヒトのカラダは皮膚は勿論、筋肉・骨格も呼吸器官なのだ。
手技における手の使い方で表現してみた。まだまだ沢山あるだろう。
この教室では触れ手・かざし手・ゆらし手が主になろうか。

触れ手  かざし手 叩き手  入れ手  ゆらし手 
伸ばし手 挟み手  引く手  落とし手 撫で手
押し手  廻し手  抜き手

最初は触れ手からうつ伏せの姿勢で背中に両手を乗せておくだけ。やって見せて交替する。受けを取りながら肩に力が入っている、遠慮している等2・3注意する。
そして自分のカラダがゆるんだら、そこまででいいといったらうまくいった。
バンザイをすときちんとそろっている。
手を当てている方のカラダがゆるんだらOKという考えは重要である。
自他共にゆるむということである。筆者は治療するときに使っているが人に教えてやらせるのは始めてである。

次いで背中ほぐし、これは主にゆらし手を使う。背中をゆらし「怒りのしこり」「あせりのしこり」「気遣いのしこり」をほぐし、肩甲骨ゆらしでしめる。これもうまく行く。
なかなか勘のいい方である。人間のカラダというのはどこを触ってもバランスを回復するのだ。といっても軽症・中症までで重症は無理。
逆にいうと簡単に歪みもするものなのだ。
ヒトのホメオシターシス・フイードバック機能は常時働いている。


037 膝が痛いときは??その1   2002-7-19(金)

駅の階段を上がっているときだ。
前の方が一段上るごとに左の膝が外に10センチもふくらむのだ。
足の筋肉が内側と外側のバランスがえらくくずれている。相当につらいだろう。
筆者も膝を悪くして階段の上り下りにえらい不自由した経験がある。
歩けなくなったらどうしようかと思った。
人間、人間に限らず動物は歩けなくなったお終いだ。
動く物が動物、それが動けなくなるのだ。野生の動物なら即、死に繋がる。
姉が膝を悪くなって歩けなくなった、そして9月に人工関節を入れる手術をすると電話が入った。それで取り敢えず自分で出来る法として、お風呂で正座することを教えた。
やり方はお風呂で温まったら膝立ちをして、両手を湯船についてカラダを支えながらゆっくりと降ろしていく。無論無理をしない、降ろせる範囲である。これは以外と効く。
筋肉バランスが回復する。それから10日位して会った。そしたら歩いているではないか、「効いたみたい」という。

いくつか体操と歩き方を教えた。その中でお尻歩きがとてもうまいので誉めた。
そしたら立って歩けないのでもっぱらお尻で歩いていた由。
最近はこのお尻歩きがTVや健康雑誌で度々取り上げられている。
カラダのバランスが整い骨盤調整・O脚解消には効果がある。
この姉のことはお金の掛からない健康法の1特効万能薬をお飲みになって見ませんか?に、一年続け見違えるほどやわらかいカラダになったと書いた。
本当につきたての餅みたいなカラダになったのである。ところがこれには後日談がある。

旦那が膝が悪くなって歩けない、旦那のやっていた野良仕事をやらねばならない、旦那は自分が動けないのでストレスは溜まるし文句ばかりいっている。
忙しいとやることをさぼる。寝てからのゆっくり呼吸をすることがおろそかになった。
そしたらまた姉のカラダが固くなってきた。以前のポキッと折れそうなカラダまでは行かないまでも背中が固くゴツゴツとこりが多くなってきた。これは当然の結果である。
旦那のカラダは前に一回治療したことがある。
座れないのが一回で何とか正座できるようになった。その後まもなく歩けなくなったと聞いてはいた。それがまた歩けるようになったという。なんでもタバコの吸いすぎで脚の血管が詰まって腐りかけたとかで医者の治療を受けタバコを止めたら歩けるようになったとか。


038 膝が痛いときは?その2   2002-7-26(金)

姉に教えた内容は仰向けゆっくり呼吸・ひざパタ・ひとり寝にょろ・茶筒・片足開き歩法・お尻歩き・肩の3点セットである。仰向けゆっくり呼吸はお金の掛からない健康法その1とは手や足の位置が異なる。お金の掛からない健康法その1では両手はお腹の上に置いた。これはおなかがゆっくり動くのを確認するためのものである。今回はそのバージョンアップ版で、より速い効果が期待できる。

「今晩は、大橋です。試して欲しいことがあります。夜、仰向けで寝ます。両手のひらを上に向けて体側に広げます。角度はカラダに対して10度から45度くらいでしょうか。そしてゆっくり呼吸をします。これだけで私の姉のカラダが変わりました。
1年くらいでポキッと折れそうなくらい固いカラダが、ウソみたいに柔らかにそれこそ、つきたての餅みたいになりました。出来たら股関節のやわらかい方の足を20センチから30センチくらい広げます。(外転しやすい方、たいていは足先が余計に倒れている方です)手の平を上に向けることとこの片脚を広げることでカラダのバランスが回復します。その分カラダがゆるみ無理なくゆっくり呼吸できます。そのまま眠ってしまっても構いません。寝際にゆっくり呼吸することで心身共にゆったりした状態でおやすみになれます。朝、目が覚めたら同じような姿勢でゆっくり呼吸をしてから起きます。
時間は3分くらいでもいいのですが毎日続けることです。

コツというほどのこともないのですが無理に大きくとか深くとか考えなくていいのです。続けさえすればカラダは必ず変わります。」上のメールは胃が痛くて眠れなかった女性宛のものです。同じ内容で頸椎の椎間板ヘルニヤに悩む男性宛にも発信している。
胃の痛いのは精神面のストレスが原因とはっきりしている。
椎間板ヘルニヤのほうは原因は不明である。それと姉の膝痛と三者症状はそれぞれ異なる。それに対して同じ処方を出したことになる。これはいいですよ、何にもしなくともこの姿勢になると、これだけでカラダのバランスが回復してくる。そして呼吸がゆったりしてくる。手をバンザイするとカラダがゆるんでいるのがわかる。
足を開くのは筆者のやっている手技の応用である。
両手の平を上に向けるというのは最近の発見である。

症状が異なってもカラダのバランスが整えば、呼吸はゆったりになり痛みは軽くなっていく。実際にこのやり方をやってみて、どこまで改善されたかおわかりにならない方が多い。そのためにセルフチエックがある。仰向けで寝て両手の平を向かい合わせて、床と垂直に伸ばす。それからそのままゆっくりと肘を曲げないで頭上に降ろしていきます。
そうすると降りやすい手、降りにくい手がわかる。一般向けにはこれが今のところ一番わかりやすいチエック方法と考えている。
やる前とやった後で左右差が少なくなっていれば効いている。


039 膝が痛いときは??その3   2002-3ー2(金)

膝が痛いときよく使われる定番が膝パタである。
通常腰を下ろして膝をパタパタやるのであるがここでは別のスタイルのを書く。
前回、仰向けで片足を拡げて両手の平を上に向けるやり方を紹介した。
仰向けゆっくり呼吸と書いたが名前がまだ無い。
ゆっくりと思わなくとも呼吸はゆっくりになってくる。拡げる足の角度・両手の体側に対する角度も最適のものがあるはずだ。手技で治療をするとき、受け手に両手を胸に置かせる。これより呼吸の入りかたがいいのだ。

なによりも簡単なのがいい。多少、角度が大きかろうと小さかろうと特に害はない。余計な神経を使わずにやれる。
それでもこの姿勢でお尻の位置をほんのちょっとずらしただけで効果が違ってくる。
ゆっくりと自然な呼吸になってくる、これは重要なことだ。

何にもしないでこのポーズでただ寝ているだけ、なまけもの健康法とでも呼びたい。
いい名前がないものか?この姿勢で膝をパタパタする。この場合片足ずつやる。
股関節のやわらかい方からである。アーーーーといいながら5回くらいパタパタやってゆっくり息を吐く。右をやったら左をやる。そしてチエックして左右差が減少していればOKとする。

パタパタは軽く小さい動きでいい、むしろ小さい動き軽い動きの方がいいようだ。いうまでもなく無理をしない、痛くない範囲での動きである。膝だけでなくギックリ腰にもいい。姉がまた歩けなくなったという。
調子がいいので畑仕事をやったんだと。無理をしたらダメだとくどくいったのに。
膝パタも出来ないという。歩けないほど痛くなったのは休めという信号だから休んでいればいいのだ。それが痛みが消えると治ったと勘違いする。

歩けなくなったことなどケロリと忘れている。その時点では脳は丈夫な時の記憶しかない。その記憶で、丈夫な積もりでカラダを使ったら、それも歪むような使い方をしたらイチコロである。治りかけは筋肉は赤ちゃんと同じ状態と考えるといい。
無理は厳禁、用心して徐々に慣らし運転していくことが必要なのだ。


040 膝が痛いときは??その4   2002ー8-9(金)

何年か前、膝が痛くなって整形外科に行ったことがある。
ちょっと見て、「水が溜まっていますね。抜きますよ。」いきなりブスッと注射針を入れられ大きな注射器で膝の水を抜かれてしまった。そして湿布薬を渡された。
それだけで何にも説明もないし他に何にもしないのだ、本当ですよ。
親切な医師であれば「軟骨が炎症を起こしているために、少し水が溜まっています」「ある程度年を重ねてくると、体重の増加とともに筋力が減退してきます。そのため、膝などに負担がかかり、炎症という形で表れる場合が多い。痛みがなくなったら、減量とともに筋力アップに心がけて下さい」くらいはいってくれるだろう。

「私の持っている医師の書いたよく売れた膝痛の本では3つの療法が書かれている。1薬物療法痛み止め。内服薬と外用薬がある。2物理療法温めるあるいは冷やす。3運動療法筋力訓練・ストレッチング・ウオーキングこれらを否定はしないが身体のバランスという観点に欠ける。
膝痛で一番多いのが変形性膝関節症である。変形性といいながら変形つまり歪み故に痛みが生ずるとは考えていない。変形性膝関節症のため膝の内側の関節軟骨がすり減ってくるためにO脚となるとしている。軟骨がすり減ってO脚になるのではない。
その前からO脚になっている。内側と外側の筋肉バランスが違ってくるとO脚またはX脚になってしまう。当然の話と考えるがそういうことが全然書かれていないのである。

ストレッチ・筋力訓練にしても呼吸と密接な関係があり、やりようによっては全く逆効果になることが全然わかっていない。ウオーキングにしても痛みがなくなったら1回20分以上歩けとしか書いてない。歩きようによっては歪みが大きくなるなど考えてもいない。筆者が膝痛・ギックリ腰で随分あちこち通院したが歩き方を指導されたことは今まで一回もない。今の病院・治療院はそのレベルなのだ。
膝が痛いときは??その1でお風呂で正座する法を書いた。これはそれと似ている。
まず肩幅より広めで膝立ちとなり、両手はバンザイの姿勢をとる。
そして徐々にカラダを沈めていく、痛くない範囲で。この時は息を吸いながらです。
そして今度は息を吐きながらカラダを起こしていく。
床についている臑の部分は左右平行である。一人で自信のないときは両手を支えてもらってやるとよい。呼吸が重要である。逆にやると歪みはとれない。

8/3エラスタルトに参加された60過ぎの男性10年くらい前から右膝が痛むという。終わってからこれを5回やる。バンザイをすると左肩が固かったのが左右揃ってきた。
痛みが薄らいだとおっしゃる。毎日続けられるようおすすめして別れた。
1週間後毎日続けて調子がよい由である。膝の悪い方は特に歩き方を自分自身で研究して身につけていくことだ。でないと膝はなかなか治らないし不自由な生活を余儀なくされる。


041 凄い!「重心の原則」と「一直線歩き」の併用   2002-8-16(金)

前回、同じ手技をやっている先輩に当たる治療師の方が参加された。
仰向けになると両足が左右に180度に開く。薬剤師のDさんもそうだった。
両足とも極端に外旋している。得意の肩の3点セットをやるも、効きが今一つなのである。バンザイしてもピタッと決まらない。この手技をやっているとカラダのバランス感覚が鋭敏になってくる。この方のカラダに合った角度・方向・強さでないと決まらないのだ。
その意味ではこの肩の3点セットもまだまだ研究余地があるというものだ。
手をブラブラさせるときの姿勢、仰向けで腕は床に垂直にして肘を直角に曲げる、これがやりにくいというのだ。足が極端に外旋していると思ったら腕も左右に引っ張られるのだ。

手技の講習会に出るとお互いに練習をやりっこするのであるが、治療師の方々はカラダがえらくゆがんでいる方が多いのだ。さて次は歩法である。お金の掛からない健康法その3歩きながら身体のバランスが回復します(重心の原則)お金の掛からない健康法その4カラダの歪みが取れる一直線歩きこの二つを一緒にやった。部屋の中を2回ほど往復する。するとどうだ。バンザイで固かった両手がスーッと下りて左右が見事に揃った。
やった!と思わず心の中でガッツポーズをやってしまった。
これはみなさんに見せたかった。
柔道の試合でいえば文句なしの「一本」である。肩の3点セットはせいぜいで「有効」である。カラダは全身つながっている。両手が揃ったということは歩くだけで上半身の歪みも取れるということだ。この歩き方で肩こりも解消すると考えている。

今度は足の開き角度60度で歩く。これも効きが悪いのだ。
これだけ足が外旋していると30度で振り分けて歩くのは難しいのだと解釈した。
前に正しい歩き方ということで書いたけれど、ひどい外股の人はこの歩き方だとバランスが整うのに時間が掛かるとみた方がいい。

さて股関節障害の長唄のお師匠さんである。背中の状態がいい。やわらかいいい背中になった。ここに来始めた当時は何というか、がさがさした背中だった。
足はまだ少し引きずるも徐々に改善されてきている。
同じように「重心の原則」「一直線歩き」をやる。これだと足を引きずらなく歩けるのだ。そして仰向けになると今まで力無く外に倒れていた右足が倒れない。
どれだけこの状態が保つかは別にして効いている。
当初、2〜3秒だったのが数分以上は保持できるようになってきている。
当初は歩きにくいと思う。一つは慣れること。
もう一つは直線の幅を3〜5センチにして自分に合った歩き方、長続きするしかもバランスが整う歩き方を身につけることだ。


042 凄い!「重心の原則」と「一直線歩き」の併用その2   2002-8-18(日)

下記はあるMLに投稿した筆者の文である。
「私も腰痛を軽いの重いの何回もやっています。今は完全に治った積もりでいます。
いろいろ試してみて最も大事なのは左右の筋肉バランスを維持することと考えています。

そのために一番効果があると、おすすめしているのは一直線歩きです。
カラダの前面に一直線をイメージしてその直線上を左右の足を下ろすように歩きます。
かかとの中心から下ろし拇指丘の中心で蹴るそれだけです。
一直線歩きは賛否両論あります。

否の方は「足は本来平行についているものだから、一直線歩きは不自然だ」というのです。でも左右の筋肉バランス調整には抜群の効果があります。
毎日5分でも10分でもやっていると腰痛にさようなら出来ると思います。
ただ、今の自分には腰痛はありませんので実験出来ません。
読者のみなさまに試していただいて結果をお聞かせ戴ければ幸いです。」


043 左右対称性は、生命の規準・ヒトの原点である   2002-8-23(金)

ヒトの祖先は天敵のいない餌が豊富にある樹上生活に過剰適応した。
それが樹木のない所に放り出されたとき、ヒトは個として生か死か、種としての生き残れるかはたまた絶滅かを賭けて大作戦を敢行した。

これしかなかった。気の遠くなるほどの時間を掛けて完成した。それが直立二足歩行だ。結果は大正解、今では地球のガンといわれるまでに人類は大発展した。直立二足歩行によって生じた左右対称性は、生命の規準・ヒトの原点である。このことばは筆者の作であるが自分で気に入っているし凄い表現だと思っている。

これほどまでに立つこと・歩くことはヒトにとって重要、生きることと同義といっていい。「這えば立て、立てば歩めの親心」というけれど這うことから始まって、立つことを経て、歩けるようになるまで何十回も何百回も練習をして漸く歩けるようになる。

一度歩けるようになると歩くことに神経を使わなくなる。歩き方とカラダの歪みが関係しているなど思いもしない。歪みが痛み・こり・諸病の原因となるなどほとんどの方が考えていないのだ。

ここで再び歩くことの練習が必要なのだ。歪みのでない歩き方、左右対称性をキープする歩き方を身に付けなければならないのだ。


044 「一人バンザイ検査」のすすめ」   2002-8-30(金)

仰向けで両手をバンザイして身体の歪みをチエックする検査法がある。
一部の整体関係の治療師が使っている。このバンザイ検査が誰でも一人で出来るようにしたいと考えている。でもこれがなかなか難しいらしい。

自分が出来るようになるとつい誰でも簡単に出来ると思ってしもう。
筆者自身振り返ると、自分を実験台にしてカラダの動きと呼吸の関係を調べるためにこのバンザイ検査を使ってきた。
お陰で自信を持ってバンザイ検査を使えるようになってきている。
肩関節は上半身の重量を支えている股関節よりはるかにやわらかい。
やわらかいが故にちょっとした力のいれ具合で揃ってしまう。
その分、違いがわかりにくい。むろん五十肩なんかの場合は検査しなくたってわかる。

でもこの検査法を身につけると実に重宝である。慣れるに従い仰向けだけでなく立っても座ってもすぐチエック出来るようになる。両手がそろってそれがどうした?といわれそうですが一直線歩きをちょっとやっただけで両手がそろいます。
歩くということは足の領分みたいですが全身です。
足からの刺激で両手がそろう、カラダってつながっている。
カラダのどこを刺激しても、どんなワークをやってもそれがバランスを整えるか歪みをつくるかこれだけでわかるのだ。

先日、Dさんカラダを見させてもらった。
仰臥位で見ると、つい一ヶ月ぐらい前は両手はスーッと伸び楽に両手がいい具合にそろっていたのに、今日は右肩が固い。その上、右足が外に流れている、調子が悪いときはいつもそうだ。
一人入院しこの一ヶ月ぐらい猛烈に忙しく昨日は徹夜の由。
バンザイ検査をしても一人ではうまくできないのだ。
仰向けで寝て、両手の肘を伸ばして頭上にゆっくり下ろすとき右に流れるのが本人はわからないようだ。それから両手を下ろしてから中央に寄せて手の平を合わせる。
これは両手の床からの距離差がわかりやすいだろうとそうした。
これが両手を中央に持ってくるとき上下にぶれてしまうのである。

Dさんでさへこの調子だから他の人はもっと大変だろう。もっと教え方を工夫する必要があるし、練習の時間も多くした方がいいようだ。
一つは肘を伸ばしながら下ろすやり方に変えたからだ。
単に両手の長さを比較するよりこの方がよくわかると思ってそうしたのだがなかなかうまく行かないものだ。

それで肩の3点セットも効果のほどがはっきりとでない。
やるたびにバンザイの状況が違うのだ。日常の生活は一応ちゃんとやれているようだが、相当に重症である。それでも一直線歩きはやった直後は効いている。
毎日やっていた胴ぶるいやペンギン歩き等のワークは今も続いているのだろうか?
このカラダだと多分やっていないなと思われる。

人のカラダというのは簡単に歪みもするし、簡単に整いもする。
これは軽症・中症までだ。重症の人というのは無理を重ねている、
時間が掛かる手間が掛かる。重症の人ほど一旦回復してもその人の生活習慣・癖に引っ張られやすい。さぼる程に元の木阿弥になりやすい。
自然治癒力はバランスを整えようと常時働いている。その結果が今の時点のカラダである。バランスワークを毎日し続けることは自然治癒力を手助けすることになる。
その目安になるのが「一人バンザイ検査」なのである。


045 膝が痛い時はその5   2002-9-8(日)
       (重心の法則と一直線歩きの併用は膝を伸ばしきらない)

最近左の膝が痛くなる。正月頃、左膝にかすかな痛みがあった。
それがここ一か月くらい前から次第に強くなってきた。最初、内側だった。
それが外側がが痛くなったりお皿のなかが痛くなったりする。
そうかと思うと右膝が痛くなったりもする。
以前痛くなって不自由したのはいつも右側だった。理由がわからない。
歩いているときの痛みはそれほどでもないのに、家にいて腰を下ろしているとき膝の痛くなる。「膝が痛いその時は」とその4まで書いた。書いた筆者がその直後から膝痛に悩まされるとは全く以て様にならない。

「膝が痛いときはその4」まで書いてあることは当然やった。
効果はあるし取り敢えず痛みも消える。ほかにも外重心茶筒・外重心胴ぶるいが効果があった。膝が重いと感じたら20秒ぐらいやると消える。
でも翌日また痛くなるのだ。筆者はO脚である、O脚だと膝痛になりやすい。
そのO脚も随分改善されたと思っている。

朝起きてすぐ、何にもワークをせずとも膝・ふくらはぎ・かかとの3カ所をくっ付けることは可能なのだ。筋肉バランスもよくなってきていると思っている。それなのにこれだ。ある本では一番多いのが老化とともに頸腓関節(大腿骨のすぐ下)がゆるむからだとあった。手で動かしてみるとゆるんでいる感触がある。その本には膝を引き締める法として膝のお皿を回す方法をすすめている。すぐやってみる。すぐ痛みは消えた。これは腰を下ろしているとき膝が痛くなったらやるのにいい。やり方はお皿の上に手を乗せて圧廻すだけ。廻す方向があって右は右回し、左は左回し。右の場合、内側から膝上・外側・膝下の順に廻すのである。

外重心茶筒は屋外用にいい。足の外側に重心をかけ素早く上下に屈伸をするだけ。
お皿回しも外重心茶筒も筆者には即効である。痛みはすぐ消える。
原因の一つは歩き方にあるのではないかと薄々思っていた。いろいろ歩き方を変えて試してきた。そして重心の法則と一直線歩きを併用すると左右のバランスを整えるに抜群の効果があることがわかった。最近はもっぱらそれで歩くように心掛けていた。
お陰で前後・左右のバランスはよくなってきたと思っている。

でも膝は痛くなる。重心の法則と一直線歩きを併用すると、意識して歩くその分脚部が緊張し膝が伸びた状態で歩きやすい。正しい歩き方の条件の一つとして膝は伸ばして歩けと書いてある本が何冊もある。膝を伸ばして歩くとどうなるか?大腿骨と頸骨・腓骨にうける衝撃が覿面に強くなり、お互いの隣接部分に疲労が溜まりやすい。
結果、重心の少しのブレで内側が痛くなったり外側が痛くなったりするし頸腓関節がゆるみやすくなると推理した。年齢から来る筋肉の衰えもある。
それと歪みに対する感覚が以前と比べるとシャープになってきている。
それで痛みがすぐ出やすくなったのだと考えている。

「重心の法則と一直線歩き」をやるときは膝を伸ばしきらない、
膝は少しゆるめた方がよい。9/2以降これで歩くようにした。今のところ具合がいい。上下のバランスつまり伸びとゆるみ、そして脚部の内と外のバランスである。痛みは時々出るものの大きな痛みにはならない。それにしても歩くことをちょっと変えただけでこのような痛みが出るというのは歩くことの重要性をもっと深く認識せいということであろう。礼法の歩きは膝を曲げない。それなのになんで膝が痛くならないのだろう。答えを出すのに大分時間が掛かった。そしてすり足だから床を蹴らない動きだから膝に衝撃を受けないと考えた。ここで始めてすり足が脚を痛めない歪みの出ない歩き方なのだと理解した次第。


046 爪押し健康法・・・・呼吸を加味すると  2002-9-14(金)

前回書いたバンザイ検査なぞは必要とせず、すぐ体感でわかる方がいる。
感覚が実にシャープなのだ。6/10自律神経免疫療法の福田稔氏を紹介した。
これを読んで氏の勧める爪押し療法を試していますというメールをいただいた。
やり方は爪の生え際角をちょっと痛い程度に押すだけ。それで筆者の仮説を試してほしいと依頼した。

その仮説というのはこの爪押し療法で右手の爪を押す場合と左手の爪を押す場合とでは呼吸が逆になるという考えである。福田稔氏は呼吸のことは全然仰っていない。
あくまでも筆者の実験である。返事が来ました。

>左指の場合は押しながら吐く、離して吸う方が楽です。
>右指を逆にしたら、たいそう苦しくなってしまいました。こちらも左指同様
>押しながら吐く、離して吸うほうが、体がほぐれるように思います。
と全然別の結果が出た。

苦しくなるというのはカラダが固くなり呼吸が浅くなるということだ。
私にはこのようなシャープな感覚はまだない。一回一回バンザイ検査で確認しないとわからなかった。
それでもやる回数を重ねるにつれ、なんとなく今のは壊れたなとか、そろったなとか体感でわかるときも出てきた。(壊れるというのはバランスがくずれたという意味です)
それで筆者の立てた仮説が間違いかな、あるいは人によっていろんなタイプがあるのかなとか考えた。再度、自分で試してみて押している場所と方向性の違いにあると考えた。
爪の生え際を押す際、極端にいうと爪に対して垂直に押すか、水平に押すかということになる。垂直に押す場合はこの方がいうように右指も左指も呼気で押し、吸気で離すとバランスが整ってくる。

水平方向つまり指の横から押す場合、右手と左手の呼吸が逆になるし、爪を挟んで呼吸が逆になる。この場合人により異なるだろう。右手は呼気から入った方がいい人と吸気で押した方がいい人に別れると推測している。
ちなみに筆者の右手拇指を例に取ると二指から遠い側は呼気で押し吸気で離す、二指に近い側は吸気で押し呼気で離す。左手拇指は右手とは逆になる。
福田氏は最近の本では爪を押すときもう一方の手の親指と人差し指で爪の生え際を両側から押すと書いている。そしたら爪に対して水平方向になるではないか。
このやり方で左手拇指を呼気で押し吸気で離すと筆者の場合歪みがでてしまうのである。


047 「垂直の原則」1(呼吸が入りやすい姿勢というものがある)2002-9-20(金)
8/1から呼吸塾ののアドレスを変えた。それに伴って表紙の写真も変えた。
エラスタルトの「原形」をポーズした写真である。
前の表紙写真はほっぺたに不満が出ていた。突っ張って固い顔で気になっていた。
人相についてはまた別の機会に書くが、この手の顔を不満顔と名付けている。
今回の表紙の写真は7月に撮ったもので、頬の固さは取れてゆるんでいる。
不満顔でないのはいいのだがエラスタルトの「原形」としてみるとどうも気に入らない。カメラのアングルにも因るのだろうが手長猿がポーズをとっているように見える。

12/29に掲載した同じく「原形」の写真の方に勢いを感じる。
歩くことの前に立つことがある。普通に立ったとき真っ直ぐに立っているだろうか?
真っ直ぐに立つということはカラダの軸と重心の落ちるところが一致しているということだ。
1 右にあるいは左に傾いていないか?
2 前重心あるいは後重心になっていないだろか?
3 内側あるいは外側に重心が片寄っていないだろうか?
4 上半身あるいは下半身が緊張していないだろうか?

前に書いた一人バンザイ検査が出来るようになると立った状態でチエックできる。
右に左にあるいは前に後ろに重心を移動しチエックしてみるといい。
その度に両手の長さや伸び具合がいろいろに変化するのがわかる。
重心の位置によってカラダの歪み方が変わっていく。自分の立ち癖がわかる。
それが歪みを作っているのがよくわかる。
重心落下点と体軸が一致したときカラダのバランスが整いやすい状態にある。

この状態で胴ぶるいをやるとすごい。
先日参加された治療師の方にやらせたらその効果に目を見張った。
当然バンザイすれば両手の長さはピタッとそろっている。
正中線を意識し重心が足の土踏まずの中心に落とす。地面に対して垂直な体軸、これが一番いい。「垂直の原則」と名付けたい。二本足で立つが故に常に揺れ動く、ただ立っているだけなのにバランスの整った状態で静止は難しい。

キープしようとする動きと崩れる動きがある。
その両者の動きのなかで更に意識して中心軸を追い求める。それがバランスを回復する。立っても座ってもバランスの整っていく姿勢というものがある。
「姿勢の原則」(臀頭}と「垂直の原則」がそれだ。この姿勢になると呼吸が落ち着いてゆったりとしてくる。「姿勢の原則」はどんな姿勢であれ使えるし、使えばカラダに歪みをつくらない。「垂直の原則」は今まで溜め込まれたカラダの歪みを取る方向に働く。


048 「垂直の原則」2(垂直の原則は応用が利く)   2002-9-28(土)

チャイコフスキーコンクールで日本の20歳になる女性が優勝した。
TVや新聞で大きく報道された。日本人の優勝はうれしい。
でもTVでちょっと見ただけであるが、背中を丸くしたり伸ばしたり、頭を前に曲げたり起こしたりしてピアノを引いている。
この姿勢で果たして良いのだろうか?銀行でATMでお金を引き出している時の姿勢、レストランで食事をしているときの姿勢、ほとんどの方が首を曲げ背中をを丸くしている。歩いているときの姿勢も背中を丸くしている方が多い。

背中から後頭部に掛けてスーッと真っ直ぐに伸びてきれいな背中は滅多にお目に掛からない。女性では若い方、男性では年輩の方で稀に見かけることがある。
頭のてっぺんを天上から吊り下ろされているという表現がある。
確かにカラダの力を抜くのにはいい。
しかしこれだと一方向性であり中心軸を作っていくのには適さない。
他力本願の感じがする。それと足元がお留守になる。

「足裏全面を感じる」ということを付け加える必要がある。
「臀頭」については既に書いた。
頭を背骨の延長線上にちょっと伸ばしその逆方向にお尻を突き出す感じである。
頭とお尻を対立させる、故に「臀頭」という。身体の軸ということを考えると「臀頭」である。これが簡単のようだが思いの外難しい。瞬間出来たと思っても長くは続かない。

長年の生活習慣が筋肉を形作っている。やりすぎて胸が痛くなった話は前に書いた。
当初は上胸部を持ち上げる感触である。力の入れ具合がわからず首・肩・背中・胸と緊張しやすい。水素ガス入り縦長風船の話も書いたが力を抜くことが難しい。
往々にして力を抜くために逆に力が入ってしまうことになる。

今は時々ではあるが鳩尾あたりの中心部から頭の下部あたりまで透明な空洞パイプが出来たような感じの時がある。この透明パイプをお尻から頭頂まで伸ばしたいと思っている。しかし腰が固くてどうしようもない。5〜6年前は腰を下ろして両足を前に伸ばすと後ろにひっくり返りそうだった。今それはない。しかし固い。
長年頑張ってきた我が腰は簡単にはいうことを聞いてくれない。

「垂直の原則」は応用が利く。例えばお釈迦様ゆらしである。
腕を片方は上にもう片方は下にして垂直を意識してやると効きが違う。
小さなゆれですぐに効く。それで肩の3点セットのキラキラ星も垂直方向に変えた。
手のブラブラも体軸に平行の方がいい。
一直線歩きは体軸を真ん中に着地させる動きだ。それで直立機能がスイッチ・オンする。よってカラダの左右バランスを効果的に整える。


049 疲れをためて蕁麻疹   2002-10-5(土)

呼吸塾の案内を差し上げると稀にご返事を下さる方いる。
議論好きで論旨明快な〇〇さんがその一人で口の悪い人というイメージもあった。
これこれしかじかで出席できないと丁寧なお手紙を戴いて思わずああ◯◯さんはこういう面もお持ちなのかと見直してしまった。筆者なんぞは返信ハガキ付の案内さえも忘れてしまったことが何回もある。

Hさんはいつも返事を下さる。下記は今回のメールである。
「10月の研究会のお知らせありがとうございます。最近ちょっと疲れをためていたせいなのか、蕁麻疹をだしたりしてました。
9月から近所のスポーツセンターで気功をしています。区民対象の単発講座ですが、結構効果があり驚いています。
じわあああ〜っと体を伸ばすのはききますね。
意識を集中することの大切さをあらためて感じています。」

この方は敏感な体質で呼吸法であれ爪押し健康法であれちゃんとやれば、軽くやっただけで大概直ぐに効く。逆に敏感なだけマイナス側にもすぐに反応するのだろう。
胃痛・首背痛・腰痛・ギックリ腰とようも続くなあ思うのだがこの程度で済んでかえっていいのかもしれない。ひどい病気にはならないだろう。
メールの「ちょっと疲れをためていたせいか蕁麻疹・・・・」とある。
筆者も数年に1〜2回は蕁麻疹がでることがある。疲れが溜まると歪みが出る。
歪みがあると疲れやすい。どちらだろうか?どちらも本当というよりイヤなことをやっているから疲れるしカラダも歪んでくる。

故に根本的にはイヤなことはやらない・イヤなことを好きなことに変えていく以外にない。それが出来なければまめにカラダをほぐす・姿勢や歩法に気をつけるということになる。歪みというのは重心落下線と体軸の乖離と定義したい。
体軸が垂直でないということである。こういう状態が続くと疲れやすいカラダになり、張り・こりが多くなる。更に続くと次第に固いカラダになっていく。
合わないもの・有毒なものは次の段階でカラダから出していく。

1自分のカラダに合わないものは口に入れない。
2口に入れた瞬間アカンと思って吐き出す。
3胃まで行ってしまったけれど胃が受け付けず嘔吐する。
4腸まで行ったけど腸が受け付けず下痢をして排泄する。
5腸で吸収してしまったけれどカラダに合わないとき、皮膚から出すことになる。

疲労がたまって感覚が鈍ったためによくないものを入れて5のレベルまでいったということか。歪みが取れると帯状疱疹も直ると聞いた。


050 じわあああ〜っと体を伸ばす   2002-10-11(金)

最近健康雑誌やTVの健康番組で呼吸を使ったものを見かける。
呼吸の大事なことが認識されてきたこということだろう。
今までは呼吸のことに全然ふれない体操とか、あるいは息を吐きながらやるというのが多かった。ところが吸いながらやる体操も出てきた。
それでやってみると筆者には合わない。その通りにやると歪みが出る。
多分その体操を考えた方のカラダには合っていたのだろう。
ヒトのカラダはそれぞれ癖があるからその人に合った動きと呼吸でなければ歪みが出る。たいていは息を吐きながらカラダを伸ばせといわれている。
これだと息を止めて頑張ってしまう弊害は防げるが、歪みがでる場合がある。

例えば首を左右に曲げる場合、息を吸いながらじわあああっと伸ばすといい。
戻すときは逆に息を吐きながらやると整ってくる。
前後に曲げる場合・左右に廻す場合もそうだ。それで中心から離れる方向では息を吸いながら、逆に中心に戻すときは吐きながらやるのが正しいと考えた。大発見をしたと思った。

肩こり首こりにいいと姉に話したら前に通っていた治療師に聞いたことがあるという。
筆者の思いつくことくらいは先人が既に見つけている。
小笠原流礼法では動き始めるときは必ず息を吸いながら始める。
首を動かす実験で成る程成る程と納得感心している次第。これもゆっくりとした動きだからそうなる。
一見、煩雑で格式張ったと思える動きが実は歪みをつくらずカラダをしなやかに造りあげていくのだ。それが伝統の中にあった。
そして古人は生活のなかに組み込んでいたのだ。

それで一般にいわれている息を吐きながら曲げるのは間違っているといいたくなった。
ところが間違いではないのである。スピードが関係している。
早くやるときは息を吐きながら曲げて、戻すときは吸いながらの方がいい。
人体には緊急システムと平常システムが併存しているのである。
それが呼吸によって分かれるということである。

そしてこれは首に関してのみであり、胴体その他の部分になると呼吸は違うようである。気楽にやっていると動きと呼吸が合ってくる、ゆーっくりやっていると動きと呼吸が合ってくる。そういう働きをカラダは持っている。緊張してやるとバラバラになる。
呼吸にとらわれずにじわあああーっとやっていればいいのである。

日本語には「その呼吸だ」ということばがある。
動きと呼吸が一番合った状態を指している。
呼吸という文字にはコツ・調子という意味もある。太極拳をやる人が増えている。
筆者は昭和44年頃太極拳をやっていた。やっていると幽霊体操なぞと悪口さえいわれたくらいやる人は少なかった。今は日本全国どこでもやっている。
それだけゆったりした動き、余裕というか、調和というものが求められているということであろう。


051 「垂直の原則」3吸気の秘密   200210-16(水)

Hさんのメールの最後に「意識を集中することの大事さを改めて感じています」とある。これは体をじわあああっと伸ばす際、意識を伸ばす筋肉部位に向けることによってより効果が上がることをいっていると解釈する。
「ゆーっくりやっていると動きと呼吸が合ってくる。そういう働きをカラダは持っている」と書いた。
もう一つゆーっくりやっていると意識が集中できるというか自然に集中していく。
動きと呼吸と意識が一つになる。意識を集中し、じわああああーっと体を伸ばしたときの呼吸はどっちでしょうか?

赤ちゃんがハイハイを覚え、それから立つ・歩くへと移行する。立つこと何回も何回も繰り返し時には尻餅を突きながらも二本足で立ち体のバランスを保つことを身につける。この過程に於いて立つことに意識を集中する。立つことが出来ると足を一歩一歩、交互に前に出しながら体のバランスを維持しながら歩くことを覚えていく。この過程も意識を集中している。立つことは反重力の動きである。

足を前に出すことはバランスを崩す動作である。赤ちゃんは立つ練習をしているとき吸気が先だと推理する。
立つことが出来て次は歩くことになる。これも息を吸いながら一歩を踏み出すと考える。どなたか赤ちゃんのいる方実際に観察してお教え願えないものか。

立って歩くという動きは難しいものである。赤ちゃんは何日も掛かって身につける。
直立二足歩行のヒト型ロボット開発にえらい苦労をしている。
そして立つ・歩くことが出来るようになると次第に意識を集中しなくなってくる。
その内、全く意識せずに歩けるようになる。
この意識せずに歩くということが歪みの一番大本の原因と考える。
若く体力のある内はまだいい。年と共に体力は衰える。加えてストレスは蓄積される。
それがカラダが歪みとなり故障・病気に悩むことになる。

礼法では歩くとき吸気を以て第一歩を踏み出す。これは無意識化されてしまった歩くということを再び意識化し、体軸と垂直軸の差を極小化を目指す。呼吸法を説く方が吐くことが大事ですよ、吐けば空気は入ってくるといういい方をよくする。筆者もそういういい方をしていたときがあった。確かに吐くことは大事である、同時に同じくらいに吸うことも大事である。吸気が形を造る。呼吸に関して緊急システムと平常システムの二重構造であると前回書いた。

平常システムは鍛錬システムと呼んだ方がいいかもしれない。動きは吸気を以て始まるのがベストと考えて書いてきた。ところが剣道では気合いとともに打ち込む。気合いは呼気、何故であろうか?

剣道は剣を使っての命のやりとりから生まれたからして緊急システムが発動する筈だ。
カラダを速く動かす必要がある。
カラダから力みが抜けていなければ速く動けない。
従って呼気になる。呼気でしかも体勢を崩さないため逆腹式呼吸となったと推理する。


052 「垂直の原則」4 奥には奥がある   2002-10-18(金)

肩の3点セットが出来てよく効いたとき、一直線歩きがよく効くとわかったとき、凄いぞと思った。実によく効く。10人くらい連続でやってみんなよく効いた。
ところが効かない人が出てきた。前に書いた重症の五十肩の女性がそうだ。
カラダが固く頑健な人達である。あるいは無理に無理を重ねた人である。

8月、治療をやらして戴いた出版社の社長がそうである。
肩の三点セットと一直線歩きで軽いと思っていたらとんでも無い。効きが悪いのだ。
重症というか随分と無理を重ねてのストレスの溜め込みすぎと思われる。
20年来の腰痛・首を左に廻すと激痛がある由。
10月の呼吸塾にも参加されたのであるが4名の参加者の中で一番頑強であった。

バンザイ検査で見ると肘は若干伸びたものの、伸ばした左手右手の差7センチくらいがなかなか縮まらないのである。いろんなワークを随分やったのに手の方に伝わらない。
胃を手術されているがそのせいだろうか?
終盤近くお釈迦様ゆらしを(お金の掛からぬ健康法)応用して手首をゆらすワークでやっと両手が揃った。
それもわずかな動きほんの小さな軽いゆらしで時間も10秒か20秒くらいなもんである。これまでのワークの効きが悪いのでどうかなあ?と思いながらやったただけに、ゆらしの効果にまたもビックリさせられる。
ペアを組んだKさんが「不思議だ、不思議だ」と連発した。

柔道の試合に例えるとこれのみが完全な「一本」である。他はせいぜいで「有効」と思われる。一本と認められるのはたったこれだけである。肘が伸びたワークは「技有り」になるかもしれない。この手首ゆらしのワークは8月に参加された治療師のJさんにはよく効いたし、その他にも一本となったワークはいくつもあった。
それがこの日は他の3人の方には一本となるワークは沢山あったのに、この方には手首ゆらし一点のみが一本なのだ。この方は姿勢がいい。
若いときに剣道か弓道をやられているかもしれない。
あるいは普段姿勢について関心を持ち続けてこられたに違いない。
従って垂直軸に対してシャープな感覚をお持ちなのだと思われる。

さきのJさんもそうだ。こういう方々には厳密な位置・角度・速度が必要なのだ。
「つぼにはまる」ということばがあるようにピタッと来ないと、決まらないつまり効きが悪いのだ。手首ゆらしがよく効いた理由、他のワークがあんまり効かない理由は何なのだろうか。手首ゆらしをやった時「垂直の原則」が頭に浮かんだ。
それで受け手の腕の位置に注意した。受け手は仰向けで片方の手は体の脇、もう片方は顔の横あたりにそれも体軸との平行になるように置いた。ゆらす方向も体軸に合わせた。「垂直の原則」に付随して左右・上下・前後・水平とそれぞれに法則性があるらしく、「垂直の原則」が効く・効かないの一つの鍵を握っている。これで一段進歩したと思っているが、まだまだ奥がありそうだ。どんなワークでも一本の取れる技に仕上げたいものだ。


053 「垂直の原則」5せっかちな人はいつも緊急モード   2002-10-25(金)

首を曲げるとき、早くやるときは息を吐きながら曲げて、戻すときは吸いながらの方がいい。人体には緊急システムと平常システムが二重構造として併存している。

それが呼吸によって分かれると書いた。これはうれしい発見である。
早速、他の人に試したくなった。長唄のお師匠であるGさんに試してもらう。
この時は首を廻す方でやった。正面から左または右に廻して正面に戻す、この繰り返しである。首を廻すときは呼気で戻すときは吸気がいいという。ゆっくりといってもゆっくりにならない。せっかちやさんでゆっくり動けないらしい。

平常システムのスピードにならない。ゆっくりですよといっても、せいぜいで5秒くらいなのだ。本人はそれでゆっくりの積もりである。
いつも緊急モードで平常モードに切り替わらないのだ。だからせっかちやさんというのだな納得してしまった。筆者は往復10秒くらいで平常モードになる。
気功でいうスワイショウ、日本語で腕を振るという意味だ。前後と振るやり方と腕を体に巻き付けるやり方の二種類がある。前後に振る方を筆者がやるときは前に行くときは呼気で逆は吸気になる。ところがGさんは逆の呼吸の方がよいという。

Kさんはどうかなとやってみたのだがはっきりしない。呼吸以前に腕がちゃんと振れていないとスワイショウにならない。腕を巻き付ける方はうまくいった。
廻しやすい方は息を吐きながら逆方向は吸いながらやると楽になるという。
せっかちやさんは前重心である。つま先よりに重心がある。ヒトのカラダは足の構造上若干前倒しになっている。せっかちやさんはそれ以上に前倒しになっているのだろう。
そうすると前後のスワイショウで前に腕を振ったとき前に倒れ過ぎないよう、体軸が垂直軸から遠くならないように制御される故に吸気になると推理した。
筆者が前重心をキープして実験をした。するとやっぱり前に振るときは吸気で戻るときは呼気の方がいい。筆者が普通に腕を前に振るときは何故呼気になるのか?
その時は体軸が垂直軸に近ずく故に呼気である。

重心が真ん中より後ろにある方はこの呼吸になると思われる。
筆者のカラダは割と真っ直ぐになってきている。普段の歩き方でもそうなるらしい。
同様な理由と考えている。せっかちやさんは呼気主体の歩きで、体軸が垂直軸に近づく。筆者は逆に吸気主体に歩く方がいいようだ。ヒトの祖先が直立二足歩行を獲得以来、ヒトのカラダはバランス維持の超精密機械になっている。その鍵が呼吸にある。
そうすると一直線歩きも呼吸をいれて呼気主体・吸気主体でやってみる必要がある。
Gさんの場合はどうなるだろうか?Gさんの場合は一直線歩きをやるとあしを引きずらずに歩けた。この時は呼吸は意識せずにやった。
呼気主体あるいは吸気主体でやったらどうなるか?
一直線歩きで効きの悪い方に呼吸を加味したらどうなるのか?


054 緊張と我慢が続くと固い腰になる   2002-10-28(日)

腰痛と足の痺れで見えたKさんも効きの悪い人である。一直線歩きの効きが悪い。
筆者の治療を四回受け呼吸塾は三回目の参加である。
背中は割とやわらかいのに腰がえらく固い。今までぎっくり腰をやっていないのが不思議なくらい固い腰である。

お休みになるとき首を手で支えながら横にならないと強い痛みが走るという。
お話を聞いてわかったのであるが数年前からお勤めが変わり緊張を強いられている由。
うつ伏せでお尻の方へ足を曲げていく検査がある。この検査で左右差が30センチもある。治療をやっているとよく呼吸が入る。これはいい、患者としては楽な部類になる。

なかには呼吸がなかなか深くならない方もいる。
治療が終われば楽になりバランスは整う。でも緊張が続くとすぐぶり返す。
当然である。左首上部に大きなしこりがある。
これはじーっと指を当てていると数分で取れた。正座してお辞儀をするとおでこが床に着いた。ご自身の独自の検査法である。おでこが床に着くかどうかで判断している。
寝る前におでこが床に着く状態で寝ないと夜中に痛くなって目が覚めてしまうという。
お話を伺っているとお仕事が立ち仕事で、膝が伸び前重心でやられている。

Gさんいわく「それはよくない。膝をゆるめなさい。スポーツクラブでは膝を伸ばさせませんよ」という。Gさんはせっかちである。従って前重心になると想像つく。Kさんもせっかちだという。せっかちやさんが前重心で朝から晩までの立ち仕事でしかも緊張・我慢を強いられている。それでKさんの腰がかくも固くなったのだ。カラオケに行くとすっきりするいう。これも当然だろう。歌もそうだがお腹から声を出すということは、息を大きく吐くことだしお腹を力を入れることで他の部分の力みが抜ける。自宅と勤務先の往復時に歌を唄いなさいとすすめた。小さい声でも腹から声を出せば効果は大きい。

ただ緊張・我慢を強いられる仕事にどう向き合うか?である。
これはご自身で答えを見つけない限りは根本的な解決にはならない。
腰の固さも仕事がらみとおわかりになったのでいい方向にいくと期待している。
「仕事が楽しければこの世は極楽、仕事が辛ければこの世は地獄」ロシアの文豪ゴーリキーのことばだったと記憶する。筆者としてはこの固い腰をどうゆらすか、どうほぐすかが宿題となる。


055 「人を見て法を説け」   2002-11-1(金)

最近試したのだが筆者は階段を昇るとき呼気で降りるときは吸気である。
といったらGさんは逆だという。筆者のやる前にやっている。呼気あるいは吸気といったところ呼気だけあるいは吸気だけという意味でない。
どちらがメーンかということである。例えば吐きながら5段昇りそこで一息入れてまた5段昇るようにする。それでKさんに試してもらった。降りるとき呼気だと平気のようである。試しに吸気で降りると5〜6段くらいで固くなってくるという。

足腰を強くする運動にスクワットがある。ところが説く人によって呼吸が分かれる。
ある人は吐きながらひざを曲げ、吸いながら戻すといい、ある人は逆に息を吸いながらひざを曲げ、吐きながら戻せという。筆者は後者である。Gさんは逆だという。

10/25に書いた「せっかちやさんはいつも緊急モード」がここでも適用される。
せっかちやさんは前重心である。試してみて直ぐわかった。
前重心の人がしゃがむ時、体軸が垂直軸に寄るが故に呼気になる。
立ち上がる時は体軸が前に倒れようとするので吸気になるのだ。

足の外側に重心を乗せてやるスクワットがある。
Gさんは◯◯研究所でをやっていたことがあるという。
この時の呼吸は腰を下ろすときは呼気で戻すときは吸気だという。
やってみると筆者にはOKである。歪みが取れてくる。
ただ足腰が固いのでカラダを真っ直ぐに下ろすといくらも下りない。
せいぜいで10センチである。ところが呼吸を逆にやっても筆者はOKなのだ。
通常の場合呼吸を逆にすると結果も逆の筈だ。これは何故なのか?
筆者だけがそうなのか?人体には呼気・吸気どちらでも歪みを作らないルートがある。
これもそうなのか?そうならばそれは何故?
それとも今後、筆者がもっと敏感になったら変化するのか?

これを浅く早くやると外重心の茶筒になる。この時はホッホッホッといいながらやるので呼気になる。これも短時間の歪み修正法としておすすめできる。
Gさんは外重心になっている。
普通にスクワットをやる場合でも外重心になっているからしゃがむとき呼気で、戻すときは吸気の方がよくなってしまうのではないだろうか?
以前、背中の痛みに悩まされたとき教わった猫背矯正体操というのがある。
両手を軽く握り息を吐きながら胸をそらす、そして息を吸いながら戻す。

筆者がこれをやるとカラダが歪んでくる。それで間違ったことを教えていると思ってきた。ところが「垂直の原理」で見直すと間違えではないのだ。
うんと猫背の人はこの呼吸でないとだめなのだ。
筆者がやるときは垂直軸までであれば息を吐きながらでいい。
そのまま続けると垂直軸を過ぎると歪みが出る。
胸を張るというより頭部をぐんと上に伸ばす感じでやるとうまくいく。
そうなると臀頭体操と名前を変えた方がいい。

「人に見て法を説け」という。その人の姿勢・性格・呼吸等を踏まえてやらないと美しく健康になる法を説いているつもりが、逆のことを勧めてしまうことになる。
よくよく肝に銘じなければとならないと思う。


056 指をニュートラルに伸ばすこと!!!!   2002-11-7(木)

6月頃の話である。筆者は強烈な背中のこりに悩まされた。
マウスをつかんだ途端、右肩甲骨と背骨の間あたりが痛くなる。
マウスを二指で押せないのだ。成る程、上肢起因説を唱える人が出るわけだ。
しょうがないから左手を使ってやっていた。
偶然ある会でごいっしょした方にこぼしたらマウスのつかみ方が悪い。五本指でつかみ二指は曲げた形で押せと教わった。そうするとウソみたいに全然平気なのだ。

筆者は二指を伸ばして使っていた。伸ばして使うとどうなるか?伸筋が疲れる。
普段あまり使っていない伸筋の使いすぎからくると考えた。
普段我々は屈筋を重用している。その分屈筋は強くなっている。
ただ強い屈筋も使いすぎればくたびれて悲鳴をあげて故障する。
一般的にはこちらの方が圧倒的多いだろう。

西部劇でガンマンの決闘でピストルを先に抜いた方が負ける。
相手より遅く抜いて勝つそれがガンマンの心意気というかルールと思っていた。
そうではなく恐怖心に負けた方が先に抜く。当然手もカラダも固くなっている。
それで遅くなるから負けるのだ。この時のピストルを抜く直前までの手が記憶にある。
指はカラダの脇にあって適度の緊張を持って伸びていた。
この適度の緊張こそ早撃ちに必要なのだ。
伸びすぎず曲がりすぎずのポイントがあるのだ。

二昔も三昔も前の話ではあるが体験したことを書く。
筆者が合気道と玄米正食と心身統一法を同時にしかもくそ真面目にやっていた頃の話である。やっていると頭は冴えてくるし、カラダは軽くなるしこれ以上はないといってもいいほど絶好調の状態となった。その時の手は常時程良い伸びを呈していた記憶がある。
多分、歪みゼロ状態だったに違いない。

エラスタルトはやっているとカラダのバランスが整ってくるという希なる身体操法である。(興味のある形はエラスタルトのホームページをご覧下さい。)
始めてすぐ気がついたのだがエラスタルトのストレッチをするとバランスが良くなった。半年位するとまたバランスが整わなくなった。何でか考えてわかったことがある。
一つは呼吸との関係である。手を挙げるときに息を吸うか吐くか、下げるときの息はどっちかによってカラダのバランスが違ってくる。

これで一件落着と思っていたらもう一つある。
それは指を伸ばすこと、それも適度に伸ばすことだ。
指を伸ばしてやると呼吸が関係なくなったのだ。
指を伸ばしてやると、息を吐いてやろうと吸いながらやろうとカラダは真っ直ぐになってくる。今の時点ではそうだ。
筆者がもっと敏感になってきたらやっぱり呼吸も合わせなければいけないと、いいだすかもかもしれない。しかし伸ばしすぎてはいけない。腕の中を正中神経が走っている。
この正中神経をニュートラルに刺激することだ。
そうすればカラダは真っ直ぐになってくる。難しいことではない、軽く指を伸ばせばいいだけ。それだけで普段使いすぎの屈筋が休養する。
正座の時・腰掛けている時など手の平を上に向けると、あとは重力の力で自然に指が伸びる。この自然に伸びるところがいい。それだけで呼吸はゆったりしてくる。
意識してゆっくり呼吸をすれば更にい。

ここで思いだしたのが忍術使いの漫画である。
左手の一指と二指だろう、右手で包み持ち右手の一指も垂直に立てていたかな?
それでどろんどろんとやっている。実際の忍者はこんなことは多分やっていなかったと思うがこれはいい。
筆者がやるとこれだけでバランスが整い呼吸が落ち着いてくる。
確か仏像にも同じスタイルがあったなと調べてみた。智拳印というのだそうだ。
大日如来がこの印を結んでいる。


057 肩の3点セットは90%以上に人に有効である   2002-11-10(日)

肩の3点セットは肩こりや四十肩・五十肩等に大変有効なワークである。
11/2参加の60代の女性Lさん、当初一人バンザイ検査では左肩をけがしたことがあるので痛くて下りにくいという。それでも30度くらいまで下りるのだから立派なものだ。
それがしばらくやっていると痛みが取れたいう。何分も掛からない。

Hさんは30代の女性、両手はそろっても痛みがあるという。
両手がそろったということはそれだけ固いところが取れてきたということである。
その分だけ楽になってくる。

Kさんは40代男性、下半身がガチガチに固い。
背中はその割にやわらかくその分バンザイで両手はそろいやすい。
肩の3点セットを数回やるだけで肩の痛みやこりが取れるがいる。
簡単に説明をしてやらせるとすぐ両手がそろう方は軽症である。
こういう方は1週間毎日2〜3分も続ければ楽に手が伸びるようになる。
それが効いてはいるが効きが悪く、なかなかピッタリ両手がそろわず痛みも残るという方になると中症である。こういう方はスピードや方向等工夫すると早い。

10/18に書いたように「つぼにはまる」と簡単にいく場合もある。
2/22の症例もご覧下さい。70過ぎても1週間できれいに伸びる例もある。
中症ならば2週間〜1ヶ月くらいで楽に伸びるようになると考えている。
重症の場合、今の肩の3点セットでは即効性に欠ける。でもそれは全体の1割以下と思う。Hさんの場合、上記の見方でいけば中症になる。20年来の肩こりという。

肩こりの原因が毎日の生活の中にあるならば、ゆるめることと固めることの綱引きとなる。この場合は当然時間は掛かるだろう。それでもやってさえいれば四十肩などは防げる。
治療師に「一生完治はしないよ。一生つきあうしかないよね。」といわれている由。
こりはあっても痛みが出なければいい。筆者もこりは沢山持っている。
あるけれどそれは全然痛くもないし、うっとうしい感じもない。滅多に顔を出さない。
人間は多かれ少なかれ誰もこりを本人が自覚しようとしまいと持っているものだ。
おとなしくねん寝させておくに限る。「呼吸とゆらし」はその有効必須の手段である。

感覚がシャープな方である。
赤ちゃん時代の感覚をそのままに大きくなったのだろうか?
その分人より痛みも感じやすく20年も悩んでいる。
でもシャープな感覚故に危険信号を身体は早くキャッチして防御する。
したがって大病にはなりにくい。

よくもこんなに固めたもんだという背中に出会うことがある。背中全体が一枚岩になっている。ストレスとの対抗上こうなったのだろうが感覚も動きも鈍くなる。
Hさんは8ヶ月ぶりのご出席、頻りにうむねを気にされていた。
うむねは上胸部、対人関係で緊張が続くと固くなってくる。、
ボインを支え、さらに対人緊張がダブると乳ガンが出やすくなる。
メールでは元気になられたなと思ったのだが随分とストレスを溜め込んでいる。
ここ1〜3月位の人間関係が負担になっていると思われる。

軽く指の重さくらいでゆらしていれば取れてくるでしょう。
首を右斜め45度に曲げると痛みがある由、こっちは左の肩甲骨と頸椎をつないでいる筋肉ー肩甲挙筋が固くなっているからだ。
これをゆるめれば当面、痛みは消える。それほど難しいことではない。
果たしてHさんの肩こりの痛みが肩の3点セットを1ヶ月くらい続けたら消えるだろうか?


058 こりがあるということは?   2002-11-16(土)

日本語には「体ことば」というものがある。心の状況を体で表現している。
同時に呼吸の状況でもある。心・身・息一如を説く由縁。
耳をそばだてる・・・・警戒心のこり・・・頭部耳の上あたり
柳眉を逆立てる・・・・怒りのしこり・・・眉中央部
眉を顰める・・・・・・不快のしこり・・・眉の内側下部
牙を剥く・・・・・・・怒りのしこり・・・鼻の両脇3センチくらいのところ
歯を食いしばる・・・・我慢のしこり・・・噛み合わせ部分・首の両横
角を生やす・・・・・・怒りのしこり・・・頭頂部緊張が続くとこりになる

精神的な緊張は身体の緊張でもある。それは呼吸がごく浅い状態もしくは呼吸を止めた状態が続くということである。この状態というのは筋肉の緊張した状態である。
この状態を「張り」といい、比較的広い範囲になる。この状態を頻繁に繰り返していると筋肉が固まった状態になる。これを「こり」といい次第にほぐれにくくなってくる。

一般的には狭い範囲が多い。こりにもいろいろあり、こりといいながらも柔らかいこりもある。やわらかいこりは出来たてのこりに多くこれはほぐしやすい。
出来たてならば大概すぐに取れる。
固いこりは長期化したものが多くこれは簡単には取りにくい。
こりであっても広範囲の帯状のものもあれは木綿糸のように細いものもある。
頭部耳の上辺りを指先で強めに探るとこりこりした部分がある。
これが耳をそばだてるという警戒心のしこりである。
眉を指先で強めに探っていくと中央部に縦方向に細いこりこりがある。
これが眉を吊り上げる・柳眉を逆立てるという怒りのしこりである。

意識しようしまいとに関わらず誰でもこりをもっている。
こっているなと自覚できるこりはほんの一部に過ぎない。
強めにさわって、はじめてこりとわかる場合が多い。
人の身体というのはよく使うところ・強く使うところが固くなる。

左右どちらかの口角が上がっている方がいる。
こういう方は口角の上がっている側で噛んでいる筈だ。
その方の癖か、あるいは歯が痛くて逆側が噛めない状態になっていると思われる。
こころとからだと呼吸は一つのものと考えている。

「心・身・息一如」そして「息主心従」「息主体従」という勝手な造語も生まれた。
「心主体従」も「体主心従」もいずれも呼吸が仲立ちをしている。
呼吸なしでは成り立たない。
6/3分より再録]人間だから「息主心従」「息主体従」ができる。
呼吸を変えることで、こころもからだも変わっていく。
お金の掛からぬ健康法で「万能特効薬をお飲みになってみませんか?」と呼吸をトップにもってきた。


059 手術後の心身不調は間接的後遺症   2002-1123(土)

Mさんがよろーよろーしながら入ってきた。
気息奄々やっとたどり着いたといった感じである。
50代の女性で小柄のきゃしゃな方である。胆石の手術をされたという。
手術後体調が悪く漢方薬を処方されて飲んでいるが元気が出ないという。
施術が進むにつれて呼吸が入り、見違えるほど元気になり帰っていった。

数日後また電話してきた。弱々しい声で予約の申し込みである。
さわっているだけで呼吸が変わると書いた。人のからだは全身これ呼吸器官といってもいい。さわっているだけで呼吸が変わる。別に、つぼでなくてもいい。
背中に軽く手を乗せているだけで呼吸が深くなり、バランスも回復する。
当て方で呼吸が深くなったり浅くなったりする。手術をしてからだにメスを入ったということは、そこに不自然な刺激が常時入っているということだ。
当然、呼吸が均等に入らなくなるしからだはゆがみ、浅い呼吸になる。
手術後はこの浅い呼吸の状態がが継続する。結果は心身の不調を招くことになる。
緊張が続くとこりや張りになると書いた。
からだにメスが入ればこりも張りも増えることになる。

Hさんは12年前に下腹部を横に15センチも切り、5年前までは、雨や台風が近づくと、傷跡がつっていたという。下腹部は丹田ともいわれる呼吸にとって大変重要なところである。これでは20年来の肩こりも消えるひまもなかったと思われる。
手術なぞはしない方がいいに決まっている。
特に年を取れば取るほど悪い影響を残すことになる。
Hさんは20歳過ぎとお若い時の手術であるが相当な影響を受けているように見える。

Mさんは50代である。今後もいろいろ悩むことになると予想される。
癒着等の手術による直接の後遺症がある。それとは別にメスを入れたことによる間接的な後遺症とでもいうべきものがある。
この心身の不調・不定愁訴が呼吸の変調から来るといことが見落としされている。

長唄のお師匠さんであるGさんが大腸の手術をされる由、前に開腹手術を2回もやっているしへいちゃらですという。前の手術はお若いとき、今度は50を過ぎている。
手術後の体調が気になる。ただGさんは長唄をやっている。教えたり練習をしたりで1日に6時間もやられるとか。呼吸法を何時間もやっていることと同じである。
これが救いになるだろう。呼吸から来たものは呼吸で改善するのが最善と考える。

11/2は久しぶりに不動真言による発声練習をやった。
当初は呼吸塾の必須メニューだったが最近はあまりやっていなかった。
息だけで不動真言を離れた人にも聞こえるように唱えるのである。腹の力をすごく使う。この発声練習がからだのバランスと整えるのではないかと最近考えている。
それで実験も兼ねて、やるとわずか数分やっただけであるがからだのバランスが整ってくることが確認できた。


060 呼吸法を忘れずに毎日やってください   2002-11-28(木)

〇〇さま

先日のフアックス、安眠妨害を致したかもしれません。
パソコンのご機嫌のいい時にご案内を送らなくちゃと焦っていました。
送ってから気がついたのですが文字通り後の祭りでした。
お詫び申し上げます。

>現在体調最悪です。
>コリがひどくなって気持ち悪い状態。
>こういうときは背中を丸めがちになるので、極力胸張って腰伸ばすようにしています。>寝る前肩の調整しているのですが、うまいこといってません...。
>しかしこれで、しないとまた悪化するので、コツコツコツコツ毎晩しています。

折角風邪で毒出しをやったのにまた溜まったようですね!
あなたさまの場合、一番呼吸法が効くようですから忘れないよう毎日おやりください。
胸を張って腰を伸ばすとありますが胸が緊張しませんか?
私の場合は固くなり痛くなりました。
ホームページに何回も同じようなことを書いていますが頭とお尻を対立させる、頭部を背骨の延長線上にちょっと浮かし、逆の方にお尻を伸ばす感じです。
(3/2頭部は臀頭の舵取り役・12/29人体は五重の塔をお読みください。)

更に両肩を左右に広げるというか、ゆるめるという感じにすると一番いいようです。
肩の調整がうまく行ってない由、最適のポジションが見つからないときは最初にペンギン歩き・銅ぶるい・足ゆらし等を先に軽くやってからの方がよく効くと思います。
この前ご一緒したKさんがようやくいい感じになってきました。
私の治療も何回も受けていますし、9月から毎回出席しています。
今まで身体を固めていたのがほぐれてきて、からだ本来の感覚が甦ってきたようです。
11/27の治療ではほんの軽いタッチだけだったのですが短時間にスッキリ変わりました。ご自宅でワークをやりすぎて筋肉痛になったといっていましたがそれも取れました。

Kさんの腰痛歴は2年であなたさまの肩こり歴20年と手強い気もしますが感覚がシャープなあなたさまのことですから多分よく効くだろうなと考えています。
OOセンターは1時から入室可能です。
もし気が向いてお時間が都合出来ましたらお出かけください。
30分くらいの施術が可能です。エラスタルトの腕振をゆーっくりと呼吸に合わせてやるとすごくいいですよ。おすすめです。深い呼吸が自然に出来ます。

最近の発見なのですが「垂直の原則」を応用すると更にいいです。
エラスタルトの先生に腕振の際、呼吸はどうするかと質問を受けていましたがこれでようやく返事ができます。スワイショウのとき、私と呼吸が逆になるせっかちやのGさんにもこの呼吸でいいと思っていますが、果たしてどうか実際にやって確認したいと思っています。


061 鳩を見よ!!鳩は姿勢の名人   2002-12-2

駅に沢山の鳩がいる。彼らの歩き方がいい。
「姿勢の原則」、頭と臀部を対立する、それが姿勢のこつと紹介した。
鳩の歩きは見事なものだ。首から頭にかけた部分がよく動いているがこの対立ー程良い緊張がくずれないのである。
もっとも空を飛ぶために胴体部分が篭状にがっちり固定されているので頭部と胴体の対立になっている。空を飛ぶために頭がちょっとでも倒れていたら空気抵抗でまっすぐに飛べなくなるだろう。
そうしたら鳩にとっては死活問題になる。頭を常時伸ばしているのは当たり前のことなのだ。どの鳩だってやっている。人間は地上を歩くことを撰んだ。
頭が少しくらい倒れていても移動できるし、死活問題とはならない。
直立二足歩行が出来ることが一次的に必要な事であり姿勢が真っ直ぐかどうか二次的なことだ。故に鳩ほど真剣に臀頭と取り組まない。

左右の足の長さが1センチ違っていようと右肩が2センチ下がっていようと生きていける。歪みという文字は正しくないと書く。
車だって車軸の左右差が1センチも狂っていたらすぐ故障する、
左右差は1000分の1ミリ単位で作られているはずだ。
ムリ・ムダ・ムラをなくせとといったのは能率技師(今の経営コンサルタント)上野陽一である。自宅を参無庵と称した。
2トン車に3トンの荷物を積めばムリをしているし、1キロの荷物ならばムダ、ムリとムダがあることをムラという。この例えはわかりやすい。
人の動きにおいてムダとムリそしてムラを無くし、二次的なるものを一次的にとらえようとしてきたのが日本の武術であり礼法である。

「箸の上げ下ろし」ということばがある。日常の些細なことさす。
礼法の箸の使い方でやると歪みが出ずバランスが整う。でもちょっと難しい。
筆者は完全には出来ない。日常生活における全ての動きを研究しつくしているらしい。
生活の場にあって理想の動き、日本人の身体技法の極め付けの集大成であろう。
歪みが出るということはムリをしているということだ。
同時にムダなことをやっていることでもある。ひとはそのもてる能力の3%も発揮していないといわれる。ムリとムダそしてムラがあるということだ。

からだを真っ直ぐにして歩けば歪みはでないし既にある歪みも取れていく。立つこと・歩くことは生活の一番の基本である。
11/23、Kさん「一直線歩きはいいですねえ。いくらでも歩ける気がする」という。
いつもの歩きだとこうなんですよとやって見せた。いかにもくたびれはてて、よたよたして背中を丸くなして歩いていると奥さんにいわれている由。

「胴ぶるいもいいです。腰に溜まった疲れがすぐとれます」こういうことばが聞けるとうれしい。感覚が目覚め正常に働くようになってきている。
ワークがよく効く。
逆によくない刺激が入るとこれもすぐ反応してからだが固くなりまた歪む。


062 忍者の印形は効きまっせ!!   2002-12-6

12/2呼吸法出前の依頼あり。舞をされる50代の女性。
2年前に太鼓との共演で膝を痛められたとか。それから正座が出来なくなった。
最近また太鼓との共演をやりおかしくなっているという。
「その呼吸だ」「息が合わない」ということばがあるように動きと呼吸・他者と自分との呼吸が合わないと歪みが出来る。

自己検査からはいる。左手と右足が固い。足の方の左右差が大きい。
ただ以前お会いしたときと比べると背中の円さが減っている。
膝が痛いので姿勢に注意している由。まず忍者の印形ー智拳印である。
筆者のやり方による。筆者は習ったことはない。
まず右手の二指・三指を左手で握り左手と右手の二指の先端を合わせる。
左手の二指の第二関節を伸ばす(ここが味噌)。
肘から手首にかけて水平にする。そしてゆっくり10回ほど呼吸する。
するとどうだ、これだけで左手が下りにくかったのがスーッと下りる。
右股関節の固かったのが大分柔らかくなっている。これを見て思わず笑い出してしまった。

なんて効きのいい方だろう。これから先のワークはやる必要のないくらいバランスが回復するのだ。元々というかセンサーのシャープな方である。
チャネリング・タロット占いをやられるほどの方だから効きがいいだろうと想像していたがこれほどまでに効くとは!もっとも彼女は智拳印ー大日如来の印は既に知っていた。
それでも右股関節の固さが若干残った。そこで仰臥位の脚ゆらし・立っての綿菓子やさん・鍛冶屋さんである。すると床にべったりだった左膝が起きてきて右膝とほぼ同じ位置になった。仏像の印の組み方はいろいろある。それぞれ効果が違うと思われる。
筆者はわずか智拳印について理解が深まったにすぎない。あの印の組み方を考えた人がいるのだ。優れた身体感覚の所有者がいたということだ。

そうすると敏感体質と自認するHさんにはどうかと結びつく。20年来の肩こりにどうかと大変興味をそそられている。実は12/1呼吸塾でKさんで実験済みなのである。彼も敏感な方だ。効くのは間違いない。効く程度はやる人の敏感度に比例するのではないか。
筆者自身とわずかお二人だけの実験ではあるがよう効いた。
からだを固めて感覚を鈍くしている人にはかほど見事に効くことはないだろう。

筆者のヒントになったのは拇指・第二指・第三指に正中神経が通っているということであった。このように正中神経と名付けた人がいる。
日本人か外人命名の直訳かどうかは知らない。
これをニュートラルに刺激するとからだのバランスが斯くも見事に回復するのだ。
正中神経の名付けのいわれをご存じの方は是非ともお教え願いたい。
同様に考えて「九字を切る」を試す。臨・兵・闘・者・皆・陳・列・在・前といいながら九字を切るとこれもいいんだなあ!


063 取ってはいけないコリもあります!   2002-12-10

>「肩こりがひどくてどうしようもないときは、お風呂であったまらずに、冷湿布をして>寝てねーーというアドバイスをもらいました。
>背中はあいかわらず熱を発しています。

炎症があるということは新しい出来たてのこりである。出来たてのコリにはゆらしていると取れてくる。前(4/8)に書いたコンビニの店長らしい方の症例がある。
ひどいコリもゆらすことでアッというまに取れたのである。原因が直近で単発性だった。こういう場合はよく効く。しかも再発はない。

この方の場合は20年来の肩コリといいながら炎症がある。
古いコリがあるところにまた同時に新しいコリも発生していると考える。
コリがあるとからだが固くなり歪んでくる。
でもからだは割とやわらかでシャープな感覚の持ち主である。ということはコリはよく出来るが消えるのも早いということであろうか?
声を出しながらからだをゆらすワークはこの方に合っている。
ゆらしはからだ全身に波が伝わりほぐれてくる。マメにやることで溜め込まないで済む。

コリには取れないコリ・取ってはいけないコリがあると考えている。
20年来のコリということは取ってはいけないコリなのかもしれない。
そうならば仮に取れたとしてもまたすぐコリが出来るだろう。
精神世界のいい方でいうと、人は学びのためにこの世に生を受けた。
コリはこの学びに必要な存在、だから下手に取ってはいけないことになる。
ここで思い出したのは数年前にまとめた「呼吸法のすすめ」の下記の文である。

人間はどこから来たのでしょうか?なぜ此処にいるのでしょうか?
この地球は流人の星だという説を聞きました。人間はある星でよからぬことばかりやっていたので罰として地球にながされたのだそうです。
もう一つはミッション説です。人間は地球に愛を伝えるために派遣されてきたという説も聞きました。
そういわれると流人のような人もいるし、心から愛を伝えようとしている人もいるようです。しかし学びの星地球という表現が一番落ち着きます。神様は学びの場として地球を準備してくれたようです。
発明王エジソンは「私には一つの失敗もない。あるのはテストのみ」といったとか。
「この世のことは全て学びである」と受け止められたとき不運も不幸も消えていきます。「いっさいの偶然はない」のならばそこから何を学ぶか、学ぼうとする姿勢をつくることが第一だと考えています。
さらにその上に神様は遊びの星・楽しみの星としての地球も用意してくれているようです。


064 両手の左右差がないのに肩や背中に痛みがある?   2002-12-14

>手の上がりに左右差はないし、あがりも決して悪くないのに
>痛みのみあるのはどうしてでしょう!?
>辛抱強く体操はして寝ます。

このままでいけば四十肩で手が上がらなくなる心配はなさそうですね。
ギックリ腰は癖になるといわれていますが疲れを溜めなければ大丈夫でしょう。(この方は一回ギックリ腰をやられている)
左右差が出ないのは次のことが考えられます。
1 検査方法の習熟不足検査方法に慣れていないとわかりにくい。
  合わそうと思えば簡単に合ってしまいます。
  からだの中央で軽く合わせてみてください。
2 検査方法が不的確いまのやり方ですと身体の柔らかい人は左右差がでにくいことが
  あります。
  でも左右どちらが下りにくいとか、どちらかが足の方向に行きたがっているとかが
  あります。慣れるに従いはっきりでてきます。

別法も下記に書いておきます。お試しください。
3 残像現象身体の方は完全に歪みが取れているのに痛みがあるということがあります。  身体とこころのつながりにに問題があるようです。
  この場合は時間の問題で痛みは取れてきます。

左右差がわかりにくいときは下記の別法をやってください。仰向けになります。
両手を床と垂直に向いあわせて立てます。
このときに肘を伸ばしたまま床にというか肩にというか、ちょっと押し込む感じで頭上に下ろしていきます。この押し込み加減が説明しにくいのですが、力のいれ具合を換えて試してみてください。数回やればわかります。これで左右の差が出る筈です。
あなた様の場合は左肩が固く下りにくい筈です。
やり方次第で多分5センチ以上の左右差が出ると思います。
膝パタや腰を軽くゆらしたりしてそれから肩の3点をやってみてください。
そして検査です。長くやる必要はありません。
余程のことがない限り数分でバランスはそろってきます。そろった時点で止めて結構です。


065 人はゆらぎの中に立つ   2002-12-17

>先週相当バランスがくずれていたのですが、ここにきて持ちなおしています。
>年内中に痛みがとれるかもしれないという明るい兆しがみえています。

こういうメールがいただけるとうれしくなる。でも人はよくなっていくときも悪くなっていくときも必ずアップ・ダウンを繰り返す。そしてその都度、一喜一憂をする。
するなといってもしてしまう、それが人間というものであろう。
どん底まで落ちると回復に10年は掛かると聞いたことがことがある。
筆者の体験からも頷ける。今だからいえる、焦らずに日々積み重ねていくことが非常に重要であると。よくなってくるとホッとするし、悪くなっていくと焦りや不安に苛まれる。生きているということは生かされていることでもある。

生ある限り人の身体というものは常によくなろうとし続けている。
昔、自分の身に起こることは全部自分に原因があると思えと教わった。
よくなってくるとそんなことは忘れてまた同じこと繰り返そうとする。我ながらよくも同じようなこと何回も書いてきたと思う。そしてまた書く。
どんな名人の治療師に掛かろうとどんな優れた技法であろうと原因が自分にあるならば一時よくなってもその原因と決別しない限りまた同じ結果を招く。
五重の塔になぞらえて姿勢論を書いた。五重の塔には心柱がある。
この心柱を中心とした木組み構造が地震や台風にも倒れない見事な建造物をつくっている。人間でいうとこの心柱は背骨ではない。まさに心柱、心ー意識でつくる物なのだ。

人の心柱が重心軸と一致したとき一番安定し、からだの全細胞がその力を発揮しやすい状態となる。しかし人間は直立二足歩行を選んだが故に心柱と重心線が全く一致することはない。からだを真っ直ぐにするということは心柱と重心線の差を少なくするということである。これはそれほど簡単ではない。それをキープし続けることはさらに難しい。
ただ心柱と重力線の差を限りなく小さくするよう努めるだけである。

人のからだは常に心柱と重力線の間をゆれ動いている。
このゆらぎが人の平衡感覚・復元能力を大ならしめていると考える。
人のからだは心柱を失ったとき背中は丸くなり腰は曲がり老いを表現する。
風・熱・湿・燥・寒といった外因、対人関係のストレス等によって簡単に歪みを生ずる。
またこの歪みも90%くらいは比較的容易に修正できるものである。

歪みっていったい何なんだろう。からだを真っ直ぐにするー心柱を常に意識するということはこれらの影響を受けにくくなるということなのである。
お釈迦様は天と地を指さし「天上天下唯我独尊」といわれた。
その時はからだのバランスはきっちり整っていらっしゃったに違いない。
心・身・息一如、故にからだが整えば呼吸が落ち着きこころも安定するしコリも取れてくる。からだを真っ直ぐにしゆったり呼吸をする。
この時間を日々多くしていくことである。


066 お尻の触りかた   2002-12-20

「股尻3年胸8年」といったのは吉行淳之介だったと思う。朝ドラの実在の主人公あぐりの息子である。桃栗3年柿年をもじって女性のお尻に触るのもそれだけの年季が必要といっている。確かに女性を触りまくって恨まれない人もいる。
逆に触ってもいないのに痴漢にされてぶち込まれる人もいる。
むろん強くきつく触れればいやがる人が多いだろう。
それに較べればソフトタッチの方がいい。ところが同じソフトタッチであってもイヤな感じのときがある。触る側がいやらしい感情を持つ持たないは別である。

右のお尻をミシリ・左のお尻サシリといったのは野口体操の野口三千三である。
この右のお尻と左のお尻では触り方がが逆になる。
股関節の固い方のお尻はゆるんでいるというか伸びている。
こちらの方を触るときは上から下へ触る。反対側は逆に下から上になで上げる方がいい。そうでなく逆にやると気持ちよくないし、からだは歪んでくる。これは治療をするときのやり方の応用で、理屈ではそうなる。

武術的な考えで順と逆がある。
股関節の固い側のお尻を上から下へなで下ろすこれは順である。
反対側をなで上げるのも順である。
でも吉行淳之介がそんなことを考えて女性のお尻に触っていたとは思えない。
彼の人柄でいい雰囲気をただよわせつつスーッと触っていたのだろう。
この場合は右がどうの左がどうのはあまり関係なくなってくる。
気持ちいい雰囲気のなかではリラックスする、からだがゆるんでくる故に固くなりにくく歪みは出にくくなる。でもこんな芸当が出来るのはそう多くはいない。人柄で勝負している。さらに進んで人のこころが宇宙と一つになったときその人の動きは全てOKとなる。

「動けば技」といわれた合気道の開祖植芝盛平翁の世界となる。
既に書いたように樹上生活とさようならを余儀なくされたとき、人はその個体維持・種族維持の瀬戸際に立って文字通り必死の思いで直立二足歩行を獲得した。
その結果、直立した際のバランス維持機能が類を見ない発展を見た。
そして他の動物が及びも付かない42キロを超すマラソンなんぞを考え出すに至った。
本人が意識しようとしまいとこのバランス維持機能は常時働いている。
人に触れられたときこのバランス維持機能は間髪を入れず働く。

順の場合はからだのバランスはよくなり、逆の場合は歪みの発生を見ることとなる。
からだに触れられることもそうだが個人個人の想いにも順と逆がある。
呼吸塾にはときどき変な人が見える。見えないものが見えると仰有った人が3人もいる。他にもそれらしい雰囲気を持った方が何人かいた。その中のお一人で腸を手術で取ってしまわれた女性、前屈をすると手が膝より上10センチくらいまでである。それが「ありがとうございます。ありがとうございます」と繰り返しながら曲げていくと手の平が床まで届いてしまうのである。


067 外反母趾が直るかも・・・・2003-1-3

礼法を始めて1年11ヶ月、エラスタルトは2年11ヶ月になる。
立つこと・歩くことの大切さを学んだ。
それまではことの重要さをあまり考えたことがない。
まっすぐに立ちその姿勢をキープしながら歩く。自宅から駅まで歩いて15分往復30分、毎日意識して歩いているとそれなりに新らしい発見がある。
普通に歩いていると重心が左足の場合踵から1指と2指の間に移動する。
右足は踵から拇指丘にいくことに気がついた。

「重心の原則」を教わったエラスタルトの先生に改めて質問したところ、一直線歩きの場合はそうなるといわれた。それで納得したことがある。筆者の股関節は左右差はそれほど大きくはないのであるが、それでも左足は右足に比し若干固く足首が前を向いている。
右足は左足に比し外を向いている。こういう状態だと拇指が外側に曲がるような歩きになりやすい。それで右足が外反母趾になったのだ。
別に痛くはないし、いつなったのか全然わからない。まだ10年も経っていないだろう。
右足の拇指に余分な加重を負担を与えていたことになる。それだけ感覚が鈍っていたのだ。筆者はようやく足裏の感覚で重心移動が直接感じ取れるようになった。最近の話である。

一般的には足裏なんぞに意識を向けない。だから何処に重心がいっているかなんぞはわからないのが普通だ。そのときは目で確認すれば足も向きが右と左では大分差があるなとわかる。それは股関節の左右差があるということである。
外反母趾の直しかたを読んだけど正直いってこんなやり方で本当に直るのかと思ってしまった。歩き方については筆者が見た本には書かれていない。
多分書いた方は外反母趾ではないのであろう。知人に外反母趾を自力で直したという方がいるけれど現状は筆者よりひどい外反拇指である。外反母趾も歩き方を変えたことで直るかもしれないと筆者は期待をもっている。直してどうだ!といってみたいものだ。

まず股関節を整える、それで拇指に掛かる負担が平均かされる。少なくとも外反母趾が今以上に進むことはないだろう。
今まで書いてきたように歩き方を変えることで股関節の左右差が取れてくる。
そして整ってきたことが自分で検査して自分でわかる。
但し一回やって整ったからそれで終わりというわけにはいかない。
なにしろ何十年も掛けて出来上がったからだだ。一回でがらりと変わるわけがない。
とにかくやり続ける以外にない。そして新しい生活習慣をつくる以外にない。
正しく立つこと・歩くことが人間にとっていかに重要かを認識することが続けることにつながる。

Gさんが一直線歩きをやっているときは足を引きずらない。これってすごいことだと思う。今は普通の歩きでも足の引きずりかたが半減している。
昨年9月始めていらっしゃってから1年以上になる。
10月末に手術をされて果たしてどんな状態になるのだろうか?


068 手術後の間接的後遺症にさようなら   2003-1-7

Gさんが12/21日出席された。10/23大腸の手術、術後59日。見てすぐわかった。
手術前より明らかに形が崩れている。歩くとからだのゆれが大きくなり、足の引きずり方が大きくなっている。上半身はなめらかにやわらく変わられていた。
それがまた背中はガサガサの感じになっている。バンザイでは左肩が固い。座位で足裏を合わせると股関節は左が固かったのが逆転して右ががえらく固い。仰向けで両膝を立てると右膝が左膝より5センチも高く伸ばすと鼠渓部が痛い由。うつ伏せになると仙骨が固く飛び出している。歪みが必ず出ると予想はしていたが、かくもひどくなるとはビックリである。長唄の教授は腹式でやると痛いので胸式でやられているという。

昨年、始めて見えたときと違い、表情が明るいのがいい。あの時は股関節の障害以外に大きな悩みを抱えて老け込まれていた。それがないだけ回復は早いだろう。
しかし切り取ってしまった大腸が元に戻ることはあり得ないし、メスの入ったお腹の傷後は呼吸を通してからだとこころに今後も影響を与え続けることになる。
対策としては今までも書いてきたことに尽きる。これは歪みやコリとそれに付随して起こる全ての症状に対しして有効である。

1 からだの歪みが大きくなっているからその歪みを取っていく。
肩の3点セット・脚ゆらし・胴ぶるい等をやってバランスを整える、これは呼吸を深くする。歪みの程度が少なくなるにつれ更に呼吸は深くなってくる。
短時間でもとにかく毎日やってバランスを整えておく。
多くの健康法であれ治療法であれこのバランスという考えに欠けるし、チエック方法がない。ゆらしは軽く自然がいい。

2 ゆったりとした呼吸の時間を多く持つ。
特に夜寝る前の時間にやると効果が大きい。
そうすると歪みの原因でもあるコリが取れてくる。やれば変わる、これは秘伝といっていい。強く大きく長くは考えない。気楽に毎日やる。

3 姿勢・歩き方に注意してバランスを維持し歪みを大きくしないことである。臀頭(臀部とと頭部を逆方向にちょっとだけ伸張する)ー心柱をキープする。人は心柱をつくることによってしなやかさを手に入れ同時に美しい姿勢となっていく。

からだの歪みは薬では取れないし、食事療法でもまずムリでしょう。呼吸塾でやっていることは簡単にして長時間やる必要がない。
声を出しながら手や足・からだを秒単位でゆらすだけ。余程の重症でない限りこれだけでからだのバランスは回復する。バンザイして検査してみればわかる。毎日やっていい記憶を目覚めさせればいい。手術後の間接的後遺症防止の法としてこれ以上のものはないと考えている。


069 中庸調和がベストです   2002-12-30

○○○○さま

今年は沢山のヒントを頂きありがとうございます。
お陰さまで書くネタに不自由せずに済みました。
その上、思いも寄らぬお歳暮まで頂戴致し恐縮に存じます。

同封の品お気軽に使ってみてください。
お礼とお返しの意味もありますが、敏感人間と自覚されるあなた様がどう反応されるか大変興味があります。知人が開発した商品で、おすすめコーナー「土曜会」に書いているEAVで50になったものです。販売を頼まれており、お気に入っていただいて引き続きお注文がいただけたらいいなあとの思いもあってお送り致しました。物はいいですよ。

大分前ですがこの知人と一緒に脳波の測定をしに行きました。
そしたらこの50になった商品を手にした途端、脳波がアルフア波に変わりました。
その時人間はいろんなものの影響を受けて生きているんだなと実感した次第。
現在の私の場合、手にしただけで両手の長さが揃います。
本当にいいものを手にするとからだのバランスが回復するとか、脳波が変わるとかなんて信じてもらえるでしょうか?
からだがガチガチの鈍感人間だった小生もこの5〜6年でようまあ敏感になったなあと自分でも思ってしまいます。そして敏感になっても悪い影響はあまり受けずに済んでいるのは姿勢にあると考えています。

土曜会ではEAVで脳・神経・リンパ・臓器等、7項目にわたり測定します。
興奮状態にするものは50より大きな数字になり、機能が低下させるものは50より低い数字が表示されます。50より大きくても小さくても不可です。
50がベスト、
50の数字を表示するということは人の電気的エネルルギーを中庸に持ってきたということです。これも二通りあります。どなたが触ってもその触っている人を50する物と特定の方だけ50にする物もあります。
どちらにしろ電気的に万能薬のように働くと考えられます。

土曜会には以前しょっちゅう行っていました。
そして全ての数字が50になった頃から行かなくなりました。
この辺のことは1/25「電磁波のせいではないでしょうか?」に少し書きました。
1/20「不眠症のEさんへ、陽性過多です」(この稿目次から脱けています)の女性はその後土曜会に参加しました。数字は大変よく、脳のみ61で後は50とか51だった由。不眠症ですから脳が61となるのはよくわかります。ずっと玄米食を続けられてきたので50とか51の数字になるのでしょう。いかに普段の食事が大切かということでしょう。私が玄米のお握り・玄米餅・玄米の炒り粉を持ち込んで測定したときはほぼ50の数字になりました。私にとって玄米はすごくいい食べ物といえます。

このEAVの考え、50中庸がベストという考えが気に入っています。人が「真っ直ぐに立つ」ということは、左右前後の偏りがない調和の姿に通じます。


070 中庸調和にもランクがある   2003-1-11

土曜会ではEAVを使ってリンパ・神経・血液循環・アレルギー・臓器変性・内分泌・脳の7項目を測定する。そしてその数値と50の差で健康度?が判定される。
筆者は平成10年にはほぼ全項目50になった。その後若干の変動はあるが大きくはぶれない。もう一つは物との相性が見れる。食品から化粧品・宝石の類まで測定してくれる。見ていると大メーカの有名な商品がほとんどよくない。昨年中頃だったか土曜会が出来なくなったという。

それは強力な50の気を出す人が出席するとその場にいる方全員を50にしてしまうのだという。それでこの会を主催している田村さんは2Fの別室で解説をやるようにした由。今まで50がいいのだといってきたけれど50にもランクがある。

1 50でない人。通常60くらいの人が多い。
2 取りあえず全部50になった人。
3 全部50でしかも他の人の数字を悪くする商品であっても影響を受けにくい人。
4 その場を全部50に変えるパワーを持っている人。60の人も40の人も50にする。

最近は測定をしていないのでわからないが筆者は3辺りに居ると思っている。
ある時、知っている人が参加していたので私の名刺と彼との相性を見てもらった。
そしたらなんと50から53位の数字が出てきたのである。名刺は単なる紙とインキではなく、その人の人柄というかエネルギーというか、そういう物も反映しているのである。そういえば以前、筆者の名刺を受け取って「暖かい名刺ですね」といわれたことがあった。

4で思い出すの良寛さんである。夫婦喧嘩をしているところへ良寛さんが一泊するとたちまち夫婦が穏やかになりその状態が一週間も続いたのだという。
筆者が教えを受けた中村天風先生もそういう力があった。月の講習会に出るとしばらくは元気よく生活できた記憶がある。

健康食品や化粧品を開発している知人にEAVの安いやつを、せいぜいで5万円程度で出来ないかと持ちかけたことがある。彼は乗り気になって試作品まで出来た。
この安いEAVが普及すればメーカーも商社も悪い商品はやらなくなるだろう。
そうすればいいものだけが市場に出てくる。そういう社会になればいいなあと思ったのだが実現は難しい。何しろ悪いものだらけの社会である。
本当にいいものを探し出すのが難しい状況である。添加物がいっぱい入った食品、からだによくない化粧品等々。

トルマリンネックレスがある。いい人にはいいのかもしれないが見事にからだが歪んだ人が何人もいる。随分高いお金を出したに違いない。
仲間が写真に収めている。真っ直ぐに立つ。これが人をして中庸にならしめる。
感覚はシャープになりしかも外的なものに左右されなくなる。
自分というものが確立される。筆者の仮説である。


071 吐かないは儚い   2003-1-12

週間文春に「読むクスリ」が長いこと連載されていた。朝礼のネタに随分使わしてもらった。単行本にもなっている。30数冊にもなっている。
その一冊に「夢しか実現しない」がある。夢を見るのは人間だけだという。
人の夢と書くと儚いという字になる。吐かないでなく吐きましょうよ。
吐けば天の夢になるよと筆者はいいたいのである。天の夢、天の止まる夢と書くと正夢になる。正夢だから天の止まる夢だから実現するのだ。

語呂合わせではないけれど吐かないは儚いにつながる。
吐かない人はストレスを受けやすい人、あるいはストレスを受けている人である。
呼吸を止めているか、呼吸が極端に浅い人である。拒食症の大学生がそうだった。
女性には仰向けになるとほとんどお腹が全然動かさないで呼吸をしている人が割と多い。男性だって長いことサラリーマンをやっているとガチガチのからだになる人が実に多いのだ。筆者もそうである。この年でもここ数年で少しは変わって幾分固さが取れてきている。

お正月の休み明け、Iさん、Kさんお二人ともからだが楽でしたという。Iさん「精神的なストレスなんですかねえ」という。
何回も説明したし書いたものも渡したのに、あら全然おわかりになっていないんだなあと思ってしまった。

心身一如、(筆者は心身息一如)ということばは当然知っているし頭では理解していらっしゃる。けれどもご自分のからだと照らし合わせて納得していない。
「腑に落ちる、身に沁みてわかる」にはほど遠い。Iさんは小学校の先生である。
すごい骨太の方で、それ故に典型的な頑張りやさんである。
今まで仕事をバリバリやってきたけれど負担になってきている。
自分の仕事は何がなんでもやり遂げなければならない、音を上げたいけどいえない。
背中に触っているとそんな訴えが聞こえてくる。先生となって30年頑張って背中が鉄板になるまでやってきた。

「イヤイヤ仕事をやっているんですかねえ」というKさんはちょっと異なる。
外部からの圧迫感に一生懸命突っ張っている。両脚とも外側が固く突っ張っている。
仰向けで足を持ち上げるとわかる。一見、内側がちぢんでいるよう見える。
調整すれば内外揃ってくるが次来るときはまたまた同じ症状を呈している。
お二人に共通しているのは原因が毎日の仕事がらみということである。
仕事に対する心構えを変えるか、呼吸をゆったりするか、それが今無理ならからだをゆらすことである。

こころとからだ・呼吸は一つである。
これはわからなくて当然なのかもしれない。見えないこころと見えるからだは別のもので一緒にはならないと無意識的に思っている。まして呼吸なんて空気の出入りだけでないかとなる。からだはこころの表現体である。こころで思ったことは呼吸を通してからだに表現される。からだがあるからわかる。


072 先が思いやられますよ   2003-1-17

年賀状の一枚に「最近は、すっかり弱くなってしまいました。」とあった。
大変気になる年賀状である。30代の女性、大分お会いしていない。
この前お会いしたときの生き生きとして軽やかな身のこなしがイメージに浮かぶ。
それがこの年賀状である、それで下のメールとなった。

これから先30年も50年もありますよ。先が思いやられますね!!
生活の中でどこか合わないところがあるのでしょう。呼吸塾ホームページ読んでいらっしゃらないようですね。ヒントがいっぱいありますよ。要はやるかやらないか。やれば出来ますよ、必ず。あなた様の倍も年食っている私でさえ出来たことです。自慢するわけでありませんが、ここ5年くらいの変化です。

1 血圧降下剤使うことなく正常血圧になりました。
  下がいつも90以上95になると気分が悪くなりフラフラしていた。
  いまは80以下に落ち着いている。
  もっとも〇〇さんにはそれは会社を辞めたからだといわれましたけど。
  測定日   H12年1月7日   H13年6月4日
  最高血圧   144         126
  最低血圧    90          73

2 白髪が減ってきています。本音をいうと真っ黒にならないかと思っています。
3 老化現象といわれる爪の縦皺がなくなってきています。
  現在も進行中、爪を見ると皺のところが段が付いて薄くなってきており一目瞭然です。4 肩胛骨の周囲のコリが少し宛とれてきています。
  これで肺活量が増えていくと期待しています。

  1998年にあるミニコミ誌に肩を回すとゴリゴリと音がすると書いた。
  ゴリゴリが始まって5年になる、それが今も続いています。
5 エラスタルトで30代の方とやっても同等にやれます。
  運動神経は人より劣っていると思ってきたけれど、
  そうでもないと思えるようになった。
6 感覚がシャープになり新しい発見があります。これはうれしいですよ。

7 O脚で膝がくっつかなかったのが、くっつくようになってきた。
8 腰痛、膝痛も何回もやっていますが今のところ心配ない。

今、何とかしたいと思っているのは下の三つです。
1 目です。パソコンをやるようになって老眼の進みが早くなっている。
2 右外反母趾を直したい。3人の顔と名前がなかなか覚えられなくなってきている。


073 時々ではダメですよ!!   2003-1-21

「昨年はありがとうございます。おかげさまでとてもよいです。
正座はできませんがいろいろ教えて頂いたこと時々やっています。
今いたみははありません。本当にありがとうございました。」
上記は12/6忍者の印形は効きまっせ!!に書いた女性からの便りである。

〇〇さまこれを読んでヤバイと感じました。
時々やっていますとあります。50年以上かかって出来上がったからだです。
そんなに簡単に変わりません。中程度までの痛みなら容易に止まります。
でも痛みはなくなっても自分の癖はそう簡単に変えられません。
時々というと毎日ではないですよね。そのうちにやらなくなります。
そして必ず悪い癖が顔を出してきます。痛みがなくなったから良しは、一時のことです。そのうちまた痛くなる、今度は歩けなくなるかもしれません。
ワークの効きが悪くなり、直るのに時間が多く掛かるようになる。

短時間でいいからとにかく毎日やる必要があります。短時間でいいんです、やるという新しい習慣を作る必要があります。毎日やらないと新しい習慣は出来ません。
躾という字は日本で出来た漢字だといいますが、しつづけるのが躾です。しつづけることによって美しい身が出来るんです。

「継続は力なり」「習慣は第二の天性」ということばがあります。
これはいい方にも悪い方にも働きます。悪い方に働いたから膝が痛くなったり腰に来たり肩がこったりするのです。
それを逆転しようとするのだから毎日やらねば出来ようはずがありません。
どこかに書いたのですが筆者の叔父貴がそうです。酒が大好きで肝臓を悪くして入退院を繰り返し、退院すれば飲んでいました。時々禁酒をしてそのあげく肝臓ガンで死んでしまいました。時々ではダメなんです。姿勢と歩き方と呼吸です。

この前お会いして姿勢がよくなっていらっしゃるのでびっくりしました。
姿勢の方はこのままお続けください。歩き方がまだ不完全です。
歩き方がよくないと特に膝を痛めた人はぶり返すことが多いのです。
筆者も膝を痛めて一時直った積もりがまたぶり返した体験をもっています。
これは是非きちんとやって身につけて頂きたいのです。からだのバランスを見方をお伝えしました。毎日チエックしてバランスを整えておいてください。


074 ミネラルバランスが崩れると人生が崩れる   2003-2-11/17

今何とかしたい思っていることとして、進行している老眼・外反母趾・記憶力の低下の三つをあげた。もう一つあった。冷え性である。左足先端部が冷える。
数年前、強烈な冷え性になった。冷えるというよりジンジン痛いという感じなのだ。
それで机に向かっているときは片足宛あぐらをかき自分の大腿部で交互に温めていたという体験がある。そんな状態は大幅に改善されてはいるが左足先端だけが今だに冷える。
そしてえらく寒がりやさんになってしまった。

それでやり始めたことがある。一つはマグネシュームを取ることであり、もう一つは水を飲むことである。水の方は次回書く。
マグネシュームは10/31分子栄養学の権威である山田豊文さんの講演を聞いてからである。マグネシュームを2ヶ月飲め、これだけで好転する。だまされたと思ってやってみろ、と迫力のある声で話される。
なにしろ2ヶ月で結果出るとプロスポーツの著名な方々と契約をされ実績を上げている。昨年の巨人軍の優勝、桑田投手の復活も陰に山田豊文さんの指導があった。
桑田投手が投球に古武術を取り入れたからだと甲野善紀さんがマスコミに騒がれているがマグネシュームも飲んでいるという。

それで試してみる気になり、11/7からマグネシュームを飲み始めた。
1週間すると違いがわかった。無論、冬だし寒い。寒いことは寒いのであるが違う。
なんというか寒さに対しての力みがなくなっているとでもいうか、からだの竦み方が違うのだ。以下、山田豊文さんの講演の要点を書く。

人の身体において消化・代謝・解毒という生命活動は酵素の働きによる。
あらゆる病気はこの生命活動の低下から生ずる。この酵素が一生で一定の量しかない。
量が減ると病気になり使い切ると死である。
この酵素の重要な成分がミネラル特にマグネシュームである。
マグネシュームは325種類もの酵素と関連しており、マグネシュームが不足するとこれらの酵素が働かなくなる。その結果、体調不良・肩こり・精神的不調・慢性疲労・カルシューム流出を招く。

ラットの実験がある。カルシューム欠乏食では骨がスカスカになりながらも生きている。それがマグネシューム欠乏食では一月を過ぎるとコロコロ死に始め三月も生きられずデーターも取れない。

カルシュームは血中にマグネシュームは細胞内にありその比は1万対1である。
血液中のカルシュームが不足すると骨からカルシュームが流出しこの流出したカルシュームが細胞に取り込まれ血管が老化していく。
このときにカルシュームのみ取ると更にこの状態がひどくなり、カルシュームが血管や心臓に付着して突然死(心疾患、脳血管疾患)の原因となる。
大事なのはカルシュームとマグネシュームの比である。マグネシュームは不足しがちだから多めに取れ、1対1くらいでちょうどいい。

日本は国・保健所・医師が牛乳を勧めているが、牛乳を飲むなんてもってのほかー沢山飲むほど骨粗鬆症になるという。
フインランド・スエーデン・アメリカ等の牛乳を沢山取る国ほど骨粗鬆症が多いと統計が物語っている。マグネシュームが不足しているとカルシュームは骨に貯留出来ない。

農耕民族はマグネシュームは不足するなどということは昔の食事ではなかった。
いつも十分に取れていた。従ってそれを取り込もうという機能がない。
逆にナトリュームやカルシュームは取るチャンスが少ないため貯め込むように出来ている。食の洋風化によるマグネシュームの不足、更に抗生物質の乱用が酵素の働きを低下させる。ミネラルバランスが崩れると人生が崩れる、カルシュームの過剰摂取は疾病要因となる。

いまや日本は生命体として二流国となった。オリンピックでメタルも取れない。
糖尿病が1500万人、アトピーも多い、これは異常事態なのだ。食べ物がなんで毒になるのか?食べたものをちゃんと分解・消化することが出来ないからだ。
酵素の働きの弱い民族は滅びる。古来、文明はエジピトにしろ中国にしろみなミネラルの豊富な土地に発達した。

この原稿を書いていると朝青龍の横綱昇進が報じられた。これで曙とならんで東西両横綱とも外人となった。それどころか大相撲初場所は序の口・序二段・三段目・幕下・十両・幕内のうち序二段以外の五階級は外人力士の優勝となった。
山田豊文さんのお話を聞いてから20日後、高円宮突然のご逝去を聞いた。


075 寒さに強くなる   2003-2-6

「寒の水」ということばがある。筆者は最近まで知らなかった。
「寒の水」とは、小寒から節分までの寒の内に汲み置きした水を「寒の水」と呼び、”延命水”とも呼ばれている。そして雑菌が少なく水自体が腐らないため、長期保存ができ、大変健康にいい水なのです。酒・味噌・醤油などの仕込みにも使う。

あるメルマガで水をたっぷり飲んでいると寒さに強くなるというのがあった。
それで試してみた。どうも効いている気がする。マクロバイオテイックでは水を陰性のものとして制限する。筆者はその影響であまり水は飲んでいなかった。
水をたっぷり取っていると何で寒さに強くなるんですかと、質問したら丁寧な回答を頂いた。それで水を飲むことに関心を持つと、同じ趣旨の文にいくつも出会った。
以下まとめて紹介する。

『冬は乾く季節で、乾くと干乾びてくる。ところが当人は気付かない、どうしてかというと感覚が鈍くなっている。普段から、乾くという意識が稀薄な人には分からない。体の水不足が進行しているとちょっとくらいでは足りなくなる。水を飲んでも乾きすぎているとお小水で出ていってしまう。水の補給を怠っていると体は水の循環を停滞させ、水分の流出を防ぐようになる。すると体を動かしたり、ものを考えることが億劫になってくる。

この季節が一番体に水が染み込みやすいのです。他の季節にはその作用はとても弱いです。身体が最も欲しっている時に欲しいものをプレゼントする、これが一番よく効く。運動をした後、お風呂に入った後、目が覚めたとき、興奮した後等に努めて飲むようにする。とにかく一日に1〜2リットルの水を飲む

。水分をを摂りましょうと、医者は言いますがその指導はお茶とか、ポカリスエットをすすめる。ここでいう水は生の水である。お茶やコーヒーは早く排泄され乾きを助長する。常に水しか飲まない日常が続くと乾いてきたことに、敏感になります。

それでも皮膚感覚に渇きが感じられる、カサカサしている、皮膚が割れる、などといった症状がある方は油が足りません。油の補給が必要です。無塩バターを一箱買って4日で食べる。そのまま食べてもいいしパンに挟んでも良い熱を加えないのがよろしいです。
油が満ちてくると手の平の感覚が潤ってきます。皮膚が割れるということが、ましになってきます。

続けることと、待つこと、そういう身体感覚が育ってくると体が変わってきます。
要求がわかる感覚が育つのです。何事も体感が育たないと、動きません。答えは、体に聴いてみて下さい。聴かなければわかりません。任せてしまえば楽ちんです。「少し口に含み、唾液とよく混ぜてからゆっくり飲みほす」これだけです。これでも通りが悪い人は、お風呂に水を持って入り、湯に浸かる前に口に含んでグチュグチュして捨てること3回。
その後チビチビ飲み、おいしくなってきたらぐいぐい飲む。
量は飲みたいだけ。美味しくなくなったら止めます。

口に含んでゆっくり唾液と混ぜてから飲む。これで咽の痛みが取れた人もあれば、胃の痛みがとれた人もいる。痛みのある部分は炎症を起しているものです。唾液と混ざった水は胃袋から内部に染み込む作用が体にはあるのです。
だから問題の箇所が膝であろうと、腸であろうとかまいません。
咽や胸が乾いている人は飲んで大分時間が経ってからまとまった痰が出たりすることがあります。これで胸の緊張が弛むのです。

水を飲んでいると風邪やインフルエンザに掛かりにくくなります。
冬場体にお水を通しておけば春になってお肌の弾力が断然違いますし、一年を通して体の敏感さが異なってきます。』

水飲み健康法がある。お塩健康法がある。そのどちらにも量に制限なく取れるだけ取れという考えの派がある。例え余分に入れても不要なものは排泄されるからという。
これはおかしい、余分なものを出すために、からだは余分なエネルギーを使い且つその分臓器が疲れるだけである。水を1日に1リットルから2リットル飲めというのも同じように考える。水にしろお塩にしろその人にとって適量というものがある。
量を指定して守れというのはおかしい。

水の補給を怠っていると身体が干からびてくる。感覚が鈍っていてそのことに気が付かない。いわれるとその通りだ。身体感覚が育ってその感覚に従って適量補給するというのが一番いい。無塩バターも動物性脂肪ということで嫌う人もあるだろう。でも下手な薬を飲んだり付けたりするよりはるかにマシだと考える。


076 睡眠時間が足りない?   2003-2-8

1/17に書いた「最近は、すっかり弱くなってしまいました。」と年賀状に書いてきた女性に水を飲むことを勧めた。

>水ですか?
>水分はお茶でカバーしていたつもりでしたが、お水を飲まないとダメなのですね。
>寒いので、体を冷やすと思っていました。これから、お水を飲むようにします。
>カラダの眠気がとれないというのは、何かありますか?
>寝ても、寝たりない感じです。

昨年の1月にも同じ内容のメールをもらっている。全く逆の不眠症の女性の話をホームページに書いたが、こちらは玄米食に朝鮮人参で陽性になりすぎたためである。この場合は簡単だった。玄米を分搗米に変え、朝鮮人参を止めただけで不眠症とおさらばできた。今回の場合は典型的な陰性症状である。
陰性になりすぎている。それに食べ物やホットカーペットの電磁波が影響している。
10時から2時の大事な時間帯に睡眠が取れないこともある。
この方に水を飲むことを勧めた。以前の筆者には考えられないことである。
陰性症状の方には水を制限し果物や生野菜を取ってはいけないですよ、といっていただろう。自分で生の水を飲み続けてみて、今の季節、身体が乾燥して水を必要としていると身体感覚で納得したからである。

2/1この女性から「カラダのほうは、だいぶよくなってきました。」というメールが届いた。さあそうすると陰性症状の方が水を飲んで好転するということとマクロビオテックの考えが相反している。これをどう考えたらいいのだろうか?
マクロビオテックでは水を陰性なものとして取ることを制限する。男性はお小水1日4回以内、女性は3回だ。そうすると血液が濃くなる、睡眠時間が短くて済むと。目安として、1日2合の水分だと4時間、4合だと8時間の睡眠時間で済む。
筆者も昔、厳格にやったことがある。そしてこれ以上はないほどの絶好調な自分を体験した。もっとも反動が来て辛い辛い想いも体験した。

この食事法を続けていると身体が干からびて顔は薄黒くなり。赤血球が団子状になり粘っこい血液になり却って健康を害するとの指摘がある。そういう人に新鮮な野菜を食わせると直に元気になったと書かれた。マクロビオテックをやる場合、小食でやること・よく噛む・動物性を入れないこれを守らないと失敗する。この小食とよく噛むことがなかなか守れない。この女性はマクロバイオテックの食事をやっているわけではない。
2年ほど前、結婚されてお仕事を止められた。勢い身体を動かすことが減っている。
だけど食事の量は変わらないだろうし、相対的に大食になり水分を沢山とっている筈だ。対策は小食にし、よく噛む、そしてからだをよく動かすことだ。更に海草類を常用する。海草類にはマグネシュームが群を抜く。これでいくら寝ても寝足りないということはなくなると考える。


077 「箸の上げ下ろし」   2003-2-15

「箸の上げ下ろし」ということばがある。重箱の隅をつつくように細かなことを、いちいちうるさく注意することをいう。なにもそんなことまで言うなよ、分かり切ったことまで注意するなよという意味が含まれる。姑が嫁の箸の上げ下ろしまでうるさく口を出すといったように使う。

ところが礼法で箸の持ち方を教わった。教わったやり方だとからだのバランスがそろってくるのだ。まだ筆者はちゃんと使えないし、ぎこちないがこの方がバランスが整ってくる。「箸の上げ下ろし」はあまりいい意味に使われていないけれど、本来は身体に歪みを作らない型を伝えるものであったと考える。礼法の流祖はすぐれた身体感覚の所有者だったに違いない。

箸の使い方をホームページで調べたが、こういう観点で書かれたものは一つもない。
「箸の上げ下ろし」という些細なことの代表が、からだの歪みと直結しているのだ。
箸に関して、箸の持ち方と、迷い箸はいけないとかのマナーとしての面がある。
ここでは箸の持ち方について書く。
箸の持ち方下側の1本は固定箸で親指の付け根に箸を当て、親指の根元で軽く箸を挟む。薬指を軽く曲げ、爪の根元に箸を乗せる。この時、子指を薬指に付けて薬指を支える。
上の1本は中指の爪の付け根に箸を乗せて、その上に人差し指の先を乗せ中指に自然に添わせる。中指の第一関接の上の箸に親指の先を軽く伸ばして当てる。

筆者がうまく使えない箇所は親指を曲げてしまうのだ。少しくらい曲がっていても力が入っていなければいいのだが、筆者はどうも力を入れて曲げる癖がある。これがよくない。気をつけて見ていると3割くらいは親指を曲げている。また親指が伸びているけど人差し指の上を随分突きだしている人もいる、これも歪みが出るだろう。
人それぞれいろんな使い方をしている。正しく使えている人はあまりいないようだ。
もう一つは小指を薬指にくっつけて使えない、すぐ離れてしまう。
そして箸の先が段違いになり挟みにくいのだ。

「円相にして水走り」これも箸を使うとき大事なことと教わった。
肩から指先まで自然なカーブを描いているということである。
これも指先に気を取られているとお留守になりやすい。
ホームページや本に出てくる箸の持ち方の写真で親指が見事に曲がっているのがある。「垂直の原則」からして親指を曲げて使えば歪みが出る。
指導者の方もそのことを知らないのだ。箸の使い方で大事なポイントは親指・人差し指・中指の三指が力が抜けていて軽く伸びているのがいいと考えている。


078 O脚の原因は?   2003-2-20

Kさんを見ていて教えられたことがある。
両足の小指側が伸びている。内側が縮んで短くなっている。
外部に対しての突っ張りだと書いた。それで改めて自分の足を観察すると右足にその傾向がある。ああやっぱり突っ張っているなとわかった。
二人ならんで歩くとき自分の右側に他の人を置いて歩いていることがある。
自分を守る、用心するとかそれが足の形に表れている。やーさんを思い浮かべてほしい。両方の肘と膝を突っ張って歩いている。

筆者が立ったとき、左足底は全面ぴったり床に着いている感触がある。
それに引き替え右足底は随分と凸凹していて小指側が頼りない感じである。
それで歩くときは親指側に負担が掛かる。それで外反母趾になったと書いた。
外側が伸びているのだから外重心な筈だが、現に踵は外側が減りやすい。
つま先は内重心で踵が外重心ということか?右足底がねじれていることになる。
この辺のくわしい解明はもっと先になる。

日本人はO脚が多いといわれている、筆者もO脚である。O脚は多分この外部への突っ張りが原因であろう。この前お会いした男性は膝のところが10センチも開いていた。
外反母趾かどうかは聞き損ねた。2/2初めて参加された30代の女性、仰向けになると足首のところで曲がらずに真っ直ぐに足先が伸びている。足首前面が伸びた状態でしかも大変固くなっている。そして右足が筆者と同じく突っ張り型である。これはどう解釈したらいいのだろうか?ハイヒールを履き続けると前面が固くなるだろうか?
このタイプの方は3〜4人お目に掛かっている。

前面突っ張りは拒絶屋さんとみたいのだがそんな人柄には見えない。会社勤めをやっていたとき話を持っていくと必ず拒否する上司がおった。秘かにミスターNOマンとあだ名を付けて溜飲を下げていた。そのころ、こういう事に興味を持っていればもっと観察できただろうにと残念である。背伸び現象ー上昇志向が強いとこうなるのだろうか?
このように突っ張りには横突っ張りタイプと前面突っ張りタイプとある。

治療師の方で仰向けになると両足が開く方が見えたことがある。両足が60度くらいに開き且つ小指側が床にぴったり着いている。専門的にいうと大きく外転・外旋しているという。これは多分、横隔膜が横に伸び過ぎた状態と考えている。ハッと息を飲むという表現があるが呼吸を頻繁に止める癖のある人、驚きやすい人がなるのではないかと思っている。こういう人が立ったときはつま先が開くし、歩くときはがに股である。

脚の状況もそうだが手・肩・腰等、からだの各部分が左右違っていたり、極端に伸びたり縮んでいると呼吸が平均に入らない。うつ伏せのときは背中、仰向けのときはお腹を見ているとわかる。呼吸のとき左右均等に動いていない、動きの大小・遅速がある。からだのバランスを整えると呼吸が整ってくる、お腹なり背中なりの左右の動きが一つになってくる。からだは全身、これ呼吸器官である。


079 歩き方で巻き爪が直るかも   2003-3-1

生まれたばかりの象の赤ちゃんの映像を見た。生まれ落ちてすぐ立ち上がろうとする。
立った途端すてんと見事にひっくり返る、また立ち上がる、そしてまた転ぶ。
立っては転び立っては転び、文字通り七転八起してようやく立てたシーンに正直いって感動した。四つ足で立って歩くように本能の中に組み込まれている。

2/15敬宮愛子さまのトコトコ歩く写真が公開された。誕生日を迎えられた昨年12月頃から歩かれるようになったという。象は生まれ落ちてすぐに歩けるが人間はヨチヨチ歩きが出来るまで1年以上かかる。更にちゃんと一人前に歩けるようになるまで何年も掛かる。ヒトは立って歩くことさえ後天的に身につける。狼に育てられたアマラとカマラを見ればわかる。彼女たちは四つ足で走り回り、夜も目が見え、鼻がすごく利いた。
人間の世界に戻って、1年半後、直立二足歩行出来るようになったがヨチヨチ歩きで、急ぐときは四つ足で走ったという。
カマラは9年間生存。その間、覚えた人語は50語だけだったという。

これはヒトの持つ強力・広大な可能性を示している。同時に成長期環境の重要性を示す。場合によっては狼と同じ能力が身につく。人間の持つすごい後天的学習能力は他の動物にはない。ヒトが人になるのはヒトがオオカミになるより易しいと思うのだが、オオカミのような人が多いのは何故であろうか?こんな書き方だとオオカミの方で、人間ほど悪くないと怒るかもしれない。直立二足歩行は人間の原点である。人から真人へ、直立二足歩行が一つの鍵を握っている。
12/2鳩を見よ!鳩は姿勢の名人・12/17人はゆらぎの中に立つ等を再度読んでほしい。
1/3に書いた「外反母趾が直るかも・・・・」を読んだ方からのメールである。

>HPで、外反母趾のことを書かれていましたが、私は現在巻き爪でちょっと悩まされて
>います。現在治療を受けているのですが、足のアーチが逆であるという指摘をうけまし
>た。よくよく考えると骨折してからの歩き方―重心の置き方―の変化が影響しているよ>うに思います。足の指に力を入れることなく歩いていたので、足指ー特に親指がぼやぼ>やしてしまったようです。
>一箇所のバランスを壊すと、至る所にダメ―ジを起こすことの怖さをしみじみ感じてい>ます。外反母趾が歩き方で改善できるのであれば、巻き爪もオッケイですね。
>親指にちょいと力を入れて歩くだけで爪の際の爪に刺激をうけて、全体的に爪が伸びる>ようになりました。
>へ〜、はーほ〜、ふーーーんと我が身体の出来事に感心している次第です。

巻き爪になってから歴史が新しいのであろう。歴史が新しいほど早く変化しやすい。立ち方・歩き方が原因で生じた障害はほんのちょっと立ち方・歩き方を変えるだけで消えていくのだ。筆者も巻き爪がある。右足の外側二指寄りにある。子供の頃、右足拇指に何か落としたような記憶があり、それが直接の原因と思ってきた。そうではなくてこのことで拇指が痛いので、歩き方を変え巻き爪になったと考えた方がどうも理屈に合っている。

外部への心理的な突っ張りが膝から股関節そして足首・指先まで影響する。それにより着地の際の足裏部分部分の負担が違ってくる。筆者の場合、現状は右拇指の左側に力が入っており小指側が浮いた感じだ。重心の偏りがどうも横のアーチを潰すらしい。

足裏が平均に着地するように歩くと中指丘あたりが出っ張っているような感じになる。
横のアーチがなくなれば当然だなと納得した。それでも拇指の外反している部分が出っ張りが小さくなる。拇指側に体重を乗せるとまた外反する。外反母趾の矯正装具があるが装着しても外せば元に戻るのは当然の話だ。軽症・中症ならば立ち方・歩き方で変わると思っている。この立ち方・歩き方を定着させるにはそれなりに長い時間が必要だろう。
それでもこっちの方がからだのバランスを整えていく。


080ゆらしで深層筋が甦える   2003-3-7

3/1の呼吸塾。Hさんがスッキリした表情で入ってきた。
体調も整ってきたらしくHさんらしい顔つきになっている。
メールでも体調回復の様子がうかがえた。ところが仰向けでバンザイすると両手とも伸びにくい。うつ伏せで足をお尻の方にくつっけていく検査では、足が重く左右差も大きい。右肩胛骨内側上部が張っている。それと胸椎8番あたりには左右とも大きなコリがある。

表情との落差はどうしたことだろうか?顔面の筋肉は内蔵筋で出来ている。
内臓が元気を取り戻してきたということだろう。本人も調子がよくなってきた実感があるという。内臓が元気を取り戻しても、負担を掛け過ぎて固くなった筋肉はなかなか元へは戻れないのだ。筆者自慢の肩の3点セットの効きが悪い。それでも肩胛骨上部の張りは軽くゆらしているとまもなく取れたし、終わったときには両手がよく伸びた。

10月大腸手術をされたGさん、17センチも切り取った由。後遺症に悩まされている。
以前からの股関節障害もある。右腰から大腿部にかけて大変固くなっている。
切り取ったのは左側である、それをかばって前はよく開いた右股関節が固くなっている。股関節障害のある方は右である。それで左重心で歩いていた。
ところが左側大腸を切り取ったので今度はそれをかばって右重心で歩くようになり、障害のある右側にそのしわ寄せが来たものと推理した。仰向けで右足首は以前と同じくらいに外側に倒れている。股関節は逆転してよく開いた右が固くなっている。ということは右脚部は付け根が内に、足首の方は外にねじれてしまったということである。
片足胴ぶるいは有効だろう。仰向けの片足ゆらしもいいのだが、やっている姿から前に動画のモデルにしたいと思ったほどの軽快さが消えている。

最近、割と目にするのがインナーマッスルー深層筋の記事である。深層筋が弱くなってくるとそれをカバーするために表層筋が固くなる。これがコリの原因だという。
深層筋に限らず筋肉というものは使わなければ弱くなる。無理をすれば壊れる。
適度に動かすことによってしなやかさをキープできる。表層筋も深層筋も年と共に衰える。ところが一般的にやられている運動は表層筋を鍛えるあるいはほぐす動きだ。
通常のマッサージでは表層筋をもみほぐす、深層筋は直接さわれないしそのままなので、一時はほぐれてもすぐまたコリが出る。

胴ぶるいのようなゆらす動きは深層筋まで届く。更に声を出しながらゆらす。
この声を出しながらということが非常にいい。いつもいっていることであるが、黙ってやっていると息を止めてやる人がいる。それの防止と息を吐きながらゆらすということである。大事なことは声がよく響いていることである。これは力みが抜けていることであり、この状態でゆらすとからだの中までよくゆれる。声自体のバイブレーションとゆらし、これが相まって深層筋まで届くときコリが解消しコリの出来にくいからだになっていく。
ゆらすことで深層筋は甦るのである。このゆらしと深層筋の関係についての発表は今まで見たことがない。筆者の知る限りにおいて、わずかにボデイトークの先輩一人のみである。


081 からだの問題?こころの問題?脳の問題?   2003-3-10

3/7来信
一日はありがとうございました。自覚以上に不調で自分自身驚きました。
翌日から今日ぐらいまで、ぎっくり腰の1歩手前程度の状態が続き、びくびく過ごしていました。今日美容院にいったら、いつもとは違ったコリが左肩レントゲンとってもらったらいいよって、言われ、あわてて整形外科に行ってきました。

骨には異常のないちょっときつめのコリということで湿布と薬をもらってきました。
先日、大橋さんにご指摘していただいたように、いろいろさまざまな怒りを腰にためていました。今週1週間はその怒りの元凶と思われるものと向き合って過ごしてきました。
今の気持ちとしては、腰に怒りをためるほどの事もなかったと思っています。
腰の場合は自分で結構コントロールできるのですが肩背中の場合は、つきあいは長いのですが常にもてあましています。

今日受診のきっかけとなったひどいコリの箇所は、自分でちょっとさわっても、表現しきれないものが鬱積していて、ほぐすにしたがって、咳き込んでしまいます。
今まで、背中と肩の痛みはずっと継続していたのです痛みの中心は確定できず、
「なんとなく違和感がある」という感じでした。足を骨折したあたりから、痛みの中心はココ!と指摘をできるようになりました。そろそろ、逃げずに自分と向きあいなさいよってことなのかなあって思っています。
次回は年度末ですけど、なんとか段取りつけて参加したいと思います。

3/9返信
《お顔を見てよくなっていくのかなと思ったのですが逆でした。かなり安定した期間があってまた調子が落ち始めているということですね。両手もよく伸びたし、まあいい状態でお帰りになったと思ったのですが、翌日からびくびくして過ごしたということは一日しか保たなかったですね。

歩き方と姿勢をちゃんとやってください。
やっていればもっと保つでしょうし、からだのバランスは整ってくるし、ひどい状態にはならないでしょう。コリぐらいで整形外科なんぞにいくなよっていいたいです。

左肩のこりは仕事かなにかわかりませんがすごく負担に感じていることがある、あるいはあったのでしょう。精神面からの対応は大事ですが、同時にからだも呼吸も大事です。》

3/1この日に限って歩き方をやらなかった。参加されたお二人がお二人とも相当重症だったので、からだほぐしとバランス調整を主とした。やはり歩き方を必ずやらねばと反省。何回も書いているがどんな健康法であれ、治療法であれ歩きを抜きにしては効果を持続することは難しい。知識として脳に記憶されるとわかったつもりになる。そしてやらない。簡単なことなのにやらない。やらないことそれが問題だ。


082 やらないことそれが問題だ   2003-3-16

3/13来信
体の方は、結局月曜日の朝、どうにもならなくなってなじみの鍼師のところで治療をうけました。よくもまあこんなに体がこわばっているものだと驚かれました。
我慢は、美徳ではない。痛みが出る前に、ほこりがちょっとたまった程度で治療をうけたほうが、お金と時間、そして本人にとって楽だと言われてきました。
自分の体のこと、自分で解決するのが一番ですけど現在とにかく自分では手におえない状況。無理せず、我慢しすぎないようにして、まかせられるところは、人の手をかりて、はやいとこコンデイションを整えたいと思います。

3/16返信
《人の手を借りようと、自分で努力集中してからだを整えようと、日々の姿勢・歩き方・心構えとかがお留守になったらまた同じ結果になるでしょう。
特に歩き方をちゃんとやってください。本当に毎日やってください。
それと特効万能薬ですよ。毎日毎日微調整をやってさえいればひどい状態にはなりません。

ほんのちょっと時間を裂くだけでで済む。只、続けられる人はあまりにも少ないです。
少しよくなればやることを忘れる。かくいう私もその繰り返しでした。
1/21時々ではダメですよ!!に書いた50代の女性は違った。
時々やっていますと書いてきたが相当にやっていらっしゃる。
見ればわかる。猫背が見事に消えていた。正座は出来ないまでも膝は痛まない。》

こころのことは重症であれあるほどこころからのアプローチは難しいと筆者は考える。
多くの人は逆にこころのことはこころからと考えられるようである。
どん底のとき、一体こころの面で何が本当に出来るのであろうか?
夜おやすみのとき呼吸をゆっくりするだけで背中がつきたての餅に変わるなど信じられないのであろう。ただほんのちょっと時間を割いて毎日やるだけ。背中も変わるし考え方も変わっていく。
歩き方で肩こりが消えるなど、まさかそんなことがと思っているのかもしれない。
ちゃんと歩けば歪みが取れてからだのバランスは整ってくる。整ってくれば整った分だけ楽になってくる。歪みがあればあるほどコリはひどくなっていく。

お金のかからない健康法その1「万能特効薬をお飲みになってみませんか?」を勧めたとき、ある女性が「大橋さんは毎日やっているですか?」と聞かれたことがある。
多分続けることの困難さを踏まえてのことだったのだろう。

「バタン・キュウの口で布団に入ったらすぐ寝てしまうんで、やっていないですよ」といった。そしたら今度は「じゃ、いつやるですか?」と聞いてきた。
「駅に行くとまで15分掛かります。いつも往復30分は兎に角やることにしています。」と答えた記憶がある。筆者にとって駅までの時間は大変貴重である。
この時間わずか15分であるが歩き方・姿勢・語り・呼吸法と随分といろんな事が出来る。

いろんなことができるし同時に出来たりもする。それらがみな関連を持っているし一つ出来ると他のことがわかるし同時に出来ちゃうのである。歩き方にしても一直線上を歩く・あるいは股関節の開いている側をちょっと狭めて歩くにしろ、最初はぎこちなく歩きにくく抵抗感がある。でも毎日やっていると身に付いてくる。やりにくさは消えていく。
わざわざ別にバランスを整える体操をやる必要もなくなってくる。

そしたら語りがやれるし、バランスが整っているから声が出しやすい。声を聞いていればどこに緊張が入っているかわかるし工夫の仕様も生まれてくる。語りは呼吸法そのものと思っているから、呼吸法をやっていることにもなる。ちょっと足裏に意識を向ければ外反母趾矯正法につながっていく。


083 仮説「バランスが整うとエネルギーの流れも調節される」   2003-4-1

《3/14「〇〇〇〇の会」に出席しました。カラーテープを貼ってエネルギーのバランスを調整するということでした。光工学と東洋医学(陰陽五行説)に基づいており、色=光は黄色で3センチ紫だと8センチも浸透すとか。既に科学で証明されている由。

私の場合、左手薬指に黒・中指に黄・小指に赤のテープを貼りました。
赤のテープを貼った途端です。背中が熱くなってきました。

20人くらいの参加者の中でどのカラーも不要という方が二人いた。
その内のお一人は真冬でも半袖の由。逆に五色全部必要とされた方も二人いました。
その内のお一人が手が氷のように冷たい方で触った方がびっくりしていました。

いくら寝ても寝たりない・寒くてしょうがないというのも、どの経絡かエネルギーが落ちているからと考えられます。それによってどの指にどの色を貼るか決まります。
とにかく目茶面白かったです。》

帰り、駅ビル内で100円ショップをやっていた。見ていると女性の髪をまとめるゴムのバンドが目に入った。色とりどりのバンドが沢山入って100円である。咄嗟にカラーテープの代わりに使えるかもしれないと買った。Oリングで、今の時点でどの色を欲しているかを調べて爪の生え際に貼るだけ。それで痛みが取れるという。

重症のリューマチ患者を連れてきなさいという。その場でやってみせる由。
実際には痛むところに合った色のテープを貼るらしい。
筆者の場合、薬指に黒・中指に黄を貼ったけれどそれでも足りず小指に赤のテープを貼った。そうするとOリングがよく開くようになった。
帰ってごろごろしている内に赤のテープが取れた。必要なくなったものから取れていくのだそうだ。さてカラーバンドでのテストである。

筆者のやりかたはOリングではなくバンザイ検査を使う。カラーバンドは爪の生え際でなく指の付け根に着ける。からだに歪みがあるときは、やはり黒・黄・赤の3色が必要となる。経絡でいうと腎・脾・心系のエネルギーが落ちていることになる。
昔からこの手のテストを受けるといつも腎臓が弱いと出た。現代医学の検査でも蛋白尿が出ていたときがある。

からだのバランスを整えてから、カラーバンドを着けると逆に歪みが出る。
からだのバランスさえ整えておけば余計なことはやる必要はないと考えている。
バランスを整えるということは経絡のエネルギーの調節もするらしい。
胴ぶるいでもちょっとやってこまめにバランスを整えておけば、余分なことはやらずに済む。姿勢が大事であるということも改めて再認識させられた。


084 二月頃から歪みが出始めるー季節の影響   2003-4-6

漢方では病因を大きく三つに分けている。

1 外因ー六淫は風、暑、湿、燥、寒、火
2 内因ー七情は怒、喜、思、憂、悲、恐、脅
3 不内外因1でも2でもない飲食・疲労・房事不摂生・外傷・中毒・遺伝

2との関連では.2002-4-8「見えない枠がコリを作る」や2002-11-16「こりがあるということは・・・・」がある。
「リストラで過労死からはまぬかれる」という川柳があったけど、過労死は3になるのだが同時に2の心理的内因を伴っている。睡眠時無呼吸症候群というのが話題になったが、こういう場合は覚醒時無呼吸症候群とでも呼ぶべきが必ずあると思っている。
目の開いているときも呼吸が浅いか止めている時間が多いうことだ。

それが寝ているときにも出てくるのだ。最近、正面を向くと30度くらい顔が右を向いているのに気が付いた。このところ、いつもそうだ。自分で調整するもののすぐ戻る。
首の倒れについては、既に2002ー5-20首は何故曲がるのか?に書いた。
昨年の二月、右腰に若干の違和感があった。エラスタルトの原形のポーズが決まらなかった。今年もそうだ。やはり二月に入ってずれていると指摘された。
ただ去年と逆に右構えはよく、スパッと決まるのに左構えがよくないのだ。
そしてやっぱり臍が右を向く。どうも余分な力が入っているらしい。
他の人はこんな事はないという。どうにも癪に障るが、いまだに自分でも納得出来ない。

最近聞いた話、二月頃になるとからだの方は春の来るのを感じ取って骨盤が緩み始めるのだという。それは右側から始まり左の骨盤に移っていく。ところが三寒四温のことばがあるように暖かかったり寒くなったりする。そうすると開き始めた骨盤がまた閉じようとする。この状態が繰り返される結果、右骨盤は開き左骨盤は閉じている。
それでからだは歪みが生ずる。それに前後の変化が加わるとからだは捻れてくる。
それで筆者の顔は右を向いているのだと納得した。

そうか二月は新しい歪みが発生する季節なんだ。
それだけ季節に順応しやすいからだになってきていると思った。
5〜6年前の固めた鈍いからだでは感じないだろうし、考えもしなかっただろう。
無論、今も固いけれど以前と比べれば幾分やわらかくなってきている。
その分、少しは感覚もシャープになってきてはいる。だからからだの変化がわかるのだ。目に見えないこころの状態が身体に表現される。不思議だなあと思う。
季節の変化もからだに表現される。からだがあるが故にわかる。
こころとからだと季節の相関、それに呼吸が微妙に結びついている。


085 猫背の分け方   2003-4-12

年を取ったというのを何処で見るかといえば、一番わかりやすいのは姿勢である。
お尻が下がって、下腹が出て、背中が丸くなっている。そして顎が前に出ている。
年を取った姿であると同時に疲れたときの姿勢でもある。

人の姿勢を観察しているといろんな人がいる。
特に姿勢の悪さを見せつけられるのは電車に乗って腰掛けているときである。
いろいろ分類の仕方があるのだろうが横から見た姿勢で次の三つに分類できる。

1 首の骨ー頸椎が曲がっている
2 胸の骨ー胸椎が曲がっている
3 腰の骨ー腰椎が曲がっている

1の場合でもひどい人は首が直角に曲がって逆Lになっている。
多いのは首が前に倒れている、あるいは頭部がからだの上でなく前に来ている人である。2の場合では胸椎の1〜3が前倒れになっている人、あるいは肩胛骨が後ろに出っ張っている人もいる。
3では昔のお年寄りに多く極端に腰が曲がっている方々である。
昔、西部劇で見た長いスカートを履いて後頭部から首・背中にかけてスーッと伸びている美しい姿勢の方は今は滅多に見かけない。

最近、筆者の考えた猫背の基準を紹介する。正面から見る。横から見ての基準もできる。1 顎の先端が両肩を結んだ線上を離れて上にある
2 顎の先端が両肩を結んだ線上にある
3 顎の先端が両肩を結んだ線上を離れて下にある

1は軽度の猫背とする。2は中度、3は重度の猫背である。
多くの人が2と3に分類される。頭がからだの前に位置している。本人は自覚していないだろるが倒れている分、背中に負担が掛かり疲れやすくこりやすい。
首の長く見える人は概して姿勢がいい。顎の先端と両肩を結んだ線上より5センチ以上離れていれば猫背ではないと考えたのだがそうでもない。

竹久夢二描く美人画だ。首が長くてなよなよした細身の美人画だ。からだが真っ直ぐで左右対称であったら面白くも何ともない、絵にならなくなってしまう。
筆者は首は伸びているし肩より顎の位置は5センチはある、でも背広を着ると後ろ首の所にしわが寄る。まだ伸びが足りないらしい。
1〜3を頭に入れて、鏡を見ながら「臀頭」をやってみてほしい。
多くの場合、自然に顎が引けており、顎先の位置が両肩を結んだ線上より上になるだろう。この猫背の分類は特に根拠はないが使いやすい。まだ工夫が必要だがすぐに使える。


086 いい姿勢というのは   2003-4-19

4/12前回、正面から見た姿勢について書いた。真横からの見方を書く。
真横から見ると

1 耳の縦軸が肩の中心の縦軸と一つになる。これがベストと考える。
2 耳の縦軸が肩の中心の縦軸と肩の前面との間にある。
3 耳の縦軸が肩より前面にある。これはよくない。

多くの人、おそらく8割以上の方が3に属する。2に入る人は1割くらいはいるかもしれない。1に至っては皆無に等しいのではないか。耳の縦軸が垂直でない人も多い。
顔が下向き加減の人がいる。逆に上を向いている人、つまり顎の上がっている人も割と多く見かける。正面から見ると「顎の先端が両肩を結んだ線上を離れて上にある。」横から見ると「耳の縦軸が肩の中心の縦軸と一つになる。」この二つの表現が「臀頭」における上半身の状態を示している。頭を背骨の延長線上にちょっと伸ばすということのより具体的な表現である。やってさえいればそうなる。いいですか、ちょっとだけですよ。
力まずムリをせず結果としてそうなったというのがいい。

ジベタリアンなることばも古くなった。座り込んでいる若者たちの姿も珍しくなくなった。重心が後ろ過ぎてまともに立っていられないのだという。
足の指先を100,踵最後部を0とすると最近の大学生の平均が37位なそうな。
32になると立っていられない数字であり、平均で37であるからして立っていられない人が多くなって当然となる。そうすると重心の落ちる理想的なポイントは50、つま先と踵の中間である。

足裏の50のポイントから大転子ー肩の中心ー耳の縦軸を結んだ垂直線が一番いい。それにしても女性は高いヒールの靴を履きたがるのだろう。アキレス腱は縮んだ状態になるし、重心はつま先寄りになるしいいことはない。五重の塔が心柱があるが故に台風・地震に倒れないように、人もまた「臀頭」が出来るほどに疲れにくいからだになる。生き方が定まってくる。不安・恐れ・動揺しにくくなる。文字通り心身共にしなやかになってくる。

「臀頭」は人の心柱である。あらゆるストレスに強くなる。最近は下手に武術・健康法にこるよりもこっちが大事だと考えている。既に書いた筆者の推論、ヒトは一番疲労しにくいスタイルとして直立二足歩行を選択せざるを得なかった。直立二足歩行は人の原点であり、左右対称性は生命の基準である。


087 いい姿勢の極め手   2003-4-24

「姿勢の原則」ここではお尻と頭を対立させるだけ、それ以外は一切考えなくてよい。
姿勢は姿の勢いです。姿に勢いが感じられればOKです。臀部をわずかに後ろに引きながら頭部を脊柱の延長線上にスーッと持ちあげその状態を持続させる。
<臀頭>−でんとう−です。このわずかな動作によって身体各部の過緊張と無緊張がなくなり、全身が程良い緊張状態におかれ身体感覚が目覚めてくるのが体感できます。

やってみると楽に出来るのです。そして疲れにくく持続できる姿勢なのです上記のように「お金の掛からぬ健康法」に書いた。教わったとおりに書いたのだが臀部をわずかに後ろに引きながらの部分が筆者にとって違うと最近考えている。
筆者の腰はそりが大きい。腰をわずかでも後ろに引くと歪みが出るのである。
逆にわずかに前に押しという表現がいい。筆者ほどにそりのない人は後ろに引きでいい、そりの大きい人は前に押しの方がいい。これだと歪みが出ない。

人間の背骨は横から見ると生理的湾曲S字状曲線を描いている。そのお陰で上下の弾力をキープ出来る構造になっている。上部の重量をうまく逃がす仕掛けになっている。
重力が働くが故に、立った状態で全身の力を抜くとこのSの字が横に脹れるのだ。
《臀頭》の目指すものは、このSの字の横幅をわずかに意志の力で狭くすることだと解釈している。そうすると腰のそりの大きい筆者の場合はわずかに前に押すという表現になる。壁を背にして立ちこのポーズを意識すると1センチは背が伸びる。昔は姿勢に厳しかった。

いまは姿勢のことを厳しくいう人がいなくなった。一番大事なことは「臀頭」である。
これでからだの中に中心線を意識するようになる。中心軸・正中線といっても実感として極めてわかりにくい。両手をからだに巻き付ける気功でいうところのスワイショウがある。これをやるとああ中心軸があるんだととわかる。

1 臀頭・・・頭とお尻を拮抗・対立させる。
2 背面を下に引き下げ前面を上に引き上げる。背中と腹部を拮抗・対立させる。
3 臍と鼻を拮抗・対立させる。
4 上胸部をちょっと持ち上げる。

上記は筆者が《臀頭》を心掛けるにあたって感じた状態を書いた。
全部、臀頭と同義のつもりである。これは秘伝あるいは極意といっていい。
これを記憶するだけでは単に頭のゴミになるだけだ。
毎日毎日やるだけ、そうでなければ身に付かない。肩の力、力みを抜くのは難しい。
力を抜くために力が入ることになりがちである。
単純にリラックスというとデレッとなりやすく、いい姿勢にはなりにくい。
肩に力が入るのは臀頭が出来ていないからだと考えている。
ところが臀頭が身に付いてくると肩の力が抜けて肩が下りてくる。


088 五年ぶりの風邪   2003-4-26

3/23久しぶりに風邪を引いた。
五年ぶりくらいだ。翌日から鼻水とセキに悩まされた。
10日くらいつらかった。ひと月、経った今も少し咳がでる。
それと左後頭部に何回も痛みが出た。

それで久しぶりに野菜スープをつくって飲んだ。
干し椎茸・大根・白菜を薄醤油で煮て飲む。今まで風邪を引いたときはこれで済ましてきた。風邪のウイールスを溶かすと教わった。二回つくった。
風邪をひいたときは大変おいしい。効いているらしいのだが、セキと鼻水には参った。
駅の近辺で配っているテッシュ(最近は貰わないようにしている)・それとちり紙交換でもらったテッシュが五年分ビニール袋に一つあった。鼻水をかみ続けてそれがきれいに無くなった頃、ようやく鼻水も止まった。

セキがひどいので保険組合から送られてきていた風邪薬を飲んだが咳は止まらない。
4/1カラーテープによるエネルギー調整の紹介をした。その話をしたら、こんな本があるよと貸してくれたのが「はればすぐ効く金紙’銀紙療法」である。
それでセキにはこことここに貼れと書いてある。場所は左手の二指の真ん中辺りに金紙、合谷のツボの両側ー親指側と人差し指側に銀紙を二カ所である。
それでバンザイ検査をすると揃っている。それでなんと90%のセキは治まった。
すこしは出るが軽い。それから金紙・銀紙の代わりに、同じ場所に白テープのみ貼ってみた。これも効果は同じだ。咳は止まってバランスも整っている。
からだが敏感になってくると、法が間違ってさえいなければほんの少しの刺激で効くらしい。
側頭部、耳の上あたりのコリを耳をそばだてるー警戒心のコリと書いた。
目の疲れに耳の外郭を強く揉むといいいうので試していたら、このコリが取れていくのがわかった。それと左後頭部の頭痛にも最初は効いた。
何故かこの頭痛にはだんだん効かなくなった。

4/12は手技の講習会に出席した。
そときも後頭部の頭痛が出た。ところが練習を始めた途端、頭痛が治まったのである。
わずかに筆者の右足を引っ張っただけである。それも効きの悪く点数にしたら20点くらいのもんだ。それが効いた。バンザイをしても少しは効いているのだが右手の伸びが悪く揃わない。それでも効いた。これ以降この頭痛は出ていない。

「風邪の効用」野口晴哉著が文庫本になり筑摩書房から出ている。昔買って今もどっかにあるはずだ。それに風邪を引いた後、からだが整うと書いてある。
風邪は毒出現象と理解している。軽いのを年に2〜3回引いて毒を出しておいた方がよいと考えている。


089 ゆがみはNOのシグナルである   2003-5-1

不眠症だったEさん、「人のからだってすぐ歪むんですね。」という。
もともと割とバランスが整っていらっしゃる。EAVの測定でも脳以外はほぼ50になった方である。ウオーキングをやっているし、歩き方について筆者の話を聞いている。
ウオーキングに「重心の原則」を応用しているらしく歪みが極端に少ない。
これはもう鬼に金棒というか大変心強い。この分でいけば大病・難病に罹ることはないだろう。ちょっとした歪みがわかるというのも、からだのバランスが取れてきて感覚がシャープになってきたからだと考える。

ここまで来たらどうしたら歪むのか?どうすればバランスが取れてくるのか?ということを研究してほしい。からだを動かす方向・呼吸・歩き方・姿勢等々、面白い展開が開けてくる。いろんな健康体操の欠点も見えてくる。
実際、彼女がいうように人間のからだって簡単に歪むし、割と容易にバランスが取れるものだ。一挙手一投足、人の行動すべて・気候・人の想い・衣服・装飾品等々、人を取り巻く全てのものが全部、関係している。

筆者はここ三年くらい腕時計を右に着けるようになっていた。左腕だとどうも違和感があ
るし、チエックすると歪みが出る。
それで右腕に着けてきたのだが、それがまた左腕の方がよくなってきた。時計の電池から出る微弱な電流とからだの電気的な流れとの関係らしい。
筆者の姿勢・歪みと関係があるということだけはわかった。

ところがほぼ風邪が治った4/24この腕時計が右手にはめようが左手にはめようがゆがみが出る。からだのバランスが更に整ったということだろうか?今は腕時計をポケットに入れて持ち歩いている。あまり敏感になるのもどうかと思う。
敏感過ぎて悩んでいる方を何人も知っている。人は生まれたての赤ちゃんは別にして多かれ少なかれ歪みを持っている。歪みって一体なんだろう?歪みとはNOのシグナルであると考える。NOの多い人は歪みが多い。大きいNOを持つ人は歪みが大きい。

強いNOを持つ人が強い歪みを持つのだろう。敏感すぎるとNOが多くなる。
筆者のやっている手技でよくわかる。仲間同士でやりっこをするとお互い敏感になっているので技がなかなか完全に決まらない。その分、患者さんにはよく効くだろう。
これは治療するときの話、お互いの切磋琢磨にはいい。
生活の場においては敏感な人ほど、こころのの学びというか正しい判断力・動じないからだ・こころを必要とすると考える。「晴れてよし、曇りてもよし、富士の山」天風先生の口癖だった。


090 鼻くその話からーからだを暖めるとよくない?   2003-5-3

例年秋口だった気がする。今、筆者は鼻くそがよく溜まる。
筆者はからだの体液?血液?が濃くなってくると鼻くそが溜まると思っている。
体液・血液が濃くなると書いたけれどそういうことはない。
正確にいうと体液・血液が濃くなろうとしたときということになる。
からだはいつも恒常性維持機能が働いている。

何故、今なのか?気温が上がっている。
日中は20度を越える。上着を着て外出すると汗ばむ。からだから発散する水分が俄然多くなる。いっしょに塩分つまりミネラルも抜けていくのだが水分が先行するらしい。
それで体液が濃くなろうとする。すると濃くなろうとした分塩分が排泄される。
特に鼻は空気の出入りの激しい所であるからして、水分・塩分そしてちりやゴミが一緒になり鼻くそが出来る。湿度も高くないことも出来やすい条件だ。

からだを暖めるとと調子が悪くなるという女性がいる。からだを暖めるとよくないというのは一体どういうわけだろうと気になっていた。
《肩こりがひどくてどうしようもないときは、お風呂であったまらずに、冷湿布をして寝てねーーというアドバイスを(鍼灸師から)もらいました。
私が体調をくずすのは、温泉にいって体をあっためまくった後ですので、確かに彼の見たてははずれてはいないんです・・・。》とメールにあった。

筆者が週一回顔を出している整体院の大家である美容師のNさん、昨年ゴルフに行ったとき熱射病で救急車で運ばれた。先月もまた呼吸困難になりまた救急車だ。
このときは在宅で特別なことはしていない由。
それからいくら寝ても寝たりないし、いつも体調がよくないという女性がいる。
夜休むのがが遅くて、昼間は電気カーペットの上でゴロゴロしている。
夜の食事が遅い・電磁波障害もあるだろう。

この3人の方の共通因子として体温の調節機能低下を考えた。そしてそれは水分不足とミネラルバランスの崩れからくると推理した。
今は暖房も冷房もそろっている。そうすると体温の調節機能が衰える。
使われないからだの機能はどんどん衰えてくる。
そして体温が1度上がると内臓機能が10%低下する。
41度で蛋白質は固まるし、42度になると脳が意識障害を起こす。
だからからだは暖めてはならないのだという。今回はあるメルマガがヒントとなっている。先の鍼灸師といい、よく勉強しているなあ。

Nさんの熱射病はわかりきったことだが温度調節がうまくいかないから起きた。
それは機能の衰えと水分不足・ミネラル不足からだ。3月の場合はどうしてか?
多分、暖房の効き過ぎか?風呂で暖め過ぎか?どちらかであろう。
ところが聞くと救急車を呼んだのは明け方だという。そうすると気温はどうだったか?
この場合は前日との比較でどうか?それで千葉の気温を調べた。新聞では3/16は15度ー7度で4月上旬なみで潮干狩りとあった。3/17は13度ー7度、3/18は10度ー5度。16・17日の気温のせいか?気温が低くなったときも対応出来ないということなのか?

いつも寝たりない女性のことを76睡眠時間が足りない?に書いたのだが水を飲むことで体調が回復した由。冬、乾燥しているときは特に水の補給が大事なのである。
朝、食欲がないのは寝ているときも水分が出ており軽い脱水状況ー水分不足と考えた方がよい。

朝食は取らない方がいいという説がある。それは別にして、水分不足だと放熱出来ない→体温が上がる→内臓機能が低下する→からだがだるい・家事をするのが辛いとなる。
喉が渇くというのは水分不足の悲鳴のシグナルだ。乾く前に水を飲んどく方が体調維持にいい。水はちびちび飲むべしである。ミネラルの方は既に書いた。(2-1ミネラルバランスが崩れると人生が崩れる。参照)

10年前か20年前か白ちゃんが生まれている聞いた。最近の情報は聞かないが、多くなりすぎてニュース価値がなくなったのだろう。お母さんのからだが体温調整機能が低下している。そうすると当然、生まれた赤ちゃんもそうなる。血液の質が低下しその上、循環が悪ければ白ちゃんが生まれる。夏は汗をかき、冬は寒さを我慢すべし。
そのことが感覚をシャープにする。からだの放熱機能が正常になる。
からだのシステムがまともに働くようになる。ヒトのからだは自然の一部である。


091 一杯の水に救われるかも?   2003-5-74/30

Nさん、腰が痛い、骨盤上部それも右も左も痛いという。昨日、ゴルフ打つ放しにいった。背骨を見る。いつもよりいい上半身は。腰椎にくると左右にジグザグしている。
両足のバランスも悪くない。左手が少し思い、これはいつものことで職業柄まあしょうがない面がある。美容師はドライヤーをじっーと固定して何分も保持しなければならないのだそうだ。だから左肩がいつも固くなっている。今日なんぞマシな方である。

高校生時代は体操の選手だった。そのせいか驚くほどからだが柔らかい。
国体級のクラスになるともっと柔らかいそうだ。御年43歳。柔らかいのだが弾力が無くなって来ている。いつもゴルフのあとはからだが歪みまくってやってくる。
それが今日はそんなに狂っていないし割と状態がいい。変だ。

それは@いつもより時間が短いか。Aスイングを変えた。もしそうならばB昨日は狙ったところにボールがよく飛んだに違いない。それでNさんに確認した。@はいつもと変わらない由。Aは肩に力が入らないようにクラブを振った、重心は土踏まずに下ろすようにした。Bはよく的に飛んだ、昔の感触が戻った感じだ。という返事が返ってきた。からだが真っ直ぐになれば、あるいは真っ直ぐに使えればいい結果が出るのは当然である。ここでPR,呼吸塾の案内には「バランスの取れた本来の姿は、健康・美容・能力発揮の基盤であり理想のカラダへの前提条件です。」と書いてある。

さて腰の方である。最近、筆者の治療を受けている最中に足がつることがたまにある。治療者の筆者はなんとも面白くないし、くそっと思う。最初はうつ伏せの姿勢からくるのかな?あるいは筆者の治療が強すぎるのかなとも考えた。そして2−3日前に考えたのは多分、体温調整機能低下によるのではないかと。それは筆者の治療を受けるとからだが緩んでくる。(この日は治療後2時間も眠った)そうすると血液循環がよくなり、体温が上昇しようとする。からだの方は上昇しては困るので、ある段階でブレーキを掛けるのだという推理である。気温も22度と高くなっている。それで治療の前にお水を一杯飲んでもらってから施術した。

実をいうともう一人足がつるという方がいる。
五十肩で見えたIさんである。五十肩に対して持っていた筆者の自信をうち砕いた。
一枚岩だった背中が人並みになってきたものの左手はまだあまり上がらない。
足がつるのが二回連続で出た。Iさんにも水を一杯飲んでもらった。
今日は気分が悪くなって家を出たものの途中で引き返しお勤めはお休みにしたとのこと。それに腰が痛いという。どちらの腰ですか?と聞いたら右も左も骨盤上部が痛い由。
Nさんと全く同じ場所である。

さて水を飲んで後の治療ではお二人とも足がつるということはなかった。これだけで判断するのは早計だが何回か水を飲ませてやってみるつもりである。先々週である。
治療を始めた途端、筆者の右手がつってしまった。
こんなことは初めだ。右手を2回素早くゆらして切り抜けた。治療する側の手が硬直してどうするんだ。!!お二人とも全く同じ場所に痛みが出た。これは季節の影響だ。
筆者が2月頃から右腰に違和感が出たが同類と思われる。筆者は右腰に感じたが今頃(4月)だと両方でるらしい。そのメカニズムはまだ解明できていない。(4-62月頃から歪みが出始めるー参照)Iさんが気分が悪くなったのは体温調整機能低下から内臓機能が低下したからと考えている。

一杯の水により体温が上昇しようとしたとき、文字通り水を掛けることになり、冷たさはからだを引き締め、内臓機能に活を入れる。同時に水分を補給することで発汗作用を促し、体温を下げる方向に働く。そこでNさんには危ないなと思ったら冷たい水を飲めとアドバイスした。40そこそこでちょくちょく救急車に乗るようではしょうがない。
それにしてもこの体温調節機能低下の影響は老いも若きも、女も男も大きく受けているに違いない。それは胃腸であったり腎臓であったり特に弱いところに出てくるだろう。
お医者さんへ行っても「胃の働きが弱っていますね」とか「自律神経失調症ですね」となる。体温調節機能低下がもたらしたとは多くの人は気が付かない。


092 ヒトは曲芸師である   2003-5-10

「WATARIDORI」という映画を見た。子育ての場面や猟銃で撃ち落とされる場面・翼を痛めて飛べなくなった渡り鳥がカニに喰われる場面もある。ほとんどはいろんな渡り鳥の飛んでいる姿を撮ったドキュメンタリー映画である。何千キロですよ。よく飛ぶなあ!人間がマラソンで走るのは42キロに過ぎない。

12-2「鳩を見よ!!鳩は姿勢名人」に書いたのは鳩の歩く姿である。
空を飛ぶ鳥類は空気抵抗が一番少ない姿勢をキープすることが死活問題となる。
特に渡り鳥は何千キロも飛ぶ、鳩や雀とは飛ぶ姿が異なる。首を伸ばし足をピッタリと胴体にくっつけて、ほとんど横真一文字になって飛んでいる。
直立二足歩行を作り上げたヒトの姿と重なる。生き抜くために空を選んだ渡り鳥は横に、地上に下りたヒトは縦に一文字になったのである。かくて魚時代の前鰭は片や翼となり、片や手となったのである。

ヒトの祖先は天敵のいない安全な樹上生活から、余儀なく草原の生活に変えざるをえなかた。ライオン等の肉食獣から身を守ることが最重要課題である。頭を上げ首を伸ばしからだを起こし、遠くを見通そうとしただろう。そしてとにかく早く遠くに逃げようとしただろう。なにしろ命がが掛かっている。余談だがマサイ族は視力5,0が普通だとか。
2キロ先の草むらにいるライオンを見つけるという。喰われないために。

食べ物が豊富な樹上生活と違って、喰っていくために食べ物を探さねばならない。見つけた食べ物を運ぶ必要もある。前の足ー手は歩くには不適応になっている。喰われないためにそして喰っていくために、立ったそして歩いた。二本足で。当初は短い時間だった。
それを何代も何代も繰り返し、命がけでやっと今のスタイル直立二足歩行を獲得したのだ。

直立二足歩行がヒトをつくった。立つ・歩くはヒトの根幹であり、足・脚は人体の基礎であり土台である。この立つ・歩くということは一見単純に見えるが実に複雑で微妙な動きだ。地面に対する体重の衝撃を吸収し、からだが倒れないようにしなやかに支える。
この動作は足のアーチが重要な役割を担っている。

赤ちゃんはまず手や足をばたばたさせることから始まり、筋肉がつくにつれお座り・ハイハイを覚える。更に手や足の筋肉がついてくる。立つのはそれからだ。尻餅を何回もついて、全神経を二本足で立つことに集中してバランスを取ることを覚える。転ばないように立つということは、いかに真っ直ぐに立つかということに懸かる。

まず立つ、その先に歩くことがある。さらにその先に名選手・名人・達人が生まれる。
牛や馬などの四足の動物から見ると、二本足で立ってスタスタ歩くなんてまるで曲芸のように見えることだろう。お猿さんなら見せ物になる。


093 足のアーチ(土踏まず)は歩く中で形成される   2003-5-15

赤ちゃんが立って歩けるようになって、それから何年もかかって足のアーチが作られていく、6歳で約70%完成するといわれている。毎日の立つ・座る・歩く・走るといった動作の中で作られていく。アーチは横に2本縦に2本ある。この日常の動作の中でアーチが形成されるということは動作の中にアーチを形成する動きがあるということである。
動作の中心は歩きにある。

最近はこのアーチー土踏まずのない子供が増えていると聞く。そのまま大きくなって土踏まずを作れなかった方もいる。そういう方はダンパーのない分、捻挫・骨折等の故障が起こりやすいのは当然の話だ。

成長過程が終わると、今度は完成されたアーチが日常の動作のなかで次第に毀されていく。毀されていくこともまた日常の動作、特に立つこと・歩くことの中にある。アーチがくずれると、からだに歪みが発生する。逆にからだに歪みがあるとアーチがくずれていく。

からだが歪むということは、頭の位置によると書いた。頭がちょっと傾くだけで背骨が曲がっていく。頭部と臀部を対立させる、これは適正な姿勢を維持していくために大変大事なことだ。もうひとつ、からだが歪むということは足の形による。その秘密はアーチにある。歩きの中でアーチが毀れていくということは歩きの中にアーチを毀す動きがあるということである。ヒトは意識せずしてアーチを作りまた毀していく。

着地の際の足先の角度をわずかに変えただけでからだが変わってくる。角度を変えると踵からつま先への重心移動が変わる。歩き方で足底の各部分への負担が違ってくる。
歩き方で足のアーチが維持できるか、または毀れてくる。

からだの固い方というのは整体等の手技ではなかなか変えにくい。ところが歩き方を改めるとすぐに変わる。びっくりするほど早く変わる。

幼子は倒れないように細心の注意をもって立ち方・歩き方を覚えていく。それがアーチの形成に繋がる。ところが一旦歩けるようになると意識を集中しなくなる。それがアーチを崩していくことになる。小笠原流礼法では日常生活全てにおいて最適の型がある。
なかでも「歩き」を重視する。「膝を伸ばし等速度で、足裏を床から離さずにゆっくりと左右にぶれないように歩く」

これは幼子の歩き方修得の過程に似ていて、歩くことに意識を集中していないと出来ない。直立二足歩行は人間の原点と書いた。
礼法の流祖はそのことを明確に認識していたに違いない。歩くことはゆめゆめ疎かにしてはならないのである。立ち始めた幼子のごとく立ち、歩き始めた幼子のごとく歩まれたし。


094 歩き方を変えるとO脚が直る、外反母趾も直るかも   2003-5-23

働いている女性の多くは何らかの足のトラブルを抱えていると聞く。
なかでも外反母趾多いようだ。外反母趾の原因は歩き方にある。
外反母趾は早く発見して早く手当をすれば完治するという。本当に完治しているのだろうか?はなはだ疑問に思っている。歩き方が原因で外反母趾になると筆者は考えている。
従って歩き方を変えない以上、痛みは治まっても完治はあり得ない。
歩き方で直ると考えている人はいないし、そこまで指導できる人はいないだろう。

外反母趾は昔の医学部の教科書になかった由。昔といっても30年か40年前だ。
それほど外反母趾は見かけなかった。それが今はどうだ。やたらに多い。特に女性に多い。踵の高い靴を女性は好む。女性は男性に較べるとからだは柔らかいし靴の影響を受けやすい。先のとがった踵の高い靴を履いてからだにいいわけがない。
ヒトは元々はだしで歩いていたのだ。ハイヒールがいかに不自然であることか。
からだの土台である足が必ずといっていいほど変形する。
結果、からだは歪むし外反母趾にもなる。

独身女性向けマンションで約1畳のシューズクロゼット付きというのが売れている由。靴を沢山持つのはいいがハイヒールは止めた方がよい。昨日のことだ。ハイヒールを履いて前をいく女性を観察していると右足に体重を掛けたとき内側の踝部分が5センチも下に沈むのだ。点で支えているから内側か外側にぶれやすくこれは怖い。からだ全体が捻れてくる。ハイヒールはアキレス腱を縮め前面を伸ばして、常時バランスを崩して歩くことになる。

靴を沢山集めハイヒールにこだわるよりも、きちんとした歩きかたを身につけた方がよいに決まっている。身に付くほどにバランスは整い適正なプロポーションを手に入れる。70年位前まで中国では纏足という実に奇妙な習慣があった。足の小さい女性ほど美しいとされ、良家の娘ほど足を小さくすることを競ったという。嫁のもらい手が殺到し、いいところに嫁いでおいしものを食べ、きれいな着物を着て働かないで済む。あと百年もしたらハイヒールを履いて美しく見せようとした奇妙な習慣があったといわれるだろう。
背が高い方が美しいとするのは現代の迷信だ。背の高い女性は男性ホルモンが多く女性機能が低下しやすい。多くの男性が自分より背の低い女性が好きになるのは潜在意識がそのことを知っているからだとか。

筆者は特に踵の高い靴は履いたことはない。
でも右足拇指が外反母趾になった。それも歴史が新しい。原因は多分こうだ。
O脚であり右股関節がよく開く。(2-20O脚の原因は?参照)専門的にいうと右脚が外転・外旋しているという。そうすると歩くとき拇指内側に負担が掛かりやすい。
歩き方をいろいろ試している。これまでは足の裏のことなんぞ全然考えたことがなかった。それが歩くことと歪みの関係がわかり始めると俄然足の裏に意識がいくようになった。

歩き方・重心のかけ方によって、からだが変形したり逆に整ってきたりする。
例えば内股に歩く、あるいは外股に歩く。これにはそれぞれ片足だけでやる場合・両足でやる場合の6通りある。筆者の場合、股関節の開きにくい左足は少し外股で右足はそのままで歩くと整う。また股関節のよく開く右足は内股気味に左足はそのままで歩くと整ってくる。逆にするとからだのバランスは崩れる。

お陰でO脚の方は目途がついた。踵ー内踝ーふくらはぎー膝が軽くくっつくようになった。太股の部分はまだつかないが60点か70点と自己評価している。O脚が改善されるに従い外反母趾の方もよくなって来ている感じだ。外反母趾ではないように見せることはできる。ところが足への体重の載せ具合で外反する。靱帯を一旦伸してしまうと元通りに戻すのは時間が掛かる。5年から10年はかかるだろうと思ってきた。

ところが外反部分が体重の掛け方次第で出っ張らなくなる。毎日繰り返しているとだんだんスムースに出っぱりの部分が引っ込む。5〜10年掛かると思ったがもっと短縮できそうな気がしている。


095 寝てるだけで歪みが取れる・免疫力が強くなる   2003-6-5

最近、手に入れた面白いものにマイナスイオンシートがある。販売の委託も受けた。
なんとその上に寝ているだけで歪みが取れてくるのだ。毎朝、バンザイ検査でチエックした。1週間続けていつもそろう。これはおすすめしていい品物だ。

マイナスイオンがいいのは前から体験的わかっていた。TVやPCのスイッチを入れると胃が痛くなるといった状態が続いたときマイナスイオン発生器で解消した話は前に書いた。そのときはバランスチエックはしていなかった。最近は割とやすくていいものも出てきている。筆者の持っているものも、改めてテストするとやはり歪みが取れてくる。
ある治療師の方はこのシートを紹介して一月経たないうちに立て続けに19枚も買って下さった。ご自分でチエックできる方なので効果の程にビックリされていた。

5/26の朝のことだ。この方から教えてもらったのだが、このシートには磁性というか極性・方向性というかそういうものがあるという。電話が終わるとすぐ試した。確かにある。シートの方向によってからだが整ったり歪んだままだったりする。
それと俯せと仰向けでは逆になる。筆者は偶然、整う方向でテストをしておったということである。今は高層化住宅が多くなっている。一頃、高いところに住む弊害が話題になった。今は高層住宅が沢山できて弊害も多くなっているはずだけれど話題にならない。
方角とからだのバランスは関係している。歪みの出る方角と歪みの取れやすい方角がある。ところが四階以上くらいになると地球の磁力が及ばない、どっちを向いても歪みが出る。改めて確認して納得した。鉄筋コンクリートの高層ビルでお住まいの方は地球の磁力線と遮られた生活をされている。そういう方には特にこのシートが必需品となろう。

面白いデータがある。前に安保・福田理論を紹介した。(31.お天気のいい日は盲腸が増える?)安保教授は昨年出された本でリンパ球と顆粒球の比率と数で健康状態や治療効果が判定できると書かれている。健康な人であれば白血球は1m35000〜8000個、顆粒球54〜60%、リンパ球35〜41%である。健康を維持できる理想的な実数は顆粒球1m33500〜3600個、リンパ球2300〜2600個くらいでリンパ球が2000個を割ると免疫力が低下し病気にかかりやすくなる。中年以降はリンパ球は減っていく。ガンを治すために必要なリンパ球の絶対数は1800個〜2000個以上である。

健康問題にくわしい知人の個人データを見せてもらった。このマイナスイオンシートを使い始めた昨年9月以降、それまで1800を割っていたリンパ球の数がなんと2500以上をキープしている。寝ているだけで免疫力が向上しているのである。


096 チン説「正座考」   2003-6-15

ある宴会の席で隣に座った30代の女性、きちんと正座をして箸をちゃんと正しく使っている。こんな風に箸を正しく使える人はあまり見かけない。あのトロイの遺跡を発掘した大実業家にして語学の天才、ハインリッヒ・シュリーマンが幕末の日本に来ている。日本人は二本の箸を使い我々が銀のナイフ・フォーク・スプーンを使うよりも素早く優雅に食事をすると書き残している。

箸は兎も角、正座をする機会が極端に減っている。食事のときも腰掛けて食べる習慣が一般化している。以前、正座は生活の中の基本であり、食事のときに正座をして身につけさせようとしてきた。ところが正座は足や腰に過重な負担を強いるのでよくないという考える方が多くなっている。正座についての賛否両論を紹介する。

「日本人の80%前後はO脚だという。その多くは座り方からくる股関節や膝関節への過剰な捻転状態が原因である。」「体の構造上から言うと、正座ほど理にかなっていないものはない。正座は日本だけの特殊な座り方である。外国では拷問の手段にさえなっている。若い時は骨も筋肉も弾力があり、正座などの無理も利くが、齢になってくると、無理な力が負担となり膝の関節を壊してしまう。」

「日本人の生活の中心に正座があった。正座は足腰の鍛練法でもあり、足・腰・肚を中心とした日本人の体をつくり、育ててきた。まさに、先人の智慧の結晶である。正座をすると足腰に重心が下り、上半身の力が抜け、脳が正しく働くようになる。日本人はその優れた身体感覚をもって正座をつくり実践してきたのである。」調べている中に「昔は正座のとき男性は左拇指を、女性は右拇指を上に重ねて座ると教えていた。今はない」という文にぶつかった。これは小笠原流礼法の教えであり今もそう教えている。筆者は右拇指を上にして座ってきた。左拇指が上と教わってやると実に座りにくい、違和感がある。ところがこの方が歪みが出ないのだ。ある女性の教えたところ、お陰様で何時間でも正座できるようになったとお会いするたびにお礼をいわれてびっくりしたことがある。

何故で男性と女性で違うのか?「日陰にあっても色黒く、風もないのにぶらぶらと、年もいかぬにしわだらけ・・・・」とうたわれたオチンチンが男性にはある。からだの真ん中に重りがぶら下がっているのである。からだのバランスに影響を与えぬ筈はない、と筆者は考えている。オチンチンの重さと地球の自転・公転と体の歪みの三者の関係である。数学の得意の方は簡単に解けるかもしれない。


097体調はやっている量に比例する   2003-6-19

「体調のほうは、梅雨間近というのに、安定しています。」「私、今時分は、身体の関節のアチコチが重く痛んで、何にもしたくありません。何とか頭低くして過ごして、身体が慣れるのを待っている日々です。」

最近は入ったメール2通、どちらも30代、片や女性片や男性からである。前者は女性、いつも腰痛やら背痛やら心身共に不安定だった。外気が変化すると10年以上も前の手術の後が痛むといっていた女性だ。今年に入って安定してきたようである。メールも沢山もらったし、歩き方・姿勢・呼吸についてはぎょうさん書いたのでそれなりにやっているらしい。Mgも取っている由。体調はやっている量に比例する。

どうも完全に安定しないほうがいいらしい。人間安定してしまうとやらなければならないことが忘れがちになってくる。するとその時点からくずれ始める。そして気が付くと元の黙阿弥ということになってしまう。

後者に対しての返信
「姿勢の原則や重心の原則がなおざりになっていませんか?やっていると中心軸が確立されるに従い痛みは出にくくなります。後頭部から首・背中のラインきれいに伸びていることが大事です。姿勢の原則は人体の物理的なバランスだけでなく生理的バランス・精神的なバランスも調えます。礼法の会、一度でてみませんか?私は出席すると、だらけた気持ちがシャキッとします。」「身体の関節のアチコチが重く痛んで・・」とある、大分からだが歪んでいるらしい。姿勢。歩き方に気をつけているとからだのバランスが整ってくる。従って痛みやコリから解放されてくるものである。しかしそうなるには時間が掛かる。
長年のからだに貯め込んだ癖はそう簡単には抜けない。毎日毎日やり続ける以外にない。わかっているつもり、やっているつもりが、なおざり・いい加減になってしまいがちである。

自分がそうなったらどうするか?以前はやたら落ち込んでばかりいたし背痛・腰痛・膝痛も軽いの重いのを何回もやっている。気力・意欲がでてこない。
体はだるいし人と話したくない・会いたくない・あせりや不安にさいなまれる。
そのときはゴロゴロしているだろうか?こころ・からだ・呼吸・食の面で何か試しているかもしれない。随分時間が掛かったものだが、少しは心柱(02姿勢論人体は五重の塔参照)らしきものが出来てきたと思っている。不安・動揺することは滅多にない。
あっても深刻にはならずにすんでいる。


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98 アスピリンでガンが治る?アルツハイマーも? 2003-6-20

「超薬アスピリン」平沢正夫著平凡社新書を読んだ。これは面白い。一気に読んでしまった。著者は僧坊弁を人工弁に変えている。異物に対する防御作用として血液が人工弁にふれると凝固する。その血栓による詰まり防止にアスピリン飲み続けている。アスピリンは化学的に合成された医薬品なのに100年も使われ続けている。しかも世界最大の生産量を誇る由。

始め消炎・解熱・鎮痛の薬として登場した。それが1970年代に入って心筋梗塞・狭心症・納所中に効くことがわかった。(アメリカ1984年承認抗血小板薬アスピリン、日本2000年9月厚生省承認)さらに1980年代になって大腸ガンや他のガンにも効くという報告が相次いだ。そして今、アルツハイマー・骨粗鬆症・糖尿病にも効果があるのではないかといわれ始めている。

アスピリンは不思議な薬で多いか少いかによって薬効の変ってくるのだ。
リューマチ用痛み止め・・・・・・・・・数ミリグラム
抗血小板薬・・・・・・・・・・・・・・数十ミリグラム
消炎解熱鎮痛剤・・・・・・・・・・・300ミリグラム

アメリカの開業医ローレンス・クラブンは血栓防止の薬としてアスピリンを投与。1956年には服用者が8000人に達しひとりとして脳・冠動脈の血栓にやられたものはなかったという。アメリカがアスピリンの抗血小板作用を認めたのは1984年日本は更に遅れて2000年の承認である。クラブンに遅れること50年、心疾患・脳疾患の支社1000万人としてその3割300万人はアスピリンで助かった可能性があると書かれている。何故日本は遅れたのか?製薬会社の金儲け主義・前例と慣習の事なかれ主義の厚生省・治療医学から予防医学への転換を理解しえない医療関係者これが諸悪の根源であり過去数十年続いている。この辺のことも面白い。

ラットに発ガン物質を与え大腸ガンを発生させる。それから薬剤投与してどれだけ治すか見る。このときのインドメタシン(アスピリンと同種の非ステロイド系抗炎症薬)投与のラットは30匹中15匹に大腸ガン発生、なにも与えられなかったラットは30匹中26匹の大腸ガンが発生したとある。これは1979年に秋田大ー成沢冨雄氏の研究による。
だがその当時日本では無視された。ところが海外で注目され患者を対象にした研究がなされ、日本でも研究者が出てきた。

コロラドの外科医ワデルの発表によればは家族性大腸ポリーフ患者4人中3人のポリーフがほとんど消えた由。札幌医大臨床医高山哲治氏は大腸ポリーフ患者にスリンダク(アスピリンと同種の非ステロイド系抗炎症薬)を1日300ミリグラム与えACF(ポリーフの発生の前段症状)への効果を調べた。参加者20名、スリンダク服用者11名、服用せず9名。8〜12ヶ月後スリンダク服用者11名中ACFがゼロになったもの7名、非服用者9命中8名は不変1名は微増という劇的結果を発表している。大腸ガンの予防効果に目を見張る。

乳ガンにも効くという。5年以上飲み続けた人は乳ガン発生率37パーセント減った記録がある。アスピリンが一番有効なのは胃ガンだという、これは英国における研究である。

アルツハイマー病もリウマチも免疫異常である。二つの病気を重ね合わせて研究をすすめているうちに面白いことがわかった。両方とも大勢の患者がいるにもかかわらず、両方の病気にかかっている患者は異常に少ないのである。リウマチ患者にはアスピリン等の抗炎症薬が治療に使われる。それでアルツハイマー病にかからないのではないかというのだ。

女性の骨粗鬆症の場合、閉経直後に骨量が急に減りあとはなだらかなカーブをえがいて減っていく。急に減っている期間、アスピリンを飲めば骨粗鬆症は防げるのではないかという考えられる。ところが誰も研究しない。アスピリンが安すぎて金を掛けて臨床試験て結果を出しても儲けにならないからやらないのだいう。

アスピリンは人類の生み出した薬のうち、最良のひとつであろう。
よく効いて値段が安く副作用が少ない。少ないけど副作用はある。人工的に合成されたものだ。摂らないで済めば一番よい。しかし重症の病になったときは試す価値はある。


099 北枕の秘密   2003-7-5

お金の掛からぬ健康法その8「寝ているだけで歪みが取れる安眠法」を追加した。「お休みのとき枕の位置を変えるだけで安眠できますよ、おまけに歪みが取れますよといったら信じてもらえるだろうか?ただ単に枕の位置を北にするだけで本当に歪みが取れるのだ。北枕がいいというのは地球の磁場と人間の磁場が一致するからだと考えている。
方位と歪みが関係している。仰向けになったときは北枕がよくてほかの方角はみんな歪みが出る。バンザイ検査がお出来になる方は北枕で寝てすぐ検査をして、それから10回くらいゆっくり呼吸を繰り返しまた検査をしてください。そうすれば違いが即座にわかります。」と書いたのだが、南枕のときと北枕のときを単純に比較すれば結果はすぐに出る。深呼吸をしなくとも即座に結果は出る。それで下記のように書き換えた。

「バンザイ検査がお出来になる方はまず南枕で寝て検査をしてみてください。
それから北枕で検査をして比較してください。違いが即座にわかります。
筆者の場合、床方向に対して南枕だと左右差が5センチも出る。何人か試してみると筆者だけでなくこのくらいの差は誰でも出るようである。北枕で検査をして左右差がなおもある場合は、ゆっくり呼吸(お金の掛からぬ健康法その1)をしてお休みになることをおすすめ致します。」この場合は大分からだが固くなっており歪みがひどくなっている。

うつ伏せのときは北枕でなく南枕がいい。仰向けのときとうつ伏せのときでは磁場が変わるというか流れが逆ということであろう。筆者は通常ほとんど仰向けで寝ている。
ところがからだの右なり左なりを下にして休まれる方が割と多いのだ。
この場合はどうなるのか。筆者の実験では北枕だと右が下で顔は西を向く。
これだとお釈迦様が亡くなられたときの姿勢と同じになる。
逆に南枕の場合は左を下にするといい。
疲れた側・悪い側面を庇っていつも右か左か下にして寝ている。
それが癖になっているので下になっている側が固くなると考えてきた。
これに方位が絡んでいるとは考えもしなかった。

立ったときはどうか?南向きが一番いい。ついで西・北・東の順になった。
座位も同じだ。ところが自宅ではPC・TVともに東に置いてある。家にいるときはいつも歪みの出やすい方角になっていた。寝ているときも立っているときも、一番落ち着く方角があるのだ。あるお寺さんで掲示された新聞に仏壇は南側が一番で次いで西側に置くのがよい。それはお釈迦様や阿弥陀様は南の方にいらっしゃるからだと書いてあった。
人がリラックスする方角になっている。またまた古人の感覚・智慧にビックリである。
長唄のお師匠Gさんにお話したら南を向いたとき一番いい声が出ると読んだことがあるという。わかる人にはわかるんだ。こういう人は一々バンザイなどしなくともわかるのだ。


100 女性達よ、ハイヒールは履くなかれ   2003-7-12

174センチ細身・長身の20代の女性、1月くらい前から肩こりと頭痛がひどいとみえた。見ると高いヒールの靴だ。お年が若いだけに技の効きがいい。
終わるとスッキリとした顔になる。そこでハイヒールの害をひとくさり。
174センチもあるのに、やはりヒールの高い靴をはきたいらしい。
パリは、犬の糞がやたらに多いと聞いた。その昔は馬糞だ。
貴族や裕福な人は馬車を使った。
馬車から降りて歩くとき馬糞を踏んづけても足が汚れないよう発明されたのがハイヒールだとか。

5/23「ハイヒールはアキレス腱を縮め前面を伸ばして、常時バランスを崩して歩くことになる。」と書いた。山登りでは登りより下りが疲れるという。
ハイヒールはわざわざ疲れやすい姿勢にしていることだ。競馬馬は足首が引き締まりアキレス腱が細いほうがよく走る。ハイヒールはアキレス腱を太くし弱くする。そして間違いなく姿勢は悪くなる。脚の前後の筋肉バランスが崩れると血液・リンパの流れに影響するし神経伝達も狂ってくる。経絡でいえば胆・胃・脾・肝・腎・膀胱の各経絡のバランスおかしくなってくる。

ハイヒールとは逆に踵部をわざわざ低くした健康サンダルがある。
これはアキレス腱が伸びるし健康グッズのなかでは優れものかもしれない。
その点下駄はいい。草履や下駄・草鞋は履き物としてすぐれている。
鼻緒があると腰がまとまる。

仰向けで寝て頂くと足裏の面が床に対して30度くらいに伸びている方がいる。多分ハイヒールの履きすぎで、足の前面伸びすぎとアキレス腱が縮まってそうなるのだろう。ハイヒールを履かない人でもせっかちで前重心の方はそうなると考えている。それとあまり歩かない方も、足の力が無くなってくるとやはり前面がだらん力なく伸びている。

仰向けのとき、足裏の面は床面に対して90度が基準である。立ったときは180度、地面に対して平行である。中心軸が足裏の面に対して垂直、これが一番楽に立てるポジションであり、体感でもわかりやすい。それをわざわざ地面に対しして角度の出る履き物にすることはない。極めて当たり前のことである。女性達よ、ハイヒールを履くなかれ。


101 身体の規矩   2003-7-19

規矩、辞書を引くと、のり・きまり・物差しとある。ここではからだの基準というような意味で使う。小笠原流礼法の「歩き」をやっているときだ。後足の踵に実に不思議な感触を覚えた。快適な緊張感というか、踵の全細胞がスッキリ目覚めたとでもいいたいほどだった。身体の規矩というのはこんな感触なのかと思ったのだが、残念ながらその後再現を見ない。

「大橋さんもDさんも胸を突き上げている。最近ここ1〜2ヶ月で浮き身のことがよくわかるようになった。上半身が天上から吊り下ろされている感じだ。」「臀頭」を教えてもらったエラスタルトの先生はいう。下半身はどういう感じなんですか?と聞いたら浮いている感じだという。「今日はいいね。胸が上がっている」「今日は胸が落ちていますよ」いっていただけるのはありがたいことだ。筆者くらいの年齢になると直接いってくれる人がいなくなってくる。

小笠原流礼法では「よくなりましたね。胸が落ちましたよ」といわれる。表現は両者全然逆のいいかたをされる。見るポイントが違うのだ。胸が上がっているといわれたときは胸の中央、ツボでいうと壇中あたりだろうか。この辺が真っ直ぐになっていて丁度釣りのときに使うウキみたいな感じがする。
そういうときは胸の両サイドというか肩と乳首の間が落ちており、肩の力が抜けている。この感触が常時キープ出来るようになりたいと思っている。
エラスタルトの先生は胸部中央を見ているし、礼法の先生は胸部両サイドを見ている。

感覚がシャープになってくると今まで気が付かなかったことが体感として納得できるようになる。中心軸が出来てくると左右の対称性が生まれる、中心軸はからだの基準ースケールである。人という字を見てください。二本足で立ち中心軸が真ん中に出来ている。

「臀頭」臀部と頭部を対立させること、この臀部とはどの部分を指すか?とDさんに問うたら尾てい骨の先端という答えが返ってきた。この答えはいい。「臀頭」を決めやすい。「臀頭」が決まれば左右対称性も整う。
{北枕の秘密」で方位によって人からだは歪みを生ずると書いた。「臀頭」を心掛けていると方位の影響は受けずに済むのが人間である。

方位のみでなく他のストレスの影響も受けにくくなる。
「臀頭」を意識を以て身につける、そして意識しなくとも出来ている、それも絶妙のバランスで。そこに浮き身が生まれてくるのであろう。


102 ストレスというのはゆがみ・ひずみのことである   2003-7-21

ストレスということばがある。カナダのハンス・セリエ博士によって広まった。
諸病の原因はすべてストレスから来るというように使われる。からだの歪みがいろんな障害を引き起こす、したがって歪みを直せばいいとする民間治療のグループがある。
片やストレスとカタカナでいい、もう一方は歪みと漢字で表現する。

ストレスというのは本来、生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程をいう。
例えばボールに圧力がかかって歪んだような状態のことをいうんだと大分前に聞いた。
ストレスを説明するとき一番最初に出てくる文言である。ゴムボールに圧を掛ければ凹むし、凹んだ分他の部分が膨らみ、特に弱いところがあればそこが出っぱる。
このひずみをストレスという。ひずみとゆがみを漢字で書くとどっちも歪みと全くおなじになるし、カタカナで書こうと漢字で書こうとストレスと歪みは同義なのである。

ところが病院でも治療院でも痛みとかコリとか体が疲れやすい・いつも何かにおびえている・無気力・夜眠れないといった症状を対象としている。
そこにはからだのひずみは、ほとんど無視されている。整形外科があるが対象としているの極々狭い範囲だ。全ての病気はからだの歪みとつながっているとは考えられていない。ボールの例えがどこかへ飛んでしまっている。つながっているというよりも、歪みは病気そのものあるいはその表現と考えた方が合っている。

筆者は人のからだをみるようになって、歪みを直すとさまざまな症状が消えていくことを何度となく体験している。
からだの痛みやコリだけでなくこころの面も変わっていく。からだが変わればこころも変わる、当然のことと思っている。それは呼吸が常に直接間接に絡んでいる。

心身一如ということばがある。こころとからだは一つになっている。筆者はそれに呼吸を加えている。こころとからだと呼吸は一つである。一つのものの表現である。
見えないこころと見ることの出来るからだと感じることの出来る呼吸である。
ストレスはこころ・からだ・呼吸に影響を与える。こころの状況・呼吸の変化はからだに表現される。からだはこころと呼吸の表現体であり、ストレスの度合いをも現している。

何年前か「シンメトリーな男」という本がよく売れベストテン入りした。最近文庫本になっている。シンメトリー(左右対称性)な男性はよくもてて早く童貞を失う。シンメトリーであることは先天的・後天的にも健全な証拠であり、その遺伝子をもらって健全な子孫を残したいという女性の潜在的願望がなせることだという。男性も同じで、女性のおっぱいをさわりたがるのもシンメトリーを無意識のうちに確認しているのだとか。動物行動学の立場から書かれたマジメな本である。シンメトリーということばがもっと普及していい。ストレスということばなみに普及していい。


103 お尻の筋肉が落ちると大変ですよ   2003-7-25

「最近はめっきりからだが弱くなりました」という30代女性、からだを見ると大変気になる箇所がある。

1,お尻の筋肉が落ちている。
2,ひどく右にひん曲がっている椎骨がある。
3,右肩胛骨が出っ張っている。
4,股間節の動きが変。

普段あまり歩かないでいるとお尻の筋肉が落ちてくる。お尻の筋肉はからだの筋肉の中で一番大きな筋肉である。この筋肉で上半身を支え重力と対抗している。
したがってお尻の筋肉が落ちてくるとまともに立てなくなってくる、どうしてもからだが歪んでくる、深い呼吸が出来なくなる、からだが疲れやすくなる、いつも眠りが足りない、やる気が出てこない等の状態におちいる。どこか内臓等の病気かと不安になってお医者さんにいっても、全然悪くないですよといわれる決まっている。

「ストレスはひずみ・ゆがみである。歪みは病気そのものあるいはその表現と考えた方が合っている。」と書いた。この考え方は一般に認められてはいない。しかしこの考え方に立つと、いろいろ打つ手立てが出てくる。

前に拒食症の大学生の話を書いた。お尻がペソッとして筋肉が落っこちている。このときはスクワットを毎日やらせ10回の治療で回復した。下半身の筋肉をつけるにはこれがいい。その人に合った呼吸でやればバランスもよくなってくる。回数は少なくても毎日やりさえすれば確実に筋肉は付いてくるものである。いくら栄養分のある食事をとろうと、薬を飲もうと、あるいは心療内科へ行こうと治らないだろう。原因はお尻の筋肉の減少にあるのだから。お尻の筋肉が減っていくと、からだのひずみが加速する。

でもそれはゆっくりであるから気がつく人はほとんどいない。スクワットとそれにウオーキングがおすすめである。最近、知られ始めた慢性疲労症候群という病気がある。普通の健康診断では悪いところが出てこない。原因がわからず職場や家庭で怠け病と疑われる。慢性疲労症候群は、慢性疲労で重症、長期にわたって健全な社会生活が送れない病症をいうのだそうだ。まともに動けないほどの全身倦怠感・脱力感、頭痛や微熱・うつを伴っている。

この原因はストレスーひずみ・ゆがみであり、その内の何割かはお尻の筋肉の減少によるといったら、大学の先生方にぶん殴られるかもしれない。いろいろ研究されているらしいが、感染症説・中枢神経疾患説・免疫異常説・代謝異常説と、ひずみ・ゆがみとかお尻の筋肉は全く出てこない。


104 臀頭」ってすごいですね!   2003-8-3

「お尻の筋肉が落ちると大変ですよ」を書き上げたら、またまたそういう人が現れた。捨てようとした貰いものの古雑誌で呼吸塾の無料広告を見たと40代の男性。
「臀頭」ってすごいですね!」という。20年来、息が入りにくい由。
朝起きると息苦しい状態で、動いていると少し楽になるという。
仰向けになると、アゴが上がっている、これは前後のバランスがとれていないということだ。頭部が左に捻れているし、倒れもある。

からだが真っ直ぐになって、呼吸が楽だという。からだは大変やわらかい方であるが、それなりにゆがみがある。
それが呼吸器系に影響している。40代である、筋肉が衰えもあるだろう。
電車に乗っているときでも気がつくとアゴが上がっているとか。かけっこなどで苦しくなって呼吸を楽にするためにアゴが上がると漠然と思ってきた。逆に、からだの歪みでアゴが上がったから呼吸が苦しくなるとも考えた。しかし心・身・息一如の立場でいえばどっちもありとなる。ストレスというのはゆがみ・ひずみである。からだはそれを表現している。筋肉が衰えると歪みが大きくなる、真っ直ぐに立てなくなる、それどころか立っていることさえ難しくなる。「臀頭」が決まればからだは最小の筋力で真っ直ぐな姿勢を維持できる。呼吸が楽になる。疲れにくくなる。

「臀頭」はすごいとわかって表現できる感覚は素晴らしい、20年来のつらさがあるからいえるのかもしれない。この感覚があればわざわざバンザイ検査をする必要もない。
「楽になりました」とその場限りで終わってしまう方が多いのだ。
「臀頭」は人間が人間であろうとする限りやり続けるものであり、年と共に必要性が増してくる。人間は自分の意志で「臀頭」を実現していける、さらにシャープに磨き上げることも可能だ。ワークが終わって「ゆがみがこんなに簡単に取れるですねえ!」と驚かれる。

『集中的にご指導いただき、自分の姿勢の欠点がわかりました。私の場合には、特に顎が上がっていることが、首や肩や背中のコリや、鼻の悪さに影響しているようです。
仕事中(パソコンに向かっている状態)が、最も顎を上げた状態になっていることに気づきました。この姿勢が体に染み付き、癖になっています。
そこで、「臀頭」だけでなく「臀頭顎(デン・トウ・ガク)」と唱えつつ、なるべく顎の向きに注意をするようにしています。まずは、顎の対応が一番で、これをクリアすれば、相当の変化になるような期待をしています。』

このいい方でいけば筆者の場合は「臀頭胸」となる。
胸の感覚はやっているうちに自然に生まれたのだが、当初は胸に力が入っていた。
額・顎と意識しすぎると力が入る過ぎるかもしれない。力が入ると長続きしない。
「臀頭」の中での顎である。「臀頭」と顎の調和が必要である。


105 立禅は立つ姿勢を固めるに最も適した行法である   2003-8-16

直立二足歩行を選択せざるを得なかったヒトは曲芸師になって生き延びた。(92ヒトはみな曲芸師である。参照)重力に反して二本足で立ち歩くということは自然に反している。それにも関わらず繁栄している唯一の地球の生命体なのである。
ヒト以外の動物は本能に従って生きている。
ヒトの生活は本能と意志による。生は本能、活は意志である。

意志は二本足で立つことによって生まれたものと考えている。故にちゃんと二本足で立てたら意志の力が自然に発揮されるだろう。表紙の筆者写真、エラスタルトでいう「原形」である。未熟でお恥ずかしい姿勢である。気功・中国拳法でいう立禅・站椿功(たんとうこう)が根底にある。よくもこんな訓練法を編み出したなと思う。

昔、太極拳が日本に入ってきた頃30年も前であるが立禅を教わった。膝を曲げて肩幅平行にたち、両手は胸の前で丸い円を作りそのまま立ち続けるのである。朝、30分くらいやって家を出ると電車の中で足がガクガクした経験がある。このときは1週間も続かなかった。

この原形には正眼の構え、半身の構えも入っている。その分より複雑になっている。頭部と臀部、左右の足、左右の手がお互いに対立しながら調和して天地の間に立つ。前後・左右・上下の全方向のバランスが要求される。エラスタルトを始めて最初に説明を受けたとき随分欲張っているなあと思った。
正眼の構えは右足を前に出し左の足は後ろで踵を浮かす。原形では更に後ろ足を少し開く。このとき、浮かした後足踵の地面からの距離、後足の開き角度、左右の足の左右間の距離・前後間の距離等の位置と力の入り具合が最適であることを要する。

エラスタルトの求める究極の姿である。原形は難しい、全身これ非対称に作られている。それに較べると立禅・站椿功の方が単純でやさしい。
立禅・站椿功にしても左右対称で立つやり方から両手両足を前後にずらして立つやり方があるが、原形ほど難しくはない。
本当はカラダの力が抜けたら原形もそんなに難しくないのかもしれない。

中国拳法の達人、国手といわれた王郷斉は左右対称の站椿功を修し、後に前後にずらした站椿功に変えたと聞いた。聞いてさもありなんと納得。立禅・站椿功は立つ姿勢を固めるには最も適した行法であろう。中心軸を確立し、からだの左右対称性が整ってくる。
左右対称性を意識してやらないとカラダのバランスはくずれっぱなしになる。
まず左右対称生を確立したい。この前、中国拳法に興味を持つ30代の男性のからだを見る機会があった。実にバランスがいい。両手がよく伸びて左右の差がほとんどない、こういう方は珍しい。聞くと站椿功をやりこんでいるらしい。
よく伸びる両手に較べて下半身が固い、筋トレ的站椿功をやりつづければ下半身は固くなるだろう。


106 「直線平行歩き」で張り・痛みが出るときは?   2003-8-23

呼吸塾には
1 ゆがみ・ひずみの見方がよくわかる。
2 カラダを真っ直ぐに調整するやさしい方法がある。
3 真っ直ぐになったカラダをキープしていく方法がある。

歩き方について書かれた本では、重心が踵から着地し小指側から親指の方へ移動していく歩き方をすすめている。意識してこのように歩こうとすると実に歩きにくい。
以前呼吸塾に参加された方がそう指導をされていると、いわれたのでその通りに歩いてもらった。だけどからだは歪んだままで全然変わらない。あまりいい歩き方ではないとその時筆者は否定的だった。

ところが自分の外反母趾を直してやろうといろいろ歩き方を試している中に、この歩き方が浮上してきた。但し片側右足だけである。股関節の左右差があると、両足この歩き方ではダメだ。ダメというのはからだのバランスが整ていかないという意味である。
筆者はいろいろ試行錯誤の結果、直線平行歩きに落ち着いた。上記の2と3が同時に出来る、それは直線平行歩きである。

平行というのは左右の足の内側のラインが1センチくらいの直線上にあるということである。これとて歩きにくい。当初すねのの辺りが痛くなったがちょっと歩いてみてバランスが整うのでこれでいいのだと続けてきた。
重心の原則で踵の中心から拇指丘へと重心移動したつもりが筆者の場合右足が外反しやすい。それで少し浮かすように歩いてみると悪くないのだ。その結果、右足のみだが否定的だった歩き方(踵−小指側−拇指丘)に似てきたのである。いつまで続くか取りあえず継続するつもりである。これでもカラダのバランスはくずれない。「直線歩きをなるべくしています。やや、左脚の付け根(リンパがぐりぐりしている部分)が張った感じがします。うまく調整しつつ実行していきます。」7月に参加された方からのメールである。

極端にがに股O脚の方と逆にX脚の方は直線平行歩きはムリがある。そうでなくとも今までと違った筋肉の使い方をするのだから、足が痛くなる場合があるし違和感がある。
10分くらいからスタートして徐々に慣らすしていくことだ。それとやられる前と後で必ずバンザイ検査でチエックしておく。歩き方を変えるだけで余程のことがない限りからだの歪みが取れてくる。それがわかると続けることができる。

それでも直線平行歩きで痛みが出てどうも続けられないという方は開きすぎている側だけ少し内側に向けて歩くやり方を試みて欲しい。これだと片足は従来通りで負担は少ない。直線平行歩きにはならないがバランスは整ってくる。慣れてきたら平行にしたほうがよい。要は両股関節の開き角度を同じにすればいいと考えている。


107 日々の積み重ねが大事です   2003-8-28

先日、足を痛めていらっしゃったのにある女性が礼法のお稽古に参加されました。
先生は〇〇さんもいるし大橋さんもいるし診て貰ったらといわれました。
ところが二人とも手を出しませんでした。〇〇さんはどういうお考えかわかりませんが、小生は礼法のお稽古をやっていれば痛みは取れていくと思ったからです。
もちろんどんな場合でも通用するわけではありません。足が痛いけれども歩いてここまでこられたわけですから稽古がお出来になると思った次第です。

前にもお話しましたが礼法の動きは全てカラダのバランスを整える動きです。
カラダのバランスが整ってくれば、時間の経過とともに痛みは消えていくものです。
大分前、この女性が寝違いの状態でで参加されたとき手をブラブラしてもらいました。
そして両手のバランスが整ったとき痛みがその場で軽くなったことがありました。
足を痛められた女性がお稽古が終わってお帰りの時は普段と変わらぬ歩きになったではありませんか?もうお一人の女性が体調がよくないのでお休みの由、以前お話しましたように調子が悪いときは出席した方がよいのです、自分のことは自分でお出来になるのであれば。カラダが重いとか気分が勝れないといいた状態の時ほど参加した方がいいのです。

お稽古したけれど今日は全然ダメだったお思いになっていませんか?それは体調が悪いからだとお思いになっていませんか?やはり体調のいいときにやんないと進歩しないとお考えになっていませんか?それは飛んでもないお考えです。わずか月2回のお稽古です。
前の状態を取り戻すのに、1回抜けたら倍の時間が掛かるでしょう。
兎に角、カラダを使って修得するものは日々の積み重ね以外にないのです。
休まないことです。第一、体調のいい時なんて1年に何日ありますか?

折角出席したけれど全然よくない、やはり休んだ方がよかったなんて考えないでください。カラダはいつもよくなろうよくなろうとしています。出席したということはカラダのバランスがよくなっているはずです。そうするとカラダの復元力に弾みがついてきます。
カラダが変わるとこころも変わるし、落ち込んだ気持ちも回復してきます。
手技の講習会でよくいわれたことばです。「症状を追いかけてはいけない。
カラダのバランスが整っていれば痛みが残っていても患者さんを帰しなさい。
痛みは次第に消えていく」礼法は日本人の生活に即した素晴らしい身体操法です。
やっていればゆがみが取れてくるし、非常にすぐれた筋トレにもなっています。

108 鎌倉の大仏様の印に感激!!!   2003-9-6

知人が1週間、座禅にいったという。それで座禅のときの姿勢はどうか気になって本をめくった。座禅の時、両手で丸い印を組むと思ってきた。写真を見るとやはり丸というか楕円になっている。親指が曲がっている写真もある。お釈迦様が瞑想をやられるときはこの印を組まれた由。禅定印という名が付いている。

丸ではなく拇指を水平にすることが大事と考えている。この方が息の入りがよくゆがみが取れて落ち着いてくる。親指を水平にしないとゆがみっぱなしである。こんなことは座禅の本をひっくり返しても出てこない。ただこの印を組んでいる仏像をいくつか見たが両拇指は水平である。座禅の型が決まると自然に拇指が水平になるのであろうか?

座禅で調身・調息・調心という。身体を調え、呼吸を整え、心を調える。
まずは形から調えようとする。筆者は心で心を調えることは大変に難しいと考えている。ころころ変わるから心というんだとか、スーダラ節で「・・・・わかっちゃいるけど止められない」と歌われたように心の統御は難しい。しかし呼吸は余程のことがない限り速くもゆっくりも出来る。ゆっくり呼吸をすることで落ち着いてくる。身体を調える、これもあるところまでは出来る。身体を調えるということはバランスを整えることだ。

足の組み方もある。結跏趺坐をやってみるとこれは左右どっちを上にしても問題はなさそうである。筆者は半跏趺坐の場合だと右足を上にするとそろいにくく左足を上にするとバランスは整えやすい。左右の股関節の差による。

仏像の本を見ていたら鎌倉の大仏様が出てきた。この大仏様の印はすごーいですよ。



この印は両拇指を横に伸ばし、両人差し指の第2関節のところで垂直に立てる。
阿弥陀定印といわれる。昔、天風会での瞑想に参加したときこの印だった。

鎌倉の大仏様に感激したのは両拇指の水平を出すために人差し指の先端でなく横に拇指を付けている。筆者が調べた範囲だがこれは鎌倉の大仏様だけである。
宇治の平等院の阿弥陀様を始めこの印を組む他の仏像は両拇指が水平ではない。
人差し指と拇指の長さが違うので先端同士で付けると中央で盛り上がり水平にならない。鎌倉の大仏様の印は垂直と水平をきっちり表現している。
ということは指の水平・垂直の重要性がわかってそれを工夫した人がいた。
仏師であろうか?僧侶であろうか?

瞑想の時は普通、手の平を上に向けてひざの上におく場合が多い。もっと手の位置・足の組み方・座り方等に検討が加えられていい。
手は第二の脳といわれる。身体のバランスが回復し呼吸が楽になってくる。
瞑想の深まり方が違ってくるだろう。(参照62忍者の印形は効きまっせ!!)


109 気になるー女性の足元   2003-9-12

小笠原流礼法の先生がヒールの高い靴を履いてて来られた。高いといってもせいぜい4〜5センチくらいかな。「踵が高いですね」といってしまった。持っていらっしゃる中でこの靴が一番高いのよとおっしゃる。沢山お持ちのそのなかで4センチ位のヒールである、筆者の発言は失礼千万・筋違いというものである。「女性達よ、ハイヒールは履くなかれ」を書いたあとだし、先生のハイヒールの否定論も聞いていたので目がいってしまった。

「この靴しかなかったのよ、甲高で足に合うのがなかなか見つからなくって、これが一番フイットしたのよ」といわれる。小学生の頃から礼法に親しんでこられた由、立ったり座ったり歩いたり、美しい身のこなしがが身に付いていらっしゃる。
こっちが汗をかきかき動くのをスイスイ涼しい顔で動かれる。その時ひらめいた。
この甲高の足が美しい動きを支えていると。クッションがよく利いて、直立二足歩行が楽に出来る。甲高の足は小さいときからの礼法の修練からくるものであろう。
つまり礼法が甲高のしっかりした足のアーチを造ったということだ。

甲高の足はもっと尊重されてしかるべきである。足の形が悪いなど卑下するなかれ、甲高であることを自慢していいのだ。こういう方はバランスの維持ができやすく、O脚・外反母趾・捻挫・肩コリ・腰痛にもなりにくい筈だ。交通機関の発達していなかった昔の人々はの足は甲高だったと考える。現代人の何倍もよく歩いた、それが甲高の足をつくるだろう。(参照93足のアーチ(土踏まず)は歩く中で形成される)

「女性達よ、ハイヒールは履くなかれ」を書いて以来、女性の足元が気になってすぐに目がいく。駅の階段などで前を行く女性は絶好の観察対照である。今の季節、多くの女性が甲皮が極端に少ない靴を履いている。横に大きく窓が開いている靴や、底部にバンドだけの靴などである。先がとがって踵が高くしかもピンポイントでその上指先だけ引っかけるだけの靴なんか、最高に歩きにくいだろうに。このタイプのに踵の上を細いバンドで押さえるようになったのもある。そのバンドが外れている方も数人いた。

よくもこんな靴をつくるよなあ!!!よくもこんな靴を売るなあ!!!よくもこんな靴を買うなあ!!!よくもこんな靴をはいていられるなあ!!!ハイヒールを1日履いたら2日は休むことにしているという女性もいた。歩きにくい靴を履いていればカラダはゆがんでくるし疲れやすい。ハイヒールの靴を履いていればアキレス腱が伸びず縮んでくる。
これは怖い。骨盤内臓器、子宮や卵巣等の不調を招きやすくその上、ぼけやすくなる。
足首が太くボテッとして、どこがアキレス腱なのかわからない方もいる。
鋭利な彫刻刀でスーッと削りあげたようにアキレス腱の角がはっきりしている方は少ない。角がはっきりしていてもその部分が短くずんぐり型が殆どで、どこまでもスッキリ伸びている方は稀である。


110 波動・色彩・姿勢   2003-9-20

先日、頂いた名刺がある。帰りの電車でチエックすると裏と表でパワーが違う。会社を二つ経営されており別々の名刺である。その2枚の名刺のパワーが裏表逆なのである。一枚は表がよく、一枚は裏がいい。名刺はその人の人格・パワーを代表するものと解釈している。同一人なのに何故2枚の名刺が裏表逆なのか?筆者の判断だけではいささか自信に欠けるので筆者よりもっと敏感な方に見て貰った。そしたら裏と表の比較では筆者と同じ結果が出た。波動測定器EAVの話を書いたことがある。たまたま川越でこのEAVによる波動測定会をやるという案内をもらったので出かけた。8月31日のことである。狙いは名刺の裏表のパワーの違いが測定できるか?ということである。次表はその結果を示す。

   リンパ系 神経系 血液循環系 アレルギー系 臓器変性 内分泌系 脳
脳基本値  80  51 50 50 50 50 50 51

名刺A裏(封筒入)46 49 51 53 52 50 51
表(封筒入)   44 54 50 54 54 49 52
名刺A裏  48 54 49 53 50 51 51
表  46 51 51 50 50 49 50
名刺B裏  48 50 50 50 50 50 49
表  48 48 51 50 50 50 49
名刺C裏  48 49 50 50 51 49 50
表  48 50 50 50 50 49 50

基本値(右足外旋)45 47 47 47 50 49 50

名刺Bと名刺Cは同一人である。裏側と表側を測定したのであるが裏とあるのは名刺を伏せたときであり、表は名刺の表が見えているときである。EAVはどっちを感知するのか?名刺を載せているお皿との接触面か?それとも人の見ている側、お皿との非接触面なのか?ただあまり大きな差が出なかった、名刺Bに於いて神経系2ポイントが最大で後はわずか1ポイントである。筆者のセンサーを自慢するつもりは毛頭ないがEAVより人間の感覚の方が勝れているといるということであろうか?

帰途、そばを喰いながら改めて名刺を眺めていた。そして発見したことがある。
それは名刺のインクー印刷された色である。名刺Bの表面には赤に近いオレンジが会社名とHPのアドレスに使われている。名刺Cは裏面にオレンジが28文字に使われており、表面は1文字だけオレンジである。筆者のセンサーはどうもこの色に反応したらしい。
4/1に書いた83.仮説「バランスが整うとエネルギーの流れも調節される」を参照して欲しい。
名刺Aはどうなのか?裏面は白と黒であり、表面は赤もあるが他のカラーも使っている。封筒入りではカラーの影響が抑えられるのであろう。

赤に近いオレンジつまり今の筆者は赤のエネルギーが不足しているらしい。赤を必要としているということは心経ー血液循環障害である。これは納得できる。筆者は冷え性の傾向があり今も左足指先が冷える。帰宅して改めてカラーの自己診断をやった。やはり赤である。赤は小指と小指を廻してみると若干固いしスムースにいかない。それで小指をしばらく廻してから再度診断するとす赤はいらなくなっている。しかし廻り具合からして短時間しか保たないだろう。
しばらくは毎日小指を廻せということか。

それと青のエネルギーも不足と出た。
青は肝経ー第二指でありこっちの方が小指より固い。左の股関節に若干、違和感がありそのせいかもしれない。名刺を見て貰った敏感な方はあまりよくないといっていたけども、赤が悪さをした可能性がある。筆者には必要な赤が彼には不要だったと推理した。
名刺は個人を代表する、つまりその人の持つ波動と同一と筆者は考えてきた。
しかし上記の結果を見ると早計に過ぎたようだ。しかし強力な人格の持ち主ならばカラーは関係なくなるのかもしれない。

今回大きな収穫があった。当初の基本値では各項目50〜51である。ほぼオール50、ベストといっていい数値である。それが一時間もしないうちに最下段の随分違った数字がでた。筆者の右足は左足に較べると外旋(爪先が外を向き)している。外反母趾を直してやろうといろいろ試みている中に右足先を現状よりホンのちょっと内にもってくるとバランスが整ってくることに気がついた。始めの数値は足を平行に揃えて計測したものであり、最下段の数字はわざと右足を大きめに外旋しての数値である。3〜6ポイントもの差にびっくりしている。

筆者が自身の歪みに対して随分と敏感になった結果と解釈している。
EAVの数値は受け手の意志で変えられるといった方がいる。
やり方は違うだろうが筆者は歪みを作ることで簡単に数値を変えることができた。
この随想のどこかに書いたがカラダのバランスが整えば当然、血液・リンパの流れ、神経の伝達もよくなるはずである。逆にバランスがくずれると血液・リンパ・神経伝達は阻害される。それが見事に証明されたではないか。
リンパ・血液・神経と大きな差がついた。
アレルギーも大きな差が出たがこれも当然であろう。


111 頭部の位置が健康を左右する?   2003-10-3

正しい姿勢をキープすると、からだの機能は正常に働き痛みやコリは消えていく。この正しい姿勢に一番大事なのは頭部と足ではないかと最近考えている。前に書いたのだが5キロもある頭の位置がちょっとずれるだけで背骨が歪んでくる。体重を支えている足の方も左右差・前後差があれば当然からだは歪んでくる。それで最近は頭部と足が特に気になってきている。

多くの方は頭部が傾いている。仰向けになると更にはっきりと出る。顔が真っ直ぐになる方はこれまで見たことがない。多かれ少なかれ必ず頭部の倒れ・捻れ・曲がりがある。7/5参加され男性2名、仰向けになるとお二人とも首が大分左に捻れていた。手鏡で確認してもらう。左右鎖骨の中間の窪みと喉仏と鼻の天辺一直線上にあることが大事だ。お一人の方は床面に対してあごが大分上がっている。前後のバランスもくずれている。曲がっている方に息を吐きながら回し、深呼吸を5回。

それでほぼ真っ直ぐになったのだが「ワークの翌日、右肩が張りました」とお一人の方からメールが届いた。いきやすい方に曲げてやってなんで張りがでたのか?こういうメールはありがたい。強さ・方向・呼吸のどこが問題なのだろうか?

ところがそれから4日後のことである。重症の五十肩で見えた50代の女性、この方も右に顔が捻れている。手技のやり方を応用して右に廻したら左肩が痛いとすぐいわれた。それで左肩の固くなっているところをほぐしてから首を廻したら今度はOKだ。それでしばらくそのままにして置いて元に戻すと顔が真っ直ぐになった。昨年の2月、始めてお見えになったときは背中全体が鉄板かみたいだったのが随分やわらかくなっているがまだまだ固いところが一杯残っている。だから最初廻したとき痛がったのだ。

メールで教えてくれた方は2日前にギックリ腰をやっている。ギックリ腰の時は筆者も経験があるが背面の筋肉がどこもかしこも固くなっている。それで上記の女性と同じく逆側に固いところがあったのに、そこをほぐさずに廻したから張りがでてしまった。背中が鉄板になっている方・ギックリ腰の方は慎重にやる必要があるなと7月の時点では考えていた。

この文を書いている9月、別の考えが固まって来つつある。毎朝、目が覚めると自分の首を廻して、ああじゃないかこうじゃないかと試している。寝っ転がって首を単に廻すだけである。それなのに一筋縄でいかない。首は隘路・急所である。いろんな変化が感じられる。仰向けで廻す・うつ伏せで廻す、右に廻すか左に廻すか、それと呼吸がある。
呼吸を最も単純に考えると、呼気と吸気であり行きと戻りと掛け合わせると4通りのやり方となる。止気も入れれば更に複雑になる。取りあえずに、結果は角度×距離×速度×呼吸×時間で決まると考えた。

手技療法の大先達の書かれた本に何年も続いた辛い腰痛が毎日15分首を廻して寝ていたら1週間で痛みがすっかりなくなったという症例が書いてある。
そういうこともあるだろうなと思い始めている。毎日、実験を続けていたら手の伸びが違ってきた。肘や肩がスッーと伸びて二の腕が耳にくっつくようになった。脚や腰にもなんか伸びているような気がしている。

呼吸についてはどの組み合わせが一番いいのか?
予め考えていた呼吸とは全く違った結果が出て筆者自身が驚いている。
この結論は書かない、また変わる可能性が多分にある。呼吸以外の他の要素、速度や角度との組み合わせでも変わってくる。背骨の上にある頭部の角度をわずかに変えただけで手の伸びが違ってくる。微妙な変化が生まれる。

頭部を廻すときにスムースにいかなければ当然ゆがみは取れないし、張りも出てくる。
背骨の最上部、頸椎の一番二番、環椎と軸椎と呼ばれる。ここが変異すると脳からの生命エネルギーの伝達が妨害され、痛みやいろんな病気が発生するとする手技治療法もある。頸部のゆがみがなくなれば脳の血液循環・神経伝達が正常になる。
うまくいけば腰痛ばかりか内臓の不調も心理的な障害も改善される可能性がある。


112 頭部が真っ直ぐになる・・・・スクワット   2003-10-11

これまでに3人、びっくりするくらいカラダが柔らかい男性に出会っている。女性だとこのレベルの方はもっと多い。こういう方はわずかな張りでも違和感・不快感を持つようだ。わずかというのはこっちの感覚である。カラダの固い人をさわっていると、この程度は大したことないと思うのだが当人はつらいらしい。床屋さんでもコったことなどなどないでしょうといわれる由、コリだってやわらかいコリだ。

3人のうちの一人に漢方医がいた。いつもやわらかいコリが沢山あった。それが彼にはとてもつらい状態だったに違いない。1昨年亡くなられた。筆者もやわかいといわれるし肩胛骨に指が第一関節くらいまでは入る。でも彼らと較べると雲泥の相違、全然勝負にならない。

赤ちゃんのときは誰でもやわらかい。ストレスを受けていると固くなってくる。お金の掛からぬ健康法その1に書いた筆者の姉の例がある。固いカラダでポキッと折れそうなカラダが呼吸法を続けることでつきたての餅のようにやわらかく変わった。女性の方はやわらかくなるのが早い。筆者のところに来てやわらかなった女性が何人もいる。女性の方はマジメに毎日やれば必ずやわらくなるようだ。

美容師のNさんも3人のうちの一人だ。高校時代元体操選手で、カラダが大変やわらかい。週一回カラダを診ている。彼にいわせると、国体選手級だともっとやわかく世界戦クラスだと更にやわらかいそうだ。鉄棒やなんかやってカラダが固くならないのだろうか?
検査(うつ伏せになって膝をお尻の方へ曲げていく検査)をするとまるで別人のような足である。張りがある。思わず「スクワットをやっていますね!」ここ1週間毎日50回やった由、たった1週間でここまで変われるのだ。
さすがに元体操選手だ。立ち仕事だから筋肉は衰えにくいと考えたのだがそうではない。毎日の生活の中で適度の負荷を加えていないと衰えるのだ。

体調が思わしくないと精密検査を受けたがピロリ菌が見つかっただけで他は何も出なかった由、筆者は前から「原因は筋力低下からくる、ゆがみ・ひずみだから、いくら検査をしたって何も出ないよ」と何回もいってきた。そしてスクワットをすすめてきた。やっとやる気になったのだ。手っ取り早く筋肉を付けるにはいい運動である。ただ足を平行にすること。そして呼吸、その人に合った呼吸でやらないと歪んでしまう。

阪神フアンの彼は10日間の優勝キャンペーンをやった。そしたらお客さんがガバッときてしまった。それはいいのだが両肩胛骨の上あたりに大変固いコリをつくった、今までになく固い。でも思ったよりゆがみが少ない、仰向けになるといつもあった頭の捻れや倒れがほとんどない。筆者のいうやり方でスクワットを続けている成果とうれしくなる。こんなに固いコリだ一回で取れるかなと思ったが、やっている内に取れてきた。敏感な方である。技の効きがいい。出来たてのコリは固くとも取れやすい。


113 アキレス腱が縮んでいませんか?   2003-10-16

9/25電車で前の席に乗っている多分坊さん、頭は剃っていないが墨衣を着けている。足には白足袋に草履、踵が2センチくらいはみ出している。オヤっと思った。

そこで礼法の先生に訊いたところ、和装ではそういう習慣がありその方がいいのだといわれる。ハイヒールはアキレス腱を縮めるがこっちは逆に伸ばす方向に働く。えらい違いだ。足半というわら草履が昔有ったと読んだことがある、その智慧が引き継がれている。

デパートの和服売り場へ行って和装の店員の足下を見るとみんなそうだ。ちなみにこの手の草履、2,5万円の値札が付いていた。

呼吸塾には立って片足を前に出して踵に体重を載せ上下にゆらすワークがある。ボデイトークの綿菓子やさんがヒントである。綿菓子やさんは爪先に体重を掛けてゆらす。これは踵に体重を載せる。足首・ひざ・股関節にいい。股関節の左右差が無くなる。

鍛冶屋さんと名付けたのだが「ふいご」なんか殆ど知らないだろうし何かもっと別な名前にしたいが思いつかない。最近、別バージョンとして仰向けでやる方法を発見した。効果の程に筆者自身がビックリしている。

アキレス腱の起始部は踵である。アキレス腱はヒトの直立二足歩行を支える重要な一部だ。体重の掛け方で左右差を生ずる。それでアキレス腱の太さが右と左では違う。それが踵に体重を載せて上下にゆらすと揃ってくる。ただそのためにちょっとしたコツがある。

ここまで書いてきてふと思った。女性がかかとの高い靴を履きたがるのはおしゃれー美しくなりたいという気持ちからだとのみ見てきた。イヤ待てよそれだけでなくアキレス腱が既に縮んでいるからではないか?ということである。

車に乗るようになり歩くことが大幅に減っている。アキレス腱が縮んだら普通のペッタンコの靴だと呼吸がしづらくなってくるだろう。ハイヒールを履けばアキレス腱が縮んでくるし、アキレス腱が縮むとハイヒールを履きたくなるという関係がどうもあるらしい。

小さいときから塾の送り迎へが車だし、学校や塾に時間を取られて遊ぶ時間もない。これではひ弱な人間ができるだろう。ひ弱な人間というのは歩かないし、歩くことが減れば更にひ弱になってくる。直立二足歩行が人間の原点である。それが歩かなくなったら人間はお終いである。


114 これってもしかして浮き身?!!!   2003-10-22

武術の世界に浮き身ということばがある。巌の位というのもある。昔読んだ宮本武蔵の五輪の書にあったような気がする。どんな表現で書かれていたかは全然覚えていない。

9/27のことだ。エラスタルトのデイヤローゴ(推手・組み手に似ている)の時だ。不思議な体感があった。胴体のみが浮いている感じがあった。お互いに手を合わせ前進後退を繰り返す、その動きの中でユラユラ揺れながらも胴体が浮いている感じなのだ。もしかしたらこれが浮き身なのかもしれない。

ちょうど釣りのときのウキを思い出した。水中に半分入って半分は上に出ている。当然釣り糸があり先には重りがある。重りと浮力のバランスが取れたときウキが立つ、そんな感じなのだ。歩きながらお互いに手をくっつけた状態で手を廻す。歩きながらやると肩の力が抜けやすい。歩いている両足は胴体・頭部・両腕を支えているのだがその支えているという感覚が完全に消えていた。また再現できるかどうかわからない。一人で歩いていて同じ感覚を味わえるかというとこれはまた数段難しいこと思われる。

この感覚を浮き身というのかどうかわからないが、今までになくカラダがよく動いた。この感覚の根底に「臀頭」がある。頭部と臀部の程良い緊張、そして更に脚部との調和がもたらすものと解釈している。7/19身体の規矩にもウキという表現を使っている。このときはウキが胸の内部で中央部に生じた小さいものだった。今回のは胴体全部がウキになった感じだ。
この感触も「臀頭」があってこそ生まれる。「臀頭」をやり続けてこそ味わえる。(お金の掛からぬ健康法その2参照)

NHKの人間講座の一つに「古えの武術」に学ぶというのがある。テキストを見ていたら「五体は天地の釣り合いなり」という文字が目に入った。江戸時代の剣の達人松林左馬之助が書き残した「願流剣術物語」に出てくる。更に少し後の方に「二度と緩めてはならない」とある。カラダを常時、バランスが取れた状態に置けということだ。
命の遣り取りを前提とした武術の世界、今日できて明日はできないでは命がいくつあっても足りない。筆者のようにまた再現できるかどうかといっているようでは失格である。たまたま出来た・まぐれで出来たことをいつでも出来る状態にする、これが本当の修行というのかもしれない。

魚は水の浮力のなかに泳ぎ、鳥は空気に乗って飛ぶ。ヒトは大地を踏みしめて立つ。ヒトの直立二足歩行は反重力行為である。それは意識を以て始まり、やがて無意識化される。無意識化されるに従い、カラダはゆがみを生じバランスを失ってくる。浮き身は意識と無意識の中間にあり、直立二足歩行の究極の姿であろう。(02.姿勢論「人体は五重の塔」参照)


115 100円でコリが消せる?   2003-11-1

筆者は腕時計を左手にすると歪みが出る。右手ならいい。
腕時計の電池か発振器が作用しているらしい。当然、カラー診断も違ったものとなるだろうと考えた。腕時計をつけないと大抵は黒・白・青が出る。
左手に色の付いたバーを握り右手でOリングが開くかどうかで検査する。
この日10/17は白・黒・青を必要としている。
右手に腕時計をすると緑・赤・黄と変わった。

腕時計で変わるならば方位でも変わる筈だと質問をした。そしたらそれがわかっている人は変わるだろうということだった。帰宅して早速試してみた。
するとやはり方位によって必要としているカラーが違うという結果がでた。
だとすればどうやって使えばいいのか?混乱してくる。
立っているときは北を向いたときに歪みがる。故に北に合わせればいいのかもしれない。これはカラダ全体を対象にした場合である。このときは爪の生え際にカラーテープを貼る。

コリつまり筋肉を対象にした場合、黄色が効くと聞いている。だけど試したことがなかった。ネットテープの話を聞いて試したらこれも効く。粘着テープに亀の子状の網をくっつけたものだ。20分以上は貼るな、却ってマイナスになるよという。試すとどうも本当らしい。コリが取れていくのだが20分過ぎた辺りから歪みが戻り始める。

それでネットテープが効くんならと黄色のテープを試す気になった。貼っておくと固いコリがほぐれてくる、その部分がやわらかくなっている。それは触れればすぐわかる。貼ったテープがシワシワになってくる。固く張っていた筋肉が緩んできたらしい。はがすとスッーと簡単にはがれる。ここはもうテープは要らないということである。要らなくなったテープは全然べと付きがなくなっているよ、といったら怪しい話だなあ!といわれてしまった。

それで何故か考えた。つまり固くなったコリの部分は血液の循環が悪い、従ってそこは体温が低いはずだ。コリが消えるに従いそこの温度が上がる、そして接着剤が乾燥してくる、だからはがれる。これなら全然怪しくない。

実際、体温というのは場所によってずいぶん違うものだ。足の冷たい方・手の指先・あるいは肘や・かかと・お腹等触ると冷たく感ずる部分がある。
測ると驚くなかれ、お腹でさえ5度も6度も低く、30度という方がいる。
筆者は左足の指先が冷たい。そこで左足の薬指と中指の間のコリコリした部分に貼った。するとどうだ。間もなく冷たさが半減した。全部消えはしないが楽である。
それならばとふくらはぎの固くなっている部分にベタベタ何本も貼った。これも効いた。数日後、指で触ると固いコリコリがウッソといいたくなるくらいにやわらかくなっている。左足指先の冷たさも更に減っている。

ドクターの石川洋一さんという方が編み出した「ふくらはぎ健康法」というのがある。彼は点滴がなかなか落ちていかない患者さんがいて、何かの拍子に足にちょっと触れたらスムースにいくようになった。ふくらはぎをやわらかくすると全身の血液循環がよくなるんだといっている。

足は第二の心臓ということばもある。確かにふくらはぎがやわらかくなると血液の流れがよくなるのであろう。寒さに対する感じが違ってくる。前よりはるかに凌ぎやすい。
凝り固まったところに黄色いテープを貼る、これはオススメである。
テープは100円ショップで買える。

東洋医学に五行の色体表というのがある。参考に掲げる。

五行 木  火  土  金  水
五蔵 肝  心  脾  肺  腎 
五腑 胆  小腸 胃  大腸 膀胱
五方 東  南  中央 西  北
五充 筋  血脈 肌肉 皮毛 骨
五色 青  赤  黄  白  黒

ここでいう筋は靱帯・腱をいうらしい。普通いわれる筋肉は肌肉をさすようだ。
東を向いたときは青、北を向いたときは赤が必要となるというのであろうか?


116 片足の方がうまくなる?   2003--11ー10

斉藤孝さんの「声に出して読みたい日本語」よく売れた。一昨年初版が出て3月の時点で87版である。いまだに書店で平積みになっている。この本の最後のところに、声を出して読むことがからだをつくると書かれている。

その後、矢継ぎ早に多くの本が出ている。その中の一冊「からだを揺さぶる英語入門」がある。英語を話しているときの身体が普通の日本人的な身体の感覚とずれている。意識的に日本語の身体から英語の身体へモードチエンジすれば英語を話すことが楽しくなるのではないか。小中学生を集めてシエイクスピアを歩きながら復唱するのだそうだ。実際、立って歩き出し身体を揺さぶることで英語の身体になりリズムに乗れる、シエクスピアなんて、始めてやるのにみんなついてくるという。

声を出して読むことのよさが改めて再認識され始めている。「語り」をやっていると昔の文章が声を出して読むことを前提にしていることがよくわかる。
耳も自然にシャープになってくる。人の声がカラダにこれほど響くものなのかと思う。
カラダをほぐしてくれる声や音色がある。

ゆさぶるのは兎も角、歩きながら朗読・語りをやるのは日本語でもOKだ。筆者は駅まで15分歩く中で「語り」の練習をやっている。歩きながらやった方が上達するのではないか。歩くということは常に片足でしかも交互に立つことの繰り返しだ。これは不安定な姿勢である。カラダのバランス維持装置が俄然働きだすのだろう。座った状態や立ったときよりも力が抜けている。その分いい声が出やすいのだと解釈している。

世界のホームラン王といわれた王さんにしても、イチロウーの振り子打法にしても片足だ。片足を使いこなせてたら抜群の技が生まれるだろう。筆者の「浮き身」らしきものも歩きの中に生まれた。

呼吸塾のワークに立ってやる「片足ゆらし」「片足胴ぶるい」などがある。カラダの歪みの大きい方は片足でやるとすぐにくずれてその姿勢をキープ出来ない。バランスを整えてからやると片足でキープできる時間が延びてくる。片足でやるのに自信のない方はもう片方の足を軽く着けてやってもいい。

「片足ゆらし」や「片足胴ぶるい」をやっていると早くバランスが整う。そのスピードがとにかく早いのだ。他のバランスワークが要らなくなるほどである。片足で立つが故に筋肉トレーニングにもなる。あ〜〜といいながらやるので同時にカラダがゆるんでくる。
筋トレとカラダほぐしが同時に出来るワークなんて他にないだろう。でも普段の姿勢と歩き方は忘れないで実行すべしと自分自身に言い聞かせている。


117 直感は確認できる!!?   2003-11-20

9/6、方位を当てるワークをやった。100円ショップで買った磁石であらかじめ方位を見ておく。仰向けでどっちが北か?これがわかるんだなあ。敏感な方は一々バンザイをしなくともわかる。北枕の秘密で書いたように南枕だと歪みが出る。立つと全く変わって反対になる。

20代前半の若い女性、腰痛で見えた。バドミントンの選手だった由、下半身がたくましい。寝るときは仰向けで、目が覚めるとうつ伏せになっている、いつもそうだという。聞くと南枕だという。立位で南を向いてバンザイをすると両手はそろう。
北を向いてバンザイをすると大きく差が出る。ずいぶん方位に敏感な方だ。

9/20、同じ部屋、磁石で方位を確認するとおかしい。前に見たときと随分違う。
ハテナ、磁石を持ち歩いていたので壊れたかと思った。そばに白板がありその脚部の鉄材に反応したらしい。試みに磁石を持って部屋を回るとぐるぐる針が動くのだ。
鉄筋コンクリートの建物だ、床に鉄筋を使っている、その影響らしい。あっと思った、すると9/6の測定した方位は間違っていたかと一瞬あわてた。筆者の感覚で再確認すると大きくは違っていなかったのでヤレヤレである。磁石は狂うが人間の感覚は大丈夫らしい。でも長くそういうところに住んでいるとどうなるか?最近は和風建築でも建坪の全面積をコンクリート張りにするよう建築基準法で決まっている由、やはり磁石は狂うだろう。

立って北を向くとカラダにゆがみが出てくる敏感な方はバンザイなどしなくともすぐわかる。筆者はバンザイをしないとわからない、バンザイをして両手の差を見て、ああゆがんでいるなとわかる。カラダのキャッチした情報が脳に届かないで途中でストップしているらしい。バンザイ検査のいいのところは例えば東西南北に順位をつけるなどの場合である。勘のいい方でも南と西のどっちがいいかはわかりにくい。それが両手を合わせるだけで目で見てわかるのだ。両手のそろい具合で判断がつけられる。体調がよくないと直感が働きにくく狂いやすくなるがカラダは正直だ。バンザイで直感を確認することが出来る。(44「一人バンザイ検査」のすすめ参照)バンザイ検査はどうも難しい。

何となく頼りなく自信が持てないらしい。筆者も時間は掛かったが何とか使い物になってきた。筆者でも出来るようになったのだから他の方はもっと簡単だろうと思う。
いざ人に伝えようとするとうまくいかない。でもこういう方もいる。
7月に始めて参加した40代の男性は2回目で仰向けでやるバンザイ検査が出来るようになり、3回目で立っても出来るようになった。立ってでも出来るということは、何処でも何時でも使えるということだ。


118 階段で息切れするのは?   2003-12-211/13

小笠原流礼法の会である女性がいった。「長い距離は平気なのに階段で息が切れるんです」これは小生にとって大変興味のあるテーマである。

指先が前方に伸びている人はせっかちやさんであると考えている。仰向けになると足裏面が体軸に対してが90度以上、この方は120度くらいに見える。だから多分せっかちやさんと思った。脚の前後の筋肉バランスがくずれている。年輩の女性に割と見かける。

せっかちやさんは前重心だから足の前側に負担が掛かり伸筋が伸びた状態で固くなる。
普段歩くときは呼気主体と思われる。せっかちやさんはその方がバランスを崩さず歩きやすい。階段で普段の癖から呼気で下りようとすると前の方に倒れやすく不安定な状態になる。これが息切れの原因であろう。平地よりもカラダが前に行きたがる、その動きをセーブしようと呼吸が浅くなると推理した。

山登りでは登りより下りが疲れやすいと聞く。階段のとき息切れするのは下りるときと思った。平地では長い距離でも大丈夫ということなので肺自体の問題はない筈だ。

方法の1吸気主体で階段を下りる。例えば吸気で3段下りて1段を呼気で下りる。
方法の2階段を下りるときに踵から着地をする。
方法の31と2を併用する。

小笠原流礼法では吸気で動き始める。これはカラダの真っ直ぐな状態をキープしバランスを崩れにくくする。階段を下りる際も姿勢を真っ直ぐにし吸気を主体に下りれば息切れはなくなるはずである。

ここまで書いて実際に自分で試してみる。吸気で下りるのは兎も角、踵から着地というのは実にやりにくい。今までの習慣を変えるのだからやりにくくて当然である。筆者もそうだが足首が固い人にはすぐはムリだなと思った。ましてやアキレス腱の縮んだ人にはすすめられない。そこで方法の2はできるだけ長く後の足に体重を残しながら下りると後ろ足主体に変えた。

足は伸ばすことで直立した人体を支えている。伸筋主導である。逆に手は屈筋が幅をきかしている。多くの人は下ろした足の爪先で体重を支えて階段を下りる。それが伸筋を緊張させ固くする。そうして膝を曲げるときも伸筋に逆らって屈筋が働き負担が大きくなる。後の足に体重を残しながら階段を下りる。後ろの足は屈筋主体の動きになり、伸筋を休めることになる。つまるところ前の足主体で下りるか、後の足主体で下りるかである。後の足を主とすれば疲れにくい、従って息切れも解消されると推理した。


119 「呼吸」には「こつ」という意味がある   2003-12-9

予測が外れた。下記のメールを受け取った。
階段を上がるときに息が切れるのだという。

「重心と呼吸のこといっぱいアドバイスをありがとうございます。実は、先日の日曜日(16日)に風邪をひきました。風邪をひくのは身体の調子を整えるうえでいいことだと教わっていたのであちこちが熱で重苦しくても、今からだの大掃除をしているんだと思ってじっと耐えました。そうしたら汗がたくさん出て着替えを繰り返していたら、朝方ぐっすり眠れて起きたらとても爽快な気分でした。まだ鼻声で、鼻水もすこしぐずぐずしていますが、もう時間の問題だと思います。それやこれやで、PCをずっと開けずにいて、返事が遅れました。ごめんなさい。

私の階段の息切れは、上がるときです。ですから、上記アドバイスの逆を試してみたらいいのですね。結果はかならずお知らせしますのでよろしくお願いします。」

筆者が階段を上がるとき、爪先を意識した場合(踵が浮かした状態)は呼気である。アキレス腱を伸ばすように足の前半分を階段に掛けて上がるときは吸気の方がいい。
いいというのはバランスが整ってくるということである。
バンザイ検査で結果はすぐ判明する。

階段を上り下りで息切れするというのは、肺や心臓等に異常がなければ動作と呼吸が合っていないからだ。息を吸うか吐くか?アキレス腱を伸ばしながら上がるか逆に縮めながら上がるか?屈筋主体か伸筋主体か?やってみればすぐ結果は出る。
この女性の場合は呼吸は逆の方がいい筈だ。上りは吸気、下りは呼気だ。
人間の動作は呼吸と常に繋がっている。呼吸を主に見るか、動作を先にするか?やっている内に動作と呼吸はマッチしてくる。慣れない動作だと呼吸と一致しにくい。
緊張すれば普段の呼吸から外れる。動作を先にやっていてもその動作が身に付けば呼吸が合ってくる。呼吸を先にやっていても動作がいずれ呼吸に合ってくる。

手元の国語辞典をめくると呼吸の解釈は二つあった。
@息をすることA調子。こつ。洋の東西を問わず呼吸の重要性については知っていた。
だからいろんな呼吸法があるのだろう。しかし呼吸に「こつ」という意味を持たせたのは日本人だけかもしれない。


120 対症療法には限界がある   2003-12-16

黄色のテープをふくらはぎに貼っているときに気がついた。ふくらはぎがやわらかくなっている。以前まるで鰹節のように硬かった。ホンとの話である。自分でもふくらはぎがなんでこんなに固いのだろうと思ったくらいだ。5〜6年前までそうだった。
人はやわらかく生まれて硬くなって死んでいく。突っ張って固かったほっぺたがやわらかくなったということは書いた。同時にふくらはぎもやわらかくなっていたのだ。

この年でもやわらくなっていくのだ。お断りしておくがこれはテープのせいではない。いろいろやってきたお陰と思っている。人はいくつになっても変われる。カラダはいつもよくなろうよくなろうと働いている。毀すのは自分である。

やわらかくなったといっても、部分的にはまだまだ硬いところがあちこちにいっぱいある。それが黄色のテープを貼ることで、更に硬い部分が小さくなりやわらくなっている。
ふからはぎに貼ったテープの長持ちすること、一週間も二週間もくっついている。
必要とするものはカラダが離さない、要らなくなったすぐ取れると聞いたけど本当だなと実感する。場所によって同じテープでも翌日といわずすぐ取れるときもある。
そしてとれたテープはさらさらして粘着力が全くなくなっている。いつまでもへばりついているテープはべとべとしている。あまり長くなると痒くなってくる場合もある。

11/13小笠原流礼法に出席したときのことだ。跪座が楽なのだ。跪座は、正座から、両足を爪立てた姿勢である。筆者はこれがきつい。足の甲から脛にかけて硬く、拇指が曲げにくく痛い。いつも跪座をするとつらい。それが随分楽になっている。
無論まだ硬い、でも以前よりはるかにやりやすくなっている。

それから一ヶ月後12/18の礼法の会、テープを貼らなくなって2〜三週間だろうか。また固さが戻っている、跪座がきつい。
完全にテープを貼らなかったときの状態に戻っている。この辺りは対症療法の限界であろう。カラーテープを貼る法は大変優れた療法である。すぐ効いて副作用がない。

既に書いたようにカラーテープを使ってカラダのバランスを整えることはできる。
痛みを軽減することはできる。しかしどんなに優れた療法であろうと対症療法は一時のものだ。原因は自分にある。日々の癖・生活習慣の中にある。
それをちゃんとしない限りは遅かれ早かれまた症状は出てくる。

生活習慣の中で特に大事なのは、立つこと・歩くことにあると思っている。
いろんな健康食品が後から後から登場してくる。仮によく効くとしても姿勢と歩き方が悪ければ必ずその影響が出てくる。それは否応なし、物理的にそうなる。
直立二足歩行を選ばざるを得なかった人間の宿命である。
姿勢と歩き方こそ根本療法といはねばならない。


121 1日6分で運動不足は解消できる   2003-12-23

本日の出席は三名。治療師の方、空手歴15年の方、透視能力を持つ女性。自分でやるバンザイ検査は難しいらしいと書いた。今日の3名の方はその日の内に全員できるようになった。当呼吸塾のモットーは自分のカラダは自分で直すである。

覚えるといろんなワークや健康体操の良否の判定ができるようになる。肩の3点セット・足ゆらし・かかと落とし等をやった後でチエック、全員効果の程がおわかりになった。それが普段の歩き方に戻すとまた歪みが生ずる。そこで「直平行線歩き」でバランスを回復する。

北枕と南枕の違い・今日必要なカラー・マイナスイオンシートについても全員よく理解できたようだ。ただ治療師の方がカラダに歪みが出ているのにこっちの方が気持ちいいといわれた。これはカラダの方はちゃんと正常に反応しているのに脳は逆に捉えている。
脳とカラダの間にどこか詰まっているところがあるのだろう。

透視能力のある女性はひどい猫背で最初にお会いしたときから気なっていた。
それがワークを終えると別人のごとくスッキリした背中になっている。

1分間の片足立ちをやると全員できた。女性の方が片足のみ30秒くらいだったけれどそれ以外はできた。カラダのバランスがいいと斯くも簡単にできてしまうのである。
普通、歪みがあると15秒くらいしか保たない。1

1/10、片足の方がうまくなる?を書いて一月後TVでフラミンゴ療法というのをやっていた。翌日、新聞でも見かけた。
これは1分間片足で立つそれだけ、それで1時間歩いたと同じ効果があるのだそうだ。
朝昼晩と右左各1分宛やれば3時間歩いたことになる。運動不足のかたにはもってこいのワークである。筋トレ兼バランスワークが短時間にこなせる。

体力が落ちたと悩む方、骨粗鬆症を何とかしたいと思っている方にはおススメである。
骨は負荷を掛けないと減っていくという。宇宙飛行士の話は有名である。
骨はミネラルの貯蔵庫でもある。
骨太の方は丈夫だ、ミネラルが健康を左右する。骨粗鬆症になるのは女性のみでなく男性もなる人が増えてきているとか。

片足立ち1分間は当初出来ない方がほとんである。
しかしバランスを整えるとすぐ出来るようになるし、これだけやっていても2週間も続ければ大概やれるようになる。ただ、これだけだと固い筋肉になる。
そこで片足立ち足ゆらし・片足胴ぶるい・片足縦ゆらしもやるようにしている。


122 鎖骨は水平になるー1(ムリ・ムダ・ムラのない姿勢)   2003-1-3

「姿勢教室」に参加した。クラシックバレエ歴20年という女性が主宰している。出席して主催者の女性の鎖骨に目がいった。もう何回も何回も目がいった。左右水平、みごとに一直線でした。筆者は患者さんを診るときは鎖骨も診るがこんなに左右水平な鎖骨はこれまで一度も見たことがない。たいていは両端が上を向いているし、その角度も左右差がある。仰向けになると左右で床までの高低差がある。

鎖骨がみごとですとメールを送ったら下記のご返事をいただいた。
「いつも嬉しいメールをありがとうございます。大橋さんの視点にはいつも感心させられます。実は大橋さんのコラムを見て、北と南の方向を確かめたりして遊んでいました。あれ、すごいですね!

私の身体は、21歳の時に改めて気付いたギフトで、その後5年かけて現在のようにしました。だからこそ、この身体感覚を皆さんにも伝えたくて今は挑戦しています。大橋さんとはご縁で繋がっているようですので、改めていろいろお話ししたいです。」

「ギフト」というのは事故のことと、しばらく考えて思い当たった。どこかのページで21歳の時、事故に遭われたと読んでいた。読んでいなければわからなかった。事故をギフトととらえる感性がお出来になっている。「北と南の方向を確かめたりして遊んでいました」これは方位とカラダのバランスの関係である。わかる人は簡単にわかるんだなあ!

「ご縁で繋がっているようですので」と「ご縁で」とある。一瞬、「ご縁が」の間違いと思った。これもちょっと考えた。そしてこれでいいのだと納得。「ご縁が」と書くと軽・狭・小・個の感じがする。「ご縁で」としたほうがしっくりくる。見えない世界との結びつきが強く感じられる。

5年掛けての復活はすばらしい。わずか5年である。お若いしクラシックバレエの長年の体験があればこそであろう。「5年のうち、3年は入退院の繰り返しで、手術も6回ほどしました。」とその後のメールで知った。これだけ鎖骨が左右対称に整っているならば、肩胛骨も骨盤も左右対称になっていると容易に想像つく。カラダがシンメトリー〈左右対象性)であるならば血液循環・リンパ・神経・筋肉等々に偏りがないということである。
ムリ・ムダ・ムラがない。

従って疲れにくく、判断は正確に、動作はスムースになる。
バレエでは垂直・水平の鍛錬を徹底的にやるんだろうなと門外漢ながら想像する。その過程で鎖骨が左右対称一直線になっていくのであろう。とくに女性の場合はカラダが変わるのが男性に較べると格段に早い。


123 鎖骨は水平になるー2   2004-1-10
    (カラダのやわらかいバレエリーナーは大成しない?)

鎖骨の左右水平を考えていて曹洞宗開祖道元禅師のことばが頭に浮かんだ。
中国留学から帰られての第一声が「眼横鼻直、空手還郷」といわれたとか。
直訳すれば眼が横で鼻は縦だとわかった。後はなにもない空手だよという意味である。
どういうお考えでいわれたのかわからないが、筆者はそのことばを思い浮かべて鎖骨も横なんだと思った。只管打坐をやりつづけたら鎖骨が一直線になるかもしれない。

ある武術誌のDMが届いた。それに現代の著名な武術家9名の写真が載っていた。
ところがお一人をのぞいて首が左右どちらかに倒れていたり顎が上がっていたりである。鎖骨は左右一直線ではないと想像つく。
鼻とてもよく見れば曲がっている方が何人かいる。クラシックバレエ、マラソンランナー、お相撲さん等の写真も見たけれどよくわからない。お相撲さんは鎖骨が左右対称らしい方もいたけれど、太っているので定かでない。

「>実はクラシックバレエの世界で鎖骨水平の人が他にもいるかと写真集をひっくり返
>したりしたのですが>見つからないというかよくわかりませんでした。
>それはそうですよね。鎖骨を見せるための写真ではないのですから。

2人して同じことをしていたようで、笑ってしまいました。実は、私はバレエ関係者の鎖骨を調べていました。まずは教室にて確認したのですが、先生を除いては平らな人はいませんでした。私の先生は2人いるのですが、一人は平ら、一人は上がっていました。

そこで、世界各国のバレエ団のプリンシパルを確認してたのですが、大橋さんの仰るとおり、鎖骨を見せるための映像ではないので、確認するのは困難でした。
そんななかでも、鎖骨が平らだと確認できたダンサーを念のため。

当初は私の鎖骨が水平なのはストレッチのおかげかな?とも思っていたのですが、世界レベルのダンサーでも水平じゃない人がいるとなると、コレは一体どんな関係があるのか興味深々です。」と3名見つかったと添付資料つきのメールをいただいた。全て女性である。鎖骨が左右水平シンメトリーであったら名人達人になれるかといったらなれる人もいるし、なれない人いるだろう。

シンメトリーの方がなりやすいのか、ノンシンメトリーの方がなれるかどちらであろうか?「カラダのやわらかいバレエリーナーは大成しない」ということばもある。やり続ける意欲はカラダの固いノンシンメトリーの方が強いと思われる。そして意欲を持ち続けた方が達人になっていくのであろう。


124 鎖骨は水平になるー3(電気的流れが平準化)   2004-1-14

鎖骨が水平な人がバレエ界を調べて3名見つかったという。それでまた調べなおす気になった。お相撲さんは裸の写真が多くしかも正面から撮っているから他と較べるばわかりやすい。

2名見つかった。一人は昨年引退した横綱武蔵丸である。但し入門当時から多分横綱になる前あたりまでだろう。特に入門当時は素晴らしくほれぼれとするほど均整がとれている。アメリカンフットボールの花形選手であり、グレコローマンスタイルのレスリングでも活躍していたという。ところが引退時の写真では顎の辺りがダブダブで顎が上がっている。鎖骨も左右水平ではなくなっていると思うのだが写真ではわからない。引退もフットボール時代の後遺症悪化からだという。

後遺症があったにしろ恵まれた運動神経と鎖骨が水平というバランスいい体躯が横綱に駆け上らせたのであろう。この運動神経もバランスの取れた体躯が生み出したものと解釈している。通算73場所706勝267敗優勝12殊勲賞1回敢闘賞1回技能賞2回。

もう一人は琴の若である。35歳、関脇に二回小結を六回勤め今は東前頭12枚目、35歳でありこれ以上はあまり上位は望めない。しかし非力で大人しい性格といわれながらも通算78場所530勝571敗殊勲賞2敢闘賞3金星8回という成績を残している。
最近の写真では定かではないが、どうも鎖骨の水平度がくずれているように見える。
双葉山はどうか?栃錦はどうか興味があるがよくわからない。

格闘技であれば筋力が優先する場合は当然あるだろうし、鎖骨が左右対称であることより決め技に磨きを掛けた方が有利となるだろう。しかし達人の域に達したら鎖骨は左右水平になっているだろう。

鎖骨が水平であるということは呼吸が左右均等におこなわれている証明と考えられる。
一般的に呼吸の状態を見ると左右差、上下差がある。左側あるいは右側に息が入りにくいとか、女性では胸部のみの呼吸でお腹に息の入らない方もいる。呼吸と関係深いのは声を出すことである。声が質量共に優れているならば、鎖骨は水平であると考えた。そうすると歌い手はどうかと思ったのだが鎖骨がちゃんと見れる写真がなかなか見つからない。

ここで美輪明弘さんを思い出した。彼はEAVでオール50、それも触っただけで触られた人も50に変えてしまう強力なパワーの持ち主である。筆者は真っ直ぐに立つ中庸調和の姿勢はEAVで50であるという仮説を持っている。それで美輪さんの鎖骨も水平ではないかと思った。写真は沢山あったが1枚だけ鎖骨水平の写真があった。これは立った写真で、同じときに腰を掛けて撮った写真だと胸部が凹んでおり鎖骨も水平とは見えない。

横浜ボートシアターに所属する吉岡紗矢さんが語りの教室に見えた。20代、細身長身の方である。姿勢のいいこと、立った姿勢も座った姿勢もスーッと伸びており思わず見とれた。一年くらい前にも見えたのだが一段と進歩されたようだ。そのときはただただ声量の豊かさに圧倒された。今回はそれに加えて声に透明感が出てきている。カラダ全体が発声器官になっている。鎖骨の状況をお聞きたかったのだが、さすがにいいだせない。

姿勢教室を主宰している若い女性はEAVでほぼ50である確立が高い、大変興味をそそられる。(EAVについてはおすすめコーナー土曜会の項参照。一言でいえば電気的流れがベストである状態を50とする。)


125 鎖骨は水平になるー4(クロス完成)   2004-1-20

「食物が豊富で身の危険に晒されることの少なかった樹上の生活から草原での生活を余儀なくされた。虎やライオン等の猛獣を早く発見して危険から逃れるためもあるが、地上にあって食料確保のため歩き回らねばならない。五キロもある頭を持って人は一番負担を軽くする直立二足歩行することを選ばざるを得なかったと推理する。ヒトは食べ物を求めて草原での生活は直立二足歩行でなければ重い頭を支えて疲労困憊し、生きていけなかったことであろう。(02.姿勢論「人体は五重の塔」)

左右対象性が一番影響するのは競技はマラソンである。なにしろ42キロも走り続けるのである。こんな動物は他にいない。人間のみである。競馬だって長くて4キロか5キロだ。鎖骨が左右対称一直線というのは大変にバランスのとれた疲れにくいカラダである。

従ってマラソンランナーには必ずいる筈と考えてと探した。高橋尚子さんの写真に一枚だけ鎖骨が水平とはっきりわかるのがあった。ところが前に高橋尚子さんは足の長さが左右大分違うと聞いていた。右足より左足の方が約9ミリ長いとか。鎖骨水平と矛盾する。

今でも左足が短いのか?治療して同じになったのか?今も鎖骨が水平であるのか?その辺のことはわからない。今でも短いとしたら上半身のバランスの良さ、あるいは靴の調整でカバーしているのだろうか?昨年11月東京国際女子マラソンで「アテネ確実」「絶好調」と伝えられていたのに途中失速、2位となり随分騒がれた。このときの写真を見ると、鎖骨の付け根部分が緊張し水平度もくずれているように見える。レース中にちょっとしたアクシデントがあったのかもしれない。

中心軸が出来るとそれがセンサーになる。感覚がシャープになり復元力が増大する。鎖骨が水平になると更にそのパワーが強力になる。鎖骨自体もセンサーとなり水平器の役割を担う。これは筆者の仮説である。中心軸に対して鎖骨が左右水平にある。クロスー十字架の完成である。クロスは結びの象徴といわれる。直立二足歩行を選択せざるを得なかった人間の形が完成したと考えている。縦方向では天と地につながり、横方向では万物とつながる象徴に思える。イエス様も鎖骨が水平だったと聞いた。


126 ベッカムの鼻   2004-2-1

ベッカムノ鼻は何であんなに凹凸がないのだろう。あまりにも真っ直ぐで凸凹がなさ過ぎる。あまりにも整いすぎて面白くない。TVで左なら左、右なら右だけの合成写真を見た。完璧な左右対称の顔である。それが全然面白くないし、違和感があった。ベッカムの写真も似た感じを受ける。整体的見地から鼻は脊椎と相似とされる。ベッカムは歪みが極端に少ない背骨を持っているのであろう。だからサッカーでの人気選手として活躍が出来るのだと思っている。

昨年6月、サッカーのイングランド代表主将のスーパースター、デービッド・ベッカム選手が来日、すごい人気で大騒ぎであった。なんでこんなに人気あるのかと思った。今回、鎖骨が水平かどうか調べるているときベッカムも改めて観察した次第。

ベッカムの鼻と対照的なのが清原選手だ。夕刊紙で目に入った彼の写真は鼻が見事に片曲がっていた、それも3段である。一枚の写真だけでどうのこうのいうのは避けたいから他の写真も注意して見てきた。この写真ほどでないけれどやはり曲がって見える。それともう一つ、立った姿勢そのものが気になる。頭部と体が真っ直ぐの写真を見たことがない。

余程の才能を持っているのであろう。19歳でプロ入り新人最多記録の31本塁打。昨年は足の状態が悪く、まともに走れないのにそれでも26本塁打である。キャンプで今までになく体調万全と伝えられる清原選手、プロ入り19年にして初のタイトル獲得かといわれている。しかし今の姿勢からは好調期間の長期持続は難しく、ケガや事故に悩まされる可能性が大と見ている。

現役を離れて随分経つが長島茂さんや王さんの写真はさすがにいい。広岡達朗さん、もうとっくに老人の仲間入りの筈だが実に安定感のあるいい写真を見た。堀内威夫巨人監督、特にお若いときが抜群。顔から首・肩にかけて広くて爽やか、首が長くて肩が下りている。堀内監督と同じ感じなのが出井伸行ソニー会長、昨年はワースト経営者にあげられてしまったが姿勢はいい。やはりお若いときの写真が抜群にいい。お二人とも鎖骨が水平かも知れない。

「シンメトリーな男」竹内久美子著を紹介した。男も女も優秀な遺伝子を残すためにシンメトリーな異性に惹かれるのだという。

「妖精が逝って昭和も遠くなり」オードリ・ヘップバーンを詠んだ川柳である。
彼女が亡くなって11年、いまだに人気がある。彼女が出演した「ローマの休日」王女役のスチール写真、見ると鎖骨がほぼ水平である。
オードリ・ヘッブバーンも鎖骨が水平になるくらいにシンメトリーだということである。ベッカムの人気ぶりもあの鼻が象徴している。


127 ゴジラの耳   2004-2-10

ゴジラことヤンキースの松井秀喜選手の耳は実に大きい。横浜に戻った大魔神こと佐々木主浩選手も同じくらいに大きい。「福耳をケンカのたびになじる妻」耳の大きい亭主と結婚した。けれどさっぱり稼いで来ない亭主。なーにしょっちゅうケンカ出来るのがしあわせというものです。

昔から大きな耳は福耳といわれてきた。漢方では腎は父母から与えられた先天の気を蓄えるところであり、耳はその象徴であり出先機関とする。仏像はみな肩に触れるほどに垂れている。筆者は大きい耳が何故福耳なのかズーッと疑問を持ってきた。ある時、耳は人体の中で血管が一番少ないところであると知ってその疑問が氷解した。

福耳になるかどうかは次の2点に掛かっているというのが筆者の仮説である。
特に2の影響が大である。お母さんがみごもってハッピイな気分ですごせたかどうかである。これはお母さんに聞いてみる以外に証明のしようがない。
1母親が何を食べてきたか?
2妊娠中の母親の精神状態が安定していたかどうか?

福耳の方は骨太で内臓も丈夫のはずである。したがって無理が利くし、がんばりやさんである。それが自信過剰となって無理をして体をこわす可能性が大きい。よく人話をよく聞く人は耳が大きくなるという。けれどもあれは単なるたとえ話、完全なガセねたと思っている。漢方でいうように先天的なものである。個人の努力・精進で変わるものではない。

ただ耳のの大きさ・形状は大きく変わることはないが色艶・張りは変化する。
シワも出来てくるし、体調によって黒ずんだりはする。首が据わるということばがある。赤ちゃんに使われる。赤ちゃんの専用語と思っていた。松井選手はいわゆる松井本で幼児からの写真を沢山見ることが出来た。彼の写真を見ていて実に安定感がある。
子供のときからそうだ。首が据わっているという表現が浮かんだ。
福耳の人にありがちな暴走・無茶の気配が感じられない。
これからも長く注目を集め続けるであろう。骨太つまりミネラルを豊富に持っているということである。松井選手に限らず一流の選手の多くは首が据わっている。
立ったときのカラダの縦軸がしっかりしており、プレーの最中でも顔面は地面に対して垂直性をキープしている。そういった写真をしばしば見かける。

もう1人の松井、松井稼頭央選手もいい。大リーグにいっても相当に活躍するだろう。
ゴジラと対照的なのがイチロー選手だ。彼の耳は流れ耳だ。
人相学的にはよくないとされる。ゴジラに較べれば骨は細く持続力に欠けると思われる。しかしあの活躍ぶりだ。彼の感性で彼自身に合ったやり方で、人知れず研鑽を積んだのであろう。福耳のゴジラと流れ耳のイチロー選手、筆者はこのお二人の大リーグでの活躍ぶりを興味津々で見守っているのである。


128 寝ているだけで固いカラダがやわらかくなる   2004-2-20

2/13のことである。東上線大山駅の近くの居酒屋で遅い昼食を摂った。するとそこのカミさんがしきりに左肩に手をやったり肩を廻したりしている。ハハアー肩こりだなと見ていたらもう何回もやる。「肩こりですか?ちょっとやってみて下さい」と、合掌両手ゆらし2・3回それからおしゃかさまゆらしをやらせた。その間1分くらいだ。やってから手を挙げてみてァラッと不思議そうな顔をする。肩こりが半減してビックリしている。

「毎日やれば治りますよ」1年以上もリハビリを受けているんだけど全然治らないという。「楽になったー!」と旦那である店長に話している。聞くと店長も腰痛持ちとか。店長には板の間に横になてもらい、「鍛冶屋さん」の変形バージョン踵落としだ。これも効いた、1分は掛かっていない。余程のことがない限りよく効く。90%以上のの人に効く。簡単過ぎるくらい簡単である。

呼吸塾のワークはゆらし&呼吸が主体である。そこへ手技療法を学んだことで、カラダのバランスという考えがつけ加わった。ゆらすことはカラダの深部に届いて、短時間でほぐれやすく、更に左右のバランスも整えやすい。(参照80.ゆらしで深層筋が甦る)

ところが寝ているだけでもバランスが回復するし、カラダもほぐれるということがよくわかった。1/18のことである。柔道整復師の男性、背中は固く、コリと張りがひどい。
相当に辛いはずである。もう1人の女性、帯状包疹で今日は体調が特に悪く来るのを止めようかと思った由。彼女も固い固い。

お二人を仰向けで寝てもらって長い手は上に頭の横、短い方は体側に伏せて置いた。足は外転している足をちょっと開いた。それから首を廻しやすい方に廻した。そしたらすぐだ。女性の方から鼾が聞こえ始めた。まもなく男性の方も眠り始めた。
それから20分、目が開いて女性の方が手が動かしている。それで少し下げてほぼ真横の位置に置いた。そしたら今度は左膝を上げようとする。それで座布団を二つ折りにして入れた。試しにもう一枚これも二つ折りにして重ねるとこの方がいいという。座布団4枚の高さである。それからまた眠り始めて20分、合わせて40分も眠っていた。
男性の方もほぼ同じ経過をたどった。

筆者はその間、お二人の呼吸を観察しているだけである。目が覚めたときのお二人、帯状疱疹の女性のカラダが筆者がビックリするくらいに柔らかくなっている。男性の方もこれまた随分やわらかくなっている。本人達も驚いていた。「111.頭部の位置が健康を左右する?」に書いたように首の廻しかたに工夫と慎重さを必要とする。これをしくじると歪みが取れないし、逆に張りが出る。それとこれは後で気がついたことだが座布団つまり足枕の角度が影響する。立った姿勢も歩いているときの姿勢も大事だが寝ているときの姿勢もまた大事なのだ。


129 生活の中で筋力を養おう   2004-3-2

美容師のNさんは元体操選手でカラダが大変やわらかい。1日立ち仕事にもかかわらず、腰も脚もやわらかい。姿勢もいいし、カラダに負荷を掛けない立ち方が身に付いているのであろう。その分、筋力の強化維持にはつながらない。40代、筋力は衰えてきているし弾力つまり筋肉の復元力が低下している。その分カラダはゆがみやすい。ゴルフに行った後は見事にゆがんでいる。スクワットをすすめて筋力がついてきてカラダが真っ直ぐになってきている。ところがさぼるとすぐ筋肉がくたっとなる。

普通はカラダがやわらかいほうがいい。しかしやわらかすぎるのは問題だ。
Nさんの場合、やわらかさに弱さがつけ加わってきたといったほうが正確かもしれない。仰向けになれば首は曲がっていたし、俯せの検査のとき足は力なく開く。
筋肉はやわらかさと同時に強さも必要である。普段はやわらかく必要なときには固く強くなるのが理想だ。体操選手の頃は身長に比し股は太過ぎて既製品のズボンでは合う物がなかったという。
それほどの筋肉マンが今はか細いといえるほどのカラダになっている。

カラダに負荷を掛けないでふんわりと立つ。これは疲れない、長時間保てる。
中心軸と体軸が一致しているから出来る、リラックスしているから出来るのである。
さすがに元体操選手である。直立した人間の理想的な立ち方といっていい。
しかし多くの方は足を突っ張って立ち歩く。故に足や腰が固く重い。
頭部が左右どちらか、あるいは前後どちらかに倒れている。
故に片側が負担増となり固くなる、中心軸がくずれることとなる。

既に書いたようにヒトは直立二足歩行を選ばざるを得なかった。そして肉食獣から身を護るためまた食料を得るため歩き続けた。ところが現代ではとにかく歩かなくなっている。普段歩かない人が早く筋肉が衰えるのは当然である。Nさんのように立つのがうまい方はなおさらである。職場と自宅の間は車である。カラダに負荷を掛けないのだから普通の人というか立つのが下手な人間より筋肉の衰えは格段に早くなるのではないか?

地唄舞を見たことがあるが膝をちょっと曲げた姿勢で1時間以上もずっーと舞い続けた。舞・能・狂言等の古典芸能には芸そのものの修練と同時に筋力・体力を維持強化するシステムになっているらしい。小笠原流礼法もそうだ。歪みのでない動きの追求と同時にカラダの鍛錬法でもある。礼法の優れているところは生活と共にあることだ。
筆者はガチンガチンに固くなった体をほぐさねばと思うようになってから鍛えるということから遠ざかっていた。昔、好きだった「千鍛万練」ということばを思い起こしている。宮本武蔵の言という。千日といえば3年、万日ならば30年である。衰えはゆっくり静かにやってくる。毎日の生活の中に筋力を維持していく仕掛けをつくる必要がある。


130 腕の組み方   2004-3-16

何年ぶりかなあ、10年以上ももいっていないと思う。本当に久し振りに神保町古書街にいった。ある書店でァレッ見覚えのある方だなと思った途端、隣にいた男性と眼が合った。以前に1度呼吸塾に参加された方でした。しかも来る前に筆者のうわさをしておった由。お話しをしていると彼のカラダがゆるんでくるのがわかる。

帰りに喫茶店で伺ったのであるが中国式の足揉み療法をならっている由。第2指の関節が固く膨れ第1指の関節が曲がって伸びにくくなっていた。経絡でいうと肺経・大腸経の流れがよくないと見て取れた。

指の形が変わるほどの強揉みはやらない方がいいのだが取りあえず、前に書いた大日如来の印や座禅のときの印をやってもらった。するとそれだけでゆるんで背中が熱くなってくるのが感じられる。彼も随分敏感な方である。

座禅のときの印も大仏さんの印も肺経つまり呼吸系統を調えるということである。
親指の第一関節のところを呼吸に合わせて軽くゆっくり伸展させるのもいい。
彼は大橋さんが気を送ってくれているからと思ったといったがそうではない。

「印を組む」それだけでカラダのゆがみが取れゆるんでくるということである。
改めてはっきりとわからせてもらいました。
(参照62.忍者の印形は効きまっせ!!108.鎌倉の大仏様の印に感激!!!)

腕組みもそうだ。右腕を上にするか、逆に下にして組むかで違ってくる。カラダがゆがむか、ほぐれてくるかどっちかの方にいく。
彼の場合は右手が上の方がよい。筆者も同じである。真剣に取り組む場合は右腕を上にしている。リラックスしたいときは腕など組まないだろうが腕組みを利用してカラダをほぐすのであれば右腕を上にする。ただこれは多分人によって右と左にわかれるだろう。

「腕を組むというのは拒絶の姿勢である。失礼であるから組まない方がいいんだ」と聞いたことがある。拒絶したいときには多分カラダを固める方で腕を組んでいるだろう。肘や膝は対人センサー兼防波堤というかブロックの役割を担っているらしい。


131 バンザイ検査を活用してください   2004-3-26

前略
先日は呼吸塾にご参加いただき有り難う御座います。

スワイショウ(腕をカラダに巻き付ける運動)をやられると固くなる感じとお話しされました。帰り道で考えたのですが、以前に首を痛められた由、手と肩・首はつながっていますからことによると首にイヤな刺激がいっているかも知れません。

貴殿は勘のいい方ですので固くなった感じがあれば固くなっているのでしょう。
バンザイ検査で確認してみてください。スワイショウをやる前とやった後でバンザイをします。両手が下りにくくなってい足り左右差が大きくなっていれば間違いなく固くなっています。股関節の左右差を見る(四の字の一人検査)は上手にやられていました。
バンザイ検査も是非しっかり身につけていただきたいのです。
慣れてくると一々寝っ転がなくとも出来るようになります。

スワイショウ自体はいい運動です。
もし固くなるようであればやり方を変えてみてください。
動きを少し小さく、あるいは少しゆっくりにしてやってみられたらいいと思います。
ご自分に合った動きを見つかるでしょう。
それでも固くなるようでしたらやられない方がいいでしょう。

3月ぶりにご出席ですが肩が固かったです。あまり合掌両手ゆらしなどあまりやられていなかったようですね。四十肩で肩が上がらなくなる可能性があります。
合掌両手ゆらしとお釈迦様ゆらし(片手は上で片手は下でゆらすやりかた)の二つは毎日おやりになることをおすすめします。

合掌両手ゆらしをあの場でわずか3回くらいやっただけで変わるのです。
立っても出来ますし寝ても出来ます。
1週間続けられたら両腕が床と平行くらいにいくだろうと期待しています。

肩が楽に動くようになれば首にもいい影響がいきます。是非毎日お続けになって下さい。ヒトの体は生きている限り回復しようと働いています。
でもそのためにはいい刺激が必要です。悪い刺激が続けば当然カラダは歪んできますし内臓の働きも低下してきます。貴殿の感覚であればいい刺激か悪い刺激かすぐおわかりになるでしょう。ただその確認とそれがどの程度のものか見るためにもバンザイ検査を身に付けて活用していただきたいと考えています。

それから貴殿もご存知とは思いますが、人が受ける刺激の中で特に人の動きは呼吸と密接に繋がっており、呼吸との関連でカラダが固くなったりやわらかくなったりします。

                                     草々


132 鼻曲がり・ヘソ曲がり・ケツ曲がり   2004-4-2

鎖骨の位置が気になって調べていたとき、鎖骨が水平ならばその前提として顔の軸が垂直の筈の筈であると考えた。そしたら松井秀喜・中田英寿・松井稼頭央の三人が目立ってよかった。プレイをやっているときでも顔軸がくずれにくい。(顔軸は筆者の造語、顔面の縦軸を指す)動体視力ということばがあるが動体顔軸ということばを思いついた。

「松井選手に限らず一流の選手の多くは首が据わっている。立ったときのカラダの縦軸がしっかりしており、プレーの最中でも顔面は地面に対して垂直性をキープしている。そういった写真をしばしば見かける。もう1人の松井、松井稼頭央選手もいい。大リーグにいっても相当に活躍するだろう。」と2月に両松井選手のことを書いた。

その松井稼頭央選手が、なんと大リーグ初出場初打席初ホームランをやった。続いて二塁打を二本、最後は敬遠のおまけがついた。オープン戦では打率1割9分2厘、三振19本でチームで1番多く不振だった。

「現役を離れて随分経つが長島さんや王さんの写真はさすがにいい。」とも書いた。
その長島さんが脳梗塞で倒れられた。ある名人治療師の話だが倒れられる前、顔面が大きくゆがんでいたという。お手紙を差し上げようかと思った由。ところが筆者はどこがゆがんでいるのわからなかった。頭は真っ直ぐだし、立ったときの姿勢もいい。改めてよくよく見直すと頬のあたりが右と左で大分違って見えた。最近大きなストレスがあったらしい。

「鼻筋の通ったいい男」というけれど、なるほどなあと思う。顔の縦軸ー顔軸は鼻を観察するとわかりやすい。顔軸を見ているうちに鼻自体の曲がりがよく見えるようになってきた。鼻筋が通っているということはそれだけ左右対称であるということである。
星野仙一阪神前監督の最近の写真を見ると鼻が真っ直ぐになっている。
以前見た写真では彼も3段鼻だった。腕のいい治療師に掛かったのか、あるいは写真を修整しているのどちらかと推理している。

鼻が曲がっているということは背骨も曲がっている。背骨が真っ直ぐになると鼻も真っ直ぐになってくる。鼻が曲がっているとヘソも曲がっている。ヘソは身体の真ん中にあるものと思っていたが、鎖骨の中央と恥骨の中心を結ぶとヘソは右か左にずれている。これはTVでもやっていたが、5円玉を正面にぶら下げてヘソがどっちにズレているか見ていた。

鼻が曲がっているとお尻も曲がっている。骨盤がどっちかに傾いている。ケツ曲がりというのだそうだ。尾てい骨も左か右に曲がっている。鼻を指さして自分という。鼻は自分自身の象徴である。


133 ハイヒールを止めたら子宮筋腫にならないかも?   2004-4-10

「恋人の膝は檸檬の丸さかな」という川柳があった。いっぺんで覚えた。
こんな句が作れたらいいなあと思う。

「細すぎるそれじゃフトモモ名が泣くよ」といいたくなる貧弱な膝もある。
ダイエットのやりすぎだろうか?

ある20台の女性に質問された。「腰に違和感があるんですがどうすれば取れますか?」「ハイヒールを履いていませんか?」と聞いたら「ええ履いています」とパンツの裾を持ち上げて見せた。高い踵だ!10センチはある。
「何でハイヒールを履くんですか?」「お尻が落ちるのがイヤだから」という。
そこで筆者のハイヒール論を一席打って、「モモの前面が張りませんか?」と聞くと、「イヤー、張って張ってしょうがないんですよ」という。
同じ回答を数人の女性から得ている。

「明日からハイヒール履くの止めます。」といわれたのでヤレヤレである。ハイヒールを履いたらアキレス腱が圧迫される。
前に倒れそうになる。直立を維持するためにモモの前面が固く張るのは避けられないだろう。

つい先日のことだ。電車の席を立った女性の足下に目がいった。ひどい外反母趾だ。
外反部分が丸見えだった。当たると痛いから、母趾の外反部を逃がしている靴である。「こんなにひどい足になって、それでもまだハイヒールが履きたいんですか?」といいたくなった。ある気功道場で外反母趾のひどい女性を何人も見かけたことがある。
女性には外反母趾が本当に多い。健康スリッパというものがある。
足裏に突起が当たるようなのは前からあった。それに傾斜を付けたものを見た。
ハイヒールとは逆に母趾丘あたりが高くなっている。
履いてみるとオッこれは高いな思った。30度くらいかなと思ったら9度と書いてある。ハイヒールはアキレス腱を縮めるがこれは逆にアキレス腱を伸ばす。
存外、優れものかもしれない。

女性はある年代からハイーヒールを履かなくなる。美しさに対して強いこだわりを持つのが女性である。現代は足の長いのが美しいということになっている。
このこと自体がおかしいし問題だ。それはさて置いて、ハイヒールがカラダによくないといつ気がつくか?いつ脳がそのことを認識できるか?カラダはハイヒールがよくないことをとっくに知っている。でも気がついたときは遅いこともある。
外反母趾のひどいのは変形が30%しか直せない、元には戻らないという。お医者さんは子宮筋腫とハイヒールが関係があるなんて思いもしない。筆者はハイヒールを全廃にしたら卵巣膿腫も子宮筋腫もうんと減るだろうと思っている。


134 ハイヒールよさようなら   2004-4-16

足裏の研究で平澤弥一郎博士が有名である。先年亡くなられた。その平澤博士が実際にハイヒールを履いた体験を書かれている。

ヒールの高さが疲労などにどのような影響を及ぼすかについて婦人雑誌に掲載し、「ネコもシャクシも極端に高いヒールの靴を履く女性の気が知れない」と書いたところ、全国のご婦人方からわんさと反発の手紙が山ほど寄せられた。その抗議の内容のほとんどは「あなたはハイヒールを履いたことがないのに、女性の気持ちが分かるか」というものである。そこで高さ10センチの靴を作らせご自身が被験者となりそれを履いて実験した。

生まれて初めてハイヒールなるものを履いた。じっとしていられないほど不安定である。こんなものをよく履けるものだと、ご婦人方に感服。まず立つ練習。なかなかうまくバランスが取れない。5分も立っていると目眩に近いものを感ずる。しばらく立つ練習をしてから、床面・階段の上り降り・砂利道・ぬかるみ・アスフアルト・坂道を歩く。

激しい痛みが爪先から始まる。ついでお灸の三里のツボあたりが突っ張ってくる。
さらに腰痛が始まり、ミズオチ(胃)が痛んでくる。このあたりから、心拍数急激に増加し、血圧も上昇する。そのうちに首筋が硬直し始め、額から油汗。
ついに偏頭痛となって吐き気を催した。これ以上の実験は、気分が悪くなって、続行が不可能となった。
博士が35歳のときである。

その結論の第1はどんなに格好がよいと思っても、それは本人の勝手であるが、誰が見てもその人のからだに合わないヒールの高さの靴を履いていると、美しいからだ全体の機能的バランスが崩れてしもう。足はもとより、足首、ふくらはぎの形、腰や背骨の前わん、首筋、ひいては内臓にも影響を及ぼす。

第2は、極端に高いヒールの靴を履くと、情緒が不安定になる、情緒が不安定になると、顔はひきつったような表情に硬直する。眉間や鼻根に筋肉の異常緊張が生ずるからである。そればかりでない。イライラしたり、怒りっぽくなる。筑摩書房刊「足の裏は語る」より引用

博士は実験を重ねて通勤用婦人靴のヒールの高さは3〜5センチが適当という結論を出している。フランスの諺「足は全身を支配する」「足は健康を司る」の二つを紹介している。

太古、ヒトは裸足で大地を歩いていた。平地であれ傾斜地であれ、岩場であれ草地であれ、カラダは鉛直を常に要求する。なぜならそれが一番疲れないからだ。
ヒールを高くした靴はその感覚を狂わせる。足裏は地面と水平にあることが基本である。従って筆者はヒールの高さは3センチでも高すぎると思っている。


135 足のアーチはヒトの偉大なる発明である   2004-4-20

礼法に跪座(きざ)の姿勢がある。跪座は、正座から、両足を爪立てた姿勢である。
筆者はこの姿勢が辛い。母趾が曲がりにくい。何故こんなに固いのか?どうすればやわらかくなるのか?跪座で上下動やストレッチ風の動きをやったりといろいろ試みてはいる。筆者は腰も固い。一度固くした腰はなかなかやわらかくわならない。

母趾の固いのも腰が固いのも、原因は一つ、立ち方とその延長である歩き方と深い関わり合いがあると思い始めている。もちろん心理的側面・季節的な骨盤の開閉との関連も否定はしないのではあるが。膝を伸ばして着地すると膝を痛めやすいということは書いた。じゃ曲げればいいのか?ハイヒールを履いて膝を曲げている姿を見かけることがあるが格好はよくない。格好よくないけれどその方が自然でカラダにはいいと思われる。
平澤弥一郎博士ではないけれどハイヒールを履きこなすのは大変な作業だと想像する。

「踵で着地し爪先で蹴る」とウオーキングの本には大抵そう書いてある。筆者もそう書いたことがある。実は去年の暮れ12/25にギックリ腰をやっている。数年前までチョコチョコやっていたがもう何年もでなかった。前にやったときは骨盤というかお尻の右か左が痛かった。今回は違う。もっと上の腰椎の3番あたりの右側が固くなっており痛い。途中で手技の講習会があり仲間同士でやりっこすると落ち着くのだが翌日また痛くなっている。自分でもあれやこれや試すものの一時はいいのだが右腰の固いのが取れない。

原因はなんだろうと考えるた。どうも筆者の歩き方にあるらしい。筆者の右足と左足にわずかながら差がある。右足が少し外を向いており、仰向けになると右足先が長く見える。その分アキレス腱が縮んでいると考えた。つまり縮んでいる方を伸ばせばよい。それは歩き方で調整出来る筈と考え試していたのである。このとき意識して右踵から着地するよう心掛けた。ギックリ腰になったのは始めてから一ヶ月くらいしてからだろうか?

二週間ぐらいして痛みがほぼ治まった頃、腰に触って気がついた。背骨の際を触れたときだ右側が異常に固いのだ。丁度、2センチくらい幅で細長い板のように固く平らなのだ。今まで自分のカラダをこんな触り方はしたことがない。患者さんの背骨を見るときはやるけれど。ダンスを教えている方が患者さんとして見えたときこんな感じだった。その時はもっと幅広の板という感じだった。ダンスの選手権大会に出場を目指して猛練習をしていると聞いた。ヒトのカラダはよく使うところほど固くなる。過剰な刺激を溜め込むと筋肉が板状に固くなるらしい。

ほぼ痛みが消えたつもりなのに固さにビックリしている。
この文章を書きながら納得したことがある。足の開き角度と腰椎が関連していると教わったことを思い出した。筆者は直線平行歩きを心掛けている。そうすると腰椎2・3あたりに刺激がいくらしい。筆者は右重心である。この右重心をそのままに平行に歩くと腰椎の右上の方が固くなる。がに股の度合いが大きければ、あるいは体重の掛け方により腰椎の4・5あたりにくるだろう。腰痛の多くは腰椎の4・5番のパターンだ。

古典芸能。礼法ではすり歩きが基本である。足の裏がフラットに移動する。
着地の衝撃はほとんどない。踵から着地するということショックが大きく入る。
足裏の地面に対する角度にもよるが角度が大きいほど衝撃は高くなる。踵から着地するという表現は適当でないし不完全な表現である。つま先で蹴るというのも衝撃が大きい。
母趾はなるべく曲げない方がいいようだ。手の親指と同じらしい。ふんわりと地面から足を離すといい感じだ。

「踵で着地し爪先で蹴る」という表現はカラダを固くするということに繋がる。ましてや現代は地面の上を歩くことがほとんどなくなっている。
舗装された固い道路では更に衝撃が強くなる。
ヒトはこの着地の際の衝撃を緩和するために足のアーチを発明した。ヒトは直立二足歩行を身につける過程で10年以上も掛けて足のアーチを作っていく。

犬やネコは足にマメを作った。これも衝撃防止のダンパーであり、獲物をに近づくための消音装置を兼ねる。馬や牛は蹄で固い。そこで疑問が沸いた。
蹄だともろに強い刺激が入るだろうに、どうしてカラダが固くなるのを防いでいるのだろうか?四つ足だから衝撃が分散されるにしてもだ。「馬の背ゆらし」というワークがある。四つん這いで背中をゆらすのだが、牛や馬はこれで衝撃を逃がしているのであろうか?
そういえばこれを教わった先生がこれだけでカラダの調節が出来るといっていたのを思い出した。足のアーチはヒトが必要に迫られて編み出した偉大なる発明である。


136 毎日少し宛おやりください   2004-4-23

歩くことを始められた由、いいですね。是非お続けになってください。
人間は足から老いるといいます。老いは静かに、ゆっくりゆっくりやってきます。
私も含めて今の人たちはあまりにも歩かなくなっています。お尻や腰の筋肉・太股の筋肉等が知らぬ間に衰え愕然とします。

50歳を過ぎて運動不足が続きますとカルシュームをとり続けても男性でも女性でも骨に含まれるカルシュームが減り(特に女性)「骨粗しょう症」になりやすいといわれています。

運動不足の解消には歩くことが自然で一番です。それの補完としてフラミンゴ療法(片足立ち一分)とかスクワットもいいです。
雨の日や風の日は室内でやれます。姿勢が悪いと疲れやすくなり、歩くことを続けるのが億劫になります。〇〇さんの場合、背中が大分丸くなっていらっしゃいます。
この前やったような矯正体操を覚えて毎日少し宛でも実行された方がいいです。
それと固くなっている背中をほぐす体操も取り入れてください。

歩かれるときは直線平行歩きも取り入れて見てください。これだけでもバランスがよくなります。(参照お金の掛からぬ健康法5歪みの取れる一直線平行歩き)ただ普段使っていない筋肉も使うことになり人によっては足が痛くなることもあります。その際は最初は短い時間から始めて徐々に時間を増やしていってください。

ご参考に書いたものをいろいろ同封致しました。気軽に実行してみてください。まずやってみる、そしてご自分のカラダを観察しながらお続けになることです。変化がわかると面白くなります。必ず徐々に徐々にではありますが変わっていきます。でも時間が掛かります。やななければ老化に拍車が掛かることになります。毎日少し宛でもおやりください。わからないところがあれば何時でもお問い合わせ下さい。


137 腰の正しい位置というのは?   2004-5-2

腰の正しい位置について考えたことがありますか?まずほとんどの方がないであろう。
腰痛持ちの方だって、どうしたら痛みが取れるかと考えるけれども正しい腰の位置は?とは考えにくい。

姿勢教室のBROGで正しい腰の位置がテーマになった。以下はその転載である。「姿勢を真っ直ぐにして歩くと、前側のモモが張ってしまい痛いのです。解そうと思ってストレッチをすると、さらに筋肉痛になるのです。という質問をいただきました。

姿勢を真っ直ぐにしようが、颯爽とスタスタ歩こうが、モモに負荷がかかることはないので、自分では気付かないうちに力んでしまっているのだと思います。でも、どうして力んじゃうのか?

それは、腰を置く位置が間違っているから。腰の位置が前後にずれたまま背筋や膝を伸ばすと、その中間にあるモモが全てを調節しようとしてよけいな筋肉を使ってしまうことがあります。ストレッチの時も、腰の位置がずれていると本当はもっと伸びるのに途中で固まってしまいます。お心当たりの方は、腰が上を向いたり下を向いたりしないよう注意してください。腰の正しい位置がわかると、太股の余計な筋肉がなくなって細くなり、ついでにお尻の筋肉も締まって小さくなります。」

「腰の正しい位置はどうしたらわかりますか?」これは筆者の質問。どういう回答が出るか興味津々だった。果たして自分が回答者だったらどう答えただろうか?「腰の正しい位置、そうですね、説明するのは簡単ですが、実際にその様に体が使えるかどうかは別問題ということもありますけど。よく、腰が歪んでる、腰が歪んでると耳にしますが、正しい腰の位置を知っていないと始まらんですよね。正しい腰の位置って以外に分からない人が多いのかな?

ではまず、
1.パソコンの前でリラックスして真ッすぐに立ってください。
2.その状態で両手を腰に当て、腰骨の前側をグッと持ち上げてください。
3.今度は、後ろにある仙骨を下に向けてください。

ハイ、これで完了!今の状態が正しい腰の位置です。
「臀頭」臀部と頭部の対立(姿勢の原則)について書いてきた。
今回ここでいう正しい腰の位置は腸骨の前側と後の仙骨との対立と受け止めている。
こういう表現をされた方に3人出会っている。
いずれも優れた身体感覚をお持ちの方々である。


138 左右対称性を失う程にカラダは不具合・不調になる   2004-5-10

4月の始め、週1でカラダを診ている美容師のNさん、右肩が痛いという。
聞くと昨日実家の枝下ろしをやった由。背骨を見るといつも左に曲がっている胸椎の2番が真っ直ぐなのである。美容師というのは左手を余程酷使するらしい。
毎回、真っ直ぐにするのだけれど翌週にはまた戻っている。
それが今日は右肩に固くコチンコチンの部分がある。

健康雑誌に載っていた手の指の股叩きを試みる。指と指の間をもう片方の手で指を伸ばして空手チョップのように20回くらい宛叩くだけである。自分の手で試して見ると右と左で逆になるかと思ったらそうではない。注意するのは指の股に対して垂直に叩くということだけである。ただ傾斜を付けて叩くと左右が逆の結果になる。指と指の間の広がり具合も右と左では違う。筆者の場合は右手の中指と薬指・薬指と小指の間が固く左に較べると間隔が狭い。この固く開きにくいところは20回ではなく60回くらいあるいはそれ以上叩くといい。開きやすくなり、右と左の差がが少なくなる。

早速Nさんに試みた。敏感なNさんならすぐ結果が出る。結果は右肩にあった固いしこりがきれいに消えた。正直いってこんなに効くとは思っていなかった。
肩こり・寝違い等、腱鞘炎も効くだろう。

ゴジラこと松井選手は右打ちで、イチローは左打ちの逆スイングで調整するという。Nさんは実家の枝下ろしでノコギリを使ったことで左手酷使の調整をやったことになる。右肩が痛くなったのは普段使っていない筋肉の使いすぎによる単純な筋肉痛である。

筆者は「左右対称性は生命の規準・ヒトとしてのの原点」といっている。
ところが「左右が対称なんて絶対あり得ない」といわれたことがある。
確かにその通りである。心臓は左に寄っているし大腸・小腸は対称で付いていない。
腎臓だって右は縮むし左は肥大してくるのだそうだ。手や足だって右と左では大分違っている。

厳密にいえば現実の世界では同一の存在はあり得ないし、全くの左右対称も否定される。しかしそもそもひとつの受精卵が二つになり四つなり八つになりと分裂を繰り返し、その結果60兆といわれる細胞によって人体は成り立っている。
故に「左右対称性は生命の規準・ヒトとしてのの原点」という。

ヒトは重力が支配する三次元世界に住む動物である。直立二足歩行という縦長のスタイルになったが故に重力の影響を受けやすくなっている。従って筋力の衰えはもろに効く。
年ととに歪みは大きくなり人体は左右対称性を失う程にカラダは不具合・不調・痛みやコリが発生する。
それは食事や健康食品、薬物療法・心理療法ではカバーしきれないものである。
筋肉・骨格の運動器官は限りなく左右対称であることが望ましい。


139 カラダはねじれてくる   2004-5-15

5/8のことだ。カラダが右に大きくねじれている。100米くらい前方の木にカラダの正面を合わせて出来るだけ上半身の力を抜いていくと顔が約45度右方向を向く。
無論、真っ直ぐ正面を向くことは出来る。ちょっと上下に伸ばすだけでいい。

今までもねじれていたがこんなにねじれたのは始めてである。自分で調整を試みる。
呼吸を合わせて、右にねじり左にねじりすると真っ直ぐになってくる。
取りあえずは真っ直ぐになるのであるが、歩いたりカラダを動かすとまたねじれてくる。何度も何度も繰り返した。何故?原因は?

背中が丸くなってくるとカラダが捻れてくると聞いてはいた。確かにそうだ。
これは納得である。右半身と左半身は固さが違っている。
引力の法則は右も左も同じに働くだろうが、やわらかい方に大きく影響する。
故に年ととに筋力が衰えるととに背中は丸くなり捻れは大きくなってくる。
頭部の位置もねじれの原因になる。首が前に倒れていても顎が上がっていても、右と左では差がある。それがねじれの原因となる。右が固くなるか左が固くなるかについての心理的要因からの見方は既に書いた。

骨盤の左右差を見ることを教わっているが、これも慣れないとわかりにくい。
仰向けで骨盤の床面に対して左右どっちが低いか高いか?足方向に対して左右どっちが上か下か?傾き具合の左右差はどうか?毎日自分の骨盤を触り続けて漸く分かるようになった。筆者の場合、床面に対しては右が低く、縦方向は左が下である。それも単純ではなく左上部が右に比しより大きく後に倒れている。右も後に倒れているが倒れ方が浅い。

ところが立つとまた違ってくる。立ったときは仰向け時とは逆に右側が前に出ている。
その調節のためか左胸が前に出ている。それだけでは調節できないのか頭部が更に左にねじれている。自分の骨盤が見れるようになってきたら骨盤が季節によって変動するんだということも手の感触でわかるようになってきている。

翌日になって思ったことがある。
1、浮き身らしきことを体験している。それだけ余分な力が抜けてきているということで  ある。これはうれしいことだけど45度もねじれたんでは?!
2、歩き方とカラダのゆがみが密接に関係しているし、立ったときの重心の掛け方によっ  て、ゆがみが出てくるのも気がついている。
3、骨盤の左右差があるのもわかっている。それも影響している。

以上3点の結果が45度のねじれとなったというのが現在までの結論である。
何のかんのといっぱいいろんなことを書いてきたが、自分はまだちゃんと立てていないということである。


140 膝をゆるめる   2004-5-24

「おや!?」と思った。母趾が楽なのだ。跪座(正座から両足を爪立てた姿勢)が楽にできる。いつも出来るわけではない。最近、楽に出来るときがある。礼法に跪座(きざ)の姿勢がある。筆者はこの姿勢が辛い。母趾が曲がりにくい。

「母趾はなるべく曲げない方がいいようだ」と先月書いた。ところが書いてからすぐ気がついた。礼法では腰を下ろしての動きは跪座で行う。母趾を曲げて行うのだ。礼法はすべて歪みのでない動作・合理的な動きで構成されていると筆者は見ている。そうすると母趾は曲げて動いた方がいいのか?とすると、母趾が固いのは筆者の動作のどこかにまずい点がある筈だ。礼法教室に参加されている方に聞いても最初は固かったという。じゃ、どうしてやわらかくなったのかと聞いても具体的な回答が返ってこない。

「母趾の固いのも腰が固いのも、原因は一つ、立ち方とその延長である歩き方と深い関わり合いがあると思い始めている。」とも書いた。ウオーキングの本などで膝は伸ばしてとか、歩幅を大きめに、汗ばむ程度のスピードでとか書いてある。足腰の強化や心肺機能の維持とか運動不足の解消には、この表現でいいかもしれない。ところが筆者がこれで歩くと脚部が緊張して固くなってくる。

歩くときも立つときも「膝をゆるめる」ことが今の筆者にとって必要らしい。
カラダの固い方・緊張しやすい方は試してみたらいい。もちろん膝をゆるめるといっても程度がある。ゆるめすぎたら姿勢が悪くなる。通勤途中の人々を見ると大抵は急ぎ足・若干の前傾姿勢で膝が伸びすぎているように見える。ストレスを感じたとき膝に力が入っている。そこからゆるめればいいのだが膝に意識がいかなず緊張しっぱなしになる。

歩くということは通常であれば右足と左足が交互に緊張と弛緩を繰り返す。
緊張しやすいタイプの方はいつも膝に力みがあると思われる。
膝を緊張させて歩いていれば強すぎる刺激がいつもカラダに加わわるることになる。
急いでいるとき。性格的にせっかちな方・ハイヒールを履いているとき・ストレスを感じているときなど、ゆるめるときに、つまり足を上げたときもゆるまなくなる。
それが重なると慢性的に固い足腰になってくる。

「臀頭」はお尻と頭を対立させる、正しい腰の位置は骨盤の前と後の仙骨を対立させる。この対立はわずかであっても緊張を加えることである。そうすると膝がお留守になりやすい。片方で緊張を入れて片やゆるめるという相反する行為を同時に行うことは、やはり訓練が必要となってくる。お尻と頭あるいは骨盤の前後に程良い対立を維持しながら且つ膝をゆるめること、これが姿勢のコツといえるかもしれない。そこに絶妙なバランスが生まれたら、それが武術でいう「浮き身」というものにつながると考えている。


141 〇〇さま背中がえらく丸くなっていますよ!   2003-6-2

いつもお世話様で御座います。最近、気になって気になってしょうがないことがあります。気になりだしたのはここ半年くらい前からでしょうか?それは貴方様の背中が目立って丸く見えてしょうがないんです。最近はいつもそう思ってしまいます。

正面からですと顎の先端が両肩を結んだ線上を離れて下にあります。横から見ますと耳のラインが肩より大分前にあります。典型的なお年寄りのスタイルになっています。
今日は疲れていると仰ったことがありました。当然だと思います。
今のお姿ですと疲れやすくなります。ヒトは地上に降りたとき、食べ物の採集と外敵から身を守るためにも長い距離をとにかく歩かねばなりませんでした。
その結果、一番疲労しにくいスタイルとして直立二足歩行を選ばざるをえなかったと考えています。カラダは曲がってくればくるほど片側の負担が大きくなり疲れやすくなるものです。アフリカのある種族では女性が水源地から水を運ぶのに30キロはある水瓶を頭上に載せて運ぶ絵を見たことがあります。彼女らの姿勢のみごなこと、いいお手本になります。

お金の掛からぬ健康法その2〈楽に出来るいい姿勢〉に書きました。
http://kokyujyuku.web.fc2.com/okk/kenkoho2.htm頭は5〜6キロもあり、からだの1番上にあります。背中が丸くなってきま71すと年をとるにつれ筋力が衰えますから猫背がどんどん加速してきます。いかに高い精神性を持つにいたっても、カラダは三次元世界の物です。重力の影響は不可避です。EAVで50のカラダになったとしても逃れられないことでしょう。

EAVで50より数字が大きくても小さくても不可、「50」がベストであり中庸と調和を表しているという考えに共鳴しています。
しかしこの三次元世界では、ヒトの中庸・調和は姿勢を真っ直ぐにして立つことにあります。まずは〈楽に出来るいい姿勢〉をお試し実行されることをおすすめ致します。
やり方はおしりと頭をちょっと対立させるだけ、頭部を脊柱の延長線上にスーッと持ちあげて、それと逆方向に臀部をわずかに引きながらその状態を持続します。

姿勢は姿の勢いと書きます。姿に勢いが感じられるようになります。
オーラの見える方だとオーラが変わったというでしょう。
「胸を張れ」とか「背筋を伸ばす」「顎を引け」とか、いろんないい姿勢についての表現があります。私の場合それらの表現では長続きしませんでした。
でもこのやり方だと楽に出来て今も続けています。やっていると、いい姿勢のいろんな表現がその中に適切に含まれているのだということに気づきます。是非お試しください。
やってみると楽に出来ますよ。そして疲れにくくなり歪みや狂いも次第に取れてきます。


142 ツボにはまる   2004-6-10

ツボをつかった治療法を教わった。これがよく実に効く。一カ所でもすごいと思う。
ツボを二つ組み合わせると更によく効く。敏感な方だと触った瞬間に変わる。何千年も昔、顕微鏡もその他の測定具もなんにもない時代によくも発見したもんだと思う。古の人々がすぐれた直感力に感銘を覚える。

4/17母が入院したとの連絡があり帰郷した。姉にも来てもらった。姉は右手があがらないという。両手を上げると右手の肘が肩のあたりまでしか挙がらない。そこで先ずは姉からと憶えたばかりのツボを使ってみた。最初にふくらはぎの外側にある膀胱経のツボー飛陽に中指で軽く当て右と左の固さが同じくらいに感じられたら次だ。それから手首のところにある肺経のツボ列欠に拇指を当てる。これも軽くである。イタ気持ちいいよりもっと軽い。時間にして一分は掛かっていないと思う。手を挙げさせると見事に両方挙がって姉はビックリであった。

母は転倒して頭をぶっつけ出血もひどく三針も縫ったという。顔面は斑て色変わりのパンダみたいに見えた。足が赤ちゃんの足のように膨れてしかもブヨブヨである。自分で寝返りも出来なくなっている。運動操法はやりにくのでツボ、それも手や足のツボを使っての治療をする。ツボのバランスが取れてきたので足のむくみは直に取れるだろう。
6月にはいって間もなくまた母の足が膨らんできたという。

6/11帰郷。前ほどには膨らんでいないけれど、母の足に触れると氷のように冷たい。
そこで足の裏にある湧泉という腎経のツボに拇指をあて中指を甲にして母の足を挟み、軽ーくゆらした。これは姉にやってもらった。これも1分くらいかな。
すると足に温もりが戻ってきたのである、裏側が先に温かくなり次いで表側も温かくなった。そしてやっていない右側も温かくなってきた。
これは足の冷える方・むくみの出やすい方にはオススメの法である。

姉の肩である。4月の時点で挙がるようになったのだが2日くらいでまた挙がらなくなったという。ムリをしちゃいけないよといってあるのだが、痛みが取れると治ったと思いすぐ以前と同じように使い出す。するとまた痛み出す。痛みがなくなっても、しばらくは「安静」にしておく必要がある。痛みがひどくて昨日お医者さんに注射をしてもらった由。聞くと前に教えた「合掌両手ゆらし」「おしゃかさまゆらし」は、やっていないという。手を挙げさせるとやはりイタイという。また「合掌両手ゆらし」「おしゃかさまゆらし」を教えてやらせる。3回くらいやって手を挙げると少し痛みが残るというのでまた3回くらいやっただろうか。手を挙げさせると今度は痛みがなくなっていた。注射をうってもらうよりこの法を毎日やった方がいいよといって帰ってきた。

ツボはビックリするくらいよく効く。施術を終わって姉はいった。「頭の方も治らないもんかのう」母は目の前に自分の息子がいるのに誰だかわからないほどにボケている。
ところがツボがあんまり効かない人もいる。友人の鍼灸師は死にツボがあるのだという。ツボが発見された当時に較べれば環境が悪くなっている。
水や空気もよごれ食物も力が弱くなっている。
効率重視・利益優先の現代にあってストレスも比較できないくらい大きくなっている。
ムリを重ねたカラダにはツボ療法が効かない、あるいは効きにくくなっているのであろう。


143 あなたも脳梗塞になるかも???   2004-6-17

昨年だったかエコノミークラス症候群なるものが話題になった。狭い飛行機の座席でカラダを動かさずにじっとしていると、立ち上がって歩き始めた途端、胸が苦しくなって倒れてしまうのだそうだ。エコノミークラス以外の座席でも起こるし、列車やバスでも起こることがあり、旅行者血栓症と呼ばれている。タクシーの運転手が肺梗塞で亡くなり、労災認定を受けた例がある由。

これは脚部の血流が悪くなり、足の静脈にできた血栓が歩き始めたときに血流に乗って肺に行き、そこで血管を詰まらせてしまうのだそうだ。呼吸困難から死に至ることも珍しくなく、成田で年間に150件も起きているとか。

飛行機の中はとても乾燥していて、湿度は20%以下これはサハラ砂漠よりも乾燥した状態という。そこにいればいるほど大量の水分が失われる。体の水分が失われると、血液の粘り気が増して血栓ができやすくなる。

エコノミークラス症候群は何も乗り物だけの話ではない。
デスクワークの方はみな可能性がある。特に空気が乾燥している冬季、それと空調完備のオフイスは要注意ということになる。家庭にあってもエアコンは普及している。
PC・読書・書き物等同じ姿勢を何時間も続けるのはよろしくない。
対策としては当然、適度の水分の補給とカラダを動かすこととなる。
そしてもう一つ大事なのはカラダのバランスを調えておくことである。
姿勢が悪くカラダの歪みが大きいほど発症する可能性が大きくなる。

ところで「居職」ということばをご存知だろうか?筆者は知らなかった。
辞書を引いたらちゃんと載っていた。自宅で座って手仕事をする職業・職人をいうとある。同級生にハンコやさんの子がいた。そいつの家の前を通るとおやじさんが小さな作業台でいつも彫っていた。朝から晩まで毎日同じ姿勢でカラダをほとんど移動せず作業をやり続けるわけだ。

「ナンバ歩き」が大きく話題となっている。
明治より前、日本人はそういう歩き方をしていたのだとか。
歩き方をはじめ日本人独自のカラダの使い方が存在していたのだという。
居職の方々が特に早死にするという話も聞かない。恐らくそんな調査はやっていないだろう。事実はわからない。わからないが職人は自分の仕事に誇りを持つていた。
仕事に打ち込んでいれば悩むこともないだろうし、エネルギーロスも少ないはずだ。
文字通り小手先の仕事であるけれど全身につなげてやっていただろう。
いい仕事をするということはいい体の使い方につながる。故に環境事情は現代よりも数段よかったにしても脳梗塞になりにくかったのだと思っている。


144 伝統食の食事相談をやりたいのですが・・・   2004-7-2

食生活やハープテイなどの相談という仕事をやりたいというお手紙をいただいた。
若い女性30歳くらいかな。4月から短大生に混じり勉強をやられているとある。
お手紙ではこの方の拠って立つ根拠というか基盤がわからない。
そこで聞いた今、何を勉強されているのですか?栄養士みたいな資格をとられるのですか?。あなたが相談を受けられたとき、この食品を取った方がいいですよというときの根拠は何でしょうか?

1、Oリングで決める。
2、EAVやMRA等の器械でみる。
3、東洋医学の体質診断でみる。
4、マクロバイオテイックの立場でやる。
5、分子栄養学による。
6、システム販売等で惚れ込んだ健康食品を強力にすすめる。

「私は大学の時に管理栄養士を専攻しており、その頃取得しました。
社会に出て生活するうちに、だんだんと食生活や健康が身近に感じるようになりました。また冷えやアレルギーがあり、病院で薬というより自分で直りたいという気持ちが好奇心となって、マクロビオティックやら陰陽調和料理やらを学ぶことになりました。
それから続いてホリスティック医学協会の講座を受けたりもしました。

マクロや伝統食の考えを学んでいると、西洋栄養学には興味ない、なんて思っていたのですが、ホリスティックを学んでいるうちに、もう少し広くものを見られるようになりました。その後ハーブティを学んだり、アロマテラピー(ほんのちょっと)を学んだり。
そうこうしているうちに、管理栄養士の資格が宝の持ち腐れなんじゃないかと思いはじめまして。ただその資格を生かすなら、勉強しなおさないとずうずうしすぎる、ということと、体の仕組みを知りたいということがあったので、この春から短大で聴講しています。
そして、食や健康にかかわったお仕事をしたい、という目的をもっています。

お食事相談は、マクロや伝統食などのような日本人にあった食事の考え方が基本です。
マクロではなく、もっと気楽なもの)それにプラスしてハーブティを考えています。
いろいろアドバイスありがとうございます。また何か思いついたら、どうぞよろしくお願いいたします。」日本の食糧自給率37%、主食とすべき穀類の自給率27%と聞くと絶望的になる。食糧事情が乱れに乱れている。その37%の食物も農薬・化学肥料の大量投与で生産された物がほとんで、いろんな難病・奇病が続出するはずである。
こういう日本にあって若い女性が伝統食による食事相談をやりたい由、日本の将来も少しは希望が持てると思った次第。


145 正しい食べ物とは?   2004-7-10

中国には医師を上医、中医、下医という3段階に分けて評価する考えがある。
食事で病気を治す人を上医、漢方薬で治す医師を中医、、現代医薬品を使って治療する医師を下医と言い、上医を食医ともいう。
上医は未病を、中医は発病直前に、下医は病気になってから治すといういい方もある。。「食を以て未病を治す」これが出来たら最高だなと思う。でも大変難しいことでもある。百家争鳴ということばがあるが、お水にしてもお塩にしてもあれがいい、これがいいと随分と賑やかである。

「身土不二」ということばも最近は割と知られるようになってきている。身体と土は一つの物であり、住んでいる土地で出来た食べ物が一番身体に合っているという考えである。そんなの当たり前で常識と思うのだが、今の日本の食糧自給率が37%とかいわれている。37%ですよ。大変な数字である。先日も居酒屋で枝豆(茶豆)を頼んだらこれがうまかったので「新潟の豆ですか」と聞いたら、中国からの輸入物だった。お水でさえ輸入したものをお金を出して買って飲んでいる有様である。

食物はカラダの材料であると同時に日々のエネルギー源でもある。筆者は心身息一如といっている。それは心身息食一如と食をも包含している。心と身と息と食は一つのものである。その内の一つが変わると他の三つが変わると考えている。
体質は基本的に食物が決定する。遺伝的な部分は母親の食物によると考える。

30何年前、マクロビオテイック食それも玄米7号食という炒り玄米のみで他の食物を一切摂らないという過激なものをやったことがある。それでこれまでに味わったことのないのないような爽快な気分・軽くしなやかな身体を手に入れたと思った。しかしそれは長続きしなかった。反動がきた。砂糖中毒となり心身不調に長いこと悩み格闘した苦い体験がある。人様の食事を指導し実行させていくことに難しさが先に頭に浮かぶ。
日本の昔からの食事がいいですよくらいは、いうものの我ながら消極的である。

現在の筆者はマクロビオテイックとは若干の距離を置いているが、基本的な考え方には全く賛成である。

1、身土不二伝統のの食べ物(日本産の穀類や野菜)を摂ること。自然ならざるものは摂  らない(輸入物の食品・肉・牛乳・合成添加物等)
2、一物全体未精白の穀類を主食とし、よく噛んでたべる。全体食、部分でなく命を丸ご  と頂く。「命から命へ」そのためにも穀類が最適である。
3、陰陽バランスをとる。マクロビオテイックの食物陰陽分類がある。玄米ご飯・味噌   汁・漬け物・煮しめくらいで副食品は多く摂らない。季節の果物は摂っても少量に止  める。
4、食べ物が心身もつくる。人は食べ物のお化けである。
  肉を喰えば憎らしくなり野菜を摂ればやさしくなる。
5、動物生命は植物生命によって支えられている。

長寿県として有名な沖縄に異変が起きている。2000年度の府県別平均寿命では女性は1位となったが男性は前回の5位から26位と大きく後退した。特に50代以下の若年世代の死亡率が高まっているためと報じられた。同県では「心疾患・脳出血・糖尿病などの死亡率の上昇が理由と思われる」としている。沖縄が返還されて32年、食事が本土と変わらなくなり生活習慣病が急増してきている。

マクガバン報告というのがある。1977年に発表されたアメリカ上院栄養問題特別委員会の報告書で5000ページに及ぶ膨大なものである。医療の進歩にも関わらずガンや糖尿病・心臓病などの生活習慣病が多発、アメリカの国民一人当たりの医療費は世界一となりこのままではアメリカは破綻する。ガンや心臓病などの増加は食生活の誤りであり、肉、卵、乳製品、砂糖などの摂取を控え穀物と野菜中心の食事にするようにと提案をした。
このマクガバン報告では日本の伝統食を高く評価している。このように食事が改善されると、アメリカの医療費は3分の1にまで下がるとか。当然であろう。

このマクガバン報告の発表以来、徐々にメリカ人の食生活変わってきている。
日本食の人気がでてきてニュースに取り上げられたことが何回もあった。
クリントン前大統領もハンバーガーを止め豆腐中心の食事に切り替えスマートになったとか。マクロビオテイックのことばにしても最近割と見かけるようになってきたが、日本よりアメリカの方で名前が知られているくらいだ。

桜澤如一の弟子である久司道夫がアメリカの食生活、代替医療、健康法に多大な影響を与え、アメリカの歴史に大きな潮流を作ったと評価され、1999年スミソニアン博物館に殿堂入りしたと聞く。かって桜澤如一は日本での玄米食普及に見切りをつけ、舶来崇拝の日本は外国からの逆輸入の形が早道と日本の青年を海外に何人も送り出している。
そして自身も外国での普及を始めたのである。丁度、筆者が上京した頃である。
桜澤如一は筆者が大きな影響を受けたお一人であるがその時会えず、そのまま会わず仕舞いになった。
そして今や彼のことば通りアメリカでマクロビオテイックのことを知り玄米を食べ始めた人も出てきている。

78歳で虫歯一本もなし、全部自分の歯だという方に会った。幼児のころ祖父母に預けられて孫可愛さに甘いものを沢山たべさせられて歯がめちゃめちゃ悪かった。それが実家に戻ってから甘いものは一切与えられなくてそのかわり鮪の頭を圧力釜で煮て毎日喰わされた。当時は父を恨んだけれども今は逆に感謝している由。もうお一人62歳の男性この方も虫歯が一本もなく全部自分の歯とか、牛乳をこの40年間飲んだことがないといっていた。


146 長岡式酵素玄米はご存知ですか?   2004-7-15

長岡式酵素玄米というのがある。炊いてから 4日間、専用のジャーに入れて、毎日一度空気を入れて、発酵させる。1週間でも10日でも腐らない。かえってパワーアップするのだという。それに消化がいい。講習会に出席し教わったとおり兎に角正確に炊くことが大事で、我流になると発酵が悪くなるのだとか。講習を受けると「長岡式酵素玄米飯炊き方直伝の証」というのが渡される。B5、6ページの薄っぺらのものだ。
二度目に始めるとき見つからず再発行を頼んだら「そういうものではない、もっと大事にしなさい」ときつくいわれてしまった。この文を書きながら思った。
食というものに感謝を忘れている。食事のとき、「いただきます」という習慣があった。命をいただきます。ということである。この文を書きながらこのことを忘れていたことに気がついた。食事のときは必ずいおうと決めた。

酵素の問題は重要である。体内の生命活動は酵素なくして成り立たない。持って生まれた酵素は有限である。使い切ったら終わりである。肉食の人の老化が早いのも、酵素を浪費してしまうからとか。野菜や果物で酵素を補給していかねばならないといわれている。
この長岡式酵素玄米なら酵素不足の心配はいらないだろう。

筆者はこの長岡式酵素玄米を川越のシテイホテルのレストランでバイトをやっていたおばさんにすすめられて知った。
自宅によばれて長岡式酵素玄米を食べさせてもらい、酵素玄米の本部を紹介された。
本部は川越にある。道具を一式買いそろえて始めたのだが、その時は二年位は続けた。
その後、ボケが出始めた母と同居することになり、ほぼ4年みっちりこの長岡式酵素玄米をやったことがある。。電気釜の使い方を忘れてしまっていて、新たに憶えられない。
鍋も家中の鍋を何度も焦がした。火を使っているのを忘れてしまうのである。
この酵素玄米を炊いておくのが筆者の仕事になった。一回炊くと腐らず何日も保ったしその点は重宝であった。ある朝、トイレに入るとそれはそれは見事な子供の片腕くらいはありそうなウンチがでんと一文字に落とし口を占拠していたことがあった。
大きすぎて流れないのである。割り箸で押し流した。

どんなにひどい便秘も3日で治るとか納得である。マクロビオテイックでは玄米を陰性でもなく陽性でもない中庸としてすすめている。
筆者は玄米との相性がいい。ところが玄米が合わない人もいる。昔、玄米の試食会に参加したときのことである。若いご夫婦とご一緒した。旦那の方はうまいうまいといって食べていたが奥さんの方は匂いを嗅いだだけで吐き気がすると一口も食べられなかった。
あとで肝臓の調子が落ちている方・肉を沢山食べてきた方がそうなると聞いた。

この長岡式酵素玄米は前に紹介したEAVで測定すると誰でもほぼオール50のベスト数字にする数少ないすぐれた食品の一つである。「玄米には不思議な力がある」といわれる。長岡式にすると更に威力が増大するらしい。


147 おすすめの本「食民地」   2004-7-20

アメリカに餌づけされた日本「食民地」という本がある。著者は「買ってはいけない」という本で有名になった船瀬俊介さん、出版社はゴマブックス株式会社2002年にでている。なんともショッキングな本で読むとギョッとする。

筆者はマクロビオテイックとご縁があり、この辺の知識は持っていたが、それでもショックを受けた。書かれていることは事実と受け止めた。マクロビオテイックなんて知らない方が読んだらあまりにも偏向的ととるかもしれない。

以下表紙裏に書かれたことばを紹介する。「戦後、日本人の食生活は文化の流入とともに欧米化してきたという定説は誤りである。そこにはアメリカ政府と巨大資本の意志と作為とが働いており、日本人の胃袋はアメリカにとって格好のマーケット、いや食民地となってきた。狂牛病、環境ホルモン、食品添加物・・・その結果が日本人の心身の健康を脅かしているのだ。」

第1章アメリカの対日小麦戦略―余りもので餌づけされた敗戦国・日本「日本人はパンを喰え!」と、舌を巻くほど巧妙狡猾に「餌づけ」戦略は実行された。そして圧倒的な勝利を収めたのだ。
第2章暴かれた牛乳神話―教え込まれた「カルシウムの宝庫」のウソ「牛乳はカルシュームの宝庫」と、いまだに無邪気に信じている日本人の何と多いことか。その虚妄はいまや完全に崩壊している。

第3章ポストハーベスト農薬―アメリカの国益のために生贄にされた日本人
第4章日米レモン戦争―アメリカに対する服従の証として呑まされた農薬
第5章食品添加物の恐怖―日本人が盲信したアメリカ石油化学
第6章餌づけは明治維新から始まった―日本人を肉食へと導いた欧米コンプレックス
第7章狂牛病パニック―世界を陥れた利潤優先型生産サイクルの恐怖
第8章世界を侵略するジャンクフード―世界の食文化が向かうアメリカ一極支配への道

アメリカの食文化侵略は、南洋の孤島にまで及。ハンバーガー、コーラー、スナック・・・・など。そしてそれまでなかった肥満による糖尿病、ガン、アレルギー、さまざまな病気が原住民を襲っている。

最近、食品の原材料の表示に化学調味料なる表現が消えている。
調味料(アミノ酸等)となっている。一昨年だったかアミノ酸が健康にいいのだと大きく騒がれた。その昔、グルタミン酸を摂ると頭がよくなるという流説があった。
これらは化学調味料メーカーの謀略であろう。合成品が身体にいいわけがない。
食という字は人に良いと書く。それなのに人に悪い食物がいかに多いことか。


148 赤ちゃんの主食は母乳、ヒトの主食は穀類です   2004-7-22

「恐るべき君等の乳房夏きたる」これは川柳ではない、俳句である。西東三鬼という俳人の句である。最初この句に出会ったときはショックだった。これも俳句なんだと。

巨乳・爆乳・スイカップと週刊誌で騒いでいる。これもミルクで育ったせいと思われる。哺乳類で乳房の大きいのはヒトなんだそうである。体重比か体積比か忘れた。
野生動物は乳首がちょこっとくっついているだけだ。犬やネコもそうだ。
ホルスタインは別だ。あれはミルクを搾り取るために人間がつくった奇形である。
ヒトの乳房がなぜ大きくなったか?「シンメトリーの男」を書いた竹内久美子さんが面白い学説を紹介している。お猿さんは繁殖期になるとお尻を赤くして伴侶募集中とPRする。ところがヒトは直立二足歩行をするようになりお尻を見せることができない。
それで乳房をお尻の代わりに大きくして雄を惹きつける道具にしたのだという。

ところがオッパイの出ない女性が増えている。これも増えすぎてニュースにならなくなっている。弟の嫁さんなんかは三人子供を産み、三人とも全員ミルクで育てた。乳で育てるから哺乳類なのに自分のお乳で育てられない。これも食生活の乱れから来る退行現象と思っている。赤ちゃんが生まれて乳房があるのにお乳が出ない、乳房は単なる観賞用に成り下がっている。一時、母乳から悪い成分が出ているとか、ミルクの方が赤ん坊の発育にいいとか、まことしゃかな流説が盛んだった。これも謀略くさい。母乳が赤ちゃんにとって最高のものであると最近いわれだしている。こんなことは当たり前のコンコンチキでしょう。WHOはすでに1974年、「人工乳による保育をやめて、自然な母乳保育に戻ろうと」と特別決議を行っている。

父親は筆者の生まれる前、昭和の初め牛乳屋をやった。乳牛の飼育から牛乳の小売りまで、当時としては先進的であり父はこれに賭けたのだろうが当然ながら失敗した。日本の風土気侯に合うわけがない。その当時のことだ、車はないしリヤカーで遠くまで配達したとか。ガランとした大きな牛舎が有ったことを憶えている。

牛乳は完全栄養食品として、特にカルシュームの摂取というと医師も保健所もすぐ牛乳を摂れという。国の方針で牛乳を飲むことが推奨されている、そういわないとまずいらしい。アメリカから飼料用穀類を買わされており、牛乳の消費に二重三重の補助金が出ているとか。その結果、アトピー・骨粗鬆症・生活習慣病等々の増加を招いているとしたら、まるで漫画である。

日本人の多くはは離乳期を過ぎると乳糖分解酵素がなくなるのだとわかっている。
世界中で8割の人が乳糖分解酵素をもたないとといわれる。
わずかに北欧系のみが成人してももっているとか。この乳糖分解酵素をもたないということは牛乳は飲む必要がない、というより飲んではならないのである。
消化集吸収出来ない食物それは人体にとって毒にしかならない。消化できない蛋白質を異物と見なし体内に抗体が出来る、これがアレルギーの反応のスタートである。

アメリカの保健施設では「妊婦および授乳中の母親は、牛乳および乳製品をとらないように」とか「乳幼児にはなるべく牛乳を飲ませないように」と指導されているという。
昔、「牛乳は牛の赤ちゃんが飲むもので人間の飲むものでない」といったら大きな声で笑われたことがある。今は笑われない。牛乳有害であることが少しは知られてきている。
乳糖分解酵素がなくなると澱粉分解酵素が取って代わる。
これからしても穀類主食論は当たり前の話となる。


149 タマタマとムスコは左側に置け   2004-8-2

普通、足裏のことなんか忘れている。でも立つこと・歩くことに関心を持っていると足裏に意識がいくようになる。そうすると次第に敏感になりいろんな情報が送られてくる。

学問的には先に紹介した平澤弥一郎博士が研究されている。博士はピドスコープ(接地足底投影装置)を開発された。この装置の上でいろんな姿勢をとり、その時に接着している足の裏の形を正確に撮影しそれを解析する。「接地足せき面積と直立姿勢の安定性について」によって1960年彼は医学博士となった。スタシオロジー(身体静止学)を提唱。

野口晴哉も足の裏のことを実によく研究している。
「整体入門」でその事を書いている。筑摩書房で「風邪の効用」と共に文庫本となった。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480037063-49k彼も重心の偏りを調べるために体量配分計を作った。これによって12に分類した体癖が数字で測定出きると書いている。分厚い体癖の本があるがいまだ手が出ず読んでいない。

平澤博士の著書「足の裏は語る」で面白い話が紹介されている。戦前、軍隊に入った時、一番最初にムスコとタマを左足にもっていけという教育があった。それは野戦病院に担ぎ込まれた負傷兵について調べたことがあった。その結果はズボンの左側にあった者は助かることが多く、右側にあった者は死んでいく傾向があったという。

ムスコとタマの位置に興味と関心をもちはじめたのは車の水洗いからである。丁寧にしかも注意深く洗っていても体に水がかかってしまう。また急ぎながら無造作に洗っていても、さほどかからないことがある。いったいこれはなんだろうかと考えたのが始まり。
それはその時のムスコとタマの位置に関係があった。真ん中、右側、左側と試してみて左側が一番水がかからない。左側にあると動作が安定し気持ちが落ち着く。どうも落ち着かず怒りっぽいとき、極めて情緒不安定の時、物忘れがひどいとき、やたらに人の悪口を叩くときなどは左側になく、車の横転事故を起こしたときも左側になかった。
その後、いろんな角度から調査実験の結果、左足と右足にははっきりとした役割分担があり、そのことがムスコとタマが左側の位置に定まることと密接に関係している。

両足をきちんと揃えて立ったとき足裏の面積は左足の法が右足よりも大きい。
この差異は左足は全身を絶えず安定させるための支持役であり、右足は歩く際のスピードのコントロールしている。動作をする場合に右足をより機敏にかつ自由に動かすためには、左足はよりしっかりと大地を踏まえていなければならない。これらの動作の繰り返しの中でムスコとタマは自然に左足の側によっていくのである。その後この「定位置」についてスポーツのトップクラス2千人以上を調べそのほとんどが定位置は左側であることを確認した。でもこれだけだと負傷者が助かることに対して説明不足である。
タマタマとムスコを左に置いた方が体のバランスが整いやすく、整っている方が生命力が強いからだと考える。


150 胸が拡がる   2004-8-10

昔、「夕涼みよくぞ男に生まれける」という川柳があった。水着のような服装で街中をかっ歩する女性を見て、「熱帯日よくぞ女に生まれける」といいかえた方がいいと思った。「鎖骨は水平になる」を書いて以来、鎖骨を見る癖がついている。水着のような服装は鎖骨の観察にはまことに都合がいい。肩胛骨もよく観察できる。先日も電車で前に吊革を持って立った女性がそうだった。つい鎖骨に目がいった。その女性は胸の谷間を見られていると思ったらしくブラをもぞもぞ引き上げ始めたので慌てて目を反らした。

カゴメの車内広告のポスターに目に留まった。若い男性の裸の写真である。鎖骨が斜めではあるが見事に一直線である。前の席に座った男性もそんな風に見えた。
他にも若い女性で鎖骨が水平と思われる女性を何人か見かけている。
素直に育った若い方には鎖骨が水平の方が割といるのかも知れない。
鎖骨が水平な女性に出会ってびっくりし、その時は千人に1人くらいいるのかなと、思ったが100人〜200人に1人はいそうな感じだ。水泳の北島康介選手の写真で鎖骨が水平に写っているのがあったがTVでは水平に見えない。見る角度、その人の体調でも違ってくるのだろう。

ヒトの祖先はえら呼吸から肺呼吸に切り替わったときから呼吸は筋肉と骨格という運動系の領分になっている。鎖骨のあたりは肺の最上部になる。
多くの方は鎖骨の両端が挙がっている。それは肩が挙がっていることであり、その分呼吸が浅くなる。後ろから見ると肩が水平で首の部分が見えないような人も見掛けることがある。ムリに鎖骨の両端を下げてもすぐまた戻ってしまう。カラダが真っ直ぐになることが鎖骨が水平になる前提と思っている。そして肩の力が抜けて自然に下に降りてくれば胸は横に拡がる。胸が開くようになってくる。胸を張る・拡げるではなく胸が拡がるである。

もう一つ、頸椎と胸椎のつながりがある。筆者は頸椎の一番下の7番と胸椎の1番がくっついて狭い。多分PCを毎日いじっているせいだろう。そのためか背中の上部が丸くなり顎が前に出て、その分年寄り臭い猫背に見えていやになってくる。

筆者の腰は反りが大きくその左右差もある。それが疲れが溜まるとにぶくなり腰の反り感が消えてくる。当然、感度がにぶくなると姿勢が悪くなってくる。
足の裏は立つための第1センサーである。頭部は第2センサー、腰は第3センサーとなるらしい。1時間は歩けても1時間立つことは難しいと何かで読んだ。
確かに何もしないで1時間ただ立つなんてできそうもない。
立禅では1時間でもそれ以上でも立ち続けられるようになる。
考えてみると大変な修行方法である。


151 皮膚病になったら   2004-8-20

筆者は7月の中頃から右腕の外側、肘から手首にかけてに紅斑?が出て痒い。
3年くらい前にも出来た。ポリポリ掻いていると皮膚が破けて血も出てかさぶたが出来た。温度の低いところでは消えている。暑いところに出るとまた出てくる。あせものか?アトピー?黴?金属アレルギー?か、わからないがとにかく痒い。薬剤師のDさんからもらった薬をつけてみる。効いているような感じだがよくわからない。涼しくなったからそのせいかもしれない。今はほぼ赤い斑は消えている。

以下はボデイトークの会報からの紹介である。「どうして汗をかくとかゆくなるのか、理屈は簡単です。私たちは体内に生じた異物や老廃物は尿や便、そして汗や呼気で体外に排泄しています。その働きでたえず体を掃除しているのです。その意味で、汗をかくことはとても大切ですが、せっかく外へ出た汗が再び体内に戻ってくることがあります。

例えば外で大汗をかいてきて、クーラーのよく効いた部屋に飛び込んだ場合です。涼しく冷たい空気に思わず気持ちがよくなるのですが、しばらくすると体が固く,痛く感じられてきます。外へ出た汗が再び皮膚の内部に戻ってきたのです。すると汗の成分は異物や老廃物ですから、いわば毒です。それで体は毒から身を守るために炎症を起こすのです。
炎症は熱を持ちますからかゆいのです。この現象を私は『汗の出戻り』と呼んでいます。『汗の出戻り』にはどのように対処すればいいか。冷えて戻ろうとしている汗をふき取ればいいのです。」

前に紹介した野口晴哉の「整体入門」を読み返していると、皮膚病ならばニキビもソバカスも瘍でも水虫でも全部治るという操法が書かれていた。やり方は恥骨の角を指で押すだけ。同志の方から整体操法にとりいれろと提案があり断り続けたが、試しにやってみると効いたので一般の会員にも実験を依頼したらこれもよく効いた。それで残念ですが特殊操法としてとりいれることにした。年来の水虫の治った例も書いてあるし、提案者は癌だって内臓の皮膚にできるものだから効くといっていた由。やり方は、仰向けで恥骨の上縁の押して痛い箇所に指を当て、押し下げるようにしつつ、息を吐きながら腰を持ち上げる。吐ききったところで腰をストンと落とす。これを2〜3回繰り返すこれだけ。

早速、恥骨の上縁部を押してみると右側に痛いところがある。三回やって押してみると明らかに痛みが減っている。残っている痛みは指で軽く押して取った。翌日、右腕を見るときれいになっている。これは涼しさのためか、この操法のせいであろういか。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480037063-49k癌にも効くといわれると眉に唾したくなるのだが皮膚病になったら試してみる価値はあると思っている。


152 左右バランス調えるカンタンな法   2004-8-25

座禅をするときにお尻の下に座布団を二つ折りにして入れる。そうすると身体が伸びて真っ直ぐになる。前後バランスの調整である。7月末送られてきたDMがある。
「手座布団」を現代の技術でよみがえらせたマット、アラッ不思議自然と背筋がシャキッとなった!姿勢でこんなに集中力が違うなんて!!と書いてある。
5ミリ厚と10ミリ厚がある。10ミリ厚7665円の由。奈良平安の昔から貴族の家に一子相伝されてきた技。それは子供の姿勢をよくするために乳母がみずからの手で子供のお尻の下にあてたという。仙骨と背骨を真っ直ぐに保ち、ヒップアップし、フエイスラインを引き締め、腰への負担を軽くするとか。これを読んで筆者はすぐ試してみた。
前後バランスを調えるにはいい。しかし左右バランスを調えることは出来そうもない。

ヒトの祖先はは直立二足歩行を選択し身につけた。そのため多かれ少なかれ左右のアンバランスを生ずる。その左右差が大きければ大きいほど痛み・不調や障害が出てくる。
その調整にタオルを四つ折りもしくは八つ折りにして右もしくは左のお尻に入れることを考えた。筆者が直接試みた四件、メールでテストを依頼した四件の結果がある。

最初の四件は即座に変わった。股関節の痛みを抱えた女性は取りあえず痛みが消えた。
その状態がどの位継続するのか、それはまた別の問題である。お一人の方は左はアカン、右が気持ちいいといわれる。後のお二人はバンザイ検査で両腕が伸びて揃った。
メールでお願いした四件である。お一人は明らかに左右差が消えた。
今後を引き続き継続テストをしていただける由。お二人は変化がよくわからないという。
左右差が少ないのかも知れない。お一人は未回答という結果であった。
以上は仰臥位でのテストである。椅子に腰掛けた場合にも使える。

特にぎっくり腰や寝違いに有効と筆者は思っている。身体が真っ直ぐになりバランスが整う程に痛みは消えていくものである。余程の重症でない限り運動系の痛みに有効、おそらく90%以上に効く。重症で身体が固くなりすぎた場合、固まった筋肉がこれだけではあんまりゆるまず多分効かないだろう。他のワークと組み合わせて使えば有効と考えている。

足底板というのがある。足の長さに左右差がある場合や外反母趾の治療等に使われている。バランスが回復する、確かにいいと思った。ただ長期使用はどうだろうか?
身体の復元力低下をもたらすだろう。じゃ最適期限はなんぼか?筆者は長くて1ヶ月、それも痛みやいやな症状が消えた時点で使用を止めた方がよいと考えている。

筆者は腕時計を右手にすると書いた。この方がバランスが回復するからであるが、これは長くは続かない。時間が経つとまた左右差が生ずる。
ヒトの身体というのはある状態が続くとそれを通常なるものととらえ反応しなくなるらしい。足低版も長く使っているとそれが通常・当たり前と身体は判断し、その上に習慣・癖が集積される。
つまり歪みが却って大きくなるものと思われる。お尻の下に入れるダンパーも短時間の方がいいと思われる。長くて20分、短いときで1分くらいか、それも個人個人の症状によって違ってくるのであろう。


153  右手が挙がりません!!2004-9-10

前に渡り鳥のことを書いた。渡り鳥はカラダを横一文字にして数千キロの空をを飛ぶ。くちばしの先端がセンサーになっているのだろう。くちばしと尾翼を結んで左右対称性を維持する。それは文字通り渡り鳥の生命線である。ヒトにとって渡り鳥のくちばしに相当するのは足裏である。足裏をセンサーとして直立姿勢をキープするのが人間である。

正しい姿勢をキープすると、からだの機能は正常に働き痛みやコリは消えていく。
この正しい姿勢に一番大事なのは頭部と足と考えている。ここで正しい姿勢というのは左右・前後・上下のバランスがいいということである。それで最近は頭部と足が特に気になってきている。

「美容師のNさんは元体操選手でカラダが大変やわらかい。
1日立ち仕事にもかかわらず、腰も脚もやわらかい。姿勢もいいし、カラダに負荷を掛けない立ち方が身に付いているのであろう。」と書いた。そのNさん、右手が挙がらなくなったという。6月頃の話である。おしゃかさまゆらし・合掌両手ゆらしをやらせる。
挙がること挙がるが「痛い、痛い」という。ついでスクワットをやってもらう。
それでもあまり改善されない。相当に重症とみた。

前に実家の枝下ろしをやって右肩が痛くなったことがあった。「右手を特に使うような何かやったんですか?それとも仕事が特に忙しかったんですか?」と聞いたが、なんもやっていないし特別に忙しかったわけでもないという。それと彼もあまり歩かない。美容師だから立ち仕事ではあるが歩く量は知れている。自宅と店との間は車だ。元体操選手も選手時代の筋肉は消えている。
スクワットも最近はさぼっているようだ。

何が原因かなと考えていたら思いついたことがある。彼はゴルフが好きで毎週火曜日はゴルフの練習である。多分クラブを振るときのフオームに原因がある。
クラブを振ること自体、一方向に身体をねじる運動でありいい運動とはいいがたい。
どうしたら飛ばす距離を伸ばせるか、フオームをいじっているらしい。うまく振り抜けたらボールは飛ぶ。慣れないフオームでやり続けたら肩に余分な負担も掛かるだろう。

「フオームいじったでしょう?」と確認したらやはりそうだ。
「よく飛ぶよ!」と返事が返ってきた。前に姉の肩が挙がらなくなった時に使ったツボを試みる。膀胱経の飛揚と肺経の列欠2カ所をちょっと触れるだけである。
これは不思議なくらいよく効く。これだけで手は挙がるようになった。敏感な方である。一人の方を長く継続して診ているとカラダの変化がわかり勉強になる。


154 首がこっています   2004-9-17

「お陰様で足の具合はいいのですが頭と首がこります。何かよい方法があったら教えてください」と妹からいってきた。8/20筆者の施術を受けている。
下記は先月いただいたメールである。「伯父の通夜に出かけたら、翌日なってもカラダが痛いしだるくて一日何も出来なかった。
翌々日になってもまだだるいし首筋が痛くて困った。慣れないところでいろいろと気を遣いそれほど体力使ったわけではないのに疲労困憊した。気をつかっているのはいつもだし、カラダは自分の予想以上に疲れているのかもしれません。」

二人ともいわゆる固太りといわれるタイプと見ている。一見引き締まっており筋肉質と思ったがスポーツ等で固めたカラダと異なる。緊張しやすい方、いつも気を遣っている方はカラダが固くなっている。メールにあるよう「カラダは自分の予想以上に疲れている」のである。いつも固いと通常それに慣れて、それが当たり前・通常の姿と思いこんでいる。生活習慣や心構え等は簡単に変えられない。そうしたらこまめにカラダをほぐしておく以外にない。それには「胴ぶるい」は最適だ。

幸とい字がある。元々は手枷の象形文字である。夭死を免れて幸せと書いてある漢和辞典が多い。ある辞典ではそうすると象意とつながらない。
死罪を免れて禁固刑で済んで命拾いをしたということかと書いてあった。
昔、罪を犯すと手枷・足枷・首枷をつけて牢屋にぶち込まれた。
あるいは手枷または足枷をつけて労働をさせられた。足首の固い方がいる。
筆者も固いが筆者以上もっともっと固い人もいる。手首の固い人もいる。首もそうだ。
首がコル・足首や手首が固いというのは手枷・足枷・首枷を付けられたと同じことになる。

借金で首が回らないということばがある。この場合は頸椎の一番下の7番が固くなる。
頸の後で一番出っ張った所である。妹の場合は多分これに相当する。首の筋肉が固くなったから首の動きが制限され、神経も圧迫を受ける、血液循環も悪くなる。頭痛も当然出てくるだろう。これは首枷をはめられたようなものである。

我慢が続くと首の横の筋肉が固くなる。
通夜にでたら首筋が痛くなったというのはこれだろう。「我慢のしこり」である。
いろいろと気を遣いとあるから背中の肩胛骨と肩胛骨の間も固くなっていると思われる。これは「気遣いのしこり」という。
一つの考えに執着していると首の後が固くなり、「頑固のしこり」という。
仕事が負担になってくると肩胛骨の上にでる、これは「肩の荷のしこり」である。
肩胛骨外側の窪みに「あせりのしこり」がある。ここは押すと大抵痛がるところだ。

脳は「・・・・ねばならない」と考え、カラダはいやがって抵抗している。
本音とたてまえあるいは潜在意識と顕在意識の対立といってもいい。
それが首やカラダのあちこちにでてくる。特に首は頭部と胴体をつなぎ細くなっている。細いからよく動く。ネック・急所でありストレスを受けやすいところでもある。


155 首のコリ対策   2004-9-25

102でストレスというのは、ゆがみ・ひずみのことであると書いた。
ストレスというのは本来、生物が外的あるいは内的な刺激に適応していく過程をいう。
カラダはこころの表現体である。ストレスはコリや歪みとなってカラダに表現される。
人のカラダには本人が意識しない無数のしこりやゆがみがある。
意識できるのはわずかで、より重症になって始めて認識するようになる。

ヒトは直立二足歩行を始めたが故にカラダのバランス維持機能が格段に進歩したと考えている。同時に直立二足歩行は不安定な姿勢であるが故に狂いやすい。ヒトの動きはゆがみをつくる動きとバランスを調える動きがある。両方の動きの結果、誰でも多かれ少なかれゆがみが生じている。カラダはバランスを維持し復元ようと常時働いているその結果でもある。

カラダのバランス維持機能をちょっと刺激してやるとゆがみやコリがとれてくる。
首のコリや痛みを自分で調整する法を紹介する。
「姿勢:まっすぐ立った姿勢でも、椅子に座って背筋を伸ばした姿勢でもかまいません。前を向いたまま右にも左にも回らない人はいないと思います。右に回らない人が多いのですが、どちら側へ回らないかを自覚した上で、次の動作をします。

@ 息を吸って、回りやすい側にゆっくりと首を回します。
A 回る限度いっぱいまで回したら、大きく数呼吸して息を吐き、
  ゆっくりと正面に戻して静止します。
B 回らない側へゆっくりと首を回してみると、回りやすくなっています。

これを何回か繰り返せば、肩こり、首のこり、頭や顔のねじれがとれます。
回りやすい側の肩が後ろの方にあって、回りにくい側の肩が前に出ていませんか。
前に出た肩が下がっていれば、肋骨が歪み、腰椎や骨盤にもねじれやズレが起こっています。それが原因で首が回らないことも考えられますから、この場合、全身のバランスを回復する治療が必要です。」(この道50年の名人が書いた「腰痛10万人を治した秘密の方法」より抜粋http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4872878280)

コリや痛みは気温とも関係している。夏だというのに空調が利きすぎていると冷えて固くなってくる。首も直に冷気にさらされる。肘に触ると冷たくなっている。
こういうときは自分の手の平を肘に当てて肘を温める。そうすると首がゆるんでくる。
あまり効かないよという方がいるかも知れない。長年のコリなら時間は掛かって当然、少しでも楽になるならば続けられることである。やってもすぐ戻るではないかという方もいる。

長年の生活習慣・癖がゆがみやコリとなっていることが多い。一度とれてもその方の生活習慣・癖はそのままである。当然またコリや痛みが顔をだすことになる。簡単に調整できる方法を身につけて毎日続けられることである。
上記の方法は応用が利く。研究されると面白い結果が得られます。


156 首コリ対策2   2004-10ー5

指回しが大分前に評判になった。これもいい。やりかたは両手の指先をくっつけて、廻す指だけはお互い触れないように廻すのである。上半身がゆるんでくる。筆者は息を止めている時間でその効果を検証したことがある。まず何もしない状態で息を何分止めていられるかを計った。次いで指回しを各指、内回し外回し各20回宛やってから何分になるか計った。指回しをやる前はどんなに頑張っても大概1分前後である。それが指回しをやった後は3分とでてビックリした。それで1週間続けてみた。その結果は最高5分までいった。

首コリには中指がを重点的に廻すとよい。中指は背骨に対応しているらしい。中指を廻していると背骨が真っ直ぐになってくるようだ。外回しでやること、逆にやるとゆがみがとれない。それとカラダを真っ直ぐにして廻すことである。

首のコリについて書いていて昔、8の字体操というのを教わったことを思い出した。
アゴの先端・両手を組んで肘・腰それぞれを横8の字に廻す体操である。
このアゴの先端を廻すのがいいのではないか。首のコリに効きそうだ。アゴを廻すときに呼吸を付ける。中心から外側に行くときは吸いながら、外から内側に戻るときは吐きながらやるとゆがみが取れるしいい。痛いのを我慢してやらないこと、出来るだけゆっくりとやることである。

筆者自身も動かさなければ別に何ともないが右や左み廻したり曲げたりするとちょっと痛みがある。前は全然気がつかなかったものだ。前からあった物がカラダが敏感になってきたので気がついたのか、それともPCをいじっているとき姿勢のせいなのか?注意しているのだが気がつくと顎が前にでている。それと小さいときから首が右に若干倒れている。筆者は首の右上と左下にコリというか若干違和感がある。

アゴの8の字体操をやってみてカラダのバランスは取れてくるのだが、首のコリに対しては今ひとつなのだ。それで別法を考えた。アゴを斜め上に上げてポカンとしているだけ。アゴを上げたら後はゆっくり呼吸をするだけ。右10回位やったら今度は左10回位やる。やったら首を曲げてみる、廻してみる。楽になっているのがわかる。まだ残っていたらまた繰り返す。これはいい。オススメです。右でも左でもアゴを上げたとき痛みや違和感があったら少し戻すか角度を変えてみる。そして一番楽に息が入るポジションでやること、これがコツである。

その位置でゆっくりゆっくり呼吸をしていると首のコリは取れてくる。首のコリにかかわらずコリというのは大概長年使いすぎた結果である。表面に出たのは最近感じたコリでもこれまでの生活習慣からくるものがほとんどだ。長年のもの故、時間も掛かる。
少しでも効果があったら毎日続けることである。いろいろ試している内に首の右上のコリは消えた。左下もちょっとやればすぐ廻しやすくなるのだがまたすぐ戻る。
こっちはまだ時間が掛かりそうである。首は全身の急所であり、首のコリが取れる。


157 安心できる手・ホッとする手   2004-10ー15

「触れられてやはりうれしい他人の手」という川柳があった。嫌いな人だったら鳥肌が立つこともあるだろうに、触れた人は好きな方だったのであろうか?「・・・・・・・ようやく本当に体を預けられる針師に出会いました。」というメールをいただいたこともある。よほど安心感のある手だったのだろう。固い手、やわらかい手。冷たい手、温かい手。がさがさした手、なめらかな手といろんな手がある。しかし触れられてホッとする手というのは少ない。治療を職とする方の手であっても少ない。5〜6%あるいはそれ以下かもしれない。

数年前、幡ヶ谷の漢方医が主催している「ふにゃこんマッサージ」の講習会に参加していたことがある。簡単にいえば二人ずつペアになってやりっこするのだが、やり方は横になった相手にふんわり手を載せるだけ、途中でそれにゆらしがつけ加わった。
単に手を載せてもらっているだけでもそれは気持ちのいいものである。
それが回数を重ねるに従いちょっとでも強いタッチに違和感を憶えるようになってきた。特にプロの治療師の手、それと講師の漢方医の手さえ強く感じて気持ちいいとはいえなくなってきた。始めて参加された若い女性の手はいい感じだった。
講師の説明通り正直にふんわり手を載せてくれる。相手を癒すとかいたわるとかそういう気持ちもない状態で、ただそおっと載せているだけこれが一番よかった。

手技の講習会に参加したときのことである。お互いに組んで稽古をするとき、技が効いたり効かなかったりする。間違えてやったのは論外、ちゃんとやっている筈なのに効かない。長いことやっていると、お互いに感覚が鋭敏になってきている。タッチの仕方・わずかな角度の違い等でバランスを調えるつもりが逆になる。その時は壊れたということになる。人のカラダはほんのわずかな刺激で変化する。

どうも人のカラダに触れ方に3段階あるらしい。
1、軽いふんわりとしたタッチ
2、やや強めというか普通のタッチ
3、強いタッチの3種、筆者の仮説である

1と2は前からわかっていた。筆者自身のカラダでいろいろ試していると意外な結果がでた。2と3では呼吸が逆になる。3の強タッチは不要と考えていたのだが呼吸との組み合わせで有効だということである。有効と書いたのはカラダのバランスに対してである。
1のふんわりとしたソフトタッチならば呼気であろうと吸気であろうと呼吸は関係なくカラダがゆるみバランスが整ってくる。安心できる手・ホッとする手というのはこの1になるであろう。

2になると呼吸が影響する。
呼気あるいは吸気でなければカラダのバランスがくずれる。
3は強タッチと書いたが早いタッチも同じように反応する。2日後考えた。
3はカラダにとってイヤなタッチだからではないか?
それはカラダの防衛本能からくるのであろうと。
3も有効と書いたけれどあまり使いたくなくなった。2はカラダの復元力を引き出す。1はお母さんが赤ちゃんをだっこするときの手と同じで、2の作用も含んでいる。


158 膝が緊張していませんか?   2004-10-23

新しい靴に変えたらいやに疲れる。足の前面、頸骨の外側が疲れる。
何故疲れるのか?
以前同じような足の疲労を2〜3度経験している。その時は原因わからず仕舞いというより原因究明するだけの知識がなかった。歩きながら観察した。
どうも着地の時の靴底と地面の角度によるのではないか?
新しい靴の方が踵が少し高い。古い方は履き慣れているし、踵が減っていた。
減った部分で一度着地してから爪先へ重心が移動していた。
それがなくなっておまけに踵が高くなっている。
着地の瞬間、一挙に爪先に重心が移動しようとする。
それを制御しようと足の前面に負担が掛かったのだ。

TVの健康番組ででヒールの高さは3〜5センチがベストとやっていたが、ヒールの高さは0センチがいいと考えている。日本の履き物は草履・草鞋・下駄と踵を高くした履き物はない。花魁の履くぽっくりがあるがあれとて地面と足裏は平行になる。
靴はなぜ踵のところを高くするのだろうか?アキレス腱が固く縮むことを想定しているのだろうか?踵の方を低くした健康サンダルを紹介したことがあるが似たような健康グッズがある。傾斜の角度を変えられる台でその上に乗っかり前屈するだけ、1日90秒で硬いカラダが柔くなるというのがうたい文句である。
こんなものを使うより踵の高い靴を履かないことが先だと思うのだが。

25.小笠原流礼法で首が伸びる!!!!で「小笠原流礼法の教室ではもっぱら歩く稽古である。2時から5時まで、ただ歩くだけ。故に人に勧めたことがない。なかなか勧める気が起きない。応用ということで歩くこと以外のこともやるがそれは30分くらい。」と書いた。ところがこれを読んで礼法の教室に参加された女性がいる。この女性が筆者に劣らず母趾が固く、跪座(きざ)・膝行に苦労している。(跪座は、正座から、両足を爪先立てた姿勢)せっかちな方・緊張しやすい方・ハイヒールをよく履かれる方・前重心の方は母趾が固いと書いた。こういう方の立ち方は膝が緊張し硬くなっている。(140.膝をゆるめる参照)この女性もそうだ。

ご年輩の女性の多くは跪座など苦もなくやられる。昔は和室の生活が主であったから正座や跪座が身に付いている、出来て当たり前なのである。和室がなくなってきて、食事は家庭に於いても椅子に座って摂るのが主流になった。ますます膝が硬くなり正座が苦手、跪座は出来ないという方が益々増えるだろう。

「足が棒になる」ということばは足が疲れたときの表現だし、「棒立ち」というのはびっくりしたときだ。どっちも膝が硬くなった特殊ケースである。ところが普段の履き物やその人の立ち癖・歩き癖が膝を硬くしていることを大抵は意識していない。
膝が硬くなるとアキレス腱・足の前面外側も硬くなり腰・背中も硬くなってくる。
徐々にではあるが筆者は跪座が楽になってきてはいる。といってもまだ完全ではない。
もうちょいのところまできている。足腰を一旦硬く固めてしまうとやわらかくするのはえらく時間が掛かるものだ。


159 指を廻そう   2004-11-2

先日、年若い友人と会った。
鍼灸師である。今まで会ったときはいつも健康優良児の見本みたいに顔の色艶といい張りといい抜群だった。今日はその面影は全く消えて冴えない顔をしている。9月のはじめに交通事故に遭っている。その後遺症らしく雨の降る日・風の強い日は調子が悪いという。「首コリ対策2」を書いてすぐだったし、今一人の友人を待つ間「よう効くよ」といいながら早速中指廻しをやらせた。やっていると次第に顔がゆるんできた。

156で「首コリ対策2」で書いた指回しとは別のやり方を書く。前のやり方は4指の指紋部をくっつけて1指をお互い触れぬように廻した。これは簡単である。誰でも出来る。
薬指が大変廻しにくく当初イライラする。それもやるほどに出来るようになる。
今回書くのは廻す指を反対側の指で軽くつまんでゆっくり廻すやり方である。
こっちの方は複雑ではるかに難しい。手技療法の大先達がやられるのを拝見させてもらったことがある。1年くらい前だ。たったこれだけで肩や骨盤やカラダ全身がきれいに揃うのである。

「ホー」と思わず歎声が洩れた。カラダの最も末端の指を廻してカラダ全体が調うのか?筋肉・骨格という運動系組織は連動して動く。
ほんの一部分をそれも軽く刺激するとその軽い刺激がカラダ全体に伝わるのである。
カラダの固い人やコリが多い方は刺激が中断したりして伝わりにくい状態にある。

指回しが面白くはまっている。毎日、指回しをやっている。TVを見ながら、あるいはお風呂に入ったとき・電車に乗ったとき、いろいろ試している。指は触りやすく手軽に出来る。やっていると手が軽くやわらかくなってきている。指の廻りがスッキリしてくる。
首の違和感が次第に取れてくる。毎日見ていると微妙なねじれや曲がり・反り・凸凹等いろいろあるのがわかってくる。その微妙なねじれや曲がり・反り・凸凹が呼吸と関係している。呼気・吸気を合せてやると多少乱暴であっても大丈夫である。
知人でボデイワークの教室をやっている方が人の指を見てこの指はこっちの方向に行きたがっているてなことをいったことがある。その意味がようやく納得出来た。

指に触れるー圧を加えるーねじるー曲げるー廻すー伸ばすー離すという手順で筆者は今やっている。筆者の場合、左手は前半は吸気で後半は呼気である。右手だと呼吸が前半と後半が逆になる。ねじると廻すの違いは、ねじるのは遊びを取るだけで、廻すは指の根元から廻すのである。
この文をお読みいただいている方はこんな酔狂なことは多分やられないと思う。
ただここでいいたいのは人間のカラダの動きというのは、全て例え小さな動きであろうと呼吸とつながっているということである。

ヒトは全ての動きを呼気か吸気かを無意識のうちに正確にとらえている、90%以上は。それ以外は呼吸と動きがアンマッチとなり歪みやコリが発生する。157で「安心できる手・ホッとする手」でタッチの3段階について書いた。それはここでも同じだ。お母さんが赤ちゃんを抱くときの手でやれば呼吸も手順も関係ない。自分の指であってもただやさしくゆっくり廻せばよい。たったこれだけで驚く程効果がある。


160 引き手と押し手   2004-11-10

指廻しをいろいろやっている内に手には引き手と押し手があるとわかった。筆者は右手が引き手で左手が押し手である。押し手と引き手では呼吸が異なる。右手で息を吐きながらグーをして息を吸いながらパーにするとバランスが調う。左手は息を吐きながらパーをして息を吸いながらグーにするとバランスが調う。どちらの場合も呼吸を逆にするとカラダのバランスがくずれてくる。

一人バンザイ検査でわかるし一人Oリングでもわかるだろう。敏感な方ならばわざわざ検査しなくともカラダのゆるみ方でわかるはずである。ちなみに両手を一緒にグーをする、あるいはパーをするとどうなるか?パーだと呼気、グーで吸気が優先する。
但しパーのときゆっくりやらないといけない。これを呼気・吸気を逆にやったりパーを早くやると歪んでくる。両手とも引き手、両手とも押し手という方がいるのかどうか?
鉋やノコギリも日本と逆の西洋人は両手とも押し手だろうか?

足の場合はどうか?両足ともパーは呼気、グーで吸気と右も左も同じになった。
筆者は右手が利き腕である。右手を多用するし、力仕事は右手がメーンになる。
それで手の場合、グーパーで右と左で呼吸が逆になるのはどうも後天的に身に付いたらしい。ところが手も足も強い負荷を掛けると逆になる。例えば力を入れて右手を息を吐きながらグー、息を吸いながらパーにするとバランスが、狂ってしまう。力の入れ具合は人によって異なるだろうが、気持ちのいい範囲でやれば伸筋主導か屈筋主導か結果は出るだろう。

上の実験で筆者の左手は伸筋主導で右手は屈筋主導であり、足は右も左も伸筋主導と考えた。しばらくして、待てよ足が両方とも伸筋主導は可笑しいのではないか?と思った。
仰向けになると筆者の右足は左足に比し倒れ方が大きく足首の角度が大である。グー・パーをするときの足の角度や力の入れ具合を変えてやってみると結果が違ってでた。
右足は伸筋主導で左足は屈筋主導となった。左足も伸筋を意識してパーで呼気、グーで吸気でバランスが調うのだがその範囲は狭い。屈筋主導の右手も伸筋を伸ばすように屈筋に負荷を掛けないように軽くグーをすると呼気でバランスが調う。伸筋は呼気、屈筋は吸気によってその本来の力を発揮するように出来ているらしい。

呼吸法の指導者が「吐く吐く全部吐く、全部吐く、吐き切るー」といっているのを聞いたことがある。限度まで吐いたらどうなるか?カラダを力ませることになる。
力ませると歪みが出てくることが上の実験をやっている内にわかった。
呼吸は大きくやる必要もないし強くやる必要もない。大きくあるいは強くやるのは特別の目的があれば別だがそれ以外には全然必要としない、むしろ有害ではないかと考え始めている。


161 やり過ぎないでください   2004-11-25

「鍛冶屋さん」と名づけた筆者自慢のワークがある。このワークは立ってつま先を上げ踵に体重を掛けて上下にゆらす。アキレス腱にいい刺激を伝え、股関節やひざ・足首をゆるめ即効性があると自画自賛している。これをひざが痛いという知人に教えた。
そのときちょっとやってみて効果を感じとったらしく次ぎ会うときまでひざを直してくるなんていっていたのである。ところが二週間後会ったとき、ひざはどうですか?と聞いたら実はえらい目に会ったという。左半身が硬直しひどい痛みになったとか。

それで病院にいってクスリをもらって飲んだら痛みはすぐ消えてひざも痛くないというのである。何故そんなことが起きたのか?このワークと関係があるのか?もしあるとしたら単純にやり過ぎか?つまり量の問題である。あるいはやり方自体に間違えがなかったか?彼には拡張性心筋症という持病がある。心臓に障害があると左半身が固くなるというのは知っていた。もっと慎重に伝えるべきだったと思ったが後の祭である。

左半身が固いというのは既に左側に負荷が掛かっていたということである。
わずかの刺激であるが過重負担になったかもしれない。筆者が強烈な背中のコリでマウスに触れられなくなったことを思い出した。(56.指をニュートラルに伸ばすと!!〜マウスの使い方2002-11-07)マウスに軽く触るだけで痛みが走ったのだ。
こんな軽い刺激でさえそうなのだ、ましていわんやである。もうひとつ思い出したことがある。

大変寒い晩、昼間解けかけた雪が凍ってバリンバリンなっていた。
15分ほど歩いて家に帰り靴を脱ごうと踵を引っ掛けたときである。
足が硬直して激痛が走った。普通こむら返りは足首を曲げればいいのだがこのときは違った。曲げても痛いし伸ばしても痛い、伸筋も屈筋も硬直化したのだ。
ただひたすらに足が動かないようにじっとして痛みの引いていくの待つ以外になかった。

それと最初に軽く試したとき効くと思ったためやり過ぎた可能性がある。
どんなに優れたワークでもやり過ぎはよくない。過ぎたるは及ばざるが如しである。
早くひざを直そうと一生懸命やっては逆効果となる。
量を多くやればいいというものではない。
つま先をきっちり上げてやっている可能性もある。これも強い刺激が入る。

カラダをゆらすワークは緊張のない状態でやる、それが固いカラダをほぐしていく。
鍛えるのではない、カラダをゆるめるワークなのである。いい加減でいいのだがその加減がわからないとやり過ぎる。ヒトのカラダは使いすぎると草臥れて緊張したり固くなったりする。固くなると感覚が鈍くなりムリを続けやすい。それを更に超えるとコリや痛みが発生する。ヒトにはカラダを固くするスイッチと柔らかくするスイッチがある。
そして多くのヒトがカラダを固くするスイッチを押し続けている。


162 「踵ゆらし」の効果を証明付でお伝えします   2004-12-4

軽い痛みならまだしも階段の上り下りが苦痛になってくるほど膝痛がすすむと恐怖感が出てきます。歩けなくなったらどうしようとか、会社へ行けなくなったどうしようとかです。筆者はそうでした。何たって歩くのは人間の一番の基本的動きですもんね。

ひざの痛い知人は「踵ゆらし」で効果が出なければ筋肉強化に挑戦されるといっている。整形外科医は足の前面を鍛える方法をよくすすめます。足に1キロ位の重りをつけて足を上げたり下ろしたりします。筆者の持っている本には10回から30回と書いてあります。この前、医者に100回やれといわれたけど続かないという方に会いました。
やると体重を支える筋肉が強くなりひざの負担が軽くなるとされている。

でもこれは賛同したくない。お話しだと硬直が頻繁にあるとのこと、硬直が起きるということは既に相当に身体が固くなっているということです。
疲れが一杯溜まっているともいえます。そこえ更に硬くする運動を続ければ硬直が更に多く発生することになるでしょう。もしどうしてもやるのでしたら最悪の場合、救急車を呼ぶこともあり得るとマジで考えている。なにしろ心筋症の持病をもっている。

それから「踵ゆらし」がどの程度効いているかチエックが必要と思われる。
バンザイ検査・Oリング・前屈等、何でもいいのだが自分なりの判定基準を持つことが必要である。感覚のみでは間違って判断することになりやすい。
筋肉が硬くなっていると感覚自体が鈍くなっており正確な信号が脳に伝わりにくい。

他にも仰向けで足を30センチくらい持ち上げてゆらす方法があります。
これも出来るだけ足を突っ張らず声を出しながら軽くゆらすだけで。
ほぐしと筋肉強化・バランス調整とが同時に出来る筆者自慢のワークの一つである。
これも足を突っ張ってやればこの知人に限らず、硬直が起きることもあり得る。
この知人にはMgが覿面に効いた由、生化学的にはMgの不足なのでしょう。
74.ミネラルバランスが崩れると人生が崩れる参照

もう一つ毛細血管が詰まってきているということが考えられます。
血液が十分に廻らなければ筋肉もストライキを起こすでしょう。
これには夜お休みのとき、ゆっくりゆっくり呼吸をする習慣を持つことです。
私の姉がポキッと折れそうなくらい硬かった身体が、1年後つきたての餅みたいに変わった例がある。これも大きくとか強くとかやると逆効果です。
硬直あるいは歪みの原因になります。

「息を吐けー、全部全部、全部吐けー」と呼吸法の指導者の方がよくいっています。
息を大きく全部吐ききった方がいいといわれていますががこれは間違いと思っている。
若い身体のやわらかい方は大丈夫だろうが、ある年代以上の硬い身体の方はゆっくり呼吸断然いい。ことばや文章では十分に伝えられないもどかしい面がある。
出来たら呼吸塾の教室にきていただけるといいのだが。
そうすれば上記のワークをその場で証明付でお伝えできると考えている。


163 右足首に違和感が出た   2004-12-13

膝をゆるめるたほうがいいですよとか、膝を伸ばして歩けとか人にいったり書いたりしている。考えてみれば「余計なお節介」「要らぬお世話」である。
膝を伸ばした方がいい方がいるし、膝をゆるめた方がいい方もいる。しかし物の本にはたいてい片方のことしか書いていない。

140.膝をゆるめるを書いたのが5/24母趾が楽なのだ。跪座(正座から両足を爪立てた姿勢)が楽にできる。・・・・歩くときも立つときも「膝をゆるめる」ことが今の筆者にとって必要らしい。カラダの固い方・緊張しやすい方は試してみたらいい。
もちろん膝をゆるめるといっても程度がある。ゆるめすぎたら姿勢が悪くなる。

それから半年経つ。少しは膝がゆんできたという感覚がある。当初は緊張しているとか伸びすぎているという自覚もない。長年の習慣からして今の状況・立ち方が当り前過ぎて考えもしなかったがこれが普通であろう。立って膝を伸ばしたりゆるめたりすると膝の緊張の具合が違ってきている。オッ、ゆるんでいるなとわかる、膝がやわらかくなっている。

ところがここに別の問題が出てきた。正座をするといつも右足首に違和感があり座りにくいのだ。正座をしなければわからないが右足首が硬くなっている。
正座をして何度かお尻を左右にゆすっていると間もなく取れはする。
正座など滅多にしてなかったのだが、礼法を学んでいるので正座は避けて通れない。
なぜ右足首が硬くなるのか?ここの所ズーッと考えてきた。膝がゆんできてその分直に膝に負担が来たというのはわかる。それなら両足首に来るはずだ。

113.アキレス腱が縮んでいませんか?で昨年の10/16下記のように書いている。アキレス腱はヒトの直立二足歩行を支える重要な一部だ。体重の掛け方で左右差を生ずる。
それでアキレス腱の太さが右と左では違う。アキレス腱の左右差を見るのは二指と三指でつまんでみればわかる。これも筆者の場合、右手と左手では感覚差が随分とあるらしい。両手を使ってやるとわかりにくい。左手のみあるいは右手のみで左右のアキレス腱をつまんでみる。その結果、右足のほうがが太いとわかっていた。右足に負担を掛けていたのだ。じゃー具体的にどうしたらいいのか?それがなかなかわからなかった。

筆者は座位あるいはあぐらだと上体が右に廻りにくく左に廻りやすい。全体的に右が硬くなりやすいタイプらしい。座位であるいは立位で右肩と左肩をよく観察すると右肩が少し前に出ている。これもよく見ないとわからない。人の両肩を見るのは仰臥位がわかりやすい。床面を基準とすると右肩が高い人が割と多い。右肩が前に出ている状態で歩けば右足首に負担が来るのは当然である。そこで試した。右肩を引き気味に歩くのだ。
そして正座ををしてみる。そしたら具合がいい。
何回も試した。間違いない、そう結論が出て対策もわかって今は落ち着いている。


164 呼吸が変わると心も体も変わる   2004-12-20

「大橋さんが治療するときの根拠はなんですか?」と聞かれた。12/11のことである。
同じ日に「人の身体に触れたときは何を見ていますか?」と別の方にも聞かれた。
「生命と呼吸が一つのものだということは誰でもよく知っていることです。
しかし普段の呼吸が浅いというは、ほとんど意識されていません。日々の生活の中でストレスを受け知らぬ内に息を詰め身体を固くして生きています。それが身体の歪みをつくり健康を損ない能力発揮にブレーキをかけています。」と呼吸塾HP冒頭に書いた。

人の身体に触るときはより楽に呼吸が出来るように導くことと考えている。
そのためには身体をよりやわらかくする、あるいは身体の歪みをより少なくすることである。女性ではお腹で呼吸していない人もいる。仰向けに寝た状態でゆっくり呼吸をしてくださいといってもお腹が全然動かない人がいる。またお腹・胸の動きが左右で違う方がいる。速度や動く範囲に差がある。当然、硬い側は動きが鈍く浅い動きになる。
身体に歪みがあるということである。硬い側には本人がコリを認識しようとしまいとコリがある。

息という文字を手元の漢和辞典を開いてみると@呼吸、A息をする、B生きる、C息子、D休む、E利子という意味があることになっている。
息をするということは生きるということと同義なのである。
息子は生命を伝へるということであり、利子はお金が増えたー子供を産んだということからの転用である。呼吸が楽になるということは歪み・曲がり・ねじれ・コリ・張り・痛み等が減少したと言うことであり、ストレスが解消されつつある状態と見ている。
筆者は心・身・息一如という呼吸が変われと心も体も変わる。
体が変わると呼吸も変わるし心も変わる。心が変わると呼吸と体も変わる。
これが筆者の根拠であり体験から来ている。

20年くらい前、背中に鉛が入ったような鈍痛に悩まされ、針やカイロに等に通ったが取れなかった。それと同時に精神的なひどい落ち込みがあり鬱状態がずっーと続いた。
それがふとしたきっかけで昔、天風会で教わった呼吸操練・統一式運動法や気功をやったらフーッと楽になった。
それで毎朝続けたら次第に痛みが取れて一年くらいだろうかほぼ消えたのである。
それ以来、呼吸というものに関心を持ち続けている。
従って人の身体を見るときは、まず全体の姿勢を観察する。
呼吸を阻害する身体の歪み・曲がり・ねじれを見る。首の倒れ・背骨の曲がり・肩胛骨・骨盤・股関節・足や手・ツボの左右差をチエックする。
からだほぐしをやるときは指先で張り・コリを探りながらほぐしていく。
コリや張りには既に書いてきたように精神的な面とつながっている。


165 膝をゆるめるー2   2005-1-5

腰が反り過ぎていませんか?うつ伏せになると腰の辺りが大きく凹んで見える方がいる。筆者もつい最近までそうだった。背骨には生理的湾曲、あるいは横から見るとSの字に見えるので生理的S字状曲線といわれるカーブがある。これが二本足で体重を支えるクッションの役割を担っている。お猿さんでも二本足で歩かせているとできてくるという。
このカーブが急になっているということだ。

知人に立ち方の研究をされている方がいる。最初にお会いしたとき、腹をもっと凹ませてお尻を引っ込めろと姿勢を直された。
やれば出来るのだが長く続けられない。他でも同じ事をいわれており筆者の長年の懸案事項だった。子供の頃、父が近所の方に大橋はいつも反っくり返っていると陰口をいわれているのを聞いたことがある。筆者の腰の反りは遺伝かもしれない。

ところが最近筆者の腰の反りが消えてきている。何か腰が丸くなったような感じだが鏡を見るとそうでもない、尻から背中にかけて真っ直ぐになっている。
長年の腰が反った状態で来たからそれが普通の状態と身体の方は認識しているのか、反りが消えた分を逆に違和感と感じるらしい。

腰が反っている状態は脊柱起立筋に余分な緊張を強いているということに気が付いた。
どうも腰が硬くてO脚だとそうなるらしい。膝の緊張はそれと相関関係にある。
腰が硬く動きが制限されるがバランスを取らねばならない。そのために腰に反りが出る。逆に膝をゆるめると腰の反りが消え背中の負担も少なくなってくる。
ヒトの祖先が生命を掛けて編み出したもの、それが直立二足歩行である。
肉食獣から身を守るためそして食物の獲得と運搬のため一番疲れない方法として気も遠くなるような長い歳月を掛けて身につけたのだと考えている。

「臀頭」「重心の原則」「直線平行歩き」で筆者はO脚が改善されつつある。そして「膝をゆるめる」ことを半年以上実行してきている。
「162右足首に違和感が出た。跪座(正座から両足を爪立てた姿勢)が楽にできる。・・・・歩くときも立つときも膝をゆるめることが今の筆者にとって必要らしい。
カラダの固い方・緊張しやすい方は試してみたらいい。」と書いた。

でも続けないとわからないですよ。筋肉が硬くなっていると感覚も鈍くなっている。
膝周辺がゆるんできていると実感できたのは最近である。跪座が楽に出来るということは足の伸筋・屈筋の緊張が取れてきている。そして有り難いことに腰の反りも取れてきた。骨格と筋肉はお互いに協力しつつ人体を支える。
カラダが真っ直ぐでしかも楽な姿勢、これがホントにいい姿勢というのだと思っている。これが出来るとコリや痛みは自然に消えていく。外部からの影響を受けにくく、例え受けても復元が速いというしなやかな身体になっていく。


166 「爪先ゆらし」がよく効いた   2005-1-25

コツコツコツと軽快な響きの靴音、この方は健康な方だと思った。本当にいいリズムを刻む方は少ない。逆に変なリズム音で歩いている方がいる。最近オヤッと思った。
ブーツを履いた若い女性である。今の季節、女性はブーツを履く。
それも踵の高いのが圧倒的に多い。踵が高いと前のめりになるので足先を踏ん張り腰を反らすことになる。足が疲れ背中が緊張する。ブーツを履き始めて間もないのかもしれない。更に怖い靴の方がいる。細い踵の部分の外側がすり減って体重を載せたとき外側にぐらりと足首が曲がるのである。

ボデイトークに鈴占いというのがある。年末の恒例行事になっている。
鈴を沢山つけた首飾りを想像してもらったらいい。それを首に掛けて踊るというか足で調子を取りながら跳ね回るのである。そしてその鈴の音を聞いて来年度の運勢を占うのである。人によって身体のの固い部分が異なる。この方は腰椎何番辺りが固いとかあるいは胸椎の何番が固いとか、音の出方でわかるという。身体に固いところがあると鈴の音色がきれいに響かず、リズムが不規則になる。

語りの教室に参加した20台と思われる若い女性、準備体操のとき見ていると大変に固い身体だ。10人の中で一番若いのに一番固い。この方が踵の高いブーツを履いていた。
モデルさんをやっていた方が舞台以外では絶対に踵の高い靴は履かなかったと聞いたことがある。踵の高い靴は身体を固くする。踵が高いほど自然から遠ざかる。

この前、20台の男性に踵ゆらしをやらせたら脚がつってきたという。
「せっかち屋さんでしょう」といったら「よくわかりますね」腰痛持ちだという。
すぐ綿菓子屋さん(爪先に体重を載せて上下にゆらす)に切り替えてやらせるとこれは効いた。20秒くらいで背中がほぐれてきたのがわかった。
せっかちな方も身体が固くなりやすい。歩くとき前重心になり足の前側の伸筋が伸びて固くなり裏側の屈筋は収縮して固くなる。

さて踵ゆらしで脚がつったというのが面白くない。前後・左右・内外・上下のバランスを調整するすごいワークと考えていた。何故、脚がつるのか?踵ゆらしは手技の足首操法の応用である。ゆらすときは力が抜けていたほうがよいのだが自分でやると力が入ってしまう。身体が固くなり過ぎた方・疲労の溜まっている方は仰向けになると足先が伸び過ぎている。足裏の角度が床面に対して45度くらいの人もいる。こういう足癖に対して踵に体重を載せてゆらすということはやりにくい筈である。

やりにくいことを呼気でやると固くなる方向に働く。故に吸気でやればつることはないと思われる。厳密にいえば固い方の脚は吸気、逆の脚は呼気となる。あるいは固い方の脚は爪先ゆらし、逆の脚は踵ゆらしをやるとベストであろう。爪先ゆらしはハイヒールをよく履かれる方やせっかち屋さん・腰痛持ちの方にはおすすめのワークである。


167 「踵ゆらし」のニュウバージョンが出来た   2005-1-291/8

右膝を痛めてしまった。膝パタや踵ゆらしをやっていると痛みは間もなく治まった。
この分なら大丈夫と歩き始めたらギクッときた。アカン相当重症だ。曲げるととにかく痛い。曲げずに歩くにはどうするか?身体を左に傾ける。右足を外側に円を描くように廻して前へ踏み出すと前に進める。階段は普通に右足と左足を交互に出して上がれない。
一旦両足を揃えて右足を伸ばして体を支え、左足を上げる。下りるときもそうだ。
左足で体を支えてから右足を下ろす。帰ってアイシングをやった。

翌日も状態はあまり変わらない。翌々日になると右足で描く円が小さくなった。傍目には少し歩き方が変だと見えるだろう。4日目、歩いている途中で茶筒をやると具合がよい。両足でやったり片足でやったり、綿菓子やさん・踵ゆらしをやると10歩ぐらいは痛みをあまり感じないで歩ける。それを過ぎるとまたこわばり・痛みが出てくる。
後歩きは痛くない。ペンギン歩きも膝を浅く曲げてやれば出来る。

7日目、膝をなるべく曲げないように歩くと割とスムースに両足が運べて痛みが出なかった。階段も若干痛みがあるものの、右左交互に出して上り下りが何とか出来るようになった。11日目駅の階段、下りの時痛い。
右足を浮かせ気味にして左足を早く着地させると痛みはあるが両足を交互に出して下りることは出来た。今回の経験から痛みのでない範囲で動かした方がよい。ストレッチをやると痛みが出るし、ゆらしのほうが効果が早いようだ。カラーテープは忘れておった。
前に試したときは即効性があった。右膝内側とふくらはぎの上に黄と青を張った。
翌日駅の階段では下りるときにお皿の下が痛い。身体はいつもバランスを整えようと動いている。ある部分がゆるむと別の部分負担が掛かるのだろう。それでお皿の下にも黄色を張った。帰りの階段は痛みが軽くなり少々こわばりがあるけれど交互に足を出して階段を下りることが出来た。茶筒や踵ゆらしは毎日頻繁にやっている。

19日目、朝電車で30分立ちっぱなしだった。すると階段を下りるとき痛みが強くなった。やはり立っているときの姿勢が大事なのだと思った。
膝が気なると「膝をゆるめる」ことを忘れている。踵ゆらしをやっていてニュウバージョンを思いついた。踵ゆらしは足を一歩前へ出して縦にゆらすのであるが横に出したらどうか?以前、斜め前に足を出してやったときは歪みが取れなかった。
今度は真横である。普通に横に出せば歪みは取れないのはわかっている。

筆者は靴底が踵の外側が減るタイプである。右足も左足もそうだ。大分修正されてきてはいるがまだまだだ。それも右足の踵外側が左に較べると減り方が大きい。
それで右足を真横に出し踵内側に体重を載せるようににして上下にゆらすとバランスが調ってくる。左足はどうか?踵内側に体重を載せてやると不可、踵外側ならOKである。
これは内重心・外重心の調整にいい。体軸に対する足裏の角度を調整するのにいい。
同日、帰りの電車も立ちっぱなしだったが階段はまあまあ大丈夫だった。


167 腰は呼吸器である   2005-2-3

小笠原流礼法の稽古の時である。教えてくださっている先生の足裏がきれいなことを発見した跪座(正座から両足を爪立てた姿勢)の姿勢の時、両足裏が実にきれいで左右対称で凸凹もない。このようにきれいな足裏を筆者は始めて見た。
患者さんの足裏は随分見てきた。左右対称の足裏なんてあるはずがないと思いこんできた。さすが幼少の時から礼法をやってこられただけのことはある。
すらりと伸びた美しい姿勢はこのきれいな足裏によって支えられているんだと思った。

患者さんの足裏を見るときはうつ伏せのとき、両足の倒れの左右差を見る。
どっちの踵が起きているか?起きている方が脚を痛めやすい方である。
左右差があるから両拇指の位置が異なる、踵が立っている方の脚が短く見える。
土踏まずの凹み方が左右で大きく違うし、足首の左右への開き角度・前後の曲がり角度・内側外側の倒れ角度が右足と左足で随分と違うのが普通である。
仰向けになると両足が開いてしまう方がいる。これは外転しているという。

足首が倒れて床に足の外側のラインがくっついてしまう方がいる。これは外旋しているという。当然ながら開き方・倒れ方に左右差がある。
こういう方は骨盤の後側、仙骨・尾骨周辺が固くなっている。
これは自分を強く押さえつけて思うがままに動けない状態が続いているとこうなるのだろうと見ている。と書いてきてO脚もその口ではないかと思った。
筆者はO脚である。大分改善されては来たがまだ膝はピッタリとはくっつかない。

O脚は大腿部が外を向いている。骨盤の後側が硬くなっているはずだ。
硬くなっているはずだと書いたのは自分の身体というのはわかっているようでわかっていないのだ。筆者の腰が硬いとは思っているが普段は忘れているしO脚とは結びつけて考えていなかった。思うがままに動けないということは生きたいように生きていないことである。それは生き苦しいことであり息苦しいことでもある。

硬い腰には軽くゆらす・軽く叩くが有効である。もう一つ手を当てるがある。仙骨の上あたりに手を軽く載せてほんの少し引き下げる感じでキープする。これだけで呼吸が深くはいるようになる。
腰は呼吸器である。腰椎も仙骨も尾骨も大事な呼吸器である。手を当てているだけで呼吸が深くなりバランスを回復できるようになってくると難しい手技は必要あるのだろうか?疑問を感じ始めている。

楽に生きるということは息が楽に出来るということである。
呼吸が楽ということは身体に歪み・曲がり・ねじれが少ないほどいい。
歪み・曲がり・ねじれが少ないということはコリや張りが少ないうことである。
コリや張りが少ないうことは精神的な緊張・悩み・恐れ・悲しみ・怒り等が少ないということである。


169 呼吸を深くする姿勢がある   2005-2-132/12

呼吸塾の定例会。入ってきてすぐ脈を見始めて方がいる。そしてしばらく横にさせてくれという。おっ、大変な人が来たなと思った。頻脈と頻尿に悩んでいる。昨年10月高熱が続いて倒れてから休職している。背骨を見ると胸椎5番と腰椎4番が大きく曲がっている。背骨が曲がっているというの背骨を支えている筋肉の固さに左右差が出ているということである。腰を下ろして足裏を合わせると右膝が高い。仰向けになってバンザイをすると左手が固い。北枕のことは知っておりずっと北枕をしてきた由。

仰向けで合掌両手ゆらしを10呼吸くらいやって、バンザイをすると左手下りてきた。
まだ少し差があったのでキラキラ星と手のブラブラと肩の3点セットと続けた。
これで肩の方は終わり、今度は股関節の方だ。仰向けで「かかと落とし」右足をやって左足をやってチエックする。右膝が高かったのが下りて逆に左膝の位置が高くなっている。

「トイレにいきたいのですが」「どうぞ」と答えると「時間が掛かりますけど」という。尿意があってもいつもなかなか出ないし病院でも原因はわからないのだそうだ。
トイレから帰って両手を伸ばすと両手の長さに差が出ている。
自分でも今まで手の長さが気になって見てきたという。左右差が7〜8センチ位はある。

「あなたの歩き方に問題があるんですよ。」といって右足だった左足だったか忘れたが立って開いている足を3センチくらい内側に向けて部屋を2往復する。
そして両手の長さを見るとどんぴしゃりとそろっている。更に従来の歩きに戻して1往復歩いてチエックすると手の長さがまた狂っている。それから立った時の姿勢である。
筆者と同じく膝を伸ばし過ぎて腰が反っている。膝を少しゆるめてお尻をちょっと凹ませるというと整骨院でもいわれましたという。この姿勢だと両手の長さは揃っている。
膝を伸ばすとまた両手の長さに差が出てくる。
これで普段の姿勢・歩き方が大切ということがわかっていただけたと思う。

うつ伏せになってもらって背中を見ると。背骨の曲がりはほぼなくなっておりきれいに伸びている。ところが左肩胛骨の下あたりがコツンと硬い。その上にも硬いコリがあったがそれはすぐ取れた。コツンと硬いのは手強い、若干時間が必要と見た。「大分腹を立てていますね」と聞くと「5年前、ある事件で怒りまくってきた」との返事である。
ストレスは筋肉に溜め込まれ身体を硬くし歪ませる。

次は仰向けで首をコロンと回りやすい方に廻して休んでもらう。右足を少し開いて座布団を入れた。左手を上にして右手は下にする。すると呼吸が深くなりお腹が大きく動くようになってきた。書きながら思ったのだが左右の手の位置がことによると逆だったかもしれない。検査ではOKだったがなんで左手を上にしたのか、昨日のことなのに思え出せないのだ。検査があるから技・ワークの是非が客観的に検証出来る。
呼吸が深くなれば身体の復元力が勢いづく。回復は早くなる。
寝たときの方位、横になった姿勢、そして更に呼吸を深くする姿勢がある。


170 合掌両手ゆらしで胸椎5番の曲がりが取れる!   2005-2-17

〇〇〇〇さま

ご主人が北枕に賛成されない由、でも北枕に変えるだけで身体の歪みが取れていくんですよ。同封の「北枕の秘密」を読ませてください。

20代の女性で寝るときは仰向けなのに朝はうつ伏せになっているという方がいました。「南枕でしょう」といったら当たりでした。「寝相が悪いんですよ」という40代の男性、この方も南枕でした。あるグループで30人くらい集まっていたのですが北枕の方はと聞きますと5〜6人の方が手を挙げました。
楽楽はうすの大家さんである美容師さんに北枕の話を得意になって話したら「そんなのとっくにやっているよ」といわれてしまいました。
北枕をすすめた若い女性、北枕はすごいとおっしゃるのです。わざわざバンザイをしなくとも感覚でわかるんですね。こういうシャープな身体感覚を持っている方もいます。
皇室ではみんな北枕でお休みだと聞いたことがあります。知っている方は皆黙って実行されているんですね。

それから電話でもお話ししたんですが、外反母趾が3年前よりもひどきなっています。
毎日、足袋を履かれることをおすすめします。足袋はいいですよ。
テーピングをするよりいいと思います。少なくとも外反母趾を今以上悪くしないでしょう。足は体重を全部支えています。外反母趾がひどくなればひどくなるほど身体は歪みやすく、歪むと身体が疲れやすくなります。
その上いろんな障害ー足腰だけでなく内臓や血流・リンパ等に悪い影響がが出てきます。

おすすめのワークは「合掌両手ゆらし」です。これは上半身・腕・肩・首を調整します。目にもいいと思いますよ。最近気が付いたのですがこれをやると胸椎の5番の曲がりが取れるんです。胸椎の5番は免疫機能と関係しているといわれています。
曲がりやすい背骨でたいていの方が曲がっています。毎日やっていれば風邪は引きにくくなるし花粉症も軽くて済むだろうと思っています。

それと膝やふくらはぎに痛みが出やすいようですが「茶筒」がいいです。
お茶を詰めるときのように立った姿勢で足をつけたまま身体を上下にゆらすやり方です。足首・膝・股関節を調整します。これも足袋をはかれてやった方がいいです。

合掌両手ゆらしは、短時間でいいですから毎日やってください。何十年も続いた身体の癖は簡単にはなくならないですよね。毎日毎日やる必要があるんです。年と共に筋力は落ちてきますし歪みも大きくなってきます。是非毎日おやりになって下さい。

                                    草々


171 膝の痛みが続いています   2005-3-18

1/8膝を痛めた。今日で70日。正座をしていると痛くなってくる。
1ケ月前は正座をして直ぐ痛みを感じた。確実によくなってきてはいる。あぐらでも痛くなってくる。電車で30分立っていると階段を下りるとき痛い。でも階段の途中で痛みが薄らいできた。前はしばらく痛みが続いた。
競馬馬だったら今頃、薬殺or射殺?されているだろう。

痛めてから30日位経ったとき、治るには治るため時間が必要なんだ。じたばたしてもしょうがない。じたばたしようとしまいと時間は必要だと思った。それが70日。長すぎる。骨折だって1月も経てばくっつくというのに。なんでこんなに掛かるのだ。

2月3月は季節の変わり目、冬から春へ身体は変わろうとする。季節に合わせて骨格・筋肉が微妙に変わっていく。これもなかなかわかりにくい。骨盤を触り続けてきて夏と冬の違いが少しわかった程度である。身体が季節の変化についていけないと痛みやコリが発生するらしい。この季節、腰とか背中とか痛くなっている方が何人もいた。
筆者の膝痛も季節的な要素が加算された結果ではないか?腰の上部がえらく張って疲れた感じが何回も出ている。膝をかばってと思っていたがどうもそればかりでない。

先月中頃、美容師のNさん、筆者が水曜日いっている整体院の大家さんである。
鼠蹊部がひどく痛むという。前日の寒いなかのゴルフ練習か、フオームをまたいじったのか?朝すぐ治療をする。敏感な方で軽い刺激ですぐ変化する。お昼ごろまた痛いという。このときはお客さんが待っていたので短時間に5分間くらいですませた。
ところが5時頃また痛いというのだ。こんなのは始めてである。いろいろ考えてみたがどうも季節のせいらしい。でも季節がこんなに影響するなんて普通考えないだろう。
冬から春へ寒い季節から暖かい季節へ変わろうとする。人間の身体も季節に合わせて変わろうとする。骨盤がこの季節は開いていくと聞いた。寒かったり暖かったりすると身体も慌てるらしい。

3/17は礼法の稽古日である。いつも参加されている女性が腰痛とかで欠席である。
彼女も敏感な方らしい。美容師のNさんもこの女性も敏感と書いたけどもこれが正常当たり前なのかもしれない。このお二人は多分季節の変わり目にまた同じような症状が出ると思っている。身体を固めてしまった方はこんな症状は出ないだろう。

筆者のケース=膝への衝撃×季節の変わり目×年齢的衰え×環境汚染

リューマチの方や手術をされた方が季節の変わり目に痛くなるという話は聞いている。
腰痛や肩こりやそほかの身体の痛みが季節の変わり目に増加するなんて考えなかった。
人は小宇宙であるといわれるように人は自然の一部であった。身土不二ということばもある。それが暖冷房の完備・食物自給率低下・高層住宅の普及・水や空気の汚染等が人の身体は自然とかけ離れた存在になっている。季節の変わり目には身体のあちこちが痛いと訴える人がますます増えるだろう。


172 座位脚ゆらし誕生   2005-3-20

筆者は右足が外反母趾である。右足の外反母趾は左手の拇指を廻すと治ると聞いたことがある。教わったときは毎日廻したのだがあまり状態は変わっていない。風呂に入っているときだ。左手拇指を動かすと右足の太衝?のツボあたりがかすかに動くことに気がついた。よほど集中しないとわからない。脈動かなと思ったが違う。確かに右手拇指の動きと連動している。右足と左手は関連していると納得した。身体の各部分はは直立二足歩行でのバランスを維持するために微妙かつ複雑に影響しあっているのだ。

高麗手指針でも左手拇指が右足に対応し第2関節が膝に相当するという。
筆者の左手拇指の付け根に固い大豆くらいの突起がが出ている。1年くらい前からかな。左手拇指の付け根をいろいろ触っている。何回もやっていると普段気がつかない筋肉の状況がわかってくる。固いところ、筋張っているところ、ふにゃふにゃしているところ、押すと痛みのあるところといろいろある。痛みの程度だって場所によって違う。
つけ根の周囲に異常があるようだ。ことによるとこっちの方が膝痛の遠因だった可能性がある。何かの拍子に痛みを感ずる。例えば左手を水を切るときのように振ると親指の付け根に痛みを感ずる。これは膝を痛める以前よりときどきあった。

それから右耳外郭中頃と上部あたりに腫れ?がある。これも膝と関係ありそうな気がする。耳針法にくわしい方ならわかるだろう。何のもしていないのに、あぐらをかいているだけなのに痛くなるのは困る。大した痛みではないけれどイヤな痛みなのだ。立って踵ゆらしや爪先ゆらしをやれば取りあえず痛みは消える。

椅子に腰掛けて足をゆらしてみた。これが案外いい。立って踵ゆらしは爪先を持ち上げてやる。それで身体の固い方の場合、こむら返りが出たケースがあった。これが一番力が抜けた状態でゆらせるので脚の緊張している方には特におすすめかと思う。
人によって違うとは思うのだが多くの人は右足が特にいいようである。
やっていると足の中が透明になったような不思議な清涼感が生まれた。

椅子に腰掛けて片足を30センチくらい前へ出して踵を床に着けて膝を上下に軽くゆらしす。これは膝ゆらし、踵ゆらし、爪先ゆらしみんなはいっているじゃないか。なら「座位脚ゆらし」という名前にするか。やっているうちに右と左では使い分けた方がいいとわかった。右は爪先を伸ばし気味、左脚は爪先を反らし気味の方がいい。

今まで身体をゆらしてゆるんだ感じとか、背中が温かくなるとかはあった。
清涼感というの始めてである。膝の痛みが一時的にでも取れたせいかもしれない。
そうなら膝が元通りになったらこの感じは味わえないだろう。ひざの痛いのは困るがお陰で新しい発見がいくつかあった。これはうれしい。


173 心・身・息の関係には二通りの方向性がある   2005-3-27

ホームページをリニューアルして表紙に画像を入れた。

「息がが変わると身が変わり心が変わる」
「身が変わると息が替わり心が変わる」
「心が変わると息が変わり身が変わる」
「見えない心と見える身体をつなぐのは呼吸です」
ということをイメージした。

楕円の部分に矢印を入れたかったのだがこれが難しい。何回やっても曲線に合わせられない。出来たら動画で表示したい。画面に心・身・息を小さく出して次に大きく出す。大きくなったら片方向に楕円のラインが動き始める。動き始めたら今度は逆方向に回転する。そしてそれを繰り返すというイメージである。心・身・息の関係には二通りの方向性がある。それがうまく表現できたと思っている。

ところが筆者の現在のPC能力ではとてもとても遠い話だ。楕円線上に矢印を入れるのさえ難しい。Wordで画像を作ったのだが色彩の組み合わせも難しい。
いろいろ変えてみたのだが出来映えはあまり変わらい。これ以上ムリだなとあきらめた。アップしたら色彩の感じがまたイメージとガラリと変わってしまった。

息と心・身の変化は多分同時に起きている。意識に上がるのはそのうちの一つなのだと考えている。
以下ブログから再録である。「3/4こころと身体と呼吸はひとつのものと書いた。
3/4の画像を見せた方から「食はどうなんですか?」と聞かれた。食も同じくひとつの物である。当初、ピラミット状の模型を考えた。心・身・息・食を一面宛振って今出ている症状を正面とすれば他は隠れて存在するとした。

でも単細胞時代は空気も食物も皮膚?から取り入れ排泄も皮膚?からやっていた。だからまあひとつに引括ってもいいのではないかと思った。乱暴な話といえばそうかもしれない。人間のように高度に進化した動物になると食と呼吸は別にした方がいいのかもしれない。身体に入れたり出したりするという点では同じではある。

呼吸というものに関心を持ち続けてある程度は人に話せる。
食については失敗の歴史を持っている。マクロビオテックの「身土不二」「一物全体の法則」の考えを基本と考えている。筆者自身の失敗の歴史が人に食を説くことにためらいを生じてる。食が身体をつくり心をつくる、それはそうだなあと思っている。


174 首のコリは鼻にあり?   2005-4-17

この随想はその時その時の感覚で書いている。前に書いたものを読み返してみるとおかしい箇所がある。こんなこと書かない方がよかったと思うこともある。筆者の感覚がここ5〜6年で大きく変化してきている。だんだんシャープというか敏感になってきている。

筆者は長い間、鈍い人間だとばっかり思ってきたがそうでもなくなったらしい。
しかし長年の記憶にあるのは鈍感男である。感覚がシャープだとか運動神経が鋭敏だとかいわれるとどうしてもなじまない。自分は最低のレベルだという思いがある。
ところが自分の息子ぐらいの年代の方を見ていると自分の方がよく動けるし息切れもしない。その時始めて自分は変わったんだと思う。

感覚がシャープになってくると、今まで気がつかなかったことに気がつく。
新しい発見があるとうれしい。
4/22ブログに書いた「身体がくの字になった」曲がっている方にちょっと余計に曲げてやると呼吸が楽になり曲がりも取れてくる。これは応用が利く。

頭部の左右の倒れ・ねじれも同様にして取れる。足首もそうだ。
右足と左足を較べて余計に反っている方を反っている方にちょっと余分に反らしてやる。これだけでもうまくすれば全身のバランスを整ってくる。結果はバンザイ検査でわかる。うまくいかないときもある。
それは身体が歪みが多かったり、コリ・張りが多いと末端の情報が脳に伝わりにくくなっているからだ。でも毎日やっていればごく単純・簡単な操作で身体を整えることが可能となってくる。

先月の定例会に出席された50位の針灸師の方。左肩胛骨が後側に出っ張り、上部に持ち上がっている。右は左より下に落ち、肩が丸く前に出ている。胸椎5番右?に突出ている。不眠症、それと花粉症がひどく何か方法はありませんかという。

胸椎5番の曲がりは合掌両手ゆらしで取れた。左右の肩胛骨の差は筆者の右手も右肩胛骨の上に載せ斜め上にちょっと伸ばしてやる。次第に呼吸がゆったりとしてくる。
呼吸をゆったりになってくるにしたがい歪みは取れてくる。

仰向けになると頭が左に倒れる。左首に触ると固いコリがある。「これ3番(頸椎)あたりですか?」「そうです」「鼻と関係ありますか」「頸椎3番は鼻とつながっています」ベテランの治療師である、よく勉強をされている。
右鼻の脇を軽く触れる。1分くらい触れてから左首に触れるとコリが見事に消えている。「楽になりました」といって帰っていった。


175 踵で後歩き   2005-5-21

筆者は高所恐怖症である。地下鉄にやけに長いエスカレーターがある。乗ってだんだん高いところにくるとお尻の穴がなんだかスースーしだし、足がすくんでくる。身体が次第に前に傾いてくる。

せっかちな方やハイヒールを履く方は前重心になると書いた。
恐がり屋さんも前重心になる。前重心になるのは足の構造からしてもそうなる。
足裏と大腿骨、脛骨・腓骨はL型をなす。直立構造の人体にとって足裏−Lの底辺の真ん中辺りに重心があると一番安定する。その分人体は若干前に倒れた姿勢になる。
したがって後重心はあり得ない。重心がだんだん後にずれていくことを後重心と称してい
ることになる。最近ブログに「後重心になると歪みが取れてくる?」を書いた。

「日本人の重心が年々後退しこのままで行くとまともに立てなくなるだろうという研究がある。先年亡くなられた平澤弥一郎博士やその後継者達の発表による。
これは原因と結果を逆にとらえているのではないか?
空気・水・食べ物の汚染、運動不足等々がストレスとなり歪みを生じている。
その歪みを調整するために後重心になってきているのではないかと筆者は考えている。
極端な後重心、足の両爪先を上げて前や後に歩いてみる。
そうすると身体の歪みが取れてくる。」

乗り物・通路など場所を問わずどこでもお尻を地面につけて座り込んでいる若者たちをジベタリアンというのだそうである。
今や増え過ぎてニュースにならない。

足裏の爪先を100とし、踵最後部を0として重心がどこにあるかを測定する。理想的には48〜52の間とする。
それが年々後にずれてきて1996年で39.3である。
安定して立っていられる重心位置は35〜75だからほぼ限界に近づいている。
桜美林大阿久根教授の学生を対象とした調査結果である。
「日頃運動していますか?」という質問に「していない」という回答が96.2%だったという。

これを読んで筆者も後重心になってきたから立っていられない。それでジベタリアンが増えたのだと思ってきた。どこかにそのように書いた記憶がある。
しかしブログに書いたように、後重心になったから立っていられないのではなく、後重心にすることで身体の歪みを調整しているのだと考えている。
歪みのひどい方は踵で後歩きを試してみたらいい。歪みが取れてくる。



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